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1947-10-21 第1回国会 衆議院 農林委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十月二十一日(火曜日)     午前十時五十九分開議  出席委員   委員長 野溝  勝君   理事 大島 義晴君  理事 鈴木 強平君   理事 岩本 信行君  理事 萩原 壽雄君      田中 健吉君     永井勝次郎君      野上 健次君     細野三千雄君      松澤  一君    小野瀬忠兵衞君      佐々木秀世君     志賀健次郎君      関根 久藏君     圖司 安正君      寺本  齋君     中垣 國男君      中島 茂喜君     堀川 恭平君      八木 一郎君     小川原政信君      佐瀬 昌三君     田口助太郎君      野原 正勝君     益谷 秀次君      松野 頼三君     梁井 淳二君      山村新治郎君    的場金右衞門君  出席政府委員         農林政務次官  井上 良次君  委員外出席者         專門調査員   岩隈  博君     ————————————— 十月二十日  農業災害補償法案内閣提出)(第七五號) の審査を本委員會に付託された。     ————————————— 本日の會議に付した事件  薪炭需給調節特別會計法を改正する  法律案内閣提出)(第四九號)の附帶決議に  關する件     —————————————
  2. 野溝勝

    野溝委員長 會議を開きます。  これより薪炭需給調節特別會計法を訂正する法律案附帶決議に關して、改正すべき箇所ありとの動議がありますので、これを許すに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 野溝勝

    野溝委員長 御異議なしと認めまして、それでは鈴木強平君。
  4. 鈴木強平

    鈴木(強)委員 去る委員會で本案に對する附帶決議が決定されました。まことに各條項とも適宜であろうと存じます。そのうち二、三の點においてもう一度これについて御審議願えれば、委員會の決議といたしまして一層完璧を期するであろうと思いまして、意見を述べたいと思います。きめられましたうちの第三項の問題でありますが、「配給機構全面的改正行い」という點について意見を述べたいと思います。「配給機構全面的改正行い燃料統制組合の外各府懸農業會及森林組合林産組合をして指定取扱をた為さしめ配給面圓滑を期すべし。」という條項がございますが、この條項につきましては、私は附帶決議の當日に缺席しておりまして、今意見を申し上げることははなはだ遺憾に存じておりますけれども、一應やむを得ないこうした機構の問題から申し上げたいと思います。去年林業に關しては林業會法が制定されまして、そして地木社及び燃料統制組合は廢止すべしということがうたわれたのであります。いわゆる林産物といたしまして木材、薪炭の問題でございます。從つて今日燃料統制組合というものは世に存在しておらない。なおかつ私的獨占禁止法によりまして、各府懸におきましても、集荷、輸送配給おのおの一つをもつてやらせることは、政府はこれを認めておりません。七月九月中にほとんどこれらの問題は解決せられまして、二元、三元、四元になつております。なおまた末端の配給登録制を實施することになりまして、十月からやるのでございましたが、いろいろ他の物資との關係で間に合わないので、四月一日を期して實施することをはつきりとうたつております。そして多くは何千、何百かをやられることになつております。すでに附帶決議の第三項目でうたつてあることは實施されておるのでありまして、本委員會附帶決議といたしましては實際しておるものを取上げることはどうかと思うので、これの削除をお願いしたいというのであります。  次に第四項目薪炭價格は全國プール計算を廢し、各府懸の實状に即し、速やかに改正すべし。」この問題でございますが、現在あらゆる重要物資は全國一元的な價格をとつております。これは統制經濟價格面においてはやむを得ないであろうと存ずるのでございます。從いましてこれを各府懸ブロツク價格をかえることは、統制の破壊であろうと存ずるのであります。東京都で申し上げますと、東京都は最近の輸送關係が非常に不便なために、主に北海道の船ぐらによつてやつております。船は一俵百圓以上を要しておるのであります。從いまして、もしかような場合におきまして、東京都におきましては、東京都の消費者は少くとも今の公定價格の二倍半以上も買わなくてはならぬ。いわゆる千八百ベースなどはとうてい行われないのでありまして、かようなことは實状に即しておらないのでありますために、かつまた、生産價格におきまして各府懸ごとにかえますると、これは今から數年前に木炭價格を各府懸ごとにかえたいという意見があつて、これは十分に論議されましたが、いわゆる附懸のうち安い懸はおもしろくないから出さないというような點がありまして、なかなか案に出ましたけれども、これは實施できなかつたのであります。たびたびこれは問題になるのでございますが、この問題につきましては、十分に林業小委員會におきまして意見を付して遅くないと存ずるのであります。かような重要な問題を、ここに輕々にただ府懸の實状に即して改正するということであつては、他日悔を殘すであろうと思いますので、一言この問題について意見を述べて、各委員の御參考に供したいと存じます。
  5. 永井勝次郎

