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1947-12-05 第1回国会 衆議院 文化委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十二月五日(金曜日)     午前十時五十分開議  出席委員    委員長 福田 繁芳君    理事 佐藤觀次郎君 理事 最上 英子君       猪俣 浩三君    太田 典禮君       榊原 千代君    馬場 秀夫君       森山 武彦君    高橋 長治君       並木 芳雄君    田口助太郎君       竹尾  弌君    川越  博君       小枝 一雄君  出席政府委員         新聞出版用紙割         當事務局長   原田 治郎君  委員外出席者         文部事務官   小林 行雄君         專門調査員   武藤 智雄君     ————————————— 十二月二日  地方新聞用紙當基準改正請願福田繁芳  君外一名紹介)(第一二七五號)  松江城改修請願松本淳三君外四名紹介)(  第一三三二號) の審査を本委員會付託された。 十二月四日  觀光事業に對し國庫補助實施に關する陳情(第  六四一號) を本委員會に送付された。     ————————————— 本日の議會に付した事件  文化委員會觀光事業に關する小委員會報告の縣  請願  一 觀光審議會設置請願高瀬傳紹介)(    第七二八號)  二 觀光國策樹立に關する請願宇都宮則綱君    外四名紹介)(第八三一號)  三 天草観光施設促進請願園田直君外五    名紹介)(第六〇七號)   陳情書  一 京都上加茂ゴルフ場建設に關する陳情書(    第一〇〇號)  二 觀光事業整備に關する陳情書(第一〇七號    )  三 ホテル事業擴充整備に關する陳情書(第五    七九號)   請願  一 ヘボン式ローマ字復活請願坂東幸太    郎君紹介)(第二六號)  二 映畫産業の取扱業種別引上に關する請願(    福田繁芳紹介)(第一五〇號)  三 映畫館入場料金値上の請願福田繁芳君紹    介)(第一五一號)  四 平和の鐘樓建立助成請願松谷天光光君    紹介)(第二六六號)  五 日本式ローマ字普及請願木下榮君紹    介)(第三〇〇號)  六 映寫技術者免許制度改正請願山口六郎    次君紹介)第九一一號)  七 官設展覽會書道部新設請願竹尾弌君    外四名紹介)(第九九三號)  八 大善寺中門重要美術品に認定の請願(坂    東幸太郎紹介)(第一〇五三號)  九 北日本文化開發に關する請願田中角榮君    紹介)(第一〇九三號) 一〇 大學新聞用紙割當請願原彪之助君紹    介)(第一一五五號) 一一 書籍「ローマ字と英語のおとぎばなし」に    用紙割當請願並木芳雄紹介)(第一    一八二號) 一二 象頭山を史蹟名勝天然記念物に指定の請願    (福田繁芳紹介)(第一二二九号) 一三 地方新聞用紙當基準改正請願福田    繁芳君外一名紹介)(第一二七五號) 一四 松江城修築請願松本淳三君外四名紹    介)(第一三三二號)     —————————————
  2. 福田繁芳

    福田委員長 これより議會を開きます。  まず觀光事業に關する小委員長より、過日の委員會において、その審議を委託しましたところの請願天草觀光施設促進の件、同じく請願として觀光審議會設置の件、同じく請願として觀光國策樹立に關する件、それと併わせ陳情として、京都加茂ゴルフ場建設に關する件、同じく陳情觀光事業整備に關する件、同じく陳情ホテル事業擴充整備に關する件、以上六件の審議を終えたので、これが報告をいたしたいとの發言を求められております。これを許します。小委員長高橋君。
  3. 高橋長治

