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伊藤卯四郎君 そのうち、
自由党委員に十六回の質議を與えておるのであります。
審査の参考に資するために
公聽会を開くこと四日間、さらに理事会を開いて本案
審査の円滑なる
議事の進行をはかること前後三十二回に及んでおりますが、この間、御
承知のごとく会期切迫の今日にありまして、
審査終了の見透しは全然つかないという現状であります。この点、
委員長といたしまして、誠に遺憾の次第でございます。
本案は御
承知のごとく、本院に
提出します以前におきましても、昨年九月二十五日対日理事会において炭鉱國有化が初めて論議せられて以來、院の内外におきまして幾多の論議が繰返された、問題の
法律案であります。ひとたび本院に
提出されますや、
議員各位は重大なる関心を寄せられ、すでに本
議場におきましても、九月二十七日の自由討議の
会議において、
商工大臣より
提案理由の説明を聽取し、各討議者より峻烈なる論議が展開せられたのでありまして、
議員各位はすでに十分なる御研究を遂げられておるのでありまするから、いまさら申し上げるまでもないのでありまするが、御
承知のごとく本案は、わが國産業の復興と経済の安定をはかるために、
政府と
石炭鉱業の
経営者及び從業者が三位一体とな
つて、全力をあげて
石炭の
増産を達成するところの体制を整えるために、
政府において臨時に
石炭鉱業を管理し、も
つて経済危機打開の前衛たらしめんと企図するものでありまして、刻下のわが國における最大緊要事であります。
本案の
審査方針に関しましては、理事会において決定し、それに從いまして最初に各党
代表より質疑を行うこととし、質疑の中におきまして
公聽会を開き、その後各党
委員より逐次質疑の
発言を許すことといたしたのであります。從いまして、各党
代表質疑
委員としまして、
社会党より岡田
委員が二日間、民主党より西田
委員が四日間、
自由党より淵上
委員が七日間、次に
國民協同党より早川
委員が半日、第一
議員クラブより前田
委員が一日半、計十五日間、続いて各党
委員より質疑を行うこととなり、
社会党より大矢
委員及び民主党より生悦住
委員が各一日間、
自由党深津
委員が四日間、民主党庄
委員が二日間、
自由党神田委員が三日間にわた
つて質疑を行い、
目下なお質疑を継続中という状況であります。なお農民党高倉
委員より、北海道暖房用炭に関する緊急質疑を行
つております。
委員長といたしましては、
法案内容の重大性に鑑みまして、遺憾なく質疑を徹底せしめるはもちろんでありますが、会期の関係上、
参議院鉱工業委員長からも同院への送付の時期について
希望の申越しがあり、一方
委員各位の熱烈な要望にこたえて、相なるべくは漏れなく
発言の機会を與えたいと存じまして、かたがた、たとえば各党
代表の質疑が終りました後は、各
委員の
発言時間を一時間ずつに制約するとか、本筋を放れた質疑のために時間を費やすことのない
ように
発言者の注意を促す等、平日はもとより本
会議の際にも
委員会を続開する
よう特に
議長の了解を得ておることを説明して、理事会や
委員会の同意を求める等百方努力をいたしたのでありますが、不幸にしてその意を果さず、その結果前述の
ような進捗状況となり、ために、すでに
法案の趣旨はもとより、個々の條文についても論議が盡されたにもかかわらず、あたかもいたずらに
議事引延ばしを策しおるがごとき印象を與えている
ような状態でありますことは、(
拍手)
委員長として遺憾にたえない次第でございます。
しかし不幸にして、本案
審査の当初、
自由党代表より一日おきに
開会せよとの
意見が出ました。しかるに
会議進行半ばころより、三日間開いたら一日休む
ようにしてほしいとの
動議もありました。また先ほど申し上げましたごとく、本
会議の際にも
委員会を開く
ようにするという了解を
議長よりもら
つているにもかかわらず、本
会議のある日には、きま
