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森戸國務大臣 ただいま
松本委員から御
質問になりました
福岡縣の
國立筑紫病院と
三宅新制中
學校との間に起
つておる問題でありますが、これは
松本委員の言われたように、
新制中學においては各
地方での
教室がありませんのでもちろんこのたびの
追加豫算により、あるいはこれをあてにして新しい建築が行われておりますると同時に、利用し得る
施設をこれに轉用することも、十分考えられなければならぬのであります。かような
一つの例として、實は
筑紫病院の問題があるのでありまするが、全般的に申しますれば、
病院自身も、今日の
日本の
状況からいたしまして、
國民健康の
状態が國立的な
病院を必要といたすことも、十分
了解できるのでありますが、他面その
施設で遊休的な
部分があるならば、また
戰時中に過大に擴張されて、これが十分使いこなせていない點があるならば、殊に
地方民からこれらの
敷地等がむりに供出させられたというような
事情があるならば、なおさらこういう點について、
地元民が、殊に子弟の
教育という公共的な
目的に、さような
部分を轉換してくれということも、十分な理由があることと存ぜられるのであります。ただ、ただいま申された
具體的な問題について、殊に
熊本財務局との六月
以來の直接
交渉の問題は、その
地方の問題として止まりまして、私
ども實は聞き及んでおりません、問題の
むしろ具體的な形は、
新聞によ
つて存じたような次第であります。しかし、約二週間くらい前でありましたか、
關係の、
福岡縣の
地元の人々が見えまして、こういうような
事情にあるので、
一つ御
考慮を願いたいということでありまして、私、
文政當局の
責任者といたしましては、
餘裕があれば、できるだけそういう
施設は、殊に今日
不足を告げておる
新制中學に轉用してもらえるようなふうに、お願いいたしたいと考えておるのであります。同時にこれは
厚生省の所管に属することでもあり、
日本の
保健状態から言いましても、
病院というものが必要であることもまた
事實であります。しかし
實際の
事情がどうな
つておるかということが、明らかにされなければならず、そうして何分にも
厚生省の同意がない限りは、これはできないのであります。
ちようど厚生次官、政務次官も
文部省の
政府委員室に見えまして、
地元の
學校側の
意見も聽き、また
病院側の
意見もありましようから、そういうものを十分聽いていただいて、殊に
施設を必要としておる
新制中學の
教室、また
地元の
事情等もあるので、歴史的な
關係も
考慮して、
適當に處理していただくようにということをお願いしたのであります。なお
關係者には、直接
事務當局の方にも
事情をよく説明して、
事情に即した
決定を仰ぐようにということを申し上げておいたわけであります。その後の
事情は、まだ私聞き及んでおりませんが、そういう方向で、いずれ
厚生省の側で
調査をされておることと存じております。
文部省が
一般的にこういう問題についてどういう
考えかたをも
つておるかと申しますると、これは
福岡縣のみならず、
數箇所にこういう問題があるのでありまして、たとえば大阪府では、貝塚市にこういう問題がありまして、これも
厚生省とかけ合
つておるのであります。
一般に
病院で、これは戰時の
關係上、非常に廣い地所とそうして
建物がありまして、それが十分に使いこなせていないのであります。他面、
學校の方では
教室が足らないで困
つており、
地元の方では、またそういう
病院を建てるためには、
むりに土地を出しておる
關係もあ
つて、ぜひともこれは
學校に轉用したいという切なる
要望もありまして、
厚生省の方にはそういうような
事情を十分考えて
適當に處理してもらいたいということを、實は
厚生大臣にも申し入れておる次第でありまして、
方針といたしましては、
保健という政策を、私
ども犠牲にするということは考えておりませんけれ
ども、しかしあいてお
つて他に轉用し得るものは、
公共事業として、殊に最も今日
建物を必要とする
學校の方に轉用させてもらわなければならぬということを考えておるのであります。
それから軍その他の
施設を
學校に轉用するという場合、殊に
大藏省では、値段は
時價にして取扱うということになりまして、昨年初めから見ると、約三倍の値上りがいたしておるのであります。これは
營利會社であろうと、
公共施設の
學校のようなものであろうと、一律に取扱われておるので、
學校等特別な資金をもたないものにと
つてはこれは過重な負檐であり、
從つて、ややもすれば、
營利會社等の手にそういうものが落ちるという
可能性が非常に多いのであります。これはまことに遺憾なことだと存じまして、私
ども、
大藏當局と、この點については
十分折衝をいたしておるのであります。さしあたりの問題といたしましては、
遊休施設のうち、
教育施設については、最も優先的に考えてもらいたいということであります。しかして
價格の
決定を、
時價から、急にそれ以外にするということは、今の
現行法ではむつかしいのでありますが、この
價格を定めるにあた
つては、少なくとも
學校に轉用して使えないような
施設がある場合には、それを
價格に繰入れないように、あるいは
學校にする場合には模様替えをしなければならぬ、それについてはいろいろ
改造費がかかるが、そういうものは
價格の中から引くように、そういう意味で
時價の
決定を合理的な、
實情に即したものにしてもらうように、
財務冨局と
交渉をいたしておるのであります。これは
現行法をおいて、その許す限りの有利な
條件をと
つて、そして
實際の必要に應じようということでありますが、さらに
教育目的に轉用する場合には、
一般の法律よりは特例を設けるというようなことも、根本的にはそういう點も
交渉いたしておるような
實情であります。なおこれは
拂下價格の問題でありますが、
使用料についても、同じことが申されるのであります。
最後に
無給副手の問題については
政府委員から御
答辯申し上げます。