○永井
委員 農林大臣の
説明にありました、この自由の原則と
組合における
農民の主體性とこの二つの原則に立つた
協同組合の
設立及び今後の運營におきまして、法文の上にうたわれておるこの原則と、
農林省當局がこの立法にあたりまして、ほんとうにこの原則を貫くために、この法文を成文化したというよりは、現在の
日本の
農村に對して、その
ような自由の原則と
農民の主體性には任しておけない。
當局の方で相當行政的な
措置でひつぱ
つていかなければ、自由に任しておけば何をしでかすかわからぬという
ような、潜在意識が相當に強いものをも
つていて、そうして最初の第九十議會からこの
法案がさらしものにな
つていて、ついに今日まで提案が遅れたというその時間的經過の中には、そういう潜在意識と、そうして外から求められておる自由の原則と、
農民の主體性というものの
確立の内部的な調整が、この時間的經過をと
つたのではないか、こう思うのであります。そこで法文の上にはこういう原則を認めておりながら、
實際の上にいうては、
指導の面においてある程度
一つの模範的な型という
ようなものを設けて、そうしてできるだけその構想しておる方向にも
つていこうとする
努力が、
農林省の官僚において今後行われるのではないか。またそういう官僚の力と、それから今まで
農業會その他に蟠居して
農村をひつぱ
つてきた、そういう古い
農業會のボスとの、その結びつきによ
つて、そういう方向が強く出てくるのではないかということを非常に心配するのでありまして法文の上に盛られた原則は、どこまでも原則としてこれを確定して、そうしてその
指導とか、そういう面において
一定の限界を超えてはならない。こういうことが私は非常に要請せられなければならぬと思うのでありまして、そうして眞にその
農村の
民主化をはかりますためには、最初は非常な行過ぎや、もの足りない點や、ごたごたはありまし
ようけれ
ども、結局は自由の原則と
農民の主體性の
確立によ
つて、みずからの責任においてこれを行
つていくということになりますれば、すぐにそれを反省し、そうして運營を身につけまして、瞬間的に
一つの時間をと
つて見れば、これじや困るという時代はあるかもしれませんけれ
ども、結局においては
農村の
民主化にはこのことが大きな力になる、こう思うのでありまして、今
農林大臣の
お話になりました、ある程度の
指導はやむを得ないだろうといつた、その事柄が非常にこれは重大な方向をとるのではないかと思うのでありまして、これに對する
農林大臣の明確な見解を承りたいと思うのであります。
それから、自由の原則と
農民の主體性の
確立というこの二つの事柄をりつぱになし遂げていきますためには、その基礎として、そうしても
農村教育
農民教育というものがその基盤にな
つていかなければならぬ。直接の
指導というよりは、そういう教育の面において、徹底していくということがなければならぬと思うのでありますが、これに對する今後の
農村教育
農民教育に對してどの
ようなお考えをも
つていられるか。
それから、この
協同組合の
經營において、今後技術
指導の面をどういうふうにや
つていくのか。技術者の問題ももちろんありまし
ようし、いろいろ小さな
協同組合が分立することも考えられるわけであります。またいろいろの業能別の
協同組合ということも考えられるわけでありますが、そういう
ような場合に、
農村一般としての技術
指導をどういうふうに調整し、そういうものをどういうふうに考えられておるのか、
協同組合に放任しておけばとてもこれはみずからの
費用をも
つては賄
つていけないと思うのでありますが、そういう點に對する御見解を伺いたい。