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1947-11-22 第1回国会 衆議院 文化委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十一月二十二日(土曜日)     午前十時二十一分開議  出席委員    委員長 福田 繁芳君    理事 佐藤觀次郎君 理事 最上 英子君    理事 鈴木里一郎君       猪俣 浩三君    太田 典禮君       榊原 千代君    玉井 祐吉君       馬場 秀夫君    原 彪之助君       森山 武彦君    高橋 長治君       並木 芳雄君    佐々木盛雄君       竹尾  弌君    山名 義芳君       川越  博君    受田 新吉君       木村  榮君  出席國務大臣         内閣總理大臣  片山  哲君  出席政府委員         新聞用紙割當事         務局長     原田 治郎君         運輸事務官   加賀山之雄君  委員外出席者         議     員 松谷天光光君         議     員 大上  司君         文部事務官   寺中 作雄君         運輸事務官   馬場治郎君         專門調査員   武藤 智雄君 十一月十九日委員石田一松君辭任につき、その補 闕として同日小枝一雄君が議長の指名で委員に選 任された。     ————————————— 本日の會議に付した事件  文化行政に關する件   請願  一 映畫産業取扱業種別引上に關する請願(    福田繁芳紹介)(第一五〇號)  二 平和の鐘樓建立助成請願松谷天光光君    紹介)(第二六六號)  三 觀光審議會設置請願高瀬傳紹介)(    第七二八號)  四 觀光國策樹立に關する請願宇都宮則綱君    外四名紹介)(第八三一號)  五 大善寺中門重要美術品に認定の請願(坂    東幸太郎紹介)(第一〇五三號)  六 北日本文化開發に關する請願田中角榮君    紹介)(第一〇九三號)  七 東洋新聞用紙割當の請願大上司君紹    介)(第一一四五號)  八 大學新聞用紙割當の請願原彪之助君紹    介)(第一一五五號)     —————————————
  2. 福田繁芳

    福田委員長 會議を開きます
  3. 高橋長治

    高橋(長)委員 この場合日程變更動議を提出したいと思います。總理がご列席になるまでの間は、請願審議を先にいたしまして、御列席なつたときに日程に入りたいと思います。
  4. 福田繁芳

    福田委員長 お諮りいたします。ただいま高橋君の御提案になりました、總理が見えるまで、日程を變更して請願を先に取扱いたい、こういう動議でございまするが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 福田繁芳

    福田委員長 さよういたします。     —————————————
  6. 福田繁芳

    福田委員長 日程を變更いたしまして、まず日程第七、文書表第一一四五號、東洋新聞用紙割当請願紹介議員大上君がおいでになりませんので、大上君に代りまして、民主黨並木君にこの趣旨説明を願います。
  7. 並木芳雄

    並木委員 代理といたしまして、請願趣旨を朗讀いたしたいと思います。簡単でございますので、その方がかえつて間違いがなくてよいと存じますので、さよういたします。   解放朝鮮カイロ宣言により獨立を約束せられたとはいえども、三十八度線により國情の異なる米ソ両國の管理下におかれ、その影響を受ける關係上内外朝鮮人間思想的分裂を来し深刻なる思想的衝突を見つつある現状であります。   特に終戦後すでに二年有餘の星霜を閲したのでありますが、日本に在留する朝鮮人は現在なお八十餘蔓人の多さを數えその四割以上即ち三十三蔓人京阪神地域に居住しております。   これら在留朝鮮人動静いかん日朝關係に重大なる影響をもたらすものであります。   從つて在留朝鮮人の啓蒙、文化指導機關の創設は緊急を要することは論をまたないところであります。   この要請に鑑み弊社在日朝鮮人指導者中心日本人有識指導者との提携により、昨年十二月弊紙を創刊、途上趣旨達成ならびに日朝民族神善融和を促進すべく、熱意に燃えておりますが、いかんせん未だ新聞用紙割当の恩恵に浴することを得ず、所期の目的達成に困難を感じつつあり實情につき、何とぞ弊社の苦衷御賢察の上、特別なる御詮議により可及的速やかに新聞用紙割当配給を賜わるよう伏して懇願請願に及ぶものであります。  なお、さいわいにして新聞用紙割当受配の暁は弊社創立趣旨に則り当初の編集方針を堅持し、日朝民族親善融和に努め、ひいては世界恒久平和確立に寄與貢献すべく全力を傾注する所存であります。   昭和二十二年九月五日    大阪市生野區猪飼野中三丁目六     東洋新聞社社長 金斗煥    衆議院議長松岡駒吉殿
  8. 福田繁芳

    福田委員長 ここで政府委員に一言附け加えますが、實はこの東洋新聞社用紙割当請願に關して、委員長手もとまで陳情書が參つております。それを見ますに、用紙割当していただく前提といたしまして、この東洋新聞社が五百六十蔓圓社團法人の届をいたしまして、今月の上旬に正式認可なつたとのことであります。なおまた、印刷工場としては輪轉機をすえつけて、完全ある工場として新築落成して、ひたすら用紙割当いただくのを待つばかりである。こういう意味合いの陳情書が二通ほど參つておりますから、御參考政府委員に申し上げます。  この際ただいまの請願に對する政府委員の御所見を承りたいと思います。
  9. 原田治郎

    原田政府委員 ただいまの請願の御趣旨の點から拝聴いたしまして、きわめて適当な新聞と、私ども割当官廳では考えております。ただ前回申しました通り、昨年八月の商工省所管当時に新規増配を取上げまして以来、私ども所管になりましてからは、一紙も新規増配を取上げていないのであります。それは六・三・三制の問題にはいつてまいりまして、その方に資材をまわさなければならぬという關係で、やむを得ずそのままになつておるのであります。もつとも本年一月の委員會におきまして、あとで御請願のありました大學新聞、あるいは黨の機關紙、あるいは組合の機關紙その他二十二社を取上げまして、これを實施すべく用意いたしましたところに、ただいま申し上げるような六・三制の問題にはいつて参りまして遂に實施せずして今日に至つておる次第であります。參考までに申し上げますと、新規申請社數において六百八社、それから増配申請が百六十二社、合わせ七百七十社というものが、新規にせずに今日になつておるわけてあります。そこで最近においてこのまま割当實施するのかしないのかわからずに、荏苒そのまま待つておるという發行者の立場を考慮して、小委員會を設けまして、いずれにしてもこれを審議して、そうして適切であり、必要であると認める新聞割当實施に、いくらの紙を要するかということを、まずきめまして、そうして關係方面承認を得るべく努力するということになつております。ただいまの御請願趣旨趣旨通り新聞であればきわめて必要なことであると存じますので、私ども原案を作成いたします際には、その趣旨に副うべく努力をし、委員會の方へもその旨を傳えて、御期待に副うようにいたしたいと考えております。
  10. 福田繁芳

    福田委員長 委員諸君に御發言ありませんか。
  11. 木村榮

    木村(榮)委員 ちよつと原田さんにお尋ねします。雑誌新聞の區別の點たとえば、月參囘なら參囘のものは、新聞と認める。あるいは一囘のものなら、たとえば形式新聞であつて雑誌であるという、ある程度の區分があるはずですが、今はどんなふうな方法になつておりますか。
  12. 原田治郎

    原田政府委員 ただいまの御趣旨は、實は割当官廳といたしましても、新聞部會出版部會におきましても、非常な懸案になつております。これまた商工省所管当時に、新聞に入るべきものでないということで、新聞部會の方で取上げず、また出版部會の方でも、これは出版に入るべき筋合でないというのでこれまた取上げなかつた。両方でこれを取上げないで、發行者に非常な迷惑をかけておりますので、この點を一年以上かような状態におくことは、非常な粗漏ではないかというようなことを考えまして、これまた小委員會出版部會と新聞部會の方で設けまして、現に目下それをどう取扱うかということについて審議を重ねております。月曜日にはこの結論を得て、發行者に迷惑のないようにいたしたい。一口に申しますれば、新聞は紙面六割以上にニユースを扱うものが新聞紙ということに相なつております。それから參囘とか五囘とかいうものになると、たとえ新聞という名前はありましても、ニユースの點におきまして、新聞にはいるべきものでないということが論點になつております。いずれにしても、先ほど申し上げたような観點から、あるいは新聞部會出版部會混合委員會というようなものを設けまして、さような特殊のものを扱つて配給實施したいというような構想をもつておりますが、まだ結論に達しておりませんから、どうぞその點も御了承を願いたいと思います。
  13. 福田繁芳

    福田委員長 諸君に申し上げます。ただいまの文書表第一一四五號、この請願は次囘まで慎重に御審議願つて、次囘あたりで採否を決したいと考えます。     —————————————
  14. 福田繁芳