    高橋(長)委員長 觀光小委員會に御付託を受けました請願につきましては、昨日小委員會意見をとりまとめましたので、簡單に御報告申し上げます。  まず請願文書第六〇七號の、天草觀光施設促進請願、この請願趣旨は、天草は宇土半島に續く大小百餘の島々からなり、天下の景勝を集めたかの觀がある。また日本におけるキリスト教文化の發祥地でもあるし、さらにゆたかな海陸の天産と、大陸や南洋方面との交通上から見た特殊な位置とは、天草國立公園としての資格を完璧ならしめている。ついては速やかに天草観光施設をなされたいというのでありますが、具體的には、第一に三角驛天草との國營連絡船、第二には、雲仙公園との空中交通、第三には、島内道路國道編入、第四には、本渡、牛深、鬼池、富岡、大浦などの港灣修築、第五には、觀光ホテル建設を要望いたしております。これらについて關係當局の見解を徴しまするに、第一の連絡船については、現在の民營連絡船との關係もあつて、ただいまのところ、別に國營連絡船意圖をもたず、第二の空中交通目下のところ實現がむつかしく、第三の國道編入研究を要し、第四の港灣修築については、牛深だけを來年度計畫に編入、第五の觀光ホテル建設については、運輸省のいわゆる全國ホテル整備畫中、第五の建設として考えているようであります。  もともと天草が阿蘇と雲仙とをつなぐ觀光ルートとしての重要地點であることには問題がありません。ただそこにどれほでのウエイトをおくかが研究を要するところであります。しかるに去る九月下旬、武藤專門調査員熊本縣廰を來訪いたしました際、同縣の觀光課長は、天草國立計畫ないし觀光整備増強は、すべて十月の縣會において決定すべきところであるとし、本請願國會に提出せられている事實さへ承知していなかつたことなどもありますので、この際本委員會としての天草視察を要望いたしたく、それまでは、本委員會としての意思決定を保留していただきたいと思います。  次に、請願文書表第七二八號、觀光審議会設置請願でありますが、本請願趣旨は、國際親善貿易振興は、觀光事業振興にまつところが大きいが、民間貿易再開とともに、各國代表團の來朝があり、さらに講和條約締結の暁には、多數の外客の來訪も豫想せられる。しかるにわが國の觀光事業は、現状のままではその健全な發達が望めないので、國策として強力に推進する必要がある。ついてはこの際觀光事業重要性を再確認するとともに、各省に分散している觀光行政を統一して、その間の調和をはかり、同時に國家思想もこれを強く表明し得るように、觀光審議会設置せられたいというのであります。  もともと觀光審議会設置案は、わが小委員會におきましても、主要問題の一つとして研究してきたところでありますので、細部にわたつての議論は、まだまとまつておりませんけれども、觀光審議会設置の急務は、全員ことごとくが痛感しているところであり、本請願は何とぞ委員會としても御採擇あらんことを要望いたす次第であります。  最後請願文書表第八三一號、觀光國策樹立に關する請願、この趣旨終戰後の疲弊したわが國が、平和國家建設し、壓縮せられた土地に八千萬の國民を養うには、國内産業の再興と國際貿易の高揚を期さなければならないが、さらに國際觀光事業開拓振興をはからなければならない。ついては、遠大な觀光政策を樹立し、國際觀光港設置、あるいは觀光道路の改良、整備竝びに外客接遇施設充實具體的に実施せられたいというのであります。  この請願にいわゆる國策の意義、必ずしも明瞭ではありませんが、觀光事業國家としての統一的計畫と、それに伴う豫算の計上をはかるべしとの趣旨に介しますれば、これまた刻下の喫緊事であり、本委員會としても採擇に決せられんことを希望いたす次第であります。  以上はなはだ簡單ではありましたが、御付託を受けました請願三件についての小委員會審議の結果を御報告申し上げた次第であります。  次ぎに陳情でありまするが、陳情第一〇〇號、京都上加茂ゴルフ場建設に關する陳情、この要旨觀光事業日本再建上重要な事業であるが、從來占領軍當局において計畫中でありました上加茂ゴルフ場建設は、一應中止の形になつているけれども、京都觀光都市としての重要性を加えつつある時、この計畫の中止は遺憾であるから、國費負擔としてこれが建設を繼續したいというのであります。地元としてはもつとものことと察せられますが、なお詳しく現地調査の必要がありましようし、また一面國家財政の許す限度とも勘案せられなければなりませんので、本件につきましては、本委員會としてもしばらく意思決定を保留していただきたいと思います。  次ぎに陳情第一〇七號、觀光事業整備に關する陳情、この要旨民間貿易再開は、わが國産業振興はもとより、國際觀光事業復活をもたらすものである。ついては觀光事業に關する官民機構の強化、道路ホテルその他接遇施設改善充實と、資金資材の確保や觀光教育普及徹底をはかられたいというのであります。これは全日本觀光連盟の第二囘年次總會の決議に基いて提出せられたものでありますが、觀光事業が刻下の緊急かつ重要事項として取上げられつつあるとき、本陳情趣旨は、ぜひともその貫徹をはからなければならないものでありますから、これは請願に準じて取扱うこととし、本委員會として御採擇あらんことを希う次第であります。  最後陳情第五七九號、ホテル事業擴充整備に關する陳情、これは國際觀光事業におけるホテル事業重要性に鑑み、ホテル事業擴充整備を助成するために、ホテル事業法の制定、本事業の助長、行政機関決定ホテル改修復興新設に對する資材資金特別措置ホテル用品輸入税免除、本事業に對する租税公課の減免、従事員養成機關充實など、その振興に必須の各種方策實現せられるよう要望してきたのであります。これまた刻下緊急かつ重要な問題でありますので、これを請願に準じて取扱い、事情の許す限りにおいて、陳情事項實現をはかりたく、本委員會としても御採擇あらんことを希望いたす次第であります。  以上簡單ながら陳情審議いたしました結果を御報告申し上げました。
  4. 福田繁芳

