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1947-12-08 第1回国会 衆議院 電気委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十二月八日(月曜日)     午後二時二十一分開議  出席委員    委員長代理 理事 金子益太郎君    理事 櫻内 義雄君 理事 村上  勇君       石野 久男君    境  一雄君       本藤 恒松君    八百板 正君       東  舜英君    栗田 英男君       吉田  安君    加藤隆太郎君       本田 英作君    秋田 大助君       堀江 實藏君  出席政府委員         商工事務官   古池 信三君  委員外出席者         議     員 今澄  勇君         議     員 坂田 道太君         議     員 冨永格五郎君         專門調査委員  落合 高次君         專門調査委員  大石 主計君     ――――――――――――― 十二月五日  湯河原配電増加請願萩原壽雄君外五名紹  介)(第一四七八號)  地熱発電即時實施に關する請願坂田道太君  外一名紹介)(第一四八四號)  石炭窒素肥料工場電力確保に關する請願今澄  勇君紹介)(第一四八九號)  奥尻村に水力發電施設設置助成請願冨永格  五郎紹介)(第一四九二號) の審査を本委員會に付託された。 十二月四日  配電統制に伴う公納金に關する陳情書  (第六三〇號)  九州電力事情緩和對策に關する陳情書  (第六四五號)  絹人絹織物業に對する電力規正改訂陳情書  (第七〇三號)  電力に關する陳情書  (第七〇九  號) 十二月七日  業務用電力直通送電に關する陳情書  (第七二八號)  電力危機突破に關する陳情書  (  第七三五號)  電力對策に關する陳情書  (第七三六  號)  電力加算料金交付に關する陳情書  (第七五四號)  電力當量増加に關する陳情書  (第七六六號) を本委員會に送付された。     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件   請願  一 石川縣織物工業協同組合織物工場配電    増加請願東舜英紹介)(第一二九二    號)  二 湯河原町に配電増加請願萩原壽雄君外    五名紹介)(第一四七八號)  三 地熱發電即時實施に關する請願坂田道    太君外一名紹介)(第一四八四號)  四 石炭窒素肥料工場電力確保に關する請願(    今澄勇紹介)(第一四八九號)  五 奧尻村水力發電施設設置助成請願(冨    永格五郎紹介)(第一四九二號)  日程追加   陳情書  一 配電統制の伴う公納金に關する陳情書    (第六三〇號)  二 九州電力事情緩和對策に關する陳情書    (第六四五號)  三 絹人絹織物に對する電力規正改訂陳情書    (第七〇三    號)  四 電力に關する陳情書    (    第七〇九號)  五 業務用電力直通送電に關する陳情書    (第七二八號)  六 電力危機突破に關する陳情書    (第七三五號)  七 電力對策に關する陳情書    (    七三六號)  八 電力加算料金交付に關する陳情書    (第七五四號)  九 電力當量増加に關する陳情書    (第七六六號)     ―――――――――――――
  2. 金子益太郎

    金子委員長代理 これより會議を開きます。  本日は請願審査いたします。  日程第三、地熱發電即時實施に關する請願坂田道太君ほか一名紹介文書表第一四八四號を議題といたします。まず紹介議員説明を求めます。紹介議員坂田道太君。
  3. 坂田道太

    坂田道太君 本請願趣旨を御説明申し上げます。わが國の生産力を擴充する唯一の方法は動力確保にある。これが施策としてわが國に最も豐富かつ無盡藏に地熱開發して發電することは最も容易で確實有利である。しかもわが國には第一期計畫にてただちに開發に著手したき好適の候補地は、全國にわたつて二百餘箇所ある。今百箇所を開發しても、一箇所の發電力を平均四萬キロワツトとすれば、全國で四百萬キロワツトに達し、その所要總建設費は約二百四十億の見込みで、この總發電力石炭年消費高三千二百萬トンに相當する。この地熱發電實現すれば火力發電所は無用となり、鐵道電化も容易に實施せられるであろう。さらに地熱を十分開發すれば、農村の電化、家庭の電化實現せられ、諸生産工業も大いに振興するであろう。しかして石炭化學工業のごとき重要なる方面に利用し得られることになる。ついては地熱發電即時實施されたいというのであります。以上が本請願趣旨であります。何とぞ審議の上、採擇くだされんことをお願い申し上げます。
  4. 金子益太郎

    金子委員長代理 次に政府當局の御意見を伺います。古池政府委員
  5. 古池信三

    古池政府委員 地熱發電開發については、わが國の將來の動力源對策一つとして國家的に調査を要するもので、目下商工省地下資源調査部が中心となつ地熱開發技術委員會が設けられ研究中でありますが、これが實施の見透しを得るまでに至つていないのであります、技術上の觀點からすれば、採取し得る地下蒸氣の壓力がきわめて低く、また山地に所在する關係上、復水器冷却水の取水が困難である點も、その經濟的開發上の重大問題となるものと考えられるのであります。前にも申し上げた通り、實現の見透しを得るまでに至つておりませんが、目下研究中であります。
  6. 金子益太郎