    福田委員長 次に日程第八、文書表一一五五號、大學新聞用紙割当請願紹介議員原彪之助君。——原君に代りまして、社會党諸君から趣旨説明を願います。
  15. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 原彪之助氏がおられませんから、私が代つて内容の點と御趣旨を御説助申し上げます。   大學新聞とは全国大學高等専門學校研究成果と、その過程を交換し、併せて學術的基礎に立つ學生社會人の輿論を喚起させるものにして、時の権勢に左右されず、真理の大道を歩むものものが、戦時言論報道機關の統一のため、官學並びにおもなる若干の私學は、東京帝大新聞に統合され、その他は日本大學新聞に統合されたものでありますが、終戦時の用紙割当は、戦時中の實績に鑑みて割当されたる結果、現在は東京帝国大學のみが月百二連の多數割当を受け、他の大學は皆無の状態である。ここに本連盟として關係方面に再參再四あらゆる打開策を交渉するも、割当委員會の成果見られず、遂に国家最高権力国會文化委員諸氏の高遠にして潤達なる御配慮請願のほかなく、国家百年の大計に、次代の指導者をもつ大學高専の後輩が研究の資とする大學新聞用紙割当をされるよう伏して懇願いたします。   まことにわが国存亡の危機今日のごとくはなく、智ある者は智を、勇ある者は勇を、愚なる者は愚を振いかざして再建に邁進のときなれば、よろしく当を得たる采配により、国家學術機能の活用をはかられ、わが国文化の向上を念ぜられたく重ねてお願ひ申し上げます。    大學新聞連盟代表 桑原大行  衆議院議長松岡駒吉殿 こういう趣旨であります。
  16. 福田繁芳

    福田委員長 先ほどの政府委員の御答弁で重複のきらいがありますが、もう一度本請願に對する政府委員の御答弁を願います。
  17. 原田治郎

    原田政府委員 ただいまの請願の御説明の御趣旨も、きわめて必要であると考えております。のみならず。先ほどもちよつとお耳にいたしましたように、一月の委員會においては、各學校の大學新聞につきましては、業者から申請いたしまして購讀者の對象が大學の生徒であるというような形のものは取上げませんでした。自治的に學校連絡をとり、學生諸君がやられる大學新聞は、優先的に取上げてやるということで、全部その当時の申請新聞には割り当てることに決定いたしたのであります。ところが、先ほども申し上げましたように、六・參・參制の問題がはいりまして、これが實施することができませんで今日になつておる次第であります。ところが、先月の委員會におきまして、せめて大學新聞その他の機關紙だけは、この際特別に扱つたらどうかというような議も出ましたが、まだそれが承認を得ることができませんので、今度は全面的にそういうものをこしらえて、審議をし、その實施をはかることに努力しようということに相なつております。ただ困りますのは先ほどの御趣旨と両方兼ねて、ただ一紙だけを取上げることのできない規定になつております。全面的にこれを取上げていかなければならない。近近に請願の御趣旨に副うべくほんとうに努力すべく委員會に臨んでおります。われわれの割当委員會でもそう考えております。
  18. 福田繁芳

    福田委員長 諸君に申し上げます。本請願に關連して何か御發言はありませんか。
  19. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 實は今の桑原大行氏の用紙割当請願は、ただの一つ學校でないのでありまして、大學新聞連盟代表者請願でありますから、そういう點について御了承願います。それからいろいろ戦時中の大學新聞のあり方につきましても、詳しく私は内容を聴いておりますが、原則的には、先ほど御説明にあつたように、用紙が非常に少いということが、何よりも隘路でありますので、十分なことはできませんが、ただ非常に現在の状況においては不公平だという點は免れないと思うのであります。そういう點については、ぜひとも公平な配分をされるように、政府当局におかれましても御配慮をお願いたいと思います。
  20. 原田治郎

    原田政府委員 先ほど申し残しましたが、前に終戦直後に完備された學校からのみ申請があつて、それを採択した。その場合における割当部數を今から考えてみますと、相当にお趣旨のような感じがいたしますこの際これらの點も是正いたし、學校の従来の購讀者というようなことも考慮に入れまして、公平に近いものをこしらえるように努力いたしております。この點もどうか御了承願います。  それから、一般紙につきましても、今までの状態で割り当てられておる新聞が、非常に好ましからざるものがある。また手持用紙等によつて、あるいは指定紙以外の紙によつて工面をして發行いたしております新聞に、また非常に優秀なものがある。これらは不公平でないかというおしかりは、常に毎日七、八十人の方々に責められておる。この點も是正すべく、實は購讀調査をやつたらよかろうというような御趣旨があつて購讀調査をやりまして、これが八月中に完了すべき豫定でありましたのが、だんだんと遅れまして、ようやく先月下旬にその集計ができまして、ある方面へ提出いたしたのであります。しかしまだ委員會手もとにも、また私どもの手本にも參つておりませんので、これらも參考資料として、この際基準量の是正も、あるいははかられなければならぬような状況に相なると思います。同時に私ども事務局といたしましても、目下こちらで集めた資料を印刷いたしておりますので、二、參日中にお手もとにお届けいたしまして、各位のごらんに供したいと思います。それらの資料と併せて今度の審議には慎重審議したいと思つております。どうぞ今後とも文化の基底になりまする資材配給でありますから、文化委員會各位の絶大なるご協力と、いろいろな御意見も承りまして、各位の御趣旨に副うような方法をとりたいと存じております。どうぞ何分今後とも御協力をお願いいたしたいと思います。
  21. 福田繁芳

    福田委員長 諸君に申し上げます。本案も次會に採決をいたしたいと思います。それまで慎重審議されんことを望みます。  この際諸君に申し上げます。新聞雜誌用紙割当に關する意見がもしあられますならば、ちようどさいわい原田政府委員が来られておりますから、この際質問を許します。
  22. 馬場秀夫

    馬場委員 用紙割当に關しまして、事務的な問題を少々お伺いして、はつきりしておきたいと思うのであります。文化国家建設途上にある日本において、文化資材としての用紙というものが非常に重大なる役割をもつことは、いまさら申し上げるまでもないと思います。それを一手に握つておる用紙割当委員會が、今日までたどつてきた経過をいろいろ伺いますと、至極その責任を果たしておるとは考えられない點が多々あるので、この際以下をはつきりして、今後に處したいと思います。  まず第一は、委員會規程の第四十一条において、割当可能用紙申請者に公平に割り当てることがその責務である、かように規定されてあります。すなわち割当可能用紙、この限界をいかように解釋されておられるのか。  その次は申請者に公平に割り当てることがその責務であるとありますが、公平とは一体いかような見解をとられておるか。公平に割り当てることがその責務であるという規程において、その責務を果たしておられるのかどうか。それが第二點であります。  それからこの前、あるいはただいまもお伺いいたしましたが、新規申請が七百七十社に及んでおる。すでに配給を受けておる新聞社が二百五十社。雜誌の申請が四千部、書籍が七千部この所要量九千蔓ポンド、かような申請が出ておるにかかわらず、昨年末以来一紙も新しい申請に對しては用紙割当をせず、わずかに本年初めに申請した何種かを取上げて協議をしたという御説明でありますが、かようなことで、今日の日本のこの限られた資材を、最も公平に、最も合理的に割当しなければならぬこの委員會の構成が、国民にうなずけるものか否か、われわれは非常に疑問とするものであります。ないならばない、少ないものを最も合現的に割り当てるには、最も民主的な、国民多数に少くもうなずけるようなものをもつていかなければならぬ、と思います。ただいまお伺いいたしますと、読者購買の調査をされたそうでありますが、かようなことは、すでに用紙割当委員會が発足いたしますときに、その割当基準を設定する重大なる要素であると確信しておるのであります。今日になつてさようなことが必要であるということになつたという、この委員會割当基準を、どこに求めておられるのかということを、はつきりひとつお答え願いたい。以上で一應打切ります。
  23. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 今片山總理が来られましたから、總理文化政策に對する質問に移りたいと思いますが、日程變更の御許可を得たいと思いますが、いかがですか。
  24. 福田繁芳

    福田委員長 ただいまの佐藤君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 福田繁芳

    福田委員長 御異議がございませんから、日程を變更いたします。     —————————————
  26. 福田繁芳

    福田委員長 片山總理が来られましたので、一言總理に申し上げます。今日は文化行政を議題といたしまして、どうしても總理の御所見を伺いたいという委員の御希望がございますので、御多用中御出席願つたわけでございます。どうぞそのおつもりで、よろしく委員質問にお答え願います。  委員諸君に申し上げますが、總理は非常に御多用で本日はなるべく、三、四十分でというようなことになつておりますから、諸君も簡単に要點のみに對しての質問をしてもらいたいと思います。
  27. 高橋長治