    福田委員長 諸君にお諮利いたします。ただいまの小委員長報告によりますれば、請願文書表七二八號、觀光審議會設置請願文書表八三一號、觀光國策樹立に關する請願、この二件とも採擇でありまして、文書表六〇八號、天草觀光施設促進請願、本案は觀光地としての視察調査をいたし、なお縣當局意向及び地元一般人、いわゆる民情調査をするまでは採否を保留いたしたい、こういう御報告であります。この委員長報告通り決定いたすに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 福田繁芳

    福田委員長 御異議ないようでありますからさよう決しました。(拍手)  二案の採擇の分はただちに内閣へ送付いたします。  なお陳情につきましては、第一〇七號、觀光事業整備に關する陳情、この二案は採擇でありまして、第一〇〇號、京都上加茂ゴルフ場建設に關する陳情は、現地を十分調査いたし、なお目下のわが國家財政からにらみ合わしても、しばらく研究の餘地がある、こういうわけでありまして、言いかえれば二案は採擇で、一案は保留、こういう報告でありますが、委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 福田繁芳

    福田委員長 御異議がないようでありますから、請願に準じてこれまた採択いたします。(拍手)     —————————————
  7. 福田繁芳

    福田委員長 この際諸君にお諮りいたします。本日の日程相當でございますが、政府委員なり、あるいは紹介議員の都合で多少日程の順序を變更いたして、委員長の手元で逐次適當審議いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 福田繁芳