    永井委員 ただいま鈴木委員からお話がありましたが、この燃統というのは事實においてないのでありますから、委員會權威の上からいきましても、この辭句は修正することが妥當であろうと私は思うのであります。  それから先般この問題が附帶決議を付する關係について議論されました當時、價格關係統制方式關係とは切り離すことのできない問題であつて、二つを總合的に、有機的に檢討していかなれば結論が出ないのであります。そこで統制方式をどういうふうに現在の段階に適應して適切に確立するか、またその段階において薪炭價格の問題をいかに決定するか、この問題は林業對策小委員會における最も重要な問題として檢討しておるのでありまして、これは簡單になかなかきめかねておる問題であります。いろいろ基礎となる數字を出しまして、そして全國一本のプール計算の場合はどういうふうになるか、あるいは懸内消費と懸外移出との兩建てにしてやつた場合はどういうふうになるか、あるいは全國を數地區のブロツク切つて、そしてブロツク別に計算した價格を形成すればどういう結論が出るかということを、現在こまかく檢討しておるのでありまして、實は薪炭生産價格消費者價格との表面上における差引勘定からみる數字の差だけをもつて、これが非常に中間搾取であると言うことはできないのであります。現在はこの價格差というものは主として輸送運賃を見込んでおるのでありまして、すなわち全國一本のプール計算制の上になり立つた値がここに出ているのでありますから、それが不合理であるとするならば、どういうふうにこれを合理化するかという對案をもたなければ、これに對して對抗できないと思うのであります。われわれの考えといたしましては、鈴木氏とは意見を異にしいおるのでありまして、全國一本の比率でいくがために非常な不合理な結果が出てくるのであるから、これをただいま申し上げました通りに、できれば懸内消費と、懸外移出と、こういう二本建ての計算制を採用することができないかどうかということを第一に檢討しておりますし、もしそれが非常な不合理な結果が、この流通過程圓滑を期することができないという結論でありますならば、全國を數ブロツクに分けてプール計算はできないか、こういうようなことで全國一本のプール計算ということは、生産者がどうしても承認し得ない實情でありますので、そういう問題を檢討したいと、實はこう考えまして、小委員會におきましては實は緊急要望の事項の中にそれを取上げなかつたのでありますが、これはなかなか簡單には結論を出すことはできない重要な問題であると思いますので、この點もひとつ委員長において十分御考慮くださらんことを切望する次第であります。
  6. 野溝勝

    野溝委員長 私から永井委員にお答えします。ただいま委員長から本日の會議の趣旨を申し上げました通り、本日は附帶決議に對しまして動議がありましたので、これをお諮りしたのでございまして、ただいまの價格問題に對しましては、重大な問題でございますので、それは別の機會において十分審議し、なお小委員會においても十分檢討されんことを望む次第でございます。
  7. 的場金右衞門

    的場委員 今鈴木委員からの御意見大變結構でありましようけれども、私たちは權威ある農林委員會において一應決定をみた案件でありますので、これを輕々に訂正することはどうかと思います。しかしこの燃料統制組合というものがないのであるならば、燃料商業組合というのがあるのでしようから、それは名前の間違いであつたという意味において、名前をかえらるることは私ども異議はないのであります。なお第四項の問題については、これも非常に皆さん活發な御意見があつたようでありますが、その大勢の人が活發意見を交換した結果、ここに第四項が生れ出たものでありまして、これをいまさら突如として變更してしまつたということでありますと、その際發言された委員諸君に對しても、私ども申譯がないかと思います。私の黨といたしましても、三名の委員がおり、一人しか來ておりませんので、私が一人參りまして、こういう動議によつてあれは變更されたぞという報告は、はなはだどうも申し上げかねるような氣持がするのでありますから、できるならば前決議された通りに決定を願いたいと思うのであります。ただしかし名前燃料統制組合がなくて、燃料統制組合のやつてつたような仕事をやつておるものが、燃料商業組合か何か知りませんが、あるとすれば、その名前をおかえになることについては、私どもここで申譯は立つと思いますから、異議はない次第であります。
  8. 鈴木強平