    高橋(長)委員 この場合簡単に以下三點について質問を試みたいと存ずるのであります。  新生民主日本の黎明を告げるところの新憲法発布は、比類なき戦争の放棄と文化国家建設の理念を、国民至高至大目的として、世界に宣言したのでありまして、かつまた片山總理大臣も「国民に訴う」という書籍の十五ページに、「これからの日本人」という見出しのもとに「ただ口先だけで平和国文化国というだけでなく、眞實平和国民となりきらなくてはなりません。」と申されておるのであります。まことに私どもも同感であります。しかしながら、現政府の施策を見ても、かつまた国會においても、文化常任委員會所管事項各省に分割せられまして、各省おのおの別々の方針に進んでおる状態であります。はたしてこの實情において文化国家建設ができるのであろうか。もしそれ文化國家建設ならずば、わが国われわれ日本民族は、忍ぶべからざる劣等国劣等民族として扱われることは申すまでもありません。生き残りたるわれわれ国民こそは、文化新日本建設の人柱たらん熱誠が必要であり、かくして文化国家建設が、敗戦日本のはかり知ることのできない大損害の禍を轉じて福となすゆえんだろうと考えます。これが新憲法實践であると信ずるのであります。ここに結論として、私は文化省を設置し、各般にわたる文化事業充實をはかり、文化水準高度化をはかることが、ポツダム宣言忠實に履行する姿であると考えるのでありますが、右に對する片山總理大臣眞意をお伺いしたいと思うのであります。  次に日本経済確立基盤をいずこに求むべきかと考えまするときに、貿易は再開され、クレジツトの設定は成りました。一應喜ぶといたしまするけれども国内資源の枯渇、国内産業の衰退の實情は、将来に向かつて大いなる希望をもてないと信ずるのであります。ここにおいて天與資源世界に誇る風光、国立公園中心としたる大觀光事業、それは見えざる無形の貿易と申さねばなりません。国家再建日本経済確立基盤觀光事業の重要なことは、重ねて申すまでもありません。しかしながら、どうしてもこれを實行に移すことが必要である。われわれは觀光事業を強調すると同時に、まず国内における外客受入態勢を整備拡充しなければならぬと考えるのであります。現在国際的には封鎖状態にあり、国内的には社會的経済混乱に低迷しておる現状において、觀光事業復興拡充をはかりますることは、容易でないことは存じております。しかしながら、すでに議會におきましても、觀光事業再建拡充が呼ばれ、民間におきましても、請願のきわめて多い事實に鑑みましても、現状において許される限り、否、でき得る限り、これが使命成をはからねばならぬと考えるのであります。政府はこの觀光事業をして重要国策一つとして取上げるかどうか、これをお伺いしたいのであります。  次に、文化、觀光、貿易等みな關連があるのでありまして、わが国自由港區域を設置するかどうか、こういう點においてお聴きしたいのであります。平和回復後の日本日本経済復興は、工業の発展と貿易の伸張にまつところ最も大でありまして、なかんずく加工貿易の興隆に重點をおくべきは議論の餘地がありません。しかるに敗戦後の日本は、国内工業資源がいよいよ窮迫した結果、各種多様の海外資源輸入いたしまして、これを加工工業にまわす方法をとらねば、加工貿易の振展は望めないであります。従つて海外貿易輸入促進並びに確保の問題は、すこぶる重要であると考えるのであります。従来の保税倉庫及び保税工場制度では不便でありまして、現状に適せざる點が多いのであります。さらに廣汎なる輸入確保の途をはかる必要があると考えられるのであります。このためには、国内一定區域を畫して自由港區を設置し、この區域關税區域外として一切關税を免除し、また外國為替管理制度のらち外におき、輸入を促進するとともに、區域内の業者に對しましては保税貨物の倉置き、囘漕、仕譯、手入れ、加工製造及び再輸出の自由を認める制度を創設いたしまして、加工貿易の振興をはかることがきわめて必要だと考えるのであります。また平和囘復後におきましては海外産業、なかんずく米國企業内地進出が豫想されるのでありますが、日本経済復興には、これらの進出企業と相提携する必要があります。この海外企業進出に對しましても、自由港のごとき特殊區域を設定し、積極的に誘致する受入態勢を整えることが、彼我相互に最も有利であると確信するのでありまするが、以上に對しまして政府はいかなる所見をおもちであるかをこの機會にお伺いしたいと思います。以上三點についてお答え願います。
  28. 片山哲

    片山國務大臣 文化發展のために積極的に乗り出さなければならないことは、言うまでもないのでありまして、政府といたしましては、國民の深い理解のもとに、文化國家建設具體策を各方面より考慮いたしておる次第であります。  第一の御質問でありまする文化省を設置したらどうかという點でありまするが、政府の考えといたしましては、政府全體として文化問題に力を入れまして進んでいきたいと思つておるのであります。特に文化國家建設は、各省連絡のあることでありまして、政府の中樞におきまして、この問題に力を入れていきたいと思つておるのであります。従つて只今のところでは、特別に文化省を設置せずとも、政府全體の機構において統合をはかりつつ、この問題に力を入れたいと思つておりまするから、今のところは特別に文化省を設置しなくとも、十分にその目的は達成せられると考えておるのであります。大體経済關係の省がたいへん多くなりまして、これらの問題の間の統合等も、今日考慮いたしておるわけであります。従いまして御趣旨の點は、十分に實績のあがるように考慮いたしまして、政府全體の構成において、文化達成に遺憾なきを期したいと思つております。  第二の観光國策の問題でありまするが、まことに今後のわが國といたしましては、この問題に十分なる用意と具體的な對策をとつていかなければならないことは言うまでもありません。そこで私の考えといたしましては、ただいますぐ観光國策に具體的に著手して、たとえば道路を直すとか、あるいは公園の修理を大規模に繼續するとか、ホテルの設計であるとか、建設であるとか、いろいろの施設をやることにつきましては、経済情の問題において支障があるのであります。特に資材の問題につきましてははなはだ遺憾の點がありまして、できるだけ資材産業方面にまわさなければならないという状態になつておりまするから、今ただちに具體的に観光事業の方面にまわすということは困難を覚えておるのであります。といつて、この問題を等閑に付するわけにはまいりません。そこでまず政府は、観光問題に關する準備といたしまして、委員會なり審議會と申しまするか、そういうような意味の準備會を設置いたしたいと考えておるのでありまして、十分御趣旨に副う用意を、今日から立てたいと考えておる次第であります。  第三の自由港の問題でありまするが、これもなかなか大きな問題であり、またこれらに關する構想及び施設は、いろいろの方面影響を及ぼすことでありまして、現在の講和會議を前にいたしまして、これらに關して具體的な計畫なり、あるいはいろいろの用意を今ここで申し上げる段取りには、まだいつていないであろうと思つておるのであります。十分にこれらの問題につきましても、ただいま高橋君の言われましたような意味を尊重いたしまして、検討いたしたいと存じております。
  29. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 片山首相に二つの御質問申し上げます。その第一は、最近文化國家として日本に國立劇場がないということで、國立劇場につきまして片山総理は非常に熱心に唱道されているようでありますが、一體いつごろこれを建てられるのか、またどういう形でこういう劇場が實施されるのであるか。  いま一つは、日本の現在の民衆にとつて一番大きな影響のあるのは、映畫であります。この映畫は、御承知のように非常に貧弱な映畫が今、日本を風體しております。首相がこの映畫の國策というようなことについてどういう見解をもつておられるのか。以上ニ點について首相の見解をお伺いいたします。
  30. 片山哲

    片山國務大臣 國立劇場の必要は、私も痛感いたしております。これは一に文化發展のためと、國民の知識水準の向上に、教育の振興に役立たしめる意味をもちまして、國立劇場の必要を感じているわけでありますが、何分にも相当の費用を要することであり、現在の経済事情のもとにおいては、大きな國立劇場ということを望まれないのを遺憾とするのであります。そこでまず小出しにして、無形國立劇場と申しますか、建物をもたないでも、その企畫において國立劇場の建前を進めていく、こういうことが必要ではなかろうかと存じております。あたかも民間のこの方面諸君からも、國立劇場設立に關する希望が述べられているようでありますので、これら専門家及びこれらの問題に對して、非常に熱意を表わされている各方面意見を十分に参照いたしまして、今日の乏しい経済の中で許される範囲内において、あまり費用のかからない範囲において、文化高揚のための國立劇場の計畫を進めていきたいと考えておるのであります。来年度の豫算にこれをどう入れるかという具體的なところまでは、まず進んでいないのでありますが、關係各位が熱意を十分に表わされますならば、希望は十分に達成せられると存じております。  第二の映畫についてのご質問でありますが、まつたく御趣旨通りでありまして、映畫の國民教育に與えます影響は、非常に大きいと思います。文化發展のために、また文化建設のための映畫の使命は、非常に重要であろうと思います。目下文化省においてこの問題を慎重に、教育の方面から、國民文化方面から、また社會的な方面から検討して、文化のために十分意義の深い映畫を發展助長せしめる政策をとりたいと考えております。  また特に外國映畫等についても、勢術的な、文化的意義のあるものに、國民も非常に關心をもつているようでありますから、これらの問題も十分に考えて、文部省をして積極的に映畫のもつ文化的使命を發揚せしめたいと考えている次第であります。
  31. 山名義芳

    ○山名委員 今日國内に二つ目の大きな不安があります。その一つは経済不安であり、その一つは戦争不安ともいうべきものだと思います。前者については、ここでお問いする時間もなく、特に首相にお伺いいたしたいことは、第二の戦争による不安であります。現に新憲法下戦争放棄を宣言いたしております。しかし今、日本に戦争に對する不安のあるのは、おおうべからざる事實であります。もちろん戦争放棄をしている日本が、たとえ第三次世界戦争になろうとも、それは純然たる中立を保つ傍観的態度で進むより、しかたがないじやないかという考え方もあります。しかし好むと好まざるとにかかわらず、どうしても第三次世界戦争ともなれば、日本はまきこまれる。現に私の信ずべき——中國に久しくおつた友人が、中國の要人から公開の席上で親しく聞いた話でありますが、中國も日本も、少なくとも數百蔓の死傷者を出さなければ、世界第三次戦争は終るものではない。日本つて、いくら戦争放棄を宣言しておつても、義勇軍でかり立てられれば参加しなければならぬ。こういうようなことを公開の席上で中國の要人が言うたそうであります。そういうことから、われわれも、どうせまきこまれるのは必定だから、進んでこれに参加して國力を囘復する、こういうふうないろいろな見方から来る不安なのであります。こうした不安が間 違つていることはいなめないと思うのであります。つまりこういう不安を國民が懐くことは、結局弱者の怯懦から来る奴隷的な根性であります。奴隷的道義心から、こういう不安をまき起こしていると思うのでありまして、これを裏から申しますれば、負けたのだから、いわゆる奴隷根性で、戦争にまきこまれるのだとか、あるいは傍觀することはできないという不安をもつが、勝つた場合は、征服者として弱者に臨むという、かつての軍國主義、侵略主義と何ら變らない、こういう間違つた不安をもつ國民に對して、一日も早くこの不安除去に努めることが現内閣の責任でなければならぬ。それにつきましては、國民憲法を身につけておられない、民主主義が徹底しておらない、平和宣言をしておりながらも、なお戦争に對する不安をもつているということは、結局宗教的信念がないからである。平和的理念がしつかり身についておらぬこと、結局宗教的信念が身についていないからである。クリスチヤンとしての首相に、世界第三次戦争防止ということに對する積極的な御決意をなさる意思があるかどうか。今の米ソ間の問題にいたしましても、許された思想と言論の範圍内において、必ず米ソ戦争を防止て見せるというだけの平和になりきつた國家の態度を國民の前に表明して、不安を一掃する御意志がおありかどうか。特に宗教的信念の強靭な首相の良心的なお答えを伺いたいのであります。
  32. 片山哲