    福田委員長 御異議ないようですから、さようにいたします。  日程一三、地方新聞用紙當基準改正請願文書表一二七五號、これを議題に供します。本請願紹介委員ほか一人になつておりますので、諸君のお許しを願いまして、この席から委員長が本請願要旨簡單に申し上げます。  この請願は、全國地方新聞總連盟の名のもとに提出されておりまして、提出者を見ますれば、東北新聞連盟代表関東新聞連盟代表中部新聞連盟代表北陸新聞連盟代表山陽新聞連盟代表、四國新聞連盟代表九州新聞連盟代表、こういう諸君が連署で請願してまいつておるのであります。その要旨は、要約いたしますと、新聞用紙現行當基準は、はなはだ不公平である、かつ實情にそぐわない。それは衆目の一致するところである。この結果、日本新聞界の適正な發展は根本的に妨害され、さらに日本民主主義の推進さえも阻害されている。とりわけ地方新聞にとつては、激増する讀者の需要と新聞經營の二點から、現行制度ではもはや耐えがたいものとなつてきた。さいわいにして今日要旨増配の機運に際會していると聞く。このときもしも舊來の割當基準とし、さらに過去の割當委員會割當豫定をそのまま續行されるなら、一層地方紙は不公平な地位に陷る危險がある。よつてわれわれは、一、經營上危急に直面している地方新聞を救うため優先的増配により、少なくとも平均十萬部以上の用紙割當、二、割當基準根本的改正と公正なる新基準の確立、以上二つの事項の早急なる實現を期し、別紙説明書を添附して請願いたす次第であります。これが本請願趣旨でございます。これに對して政府當局の御意見を御開陳願います。
  9. 原田治郎

    原田政府委員 ただいまの御請願趣旨は、きわめて適切なることと割當官廰でも考えております。從つて今日までかような申出が各社から事務局にも殺到いたして、その返答に窮している次第であります。委員會におきましても、やはりさような立場から、何とか特色をもつ地方新聞用紙増配をいたしたいということをもくろんでおりましたが、この御趣旨にありますように、中央新聞地方新聞、あるいは新興紙基準を變えると言うためには、一つのよりどころがなければならぬというようなことから、いろいろ各方面の情報を取入れまして、またその點も協議いたしたのであります。結局御承知のとおりの購讀調査をやつて購読層からこの點を見、それを參考にし、その他の資料も集めてこの點に著手しようというような結論に達しましたので、關係方面の御意向によつて最近購讀調査を全国にわたつてやつた。ところがこの結果が非常に慎重を期するというので、まだある方面で檢討いたしておりまして、割當官廰にも、委員會の方にも、その結果が現れてまいりません。だんだん遅れておりまして、たいへん不本意でありますが、このまま日を過すということも、いろいろな國内情勢、世論の上において許されないというような關係から、實は本日も小委員會を設けて檢討いたしている次第であります。今までは他の方面了解のもとに、増配なり新規審議にとりかかつてつたのでありますが、今度は一年有餘新規増配を取上げておりません。そういうような關係からこの際はむしろ進んで委員會の方で審議して、その結果をもつて具體的にその結果を携えて、ある方面へも了解を得よういうことで準備をいたしまして、目下審議を進めている次第であります。何しろ御承知通り用紙事情が許されないために、ご要求に應ずることのできなかつたことは、はなはだ遺憾であります。御趣旨の線に沿いまして、今後私ども割當官廰といたしましても、委員會といたしましても、十分御趣旨の點をくみまして、御期待に副うような努力をいたすということに相なつております。どうぞその點御了承を願いたいと思います。  なお地方紙あるいは新興紙特殊紙一般紙、今までのものを分類いたしまして、そうして表もできまして、プリントにして御參考までに見ていただくことになつております。いかんせんプリントをつくるのに手間どりまして、本日間に合いません。一兩日中にそれが完成いたしましたら、お手もとにごらんに入れたいと思つております。この點も併せて御了承願います。
  10. 福田繁芳

    福田委員長 諸君に申し上げます。本請願に關連のことで、當局に御質問があれば發言を許します。
  11. 馬場秀夫

    馬場委員 たくさんあるのですが、一つ聽きしたいと思います。今のお話で、割當當局は極力割當數割當てたいという御意向はわかりまするが、用紙が増産されたということからでありますか、あるいは今、ないないという新をどこか削つてやろうというのですか。ただ割り當てたいという意思審議を進めるのか、その點を一つ……。
  12. 原田治郎