    鈴木(強)委員 ただいま的場委員からのお説の通り、一旦決議したものだから、これを改正しないほうがいいという意見であれば、もちろん私きよう動議を出しましたけれども皆さんがこのままで改正しないでもいいという意見が多ければ、私は動議を出した關係から反對意見を表して、皆さんの御意向の通りで結構であろうと思います。しかしながら事實そういうことで機構は變つておるのに、いやしくも權威ある農林常任委員會において、かような項目をさしはさむことははなはだ私としては遺憾に存じております。この點はもう一度各委員にお諮り願いたいと思います。
  9. 野溝勝

    野溝委員長 別に御意見はありませんか。
  10. 野上健次

    野上委員 ただいま鈴木委員からの訂正の動議について、私は委員會權威、面目という點から考えまして、間違つた點があればこれは十分訂正すべきでありまして、第三項の「配給機構全面的改正行い、」その次の燃料統制組合が存在するかしないかということが問題になつたわけでありますが、これが存在していないということになりますれば、これをすつかり省きまして、そうして「配給機構全面的改正行い農業會及森林組合林産組合をして指定取扱を為さしめ配給面圓滑を期すべし」というように、一部削除して、鈴木委員意見をも參酌して、そういうように決定してはどうかと思います。それから第四項については、これもまた「薪炭價格は全國プール計算を廢し各府懸の實状に即し」ということになつておるのでありますが、これを「各地方實状に即し」とする。その程度に訂正することは、本質を誤るものではなく、附帶決議として先般決定しことが生きてくることになり、差支えないと思いますので、ここに鈴木委員意見をも取入れて、そういうふうに本附帶決議を訂正するということにしてはどうかと思いますが、この點新たに各委員にお諮りを願いまして、こういう程度におりて附帶決議を訂正されんことを望む次第であります。
  11. 野溝勝

    野溝委員長 暫時休憩します。     午前十一時十四分休憩     午前十一時二十七分開議
  12. 寺本齋

    寺本委員長 再開いたします。
  13. 寺本齋

    寺本委員 ただいま鈴木君から附帶決議に關する修正動議が出まして、委員各位と協議の結果、第三項の配給機構全面的改正行いという下の「燃料統制組合の外各府懸」とあるのを削りまして、「農業會及森林組合林産組合をして指定取扱を為さしめ」とある下になさしめ「る等を」入れ、「配給面圓滑を期すべし。」それから第四項の「薪炭價格は全國プール計算を廢し、各府懸」とあるを「各地方實情に即し速に改正すべし」と訂正してはいかがと思うのであります。
  14. 鈴木強平

    鈴木(強)委員 ただいま私の削除意見に對しまして、修正意見が出ましたが、さような場合におきましては、配給機構全面的改正を行うという字句意味をなさなくなるのでございます。現在かような團體がやつておるのでありますから、もしさようでありますれば、原文の方がかえつて意味をあらわすだろうと思います。「燃料統制組合の外」という字句を使うから配給についての全面的改正行いということになるので、さようでなかつたならばかようなことは成立たないと思います。第五項の「各府懸」を「各地方」に直すことには異議ありません。
  15. 野上健次

    野上委員 寺本委員修正意見に對して贊成するものであります。ただいま鈴木委員からこういう修正意味をなさない、かえつておかしいという御意見がありましたけれども、各地方實情においては必ずしもそうではないのでありますから、一應この修正意見でまとまりがつくと思いますし、さらに指定取扱をなさしめる等と幅をもたせたところで、こういうふうに修正することを希望いたします。
  16. 野溝勝

    野溝委員長 お諮りいたします。附帶決議第三項、第四項に對し、寺本委員から修正動議が出ました。内容は、 三、配給機構全面的改正行い農業及森林組合林産組合をして指定取扱を為さしめる等配給面圓滑を期すべし。 四、薪炭價格は全國プール計算を廢し、各地方實情に即し、速に、改正すべし。 三、四の附帶決議に對しまして以上の修正がありました。これに決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
  17. 野溝勝

    野溝委員長 さよう決定いたします。暫時休憩いたします。     午前十一時三十二分休憩     〔休憩後は會を開くに至らなかつた