    片山國務大臣 私の考えといたしましては、現在の経済的不安と相竝んで、今山名君が御指摘のような不安を、大きく竝べて言われるほどではないと思うのであります。すなわち言い方をかえてみますならば、戦争が起きるであろうということに關する不安と申しますよりも、敗戦國がどうして立ち直るか。また武器のない、武装のない國家が、どうして安全保障を維持して、将来の國際群にまじつて自立し得るか、そういうことに關しましての、國民の心持というような問題から来たものであろうと思いますけれども、そこまで突き詰めた考えをもつには、まだ至つていないと思うのであります。山名君の御趣旨も、そういうような大きな觀點から、國家の将来を憂えられました、まことに憂國的な大所高所に立つた御意見として、非常に傾聴いたしておりますが、そういう問題を提供して國民に不安を與えるよりも、日本國は武装がなくとも心配はない、ほんとうに世界平和のために尽し得るのである、こういうふうに私は申し上げて、そうして國民の不安を除きたいと思つております。同じ結論に達するかもしれませんけれども日本國としては、裸一貫で、武装がなくとも何も心配は要らない。世界平和のために積極的に尽す國として、世界誇り得るのである。殊に憲法に新しく戦争を絶對やらないということを宣言して、平和國たることを世界に闡明いたしました國としての誇り、國民としての矜持、お互いにもつていきたいということを、積極的に政府としても指導いたしたいと思つております。その意味におきまして、日本國の使命、日本國の更正、日本國としてのこれからの目的というものは、ほんとうに文化のために生きるのである、文明のために生きるのである、それ以外にはない。その用意としては、経済的の充實もはかつていかなければならぬ、戦争の渦中には一切はいらない、また戦争を罪悪と國民全體が考えて、眞に平和のために生きていく國民である、こういうふうに向わしめていきたいと思つておるのであります。その意味から申しまして、國民にほんとうに民主的に徹底せしめるためには、教育の問題につきましても、また政治、経済の機構の上から申しましても、新しい觀點に立つて進んでいく必要があろうと思つておるのであります。宗教教育も、単に形式に堕することなく、眞に國民全體の意識水準を引上げて、國民全體が文化のために、平和のために、努力する責任をもつのである。こういうふうに仕向けていく必要があろうと思つておるのであります。山名君の御質問と、あるいは答が食い違つたかもしれませんが、私の考えといたしましては、その意味における文化國であり、その意味に多いて平和のために貢献する日本國民としての使命を、政治の上においても十分自覚する必要があろうと、こう考えておる次第であります。
  33. 山名義芳

    ○山名委員 再質問を許してください。
  34. 福田繁芳

    福田委員長 あとで時間があまれば許します。
  35. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 民主的、平和的文化國家建設するということは、國是であると思いますが、これにはその文化國家建設を妨害するような者に對して、これを抑圧する消極的方面と、積極的に文化を促進する、いわゆる促進行政の方面と、ニ方面あると存じますので、賞はこの二方面からお尋ねしたいのでありますが、時間が非常に逼迫いたしておりますので、簡単にお尋ねいたしたいと思うのであります。  現在十八、九歳から二十四、五歳までの青年というものは、大體満州事變の前後に生れた人間でありまして、これがいわゆるフアツシヨ的な、國體明徴的な雰圍気で育てられ、最後には特攻隊精神で鍛えられてきた青年であるということを考察し、なおまた日本の一般國民も、非常に今までの訓練が好戦的な訓練を受けてきておる。今朝の読売新聞を見ますと、日本には第二の地下の政府があつて、これが非常にフアツシヨ的な一つの団結をしておるということを、マツカーサ司令部が發表したというようなことが見えておるのであります。私ども地方を巡遊いたしまして、さような感じが多々するのであります。こういうことを考察いたしまして、今、山名委員質問と連關するのでありますが、私は一歩を進めまして、この憲法第九條に規定せられておる趣旨に反して、いわゆる平和を破壊し、戦争を好むような言動をなした者に對する取締りをする法律をつくる必要があるのじやないか。つまり、憲法違反に關する罪というようなものを作成して、かような一種の動きに對してこれを抑圧するということは、内に對しましては、この浮動するところの青年その他の大衆に對しての國家の厳たる態度を示すとともに、外に對しまして、日本政府がいかに堅固なるところの意思をもつて平和國家を建設せんとして努力しておるかということの意思表示にもなる。これはひいて講和会議にも好影響を及ぼすのじやないかと思いますので、ここで憲法違反の罪というものを制定いたしてはどうか。憲法第九條及び第四十一條は、これは民主主義の原則を示した規定であると思うのでありまして、この四十一條のいわゆる議会尊重主義、議会政治に關する思想に對しましても、近ごろ地方巡幸をなさるところの陛下の御巡幸と關連し、いわゆる天皇親政論が一部に起つておるのであります。なおまたこれと正反對な、暴力革命を主張するような思想もあるのであります。かような憲法四十一條の趣旨に反する言動をなした者、これも違憲の罪として処罰する必要があるのじやないか。殊に講和会議が締結せられて、進駐軍が引揚げるということに相なりますならば、その前後において相当の國民思想の動揺があるのじやないか。そういうことをねらつて、今から準備しておる國體もあるやに聞くのであります。それでありますから、私の考案といたしましては、刑法は恒久法でありまして、これは規定することは穏当でないのでありますから、ここに臨時的な法律をつくつて、五年なり十年なりの間を限つて、こういう平和的あるいは民主的な根本規定に反する言動をなした者に對しては、これを取締るという法律をおつくりなさるところの決意がありや否やという點であります。思想には思想をもつてするということは原則でありますが、かような異常の場合におきましては、異常の立法によりまして民心を鎮めるということが、内に對しましても、外に對しましても、有効適切な方法じやないかということを考えておりまするので、政府の御見解を承りたいと存ずるのであります。  第二點は、現代の青年がただいま申しましたような、おのれらが與えられましたところ一つの理想というものが破壊せられまして、敗戦の結果虚脱状態になつておる。そこに現在ようやくにして自由が許されまして、自我の目覚めができてきておるのでありますが、この指導をよろしくいたしませんければ、どういう方向に向いていくかわからぬ。現在一定の新しい理想がまだ身につかぬがために、ここにいわゆる享楽主義、瞬間的な享楽主義に陥る者が多々あると存じておるのでありまして、國家の民力の前途について、憂慮すべき點があるのじやないかと思われるに際しまして、巷間本屋の店頭に立つてこれをながめますならば、實に言語に絶しましたところの淫乱な書物が氾濫しておるのであります。あるいは雑誌、あるいは書籍におきまして、實に私どもが想像ができないような猥褻な文書、圖書が頒布されておるのであります。今、新聞紙法あるいは出版法はなくなりましたけれども、刑法にはりつばに猥褻罪があるのであります。私が調べました點だけにおきましても、りつぱに刑法の猥褻罪を構成する文書、圖書がおびただしくあるにかかわらず、これがそのまま放置せられておりますことは、實に青年を苦しめますし、私ども子供をもつております者にとりましては、ゆゆしき大事でありと存ずるのでありますが、何がゆえにもつとこの取締りを励行なさらないのであるか。これもはなはだ小さいことのようでありましても、眞に文化國家建設するための緊急の要事であると私は考えるのでありまして、この二つの點につきまして、総理の御見解を承りたいと存ずるのであります。
  36. 片山哲

    片山國務大臣 憲法の精神を守つていかなければならないことは、猪俣君の言われました通りであります。そのために特別に法律をつくつて憲法違反の罪、たとえば九條、四十一條を守るための法律を制定するということは、現在の法規を十分に励行し、その精神を徹底せしむることによつて目的が達し得るのではないかと思つております。その意味から申しまして、特別の憲法擁護の法規を制定せずとも、現在の法規を活用し、その趣旨の徹底をはかることに努力して、そうして九條なり、四十一條の精神を十分に國民に守らしめて遺憾なきを期するように、政策の上において。運用の上においてこの心持を尊重するようにいたしたいと思つております。  第二の取締りのことでありますがごもつともでありまして、この點につきましては、当局を督励いたしまして、十分に御趣旨のようにいたしたいと思つております。  なお私の考えといたしましては、國民の意識水準を引上げて、國民がそういうつまらぬ本などは一切見向きもしないというふうに、早くしたいものであると思つております。これは一に教育なり、あるいはまた家庭におけるやり方なり、また政治の上において努力しなければならないことでありまするが、特に政治の上において、文化、教育、道義高揚、國民の判断力を健全に養成するということに大努力をいたしたいと考えております。
  37. 福田繁芳