    原田政府委員 たいへん痛い御質問答辯に苦しむのであります。實は用紙状況は本月に入りまして、きわめて悲觀すべき現状にある。しかし昨年商工省所管當時におきまして、新規増配を取上げておりました際の毎月の残量等の點を勘案してみますると、多少そこに餘裕はでるのじやないかという見込みがつきました。苦しいながらも、多少重要性もつたものにのみ、何とか御趣旨に副うような方向に進めたいということになつております。決して、用紙生産が樂觀を許すような状況にあるから、さようなことをやるというもではなく、きわめて乏しい紙を、なるべく御趣旨に副うような方向努力をするというふうに御了承を願いたいと思います。
  13. 福田繁芳

    福田委員長 他に御發言はございませんか。——諸君に申し上げます。本請願は次囘の委員會まで諸君において慎重に御審議を願いとうございます。殊に本請願要旨から見ましても、中央紙地方紙との紙の割當の均衡を得ておるかどうか、なおまた地方紙事實地方民人口數から推して、今日どの程度出ておるかというような點を基準にして、十分御檢討願つておきたいと思うのであります。次囘まで留保いたします。     —————————————
  14. 福田繁芳

    福田委員長 次ぎに日程第一四、文書表第一三三二號、松江城修築請願紹介議員松本淳造君外四名。代つて馬場君にお願いいたします。
  15. 馬場秀夫

    馬場委員 紹介議員が見えないので、私代つて請願趣旨をご説明申し上げます。  松江城修築に關する請願でありまするが、本請願は、國賓でありまする松江城は、今から三百四十年前に築城されたものであります。昭和十年五月に國賓に指定されて、現在全國的に、徳川時代における築城の精華を誇つておるものでございます。しかし三百四十年を經過し、土臺及び天守閣は非常に傾いて、崩壊の危機にある。從つて戰災その他で日本の城が非常な被害を受けておる際、国賓のこの松江城を速やかに修築してもらいたい、明年度國費をもつて速やかに修築をされたいというのが請願趣旨であります。
  16. 福田繁芳

    福田委員長 ただいまの松江城修築請願趣旨辯明がありましたので、これに對して政府當局の御意向を承りたいと思います。文部省文化課長小林君。
  17. 小林行雄

    小林説明員 松江城が史跡といたしまして、また国賓といたしまして、きわめて價値の高いものであるということにつきましては、御請願中に指摘されておる通りでございます。しかしながら、これが相當年数を經過いたしております關係から、次第に破損をいたしてまいりまして、ことに戰争中修理を怠りました。關係から、近年相當はなはだしい破損の状態にございます。政府といたしましても、今だに何囘かこれの修理の計畫をたててまいつてつたのではありますけれども、資材資金等關係から現在まで實施に至らなかつたのであります。文部省をいたしましても、これがきわめて價値の高いものであることを十分考えまして、明年度におきましては、明年度以降一應五箇年計畫を立てまして、この修理をぜひとも早急に實施したいというふうに考えておる次第でございます。文部省といたしましても、できるだけ豫算を獲得することに努力をいたしたいと思つております。ただ金額を國費で施工するようにという請願でございまするが、御承知通り城郭建築修理といいますものは、非常に莫大な資材資金を要しますもので、それには國家財政の許します限度もございまするし、その一部分は管理者であり、所有者である地元當局にも御負擔をいただきまして、政府竝びに地元相ともに協力して、これの修理をぜひとも實現したい、かように考えておる次第でございます。
  18. 福田繁芳

    福田委員長 諸君に申し上げますが、本請願に關連して政府當局に對する御質問はございませんか。——質問ないようですから、一言附け加えて次囘まで留保いたしたいと思います。この請願の御趣旨は至極ごもつともでもあり、また今文部當局の御説明も至極ごもつともで、なかんずく、こういう域の修築のごときを全部國庫補助によつて賄うということは、あまり例がないわけであつて、わが文化委員會にもこれに類した二、三の陳情が出ておりまするが、その陳情の中にも、やはり四分の一なり、五分の一程度は地元負擔でいたして、足らずを賄つてもらいたいということも、多分に含まれておりますから、次囘の委員會までに、そういうことも斟酌して、諸君においてよろしく御審議を願いたいと思います。また前例によつて松江城現状を調査する必要があるとならば、派遣委員委員長はこれを許します。希望者があればお申出を願います。次囘まで留保いたします。     —————————————
  19. 福田繁芳

