○森(幸)
委員 さいわい
大臣がお見えにな
つておりますので、二、三お尋ねいたします。
この農業
協同組合の
事業に災害共濟に關する
施設をせられるということが加えられておるのでありますが、これは事務的な問題でありますが、どういう
程度に農業
協同組合をして共濟
施設をせられるか、小さいようでありますが、その點を承りたい。同時にか
つて來われわれが叫んでおりました農業共濟
制度、これはただいま政府としてどうお考えにな
つておりますか。昨年來この問題は畜産、養蠶すべてを網羅して共濟
制度を確立いたしたいということを、議會においても非常に要望いたしてお
つたのであります。すでに本年ではすべての農産物の
價格も上り、また家畜の
價格も、あるいは蠶絲類の
價格も非常な高騰を見ておるのであります。そういう結果この共濟
制度につきましてもまた根本的にかえていかなければならぬ時期にな
つておるのであります。この
協同組合に「農業上の災害又はその他の災害の共濟に關する
施設」ということが第十條に書いてありますがこれはどの
程度にお考えにな
つておるか。それと併せて國家的
立場から農産物の災害に對する共濟
制度、この
施設に對して農林省はどういうようにお考えにな
つておるかという點を、ひとつ承りたいのであります。
なお次には、この
法律ができますと、
協同組合というものが無數にできる可能性があるのであります。しかし農村の實體といたしましては、おそらく一町村に三つも四つも
協同組合ができようことはないと思います。相互扶助の
立場から、まだ農業の性質から申しましてさように對立していくつも農業
協同組合ができようとは考えられないのでありまするが、この同時に付託されておりまする
農業團體の整理に關する
法律でありますが、この案に示されておるように、
協同組合ができれば、農業會であるとか、養蠶實行
組合であるとか、あるいは生絲輸出業
組合というものは、八箇月以内に、解散しなければならない。こういうことになります。ところが現在の農業會の經濟の内容であります。さつき
大藏政務次官が出て
説明いたしましたが、あれは一向要領を得ませんが、今日系統農業會が非常に困
つておることは、先ほど大島
委員の
説明いたしました赤字であります。その赤字をどういうふうにして始末するかということが、今日農業會を通じてのがんにな
つておるのであります。それで政府は農林中央金庫の第二金庫でもつく
つて、舊勘定と新勘定とを改めて、そうして政府はこれを相當の補償をして出直すようにするか、何らかの方法を
はつきりしなければ、農業會というものは解散できない。それで一方において
協同組合ができまして、
協同組合としてはいろいろの
施設をやめていきたい。
當然同一の立地
條件でありまするから、現在の町村農業會を解散して、それらの
施設を新しくできる
協同組合が繼承していくということは、常識上考える問題であります。しかるにこの町村農業會が解散後清算に手間どりまして、そうしてこれが
はつきりしない。こういうことになると、一方に相當の
施設がありながら、清算中であるがために、それを新しく
協同組合が利用することができない。こういうことができやしないかということを私は心配するのであります。殊にこういう團體が清算事務にはいりますと期限がないのであります。今日蠶絲
統制株式會社のごときも、解散の命令が出て、すでに清算事務にはい
つておりますけれ
ども、いつこれが清算が結了するかわかりません。これは會社でも
組合でもすべて清算が期限がありませんから、ずるずると引き延ばされる場合において、非常に迷惑をこうむるのは、その
施設に對する繼承すべき團體であります。この問題は農林中央金庫というものを速やかに復活させて、そうして系統農業會がただちに清算し、この新しき
協同組合にすべての
施設を讓るような態勢を整わしめることが、私は何をおいても必要であると思うのであります。大藏省はこの中央金庫に對してほとんど認識を缺いておるようなことを
政府委員が今も
説明しておりますが、これは大藏省といたしましてはいろいろの問題がありまするから、熱中できないかもしれませんが、農林省といたしましては、何をおいてもこの系統的農業會が完全に解散し、完全に清算し得るようなこの面の解決策を、私は速やかに立てられることが必要だろう、かように考えるのでありますが、この點について
大臣は相當の御計畫をお立てにな
つておられるのでありますか。私はこの農業
協同組合の設立に對して非常に懸念心配いたすのでありますから、この點をお伺いいたしたいのであります。
なお
委員長よりそれは
協同組合法に
關係がないから、そんなことを問うてはいかぬとまた叱られるかもしれませんけれ
ども、すでに九月の中旬に供出に對する地方長官
會議を招集するという
大臣のお言葉であります。そうしますと、新聞等に傳わ
つております生産調整令であります。その内容は農業生産者あるいは消費者の團體はもちろんでありますが、國民はどういうふうになるのかということを非常に心配いたしておるのであります。これは新聞等で傳えられておりますけれ
ども、政府の
責任として、こういうふうな方針でやりたいと思うということを、この機會にひとつ御發表、御
説明くださることが
適當でないかと思うのであります。殊にただいま九月中旬に大體の豫想を立てて地方長官
會議を招集して相談いたしたいという
お話にな
つております。これは先般この
委員會にお示しに
なつた調査要綱、二十二年の米、甘藷に對する生産調整の要綱にありました通り、八月一日に大體の基礎調査をや
つて、八月二十日に段當りの豫想數量をきめるということでありましたが、こういうことは事務當局としてはお考えになるかも知れませんけれ
ども、すでに八月二十日は過ぎましたが、まだ出穂にも一般的にな
つておらない。そうして二十二年の産米の豫想を立てるということは、これは八卦の籖を引くようなもので、神様でなければ豫想がつかないというのが私の考え方で、あの要綱は
適當でないということをその當時申し上げてお
つたのであります。九月の中ごろに招集される地方長官
會議に、もしも八月二十日をも
つて豫想された數字によ
つて、二十三年度の食糧の需給推算を立てて相談なさるということは、これは非常な危險だと私は思うのであります。それて決してあわててこういうことを發表されることは、私は必要ないと思うのであります。颱風の時期にも達しておるのでありますから、もつともつと十分なる確信をもてる
程度の豫想額をつかまえて、二十三年度の需給推算を立てられて、そうして地方長官等をお集めにな
つて、十分の御協議をなさることが
適當ではないかと私は考えるのであります。これは私のただ婆心にそういうことを思い浮べましたので、御参考に申し上げるわけであります。とにかく今農業生産者といたしましては、調整令に對して非常に關心をも
つておるのでありますから、この機會に
大臣から、こういうふうな方法で二十二年度の産米、甘藷に對しては生産を確保し、そうして供出の方法を考えておるということを、御
説明をくださることが時宜に適したことでないかと考えるわけであります。
以上わずか二、三の點でありますが、特にさいわい
大臣が御出席でありますので、この際伺
つておきたいと思います。