    福田委員長 並木君、質問を許します。
  38. 並木芳雄

    並木委員 来るべき講和會議は、新しい日本にとつて實に重大なものでありますが、その講和會議そのものに對する心構え、準備といたしましては、政府において蔓全を期されておりますが、これをほんとうに徹底して國民に示さなければならぬ。日本は今度こそゆがめられた觀念のもとに出発したならば、とんでもないことになると思うのです。昨年新憲法公布の場合に、方々で祝典のごときものが行われましたけれども、あの当時國民お津々浦々まで、新憲法の何物であるかということがわかつて祝典に參加したか、その行事に參加したかどうかということは、はなはだ疑問に思つておるのであります。今度の講和會議こそ、われわれは今から準備をして、國民の一人々々が、講和會議とはかくのごときものである。そうしてわれわれは心からこれを迎え、心から新しい立法を祝う、そういう準備をしていく必要があると思います。それにつきまして、今からその普及徹底というものを兼ねた行事の準備というものが必要であると思いますので、この點につきまして、政府としていかなる形において、講和會議の行事を行う豫定であるか。それに對していかなる人的構成をもつてこれを遂行していくか。また相当の費用が要ると思いますので、この費用についてはどの程度の豫算を計上してやつていかれる豫定であるか。それをお伺いしたいのでございます。  それにつきまして特に私この際お確かめ申し上げたいことがあるのであります。それは講和會議の本質について、いろいろ國民の間に疑念をはさんでおる點であります。第一は先ほど猪俣委員ちよつと触れられましたが、地下政府運動というものがあるや否やということを、外電が報じておりますけれども、この外電を讀みますと、首相の側近の方が、講和會議が済んでからも占領軍は撤退しない方がよいと言つておると語つたというような記事がございます。もしこれが事實であるといたしますならば、日本側の意向一つで、占領軍に留まつてもらうとか、もらわないとかいうことは、できないことであると思いますので、心理的に首相におかれて、あるいは講和條約というものはできれば延ばした方がいいのじやないか、そういうような気持がお働きになるようなことがないではないだろうか。そういうような點について、實際に首相におかせられて、日本に地下政府運動があるということをお認めになつておるのかどうか。もしなつておられるとするならば、講和條約の時期、つまり早く講和條約が来ればいいという國民のわれわれの期待と喜びというものが、必ずしもその通りではないというものであるのじやないかという疑いに對して、御答弁を願いたいと思うのであります。  それから先般共同防衛というようなことを、アメリカの方でございましたか、申されたようでございますが、この講和會議が結ばれまして、共同防衛というようなことが行われた場合に、日本は武器を捨てた國でありますので、武力による共同防衛ということはあり得ないと思うのです。その點についてどういう形態における共同防衛というものになるのでございましようか、御意見をお伺いいたします。  最後にもう一つお伺いしますが、講和條約にソビエトが加わる、加わらないというようなことを巷間傳おられておりますけれども、この點に對する見透しというものをお伺いできれば幸甚と存じます。
  39. 片山哲

    片山國務大臣 講和會議の遅れることを、政府は望んでおるのではなかろうかというような御意見もありましたが、それは全然間違いでありまして、政府といたしましては、一日も早く講和會議が締結せられることを、要望いたしておるのであります。そうして日本の建前が、講和會議後において、獨立國家として再生する機會の一日も早いことを祈念いたしております。國民幸福のために、將来の文化発展のために、ぜひとも早いことを望んでおるのであつて決して遅れることがいいというような考えは毛頭もつておりません。  地下政府とかいうようなお話がありましたが、私はこの問題については、何も新聞記者に語つたこともなくまた新聞の記事も十分讀んでおりませんので、この問題に關しては何も承知いたしておりません。また現在においてはさようなものはないと考えております。  講和會議の準備というようなことは、具體的にこの際申し上げることを差控えたいと存じます。  また第三番目の御質問も、この際差控えておきたいと思います。ただ心構えといたしまして、日本を一日も早く民主化し、平和國としいわゆる非武装化して、経済上の問題も、ほんとうに日本の民主主義の浸透によつて國民の力によつて日本経済というのが建て直つてくるように、かつまた日本産業も、國民の総力によつて維持せられていくようにしなければならないということに、非常に重要性を感じておるのであります。目下諸君に御審議を願い、あるいはすでに賛成を得られておりまする政治的な制度改革に關する民主的な各法案、及び経済部面における各法案、たとえば独占企業禁止であるとか、経済力集中排除でありますとか、その他の経済法規も、みんなこの民主化、平和化という線に沿うて御審議願つておるような次第でありまして、そういう心構えを政治的、経済的、社會的また精神的に、政府は懸命の努力を払つておるような次第であります。
  40. 竹尾弌

    ○竹尾委員 ちよつとお伺いいたします。われわれは唯物史觀の原則を、そのまま受入れるほど素朴ではないと思うのでありますけれども總理大臣はこの間の施政方針の演説の中で、施政方針の基本觀念として、高度民主主義の高揚をはかると仰せられておりますが、その高度民主主義の上に、われわれはある種の文化を考えなければならぬと思うのでございます。その文化はブルジヨアジー・デモクラシーを基調においての文化でありましようが、あるいは高度民主國家という言葉の内容におきまして、第二インターナシヨナル式の文化を打立てる御要望でありますか、あるいはプロレタリア・デモクラシーの文化を打立てるという意味でありましようか、どういう範疇に属する文化を御要望になつておるかということを承ります。  それから第二は、日本の民主化にもつとも大事なのは、言うまでもなく農村の文化の高揚であろうと思います。農村の現在の封建主義的な思想をいかにして打破していくか、その點につきまして農村文化の基本的な構想をひとつお伺いいたしたいと思います。  第三は、芸術行政に關することでありますけれども、首相はいろいろのお言葉の中で、國立劇場あるいは國立美術館を設置する、その他芸術に關していろいろ御抱負を述べられておるのでありますが、その點について、芸術行政に対するひとつの具體的なお考えを伺います。  第四番目は、先般いろいろ新聞紙上に宣傳されました。平野農相問題でありますが……。
  41. 福田繁芳

    福田委員長 竹尾君に申し上げます。時間の都合があるから、わが委員會所管のことだけにしていただきたい。
  42. 竹尾弌

    ○竹尾委員 そうした問題はその全貌は私よくわかりませんけれども、ただそうした問題が文化の高揚に対して相当大きな影響を與えるんじやないかと思つておりますが、そういう點につきまして、首相の御所見を承りたいと思います。
  43. 片山哲

    片山國務大臣 どういう文化中心として文化國家建設に努力しているか、こういう御質問でありますが、私は施政方針の演説においても高度民主化は、合理主義であり、人道主義であり、社會民主主義であるという説明をしておるのであります。すなわち私のとつている民主主義の徹底というのは、どこまでも合理的なものでなければならない、科學的なものでなければならない、理論の飛躍のあるものであつてはならない、こういう點をまず第一に明らかにいたしているのであります。人道主義でなければならないという意味は、竹尾君御承知の通りの、ヒユウマニズムという表現でもよろしいし、道義精神を高揚するといつてもよろしいし、民族といたしましての長き歴史の上に立つているその發展を考えまするときにおいて、國民道義ということが民主主義發展の上において重要に取上げられていかなければならないと思うのであります。道義を無視し、人倫の道を無視しては、政治というものが非常に無理があるし、國民の總意をまとめる上において、幾多の支障が起きてくるものであると思うのであります。その意味において民主主義の徹底をはかる方法といたしましては、人道主義をとらなければならないと考えているのであります。第三に、高度民主主義は社會民主主義であるということは社會民主主義、ソシアル・デモクラシーの原理を取入れていかなければならない、こういう意味でありまして、竹尾君の御指摘のような、インターナショナル關係の理論にはかまわず、これに拘泥せず、とらわれず、真にわが國に必要なる政治原理としての民主主義の徹底をはかつていかなければならない。殊に民主主義は、漸を逐うて進むのでありますし、また國民の總意たる民主主義の方法によつて産業問題、経済問題、財政問題、政治上の問題を取上げていかなければならない。ここに暴力を否定し、流血の革命を排斥して平和的進行による民主主義の徹底というところに重點をおいて、説明いたしたのでありまして、私の説明いたしたこの三つの内容は、十分に高度民主主義の説明になつていると、今日においても信じているのであります。竹尾君の御質問に対しましては、同様のことを申してお答えいたしたいと思います。  第二の、農村民主化の問題でありますが、農村文化高揚のためには、まず農民の生活をよくし、農民の地位を向上するということを、今まで中心としておりました。この意味におきましては農地調整法は相当大きな役割を演じたいと思います。農奴的な封建的重圧のもとから解放せられまして耕作権を確立し耕作者としての地位を十分に保障する、こういう意味において進行いたしておりまする農地調整法は、まず農民解放として、農村文化のために大いに働いておると思うのであります。第二といたしまして、制度的に農民の地位を解放いたしました耕作農民に対しまして、経済的な活動の餘地を與え、農村経済における働く人としての地位を保障するという意味において、農地調整法の制度改革と相竝んで、將来は農村経済の發展のための各種の法規、制度というものが制定されていかなければならないと思います。その意味において、現に農林省から提出いたしておりまするところの今日の各法案は、農村経済を向上せしむる意味において、相当役立つておるものであると思つております。さらにこれに力を入れまして、肥料の問題でありまするとか、耕作方法の問題でありまするとか、農具の問題でありまするとかいうような面におきましても、科學的機構を十分に入れまして、その開發に努力いたさなければならないと思つております。  第三の、社會的に農村文化高揚のためには、農民の今までの生活水準を上げるべくいろいろの文化施設を農村に置かなければならないと思います。いわゆる科學の恩澤に十分に浴せしめまして、そうして農民の人間的生活、すなわち憲法で保障されておりまする健康にして文化的なる生活を農民が十分に味わうように、社會施設の上において十分に努力しなければならないと考えておるのでありまして、こういう三つの點におきまして、農村文化のために、農村民主化のために努力するつもりであります。  次の芸術行政に關する御質問でありまするが、これも先ほどからの諸君の御質問にありました通り、芸術を尊重するの國民とならなければならない。この意味において政府といたしましては、まず今日においては文部省を中心といたしまして、學校教育、社會教育、國民の知識水準の高揚のために、芸術を尊重し、勤労を尊重する國民とならなければならないという社會教育、芸術教育に力點を置いていきたいと思つております。その行政としては、先ほどの文化省設置という御意見がありましたけれども、まず今日においては、経費の少いときでありまするから、文部省をしてその行政の衝に当らしめ、國民に芸術心を高揚せしめ、芸術を尊重するの心を浸透せしむる方針をもつて進んでいきたいと思つております。大體今のようなお答えで竹尾君に対してはお答えしたことになつておると思つております。
  44. 福田繁芳

