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1947-09-30 第1回国会 衆議院 文化委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年九月三十日(火曜日)     午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 福田 繁芳君    理事 佐藤觀次郎君 理事 最上 英子君    理事 鈴木里一郎君       猪俣 浩三君    太田 典禮君       馬場 秀夫君    原 彪之助君       森山 武彦君    高橋 長治君       並木 芳雄君    成島 憲子君       佐々木盛雄君    田口助太郎君       竹尾  弌君    川越  博君       受田 新吉君  委員外出席者         專門調査員   武藤 智雄君 九月十六日  委員松岡駒吉君辭任につき、その補闕として同  月二十六日太田典禮君が議長の指名で委員に選  任された。     ————————————— 本日の會議に付した事件  ヘボン式ローマ字を復活の請願坂東幸太郎君  紹介)(第二十六號)  平和の金樓建立助成請願松谷天光光君紹  介)(第二六六號)  國語國字問題の研究機關設置に關する請願(星  島二郎紹介)(第二八〇號)  日本式ローマ字普及請願木下榮紹介)(  第三〇〇號)  登呂遺跡調査會國庫補助請願福田繁芳君  紹介)(第四〇六號)  著作出版に關する小委員長選任の件     —————————————
  2. 福田繁芳

    福田委員長 これから會議を開きます。  諸君に御報告いたしたいことがございます。それは去る九月十六日、松岡駒吉君が文化委員を辭任せられました。それに伴いまして、同月二十六日、太田典禮君がこのたび補缺指名せられました。太田典禮君を御紹介いたします。     —————————————
  3. 福田繁芳

    福田委員長 前會に引續きまして、本委員會に付託せられました請願を取扱いたいと思います。諸君にこの際お諮りしますが、日程を變更いたしまして、委員會進行過程において、日程第二の、平和の金樓建立助成請願、それと日程第五の、登呂遺跡調査會國庫補助請願、この兩案を順を遂うて審議いたしたいと思います。  まず日程第二の、平和の金樓建立助成請願でありますが、これは前會において紹介者に代わつての御披露をしてもらつたのであります。なお、それに伴つて、當時出席されました文部政務次官から政府の御意志も大體承つたのでありますが、そのときの模様では、紹介者出席なかつたので、この請願趣旨奈邊にあるかということがはつきりしなかつたので、留保してまいつたのであります。本日の委員會は前會に引續く關係上、一應ここで紹介者趣旨朗讀してもらいたいと思います。
  4. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 平和の金樓建立助成請願につきまして、松谷君がおられませんので、大體の要旨と理由を説明します。  新憲法実施第一回の異議ある民主國會にあたり、われ等國民ひとしく感激にたえず、この歴史的新憲法を永遠に記念せんため、ここに三千名の調印をもつて全日本宗教團體支援のもとに、平和の金樓建立の言葉を述べる。希わく院議をもつて記念事業達成に絶大なる御聲援と御賛同を賜らんことを。こういう趣旨であります。
  5. 鈴木里一郎

    鈴木(里)委員 ただいま趣意書を聞きました、平和の金樓建立助成請願に關する件でありますが、ただ朗讀だけでは、主意が奈邊にあるかに苦しむのでありますから、次會におきまして、紹介議員松谷天光光君の御出席を求めまして、よく質疑應答の結果、採否の態度をきめたいと思いますから、次會まで本案は留保されんことを切望いたします。
  6. 福田繁芳

    福田委員長 ただいまの鈴木君の提案に、諸君異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 福田繁芳

    福田委員長 御異議ございませんからさようにいたします。  そこで文化委員長として諸君、殊に諸君の所屬政黨に、お歸りになりますれば、くれぐれもお傳えしてもらいたい一事があるのですが、今もそういつた問題に逢著したことく、やはり紹介者というのは、舊來の議會請願なり建議案なりの紹介者ではなくて、しばしば申し上げたがごとく、常任委員會でこれを採擇可決した場合には、必ず政府に裏づけせしむるということになつておるのだから、是が非でも、紹介したところの方は、少なくともこの文化委員會に關連したことについては、絶對的に當日出席して、そうして趣旨辯明し、のみならず、委員からの質問に十分趣旨の徹底するように御回答願いたい。それだけの御用意がなければ、いやしくもこういつた紹介などすべきではない。かように私は存ずるから、どうぞ自由黨なり社會黨民主黨、第一議員倶楽部國民共同黨共産黨、その諸君がお歸りになりますれば、とくと同僚諸君に御傳言願いたいと思います。     —————————————
  8. 福田繁芳

    福田委員長 次に日程第五の登呂遺跡調査會國庫補助請願でありまするが、これも請願文書は前會紹介者から申し上げた通り、なおこれについては、本委員會といたしましても、相當慎重審議を今までいたしたつもりであります。さいわいに諸君の御贊意を得まして、請願が出るやただちに武藤專門調査委員現地に派遣し、同時に本委員會調査委員現地に派遣し、同時に本委員会院議によりまして、七名を現地調査に参らしめ、詳細に調査をさせ、そうして調査團からの報告も本委員會竝びに當時出席された政府委員も詳細に承つたのであります。さようでございますから、もう本案に対しては、この程度で諸君も十分これに對する御認識はあられると思うので、できますれば、今日あたり本案をいかにするかということを議したいのですが、いかがでございましようか。
  9. 馬場秀夫