    福田委員長 次に日程第七の官設展覽會書道部新設請願でありまするが、諸君も御承知通り紹介議員同僚竹尾君から、數囘の委員會にわたつて非常に熱心に強調されておるので、本日は最後としてその趣旨の足らないところを附け加えたい、こういう熱心な申出がありますので、委員長はこれを許します。竹尾くん。
  20. 竹尾弌

    竹尾委員 文部省日本美術展覽會書道を加えてほしいという請願につきまして、たびたびお願い申したのでございますが、今日は國會の會期もすでに切迫しておりますし、この委員會でぜひこれを採擇願いたい。こういう趣旨のもとに、重ねてお願い申し上げる次第でございます。くどくどしく申し上げる必要はございませんが、書の藝術であるということは、今や一點の疑いもないところでございます。その事實は、現に日本藝術院會員に、尾上柴舟先生豐道春海先生が加わつておる、特に尾上氏は歌の方でなく、書の方から藝術院會員として名を列せられておる。こういう一つ事實をとつてみましても、今や書が藝術であるという點については、一點の疑いもないと存じております。特に明治以來精密な研究間斷のない修練の結果、現在日本におきましては、書は名實ともりつぱな造型美術としての規模を獲得しておる。こういうぐあいにわれわれは思つております。それでさき尾上豐道兩氏の名でこの日本美術展覽會に書を加えてほしいという請願が出ておりましたのでありますが、文部當局といたしましても、來年度から事情の許す限り、これを展覽會に加えてもいいという意向のごとく承つておりますし、さきにこの委員會で私の質問に答えられて、永江財務次官が、來年からこれを加えるというようなお答えをされたかのごとく、私も記憶しておるのでありまして、どうぞ本委員會におきまして、ぜひ今日これを採擇していただきたい、こういうようにお願い申し上げる次第であります。日展の改組の問題等、いろいろの意見もございましようが、この書を展覧する壁面の問題というような點については、いろいろ解決の方法があると存じておりますし、われわれ委員會といたしましては、この請願趣旨を體していただきまして、ぜひ今日御採擇あらんことを切望いたします。それから今日幸い尾上豐道兩氏が見えられておりますが、何かの機會に、ひとつ御説明機會を與えられんことをお願い申し上げておきます。
  21. 福田繁芳

    福田委員長 諸君にお諮りいたします。ただいまの竹尾君の話によりますと、官設展覽會書道部新設請願は、委員會で數囘論議され、なお政府當局意向もほぼ察知できるので、本日委員會で採択してくれという話でありますが、委員長といたしましては一應社會黨民主黨諸君意向を聽いた上できめたい、かように考えます。
  22. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 本請願趣旨は非常に妥當と思われますので、ぜひ採擇あらんことを望みます。
  23. 並木芳雄

    並木委員 私ただいまの佐藤さんのお話のように、この請願の御趣旨に贊成であります。ただ漢字の制限とか、送り假名の問題、こういうことがあとに殘つておりますので、書道と、そういう新たに興つておりました漢字、また送り假名等の關係でございますが、今までのものは別といたしまして、今後出てくる書道について、そういうものを新しい企畫のもとにやるかどうか。一應文化委員會としてそういうことまで審議できたら、なお結構であろうと思います。書道をかけ離れた藝術として扱うか。現實の漢字制限及び送り假名とマッチしたものとしてこれから扱うかということを條件といたしまして、本請願の御趣旨に贊成を申し上げます。
  24. 福田繁芳