    福田委員長 受田君、質問を許します。
  45. 受田新吉

    ○受田委員 簡単にお尋ねいたします。私はまず新憲法の第七條に規定されてあります天皇の國事に關する行為のうちの、栄典を授與することについてお尋ね申し上げたいのであります。從来の家族制度は、すでに廃止されておるし、すでに十四條の、すべて國民は法のもとに平等である云々の規定によつて、相当民主的に進められておりますが、今なおここに勲等等が存置されております。死亡者に對して叙位、叙勲等も依然として続けられておるようでありますが、これに對する政府の態度はどういうところにあるか。また宮中席次などは、今どうなつておるか。こういう點について、何らか目標を明らかにしていただきたい。現に勲章をぶら下げて街を歩いて、國家の権威を失墜するような者もおるし、また売物に出しておるというような者もおる。こういう點では、ほんとうに残念だと思います。特にフランスにおいては、ナポレオン以来、國の盛衰にかかわらず、一貫した統一された榮典制度があるようであるし、英國のガーター勲章のごときも、その點においては相当の伝統をもつておる。現に文化勲章のごときは、今後永く持続すべきものであるし、芸術院賞とか、大臣賞などのごときも、これは今後続けられるべきものであると思います。先般総理大臣は幸田露伴先生の部屋を親しく訪ねられて、あの偉大なる文化建設者の労にお報いになられたあの事実は、私、國会議員として、また國民の一人として、ほんとうにうるわしく首相の人情ある一面と考えたのでありまするが、速やかに悠久の眞理を公表するような榮典制度を設けて、政治、文化、教育、勤労、産業方面における功労者を報いるというところに、そして平和な國家の潤いのある一面を、何物かによつて求め得るようにしていただきたいものだと思います。  第二は、敗戦後非常に空虚な國民生活の中に國民的行事をもつていただきたい。現在の祝祭日に對して、今どういうふうな態度をとつておられるのであるか。何とかして平和記念日とか、新憲法記念日とか、教育祭とか、そのほかの平和黎明に際して、こういう國民全體の喜びをともにする國民的行事を設けていただきたいと思います。この點におきまして、政争の外にあつて文化政策を眞剣に考え得るわれわれ文化委員会の喜びを痛切に感じますとともに、超黨派的に、この文化政策を強力に推進する首相の御意圖をお伺いしたいと思うのであります。
  46. 片山哲

    片山國務大臣 受田君の御意見はまことに御もつともでありまして、政府としても慎重なる態度をもつて、御趣旨に副うように努力しておるのであります。第一の榮典の問題でありますが、組閣後、早速榮典問題に關しまして、いかなる方法をもつて臨むべきか、封建的な、軍事的な今までの榮典を払拭いたしまして、眞に文化的に、将来の平和國家のための榮典を表彰するという建前をとらなければならぬというわけで、閣僚の五名を榮典制度調査委員といたしまして、目下審議いたしておる次第でありまして、なおこれを督励して、十分に御趣旨に副うように成果を現わしたいと存じております。  第二の國民的行事についての御意見、まことに御もつともでありまして、この問題についても、いろいろ考えておるのでありますが、やはり國民の中には、相当保守的な考えをもつておられる方もあつて、在来の國家的行事を全部消すということも、あまりさびしい、何らか残してもらいたいというような希望も、相当あるものでありますから、将来の平和國家發足のためと、また國民の感情等ををもいくらか入れまして、これもできるだけ速やかなる方法によりまして、對策を立てたいと存じております。
  47. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 なお數名の質問者があるのでありますが、御承知のように首相は十一時五十分にお約束があるそうでありまして、どうしてもこれ以上ここにおられないとのことでありますから、首相に對する質問はあらためてすることとし、本日はこの程度で打切られんことを望みます。
  48. 福田繁芳

    福田委員長 各位にお諮りいたします。佐藤君より、総理のお約束の時間もすでに経過しておるので、総理に對する質問は次囘に譲り、本日はこの程度で打切りたいとの動議でありますが、この動議に御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 福田繁芳

    福田委員長 それではさように決します。
  50. 山名義芳

    ○山名委員 首相の答弁は保留の形において賛成いたします。
  51. 福田繁芳

    福田委員長 この際片山総理大臣に委員長として一言申し上げておきますのは、総理は非常に何かと御多用のことは存じておりますが、われわれ文化委員会の所管事項は、御承知の通り非常に廣範囲でありますので、もとより關係各省大臣も熱心に御出席はくださつておりますけれども、どうしても総理の意のあるところを承らないことには、われわれ委員会の職責を十分に果たすことができませんので、せいぜいその點をよく御了解願いまして、努めて御出席を願いたい。かように考えます(拍手)     —————————————
  52. 福田繁芳

    福田委員長 諸君にお諮りいたします。先ほど日程が變更になりまして、ちようど請願がまだあとニ件残つておりますので、御承知の通り政府委員は、お待ちくださつておりますから、請願を進めたいと思います。馬場君の質問に對する原田務局長答弁を願います。
  53. 原田治郎

    原田政府委員 馬場委員から御質疑であります。たしか三點と覚えておりますが、もし落しましたら、なお御説明申し上げたいと思います。  可能用紙の件でございますが、これは御趣旨通りであります。私ども割当官庁といたしましては、可能用紙の一枚も多からんことを望みまして、各關係各庁に交渉して、乏しいながらもその時々の用紙を得ましてやつておるような次第であります。  御参考までに申し上げますと昭和十二年におきましては、新聞において六億ポンド、それから出版方面におきましては三億ポンド、それが昨年度は新聞が一億八千五百蔓ポンド出版におきましては一千八百蔓ポンドと非常に落ちてまいつた。昨年度においては一千八百蔓ポンドの中、八百蔓ポンドは現物化しないで、いわゆる未渡りになつております。百蔓ポンドは理屈がなくて減つたというようなことがあつて、それを差引まして一千百蔓ポンドしか現物化していなかつたのであります。これを處理しながら本年度は出版方面におきましては、第四・四半期を計上いたしますと、約千五百蔓ポンドというものが出版の方に向けられておる。これがさいわいにして本年は未渡り等が出ませんで、全部現物化され、それが出版されまして、讀者の手もとにまいつておるような状況であります。ところが一面新聞の方におきましては、御承知の通り新規増配用紙上取上げることができませんので、現在發行部數を維持する建前から、今日まで依然として前の基準量をそのまま踏襲いたしておつたわけであります。さようなわけで、これに對しましても非常な非難がありますので、このごろになりまして、新聞出版におきまして新規のものでも必要なものはこれを認め、たとえ割当を実施いたしておりましても、好ましからざるものはこれを停止もしくは留保いたしまして、いわゆる文化資材としての公平を期したいというような意見がありました。これを先ほど申しましたような小委員会で目下検討いたしておりまして、近くその実現をはかりたいと委員会におきましても、私ども割当關係といたしましても、努力いたしておる次第であります。どうぞこの點も御了承を願いたいのであります。  それから第二點でありますが、はたして公平に割り当てられておるか、こういうのは、どこに基準を置いておるかという御質疑でした。実はこの點につきましては、新聞の方におきましては、ただいま申し上げましたような、商工省所管当事において割り当てられた基準量をそのまま踏襲しておるような關係、それから購買調査の資料、それから私の事務局で集めた資料とをもつてこれを是正いたしまして、いわゆる再建日本のための文化材として役立つものにするために業態、それから分布状況、人口の比率、それから世帯に對 する比率等を勘案し、そうして需給計画の上で出てまいりました用紙を割り当てるというような體制を整えようということに相なつております。それから雑誌圖書におきましては、いわゆる今まで文化判断というものを中心にして割り当てた。ところが多少今までの文化判断という點につきまして、表現方法が、非常にむずかしいものは文化水準が高いというようなこと、平易な表現方法ともつてつづれば文化水準が低いというような傾向も、多少今までありましたので、これも是正いたしまして、表現法いかんにかかわらず、再建日本のための文化として必要なものに配分するというような體制をとり、この結果をなお文化委員各位とも、原案をつくります際に御意見ども承りまして、是正に是正を重ねまして、御意見に副うような方法で運用をいたしたいと存じておる次第であります。  それから委員會の構成でありますが、これは御承知の通り、例の割当規程に載つておりまして、非常な窮屈なわくの上から選出されました委員でありまして、この點は委員割当規程をごらんになりますと、御了承を願えることと存じます。現在におきまして委員諸君も大所高所から是正すべきものは是正し、非難を受けないような運営をいたしたいというような構想の下に進んでおりますが、ただ各發行者方面から非常に非民主的であるという御非難は受けております。現在のところ、その声を聴きながら、是正すべきものは是正して、前進しておる次第であります。何を申しましても、乏しい用紙でありますから、用紙の増産のもとになります配炭の関係を、どうしても政府についてお考えを願わなければならぬ。これには文化委員各位にこちらからお願いを申し上げ、御協力を願いまして、どうぞ配当の面、用紙の増産の面に御協力を願いたいと思うのであります。
  54. 木村榮