つて会議を開くことにきわめて猛烈な
反対な
発言があり、
ゆえに、ほとんど
委員会を開き得なか
つたのであります。(「
ノーノー」)
委員長といたしましては、と
かく新聞等において本
委員会の非能率ぶりを非難されており、
國民はまた本
法案に対して絶大なる期待と関心をかけておる現状に鑑み、毎日でも
会議を開き、
審議時間を多くして本案の重要性にこたえることを提唱したにもかかわらず、本
法案に
反対の
委員諸君は、
委員長に
審議をあまりに急ぎすぎるという牽制を加える
発言があ
つたのであります。(
拍手、「うそを言うな」と呼び、その他
発言する者多し)
國民の要望にこたえ得なかつたことは、きわめて遺憾の至りであります。また質疑中にも、
法案を中心にして重複を避けて
審議をされる
ようにたびたび要求したにもかかわらず、これまた皆樣の御期待に副い得なか
つたのであります。その後、去る十七日より二十日までの四日間
委員会を
開会し得なかつたことは
——以上の
ような諸般の複雑なる事情によりまして本
委員会を開き得なかつたことは、
委員長としてははなはだ遺憾の極みであります。
委員会の撹乱策が
開会前より猛烈に試みられた結果でありまして、これまたやむを得ざることとは言いながら、はなはだ遺憾のことでございます。(
拍手)
次に、十一月二十日、明二十一日午前十時より
鉱工業委員会の
開会を
公報をも
つて通知方を申し入れておりましたところ、聞くところによれば、同日夕方
鉱工業委員中十五名の名をも
つて委員長不信任の声明書を発表し、同時に
委員部に、
委員長不信任を議題として
委員長に無断で
委員会開会要求を
提出されたということであります。
二十一日午前十一時、第十一
委員室において理事会を
開会し、
委員長として、午前中
議事を処理し、
委員会の秩序を保持する諸般の事情より、
会議を開くこと不可能であ
つたので、午後より
会議を開きたいことを理事会に諮りましたところ、理事七名中四名は
委員長の提唱を了承されたるも、
あとの三名は
反対を表明しました。
委員長は、午後より
会議を開くことの旨を理事各位に発表し、同時に出席
委員に対し、午前中は
会議を開かず、午後より開くことの旨を宣言し、
委員長ほか四名の理事は退席したのである。
委員長は、
委員室を退室すると同時に、大池事務総長に以上の
報告をなし、よ
つて万一残留
委員より速記者等の出席要求があ
つても、
委員長はこれを承認しないのであるから、絶対にさ
ようなことのない
ように注意いたしたのであります。
あとに残つた理事三名と
委員十三名は、勝手に
委員長に無断で
委員長代理を選任し、
会議を開き、
委員長不信任の
動議を決定いたしたということでありますが、これは何ら
委員長の了承を得ず、無断で
開会し、あまつさえ、
委員部の職員に対して半ば脅迫的に出席を強要し、さらに速記者を強引に
着席せしめ、独断で
委員会を開き、非合法的に
委員長不信任を
決議したものであ
つて、
かくのごときは、まさに
委員長の権能を無視したる
暴力的行動であ
つて、
國会の権威、憲法の嚴粛を侮辱するものであり、断じて許すべからざる違法行為であると信ずるのであります。(
拍手)
本二十二日午前十時の
委員会開会は
公報をも
つて通知してありますが、正十二時まで
開会を延ばしておりましたが、
委員長とともに十二名の出席であ
つたので、
委員会開会の定足数に達しなかつたが
ゆえに、出席
委員をも
つて懇談会を開きました。
委員長において必要と認めたので、特に速記に付しました。昨二十一日午前十一時ごろより、
臨時石炭鉱業管理法案の
與党三派の修正案が、
日本社会党松本七郎君の名をも
つて委員長に
提出されたことも、本懇談会において
報告いたした
ような次第であります。
以上の
ような次第でありまして、
委員会の現状においては、
審議を進めることは非常に困難であるということを附け加えまして……(「うそを言うな」と呼び、その他
発言する者あり)
報告を終る次第であります。(
拍手)