    福田委員長 諸君にお諮りいたします。大體本案は本日採擇に對する異議がないようでありますから、最後に繰返して委員長からお諮いたします。本案を採擇いたすに對して御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 福田繁芳

    福田委員長 全員一致をもつて採擇いたします。(拍手)によつて國會にこれを送付いたします。
  26. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 日程第一二の象頭山を史蹟名勝天然記念物に指定の請願でございますが本請願につきましては地元出身の紹介議員たる委員長からも、詳しく御説明を承りまして、その史蹟名勝天然記念物の指定がまだなかつたことを、むしろ怪しむような次第であります。ついては、ぜひこの際本委員會といたしましては、この請願を採擇されんことを望みます。
  27. 福田繁芳

    福田委員長 諸君にお諮りいたします。日程第一二、象頭山を史跡名勝天然記念物に指定の請願は、今も佐藤君の申されたことく、なお前囘の委員會において、文部當局が出席いたして、今日までは、この象頭山は御神林であつたばかりに指定ができなかつたので、當金刀比羅宮自信が希望するならむしろ喜んで指定いたす、こういうような答辯もあつたので、ただいまの佐藤君の動議は妥當と存じます。諸君にこれに對する御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 福田繁芳

    福田委員長 御異議ないようでありますから、滿場一致をもつて採擇に決定いたします。(拍手)     —————————————
  29. 馬場秀夫

    馬場委員 日程第一及び第五、これはさき請願二六號、ヘボン式ローマ字復活請願につきましては、紹介議員のほか請願人でございます宮崎静二君より、また日程第五の請願文書表第三〇〇號、日本式ローマ字普及請願につきましては、紹介議員のほか、特に請願人であります佐伯功介君より詳細な説明を聽取いたしました。もともとローマ字問題は永年縣案の重要問題でありまして、慎重審議を重ねるべきものであることは、疑いを入れません。本委員會において別に採擇に決しました請願、國語、國字研究機關の設置實施せられる暁におきましては、そこでローマ字問題をも研究いたすはずでありますし、またこのたびに關する調査委員会を設け、本日午後第一囘の顔合せをいたす豫定になつておりますので、それらの機關での調査研究に委ねると同時に、本委員各自においても、今後一層この方向への關心をもち續けていきたいと思います。     〔委員長退席、最上委員長代理著席〕
  30. 最上英子

    ○最上委員長代理 馬場さんの動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 最上英子

    ○最上委員長代理 御異議なしと認めます。     —————————————
  32. 馬場秀夫

    馬場委員 日程第二、文書表第一五〇號、本請願に對する經濟安定本部の見解は、すこぶる消極的であります。ついては本委員會としては、これを宿題としてなお慎重に研究を續けていきたいと思います。  次の日程第八、請願一〇五三號、本請願につきましては、前囘の委員會におきまして、とりあえず現地調査をなすことに決定していたのでありますが、近日本委員會としては、委員長代理として並木委員、それに武藤專門調査委員が同行し、文部省よりは技官乾兼松君外二名、なお紹介議員たる坂東幸太郎は差支えにつき同議員の專務補助員梅原悦太郎君、これらの諸君が親しく現地調査を行うことにはなりましたので、並木君の調査報告を聽取いたしました上で、本委員會としての意思決定いたしたいと思います。  次の日程第九、請願一〇九三號、本請願は時節柄まことにもつともな請願ではありますが、なにせ地域的には一道十一縣、内容的には文化會館の設置、文化課税徹廢、用紙割當の民主化、文化審議會設置、外國文獻の輸入促進のほか、新學制の完全實施等、雜多の問題を含んでおりますので、一朝一夕に決定することは、すこぶる困難でありますし、かたがた委員會としては、今少し研究考慮するというふうにいたしたいと存じます。
  33. 最上英子

    ○最上委員長代理 馬場さんの動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 最上英子

    ○最上委員長代理 本日はこれにて散會いたします。    午前十一時三十二分散會