    木村(榮)委員 ただいまの馬場委員の御質問に関連して、聞くところによれば大體新聞用紙割当は千五百五十蔓ポンドくらいになつておるらしいのです。そのうちいわゆる今までの商業新聞には約千五百蔓ポンド割当がいつてつて、全體のパーセンテージから言えば九六・七パーセントにいつておる。あとのわずか四パーセントくらいのものを、いろいろな文化團體だとかあるいあは大学新聞だとか、そういつたようなものにまわしておる。ところがこの膨大な九十何パーセントをとるのは、今まので商業新聞が、かつての戦争中の、前の南方あるいは朝鮮、支那、満州といつたふうな讀者網をそのまま温存しておつて、架空な實績に基いた申請がなされておる。それに對しての割当が依然としてなされておるのではないかという疑いがあるわけです。そのことは各方面でも相当問題になつておると思いますが、從つていろいろな新しいところの相当有益な新聞なんかにも、こうして請願が出ましても、割当もいかないというのは、今までの實績のみをあまり過大評価しておるというのが大きな原因ではないかと思う。その點に對して大體どんな風な調査が具體的になつておるか。きわめて杜撰ではないかとわれわれは思う。これに對するお答えを願いたいと思います。
  55. 原田治郎

    原田政府委員 ただいまの御質疑、これも各方面から盛んに申されております。今の商業新聞と申されると、結局一般紙のことであります。先ほど申し上げましたように、一般紙と機関紙、特殊紙、これらに對しましては、商工省所管当時におきまして、配給をいたしておりました基準量をそのまま踏襲いたしております。この點は先ほど馬場委員からも申されました通り、ただいまの御質疑に對しましては、私ども割当官廳といたしましても、委員といたしましても、まつたく遺憾に思い、この點を是正しなければならぬということは、つくづく考えております。いかんせん六・三・三制の資材の方へ重點をおかれておりまする関係上、未だその基準も變える機會に至らず、そして増配新規等も取上げることができないような現情にあつたのです。先ほど申し上げましたようなことで、購讀調査もようやくでき上り、私の方で調査いたしました資料も近く各位にごらんを願うべく、委員長のお手もとに提出いたすつもりであります。それらの資料を参考といたしまして、今後十分に検討いたしまして、新規といえども、いいものは取上げ、使命の重大なものには割当て、そしてたとえ割当をいたしておりまする新聞でも、好ましからざるもの、内容再建日本文化のために役立つことが薄いというようなものに對しましては、是正いたしまして、これを運営したいということになりました。それがために、小委員をあげましてこれを検討し、改革し、そして各方面の了解を得るべく努力するつもりであります。どうぞこの點についても御了承を願います。
  56. 馬場秀夫

    馬場委員 この問題は相当重要と思つております。まだたくさん確かめたいことがありますので、次囘に重ねてお願いしたいと思います。  一點疑いがありますが、今、一應割り当てたものでも、思わしくないものは整理するというお話がございましたが、割当委員會は、文字通り割当委員會であつて、爾後の問題を處理する権能をどこにもつておやりになるのか。今のお言葉は、なかなか合理的にいくようなことでありますが、さようなことではつきり事務局長がお話になつて、責任問題は起こらないかどうか。ひとつそれをお伺いします。
  57. 原田治郎

    原田政府委員 大變御親切な御注意で恐縮いたします。實は割当委員會は、割当に関する最高の決定権はもつておる。割当官廳ではありまするが、それを實施いたしまする場合には、割当委員會の決定を経なければ相ならぬことは、規則をごらんになつて御承知のことと思います。この點は實は委員の小委員が昨日會合いたしまして、先ほど御質疑がございましたように、基準量終戦当時から一囘も變つておらないというような関係から購讀者層の調査をいたしまして、そして著しいものがありましたら、これも變える。それからもう一つは好ましからざる新聞に對しては、何とか整理しようというような意向もありまして、私どもの方の割当官廳竝びに委員の方で、そういつたものに對して處置するの権能が法的にありませんので、司法省の方へ連絡をとつて、これを處理するようにというお話もありましたので、緊密な連絡をとつて、協議を進めてその線に沿うてやつているようなわけであります。決していたずらに波瀾を起すようなことはございません。相当に好ましからざる新聞等もありまして、あるいは停止したものもあり、留保したものもあるので、その程度につきましては、まつたくここでお答えをするまでに行つておりません。順次資料等を集めまして、委員會と協調を保ちまして善處するつもりであります。どうぞ御了承を願います。     —————————————
  58. 福田繁芳

    福田委員長 次に日程第五、文書表第一〇五三号、大善寺中門重要美術品に認定の請願紹介議員坂東幸太郎君に代りまして佐々木君に御説明を願います。
  59. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 紹介議員の缺席のために代つてお取次をいたします。八王子市北方にありまする大善寺は、天正十三年開創以来、實に三百七十年の星霜を経た有名なお寺でありまして、現存の中門の建築様式は、鎌倉風なものであり、還暦四年名工小町越前守の設計施工にかかるものでありまして、その他左右に配せられた仁王象または扁額、楚鐘等もそれぞれ由緒あるものでありますので、ついてはこの大善寺中門重要美術品として認定されたいというのが請願趣旨であります。
  60. 福田繁芳

    福田委員長 政府委員の御答弁を承ります。社會教育課長寺中君。
  61. 寺中作雄

    ○寺中説明員 本請願趣旨者、大善寺中門重要美術品として御指定を願いたいということでありますが、大善寺は新編武蔵風土記等にも所載せられておりまする相当由緒のある寺院であるということも存じておるのであります。ただ重要美術品として指定いたしますには、歴史上あるいは美術上、特に価値のあるものについて指定をいた すことになつておりまするので、私どもとしましては、十分にその實地の調査をいたしまして、はたして建築様式が何時代のものであるか、あるいはまたはなはだしく現状を變更されているようなことはないか、あるいは創建当時の材料をどの程度に使用しているかというような諸點について、十分調査いたしました上で、できるものならば、指定をいたしたいとも考えますが、一層慎重に考究をいたしました上で、判定を下したいと存じておるのであります。
  62. 福田繁芳

    福田委員長 本案は次囘に採否を決定いたします。それまで慎重審議を願うことにいたします。     —————————————
  63. 福田繁芳

    福田委員長 次に日程第參、觀光審議会設置の請願、それと日程第四、觀光國策樹立に關する請願、この二つを両請願紹介議員から承つて、一括して運輸省加賀山業務局長及び間島觀光課長から、政府の御所見を承りたい、かように思います。まず第參、文書表の七二八號、觀光審議会設置の請願紹介議員高瀬君に代つて高橋君、お願いします。
  64. 高橋長治

    高橋(長)委員 本請願の要旨は、國際親善、貿易振興等は、觀光事業の振興にまつところがきわめて大きいのでありまして、わが國の觀光事業は、現状のままでは健全なる発達が望めないのであります。民間貿易の再開とともに、各國代表團の来朝が非常に多くなりつつあるのでありますが、さらに講和條約締結の暁には、多数の外客の来朝も豫想されるのであります。かかるときに際しまして、その再建は國策として協力に推進する必要があると存ぜられるのでありまして、ついては速やかに内閣に觀光審議会を設置いたしまして、これが基本的方策を確立されたいというのであります。
  65. 福田繁芳

    福田委員長 日程第四、觀光國策樹立に關する請願は、佐々木君に代つて趣旨説明を願います。それと両案は類似しておりますから一括して政府委員意見を聴きたい、こう思いますからお願いいたします。佐々木君。
  66. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 これまた紹介議員缺席のために、代つて紹介いたします。  今後の平和國家建設のために國際觀光事業の開拓振興が必要なことは申すまでもありません。つきましては、速やかに遠大なる觀光政策を樹立し、國際觀光港の設置、あるいは觀光道路の改善整備、その他外客誘致施設の充實を具體的に實施されたいというのが、觀光策樹立に關する請願趣旨であります。
  67. 福田繁芳