    馬場委員 登呂遺跡調査會國庫補助請願に關しましては、ただいま委員長から報告がありましたことく、この委員會におきましても、すでに請願者趣旨弁明も十分検討し、調査委員現地でこれを調査して、その異議の重大であることを十分認め、かつ關係政府当局からも、誠意ある回答を得ておりまするので、この請願に關しましては、これで採決せられんことをお願いしたいと思います。
  10. 福田繁芳

    福田委員長 諸君にお諮りいたします。ただいま馬場君の御動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 福田繁芳

    福田委員長 御異議ないようでございまするから、さすれば順序といたしまして、民主黨自由黨社會黨おのおの黨一人ずつ、本問題に對する御討論に移つてもらいたいと思います。できますれば、簡單に本問題に對して、いかにされるかということを承つて、そうして全委員に諮りたいと考えます。民主黨高橋長治君。
  12. 高橋長治

    高橋(長)委員 私どもも、當時派遣されました一人といたしまして、登呂に参りまして現地を十分視察したのでありまするが、本委員會としましては、要するに古代文化というものを探ることは、きわめて必要なことと私ども思いまして、非常に意義深きものと認めてまいつたのであります。現場を拝見いたしましても、現場においてはやむを得ず一時これを中止するのやむなきに至つておるのでありまするが、これは一般の國民も非常に關心をもつてその成行きを見ておるのでありまして、この國民の誤解を一掃する意味におきましても、何とかでき得るようにしたい、こう考えておるのであります。ただいま馬場さんの御贊成の御意見がありました通り、私どももこの登呂遺跡の件につきましては、双手をあげて贊成し、一日も早く本會議にかけたい、こういうように考えております。一言自分意見を申し上げておきます。
  13. 福田繁芳

  14. 竹尾弌

    竹尾委員 私も馬場委員提案に全幅的に贊成する一人でございます。ご承知のようにわが國の上代史は、神武天皇から十代の間は、大和缺史時代という名に呼ばれまして、ほとんど史實として認むべきものがない。そういう點が日本歴史科學的研究に非常な障害を來しておる。こういう點から考えてみましても、われわれは、ぜひ上代史科學的研究に進まなくてはならぬ。これこそ大きな意味におけるわが日本文化向上發展の原動力である。こういうことを、私は日ごろ痛切に感じておりましたので、たまたまあの移籍が發掘されたということは、そういう意味におきましても非常な意義があると私は感じております。但しその研究方法、あるいはその發掘過程におきましては、まだいろいろの問題が殘されておると私は思いますが、いずれにいたしましても、學會、特に東京大學系國學者が全幅的な努力をされておるということにつきましては、私はその點に非常に敬意を表しておるのでありますが、希わくはこの登呂遺跡發掘にあたりまして、日本學会。特に京都大學系濱田青陵氏の系統梅原末治博士系統、特に西日本のそれにつながるところの九州大學、そういう系統學者をも網羅して、そうしてこの完璧を期したい。こういうことを希望條件にいたしまして、馬場委員提案に贊成するものでございます。
  15. 福田繁芳

  16. 森山武彦

    森山委員 社會黨を代表いたしまして、これに贊意を表します。従来、古代住民遺跡は、わが日本におきましては、北日本に數箇所發見されまして、これにつきましては學者が非常な努力をいたしましたが、殘念ながら北日本遺跡は非常に荒れておりまして、詳細なる研究ができ得なかつたということは、まことに遺憾であつたのであります。今回太平洋岸に面したこの登呂遺跡發見されましたことは、偉大なる日本古代史發見であります。しかしながら、また過日來發掘されましたところの遺物の大要を見まするに、今後非常なる研究を要すると思うのであります。でありますから、ただいま竹尾議員のお話のごとく、これから全日本學者、また民間の研究家を網羅いたしまして、さらに一層の努力をしなければならぬと思うのであります。もしこれが明らかになりますれば、さらにわが國には偉大なる發見が次ぎ次ぎにあるだろうと期待しておる次第であります。何とぞ一日も早くこれが發掘の完成されんことを希望して贊意を表します。
  17. 福田繁芳

    福田委員長 以上で本案討論を終えましたので、本請願を採擇いたして政府に送付することについての諸君の御態度を承りたいと思います。本案採擇に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 福田繁芳

    福田委員長 さすれば滿場一致をもちまして本案を採擇いたして、政府に送付いたすことにきめます。     —————————————
  19. 福田繁芳

    福田委員長 なお、去る九月二十三日本委員會著作出版に關する小委員會を設置いたしまして、本日午後一時より、小委員長互選會を行うことになつておりましたが、小委員互選委員長に一任の申出がありますので、私より指名いたすことに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 福田繁芳

    福田委員長 御異議がなければ、佐藤觀次郎君を小委員長に御指名いたします。  本日はこれにて散會いたします。    午前十一時一分散會