    福田委員長 両案に對する政府当局意見を聴きたいと思いまするが、運輸省加賀山業務局長、お願いいたします。
  68. 加賀山之雄

    ○加賀山政府委員 ただいまの請願に關しましてお答えを申し上げます。  觀光事業、特に外客誘致事業の速やかな復興を期するためには、一はただいま鉄道總局内に觀光課という一課を設けまして、業務をやつておるのでございますが、實を申しますと、觀光事業は非常に廣汎な事業でございまして、内務、文部、厚生、運輸等の各省に分掌されておりますことは、御承知の通りでございます。これらの行政事務の總合調整をはかることが、最も緊要と考えられるのでございますが、これがためには、ただいま今囘請願なされましたような、何かこれを總合調整する機關が必要になつてまいるということは、当然なのでございます。また喫緊の問題であると考えるのでございますが、問題は、この機關の性格をどういうふうにするかということにある、かように考えられるのでございます。単に觀光基本政策の根本について審議するということであれば、現在すでに本文化委員会竝びに參議院文化委員会がございます關係上、これはあるいは必要はないのじやないかというふうにも考えられるのでございまして、問題は単に審議する、あるいは調査するということだけでは足りない。われわれの見解といたしましては、さらに各省の事務を總合調整して、そうして具體的な行政事務を推進していく機關にするというにあるならば、非常に重要な機關たり得る。現在急いでこれを設置する要があるのではないかというふうに考えるのでございます。問題はこの審議会の性格いかんにあると考えるのでございまして、運輸省といたしましては、ただいま申し上げたように考えておりますが、本委員会におきまして、この性格をいかにするかということに關しまして、ようやくこれをお考え願つていただきたい。これはわれわれの方からもお願いを申し上げる次第であります。  第二の、觀光國策樹立に關する請願に對しまして、お答えを申し上げたいと存じます。この國家再建途上におきまして、経済的、文化的重要性に鑑みまして、觀光事業、特に外客誘致事業の整備は、先ほど申しましたように、現下の焦眉の急務と考えられるのでございます。政府といたしましても、速やかにこれを國策として取上げまして、その行くべき方向を早く立てなければならない、かように考えられるのであります。たとえば、心ない人の手によつて公園の樹木が伐られてしまうとか、目前の経済の緊急への走り過ぎ、これはもつとも経済の緊急施策を立て、経済を建て直すということが、現下の一番大事な問題であることは、申すまでもないのでございますが、それと相竝んで、現在すでにもう欧州の各國等が、この事業の再建に邁進しておる状態にも鑑みまして、わが國としても、一日も早く準備をしなければならぬ。少なくともやつてはいけないこと、今やつておかなければならぬということを、速やかに國策として樹立する必要があるのでございまして、その點からいたしまして、實は従来の経験に鑑みまして、運輸省としても鉄道總局内に觀光課を設けて、準備を急いでおるわけでございますけれども、これだけでは、とうてい足りないのでございまして、國策として当然急速な觀光事業の振興をはかるためには、先ほどの機關の設置と相まちまして、強力な、また有効適切な觀光國策の樹立ということが、最も望ましいのでございます。その點に關しまして、たとえば觀光に最も必要なのは施設でございますが、過日もできるだけこの経済下においては金のかからない方策をとらなければならぬというようなお話が、總理大臣等からもあつたのでございますが、私どもとしては、むしろ投資するつもりで、多少の金はかかつても、かような施設はやつておかなければならぬのじやないかというふうに考えておる次第でございます。しかしこの問題は、現在においてはなかなか觀光事業としてはペーするはずはないのでありまして、それにつきましては、政府としても十分なる援助、育成をいたさなければならないのではないかというように、私どもとしては考えておる次第であります。
  69. 福田繁芳

    福田委員長 諸君にお諮りします。この両請願に關する政府の御方針は、ほぼ察知できますので、わが委員会といたしまして、委員長としては小委員会に委ねて両案を一応審査をさせ、その上で可否をきめたい、こう思いますが、御異存ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  70. 福田繁芳

    福田委員長 さよういたします。     —————————————
  71. 福田繁芳

    福田委員長 次に日程第二、平和の鐘数建立助成の請願紹介議員松谷天光光君、説明を願います。
  72. 松谷天光光

    松谷天光光君 先ごろ紹介者の私が缺席をいたしましたために、佐藤委員から御紹介をいただきまして、委員会で御審議をいただきましたことを感謝いたします。  なおすでに佐藤委員から趣旨の御説明があつたことと考えますので、それは省かせていただきます。ただ審議の際におきまして、お手もとに御配付があつたと思いますが、その刷り物の中において、「院議をもつて本記念事業達成に絶大なる御聲援と御賛同を賜らんことを」とある、この字句の中におきまして、その「院議をもつて」という箇所が、審議中問題になつたという委員長からのご報告を承つております。この點について簡単に説明をさせていただきたいと思います。  ここにございます「院議」と申しますのは、これは言葉の使い方が十分でなかつたと私も考えます。これは請願者の意思といたしましては、この文化委員會を通じまして、文化委員會の御賛同を得てという意味であると私は解釋いたしております。なおこの請願につきましては、もはや申すまでもないのでありますが、先ほど来委員會において問題になつておりました、平和をよりよく実現できる一つの象徴として、鐘楼を建立させたいというところにあるのでございますが、この平和の鐘楼を建設いたしますに際しての豫算、費用その他蔓般は、この平和の鐘楼建立會によつて一切を賄う計畫を立てておりますので、豫算の面においては、何ら政府に煩わすことを望んではおらないのでございます。ただ精神的に意味におきまして、國會の文化委員會によつてこの平和の鐘楼建設の事業が一應御賛同をいただき得るということになりますならば、目的完遂にあたりまして、非常に大きな力となり得るという點に主眼をおいておりますので、何とぞその點を十分に御了承いただきまして、なお御審議の上御採択をいただくことをお願いする次第であります。
  73. 福田繁芳

    福田委員長 諸君に申し上げます。本請願は過般佐藤君の説明に加えて、本日、松谷君から詳細な説明がありましたので、それを基本にして次囘までよろしく諸君が慎重審議を願いまして、そうして追つて採否を決定いたしたい、かように思います。     —————————————
  74. 福田繁芳

    福田委員長 最後の議題として、東洋新聞に要旨割当請願が先ほど竝木君から説明があつたのですが、紹介議員の大上司君が今参つて、いささか説明の落ちておる點があるから、それを皆さんに申したいとのことでありますから、この發言を許します。大上君。
  75. 大上司

    大上司君 本日公報を見まして、十時二分に一囘のぞき、十時四十分に一囘のぞいたのでありますが、ほかの議題でありましたので私の方は財政金融の経済力集中排除法案をやつておりますので、まじめな議員としてそれの方をやつておりまして、これは今ここにおられる佐藤先輩もよくご存じのことと思いますが、遅れたわけでありまして、恐縮であります。竝木君の説明ではいささか私の言わんとするところが漏れておるのではないかと思いまして、今言わせていただきます。  前に紹介されたことは、それでよいのですが、ただ問題は、この経営主體がいわゆる朝鮮人であるという點について、いろいろ私たちが悩んでおりますが、結局はこの経営主體を社團法人とさせる。なお創立の趣旨については、いわゆる大和民族と朝鮮民族が永遠に結びつくという點、これは地理的あるいは地域的な觀點からも、朝鮮とわが國は、私が説明するまでもないと思います。この點におきまして、設立の趣旨は、編修方針というものを健全に維持させよう。なお代表者朝鮮人でありますが、一番新聞の編修上必要であるところの編修局長は、現在もそうでありますが、かつて私ずつと新聞記者をやつておつた關係上、私と同じ机を竝べてやつておつた男で、人格的にみて大和民族意識にはつきり立ち返つておる人物でありますので、これを絶對變更させないという點と、なおわれわれの誓約せしめた點に違反をしたならば、いかなる理由があろうとも用紙配給日本政府において停止するという誓約書をとつております。この面から見まして私が過去新聞記者をしてまいつた關係上、このセンスと、日朝の國家關係ということから見て、ぜひともこれを御採択願いたいと存じます。なおずいぶん各社からたくさんの人が用紙申請しておるということは聴いております。これを特別な扱いをしてくれということは、無理かもしれませんが、朝鮮民族と大和民族という點から見て特にお願いしたい。從つて新聞の企業性ということは絶對に認めさせておりません、いわゆるこれによつて利益を得るというようなことは毛頭ありません。なおおもに大阪地區にあるのですが、東京にもございます。この東京關係と大阪關係を十分はつきりと握手をさせて、そうして朝鮮人が現在八十蔓人おりますが、これをよりよくわが國の線に則つて指導してまいろう、かく考えておりますので、その意のあるところをおくみとり願つて特にこれだけ別に御考慮を煩わしたいと思つて申し上げた次第であります。お願いいたします。
  76. 原田治郎

    原田政府委員 ただいまの御趣旨は、佐藤君竝びに委員長からも特にお附け加えになつて、御趣旨の點はよく了承いたしております。先ほど申し上げましたように、一般に用紙配給を取上げる場合におきましては、その趣旨に副うように努力いたしたいと思つております。御了承願います。
  77. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 本日は時間がございませんので、これで打切つて、あらためて願いたいと思います。
  78. 福田繁芳

    福田委員長 ただいまの佐藤君の動議に御異存ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 福田繁芳

    福田委員長 さようにいたします。他の日程はこれを延期いたします。  本日はこれにて散會いたします。次囘は追つて公報で發表します。     午前零時二十七分散會