    金子委員長代理 本請願に對する質疑はありませんか。——質疑はないようであります。本請願採決は後囘しとして次に移ります     —————————————
  7. 金子益太郎

    金子委員長代理 日程第五、奧尻村水力發電施設設置助成請願冨永格五郎紹介文書表第一四九二號を議題といたします。まず紹介議員説明を求めます。紹介議員冨永格五郎
  8. 冨永格五郎

    冨永格五郎君 本請願趣旨説明いたします。北海道奧尻郡奧尻村は無燈火村でありまして、戰時中軍の使用した小規模の火力發電を利用してわずかに電燈恩惠をこうむる百戸以外は、まつたく電化恩惠に浴してゐない實情であります。この奧尻村氣候温暖で海流もよく、魚群の來襲に適し、水陸産物は非常に豐富でなかんずく海産物は最近の事例に徴するもその年産四億圓を算え、道南寳庫をもつて自他ともに許してゐるのでありますが、電源のないため加工施設はまつたくなく、原始的漁業操作に營々としてゐる實情でありまして、經濟的損失はまことに莫大なものであると思われるのであります。さらに工業方面も企業不振の状況にあるのは、電化施設のないのに基因しているのであります。今ここに全村一丸なつ水力發電を計畫し、これが實施に邁進しようとするものにつき、事情御賢察賜わり、再建日本の基盤である農漁村電化促進に積極的な御支援を賜わるとともに、經費の助成に格段の御盡力、御高配を仰ぎたいと存ずる趣旨であります。審議の上御採擇くだされんことを願う次第であります。
  9. 金子益太郎

  10. 古池信三

    古池政府委員 奧尻村におけ電力供給力増加し、農漁村電力利用をはかろうといふ趣旨についてはごもつともと考えられます。同地域の水力地點については、詳細なる資料はありませんが、一キロワツト程度地點はあるものと思われます。開發助成金については今のところ困難でありますが、小水力開發につきましての技術指導等は、できるだけ政府でも考慮したいと存じます。
  11. 金子益太郎

    金子委員長代理 本請願に對する質疑はありませんか。——質疑はないようでありますが、採決は後囘しといたし、次に移ります。
  12. 金子益太郎

    金子委員長代理 日程第一、石川縣織物工業協同組合織物工場配電増加請願東舜英紹介文書表第一二九二號を議題といたします。まず紹介議員説明を求めます。紹介議員東舜英君。
  13. 東舜英

    東委員 この請願の要旨は、石川縣繊維業界は、連合軍司令部の好意による輸出向生糸の放出を賜わり、一刻も早くこの製織完納重大使命を達成せんと、生産に一路邁進いたしております。しかるところ前途には種々の障害が横たわつており、なかんずく窮迫せる電力事情は、生産致命的打撃を與え、生産意欲もまた連合軍司令部政府強き要望も空しく、指定納期までに製織を完了することはとうてい望み得ないような状態なつています。現在では毎週三日間の休電を餘儀なくせられ、これがため生産資材用織物養蠶者用織物その他指定生産織物製織は、指定納期までにその五〇%を辛うじて生産することができるような憂慮すべき状態であります。このように電力の窮迫せる状態において、さらに重要なる輸出向絹織物の生産割當を受け、そのうち特に四匁、四、五匁、五匁羽二重はその生産計畫を命令せられています。この生産計畫を豫定通り完遂せしめるために、一般産業割當以外に、所要電力量該當工場割當實現せられるよう、緊急措置を講ぜらたく、深くお願いいたす次第であります。これが趣旨であります。
  14. 金子益太郎

    金子委員長代理 次に政府當局の御意見を伺います。古池政府委員
  15. 古池信三

    古池政府委員 近時の異常渇水及び割當量の通告が全般的に行き渡らない現状においては、電力需給の均衡を得るため、暫定措置として休電日制を採用せざるを得ないのでありますが、製織工場の大部分が一般線に触續しているため、一般竝みの扱い、すなわち週三日の休電なつているためと思料いたされます。その割當制の效果が漸次徹底するに從つて休電日制は順次廢止していきたいと考えておる次第であります。なお割當電力量の點については、輸出産業等特殊事情を特に考慮する必要のあるものについては、所轄商工局長限り適宜の措置を講ずることができますから、當該商工局をして事情調査の上、善處せしめたいと存ずる次第であります。
  16. 金子益太郎

    金子委員長代理 本請願に對する質疑はありませんか。——質疑はないようであります。本請願採決は後囘しといたし次に移ります。     —————————————
  17. 金子益太郎

    金子委員長代理 日程第四、石炭窒素肥料工場電力確保に關する請願今澄勇君承介、文書表第一四八九號を議題といたします。まず紹介議員説明を求めます。紹介議員今澄勇君。
  18. 今澄勇

    今澄勇君 本請願請願者は、石炭窒素肥料工業振興會近藤會長であります。現下のインフレ經濟の高進を防止し、生産力の増強、國民生活の安定をはかるには、食糧の確保をもつて第一條件とし、これが生産必要資材である肥料増産適期配給先決條件であることは明白なる事實であります。われらは重要肥料一つである石炭窒素肥料生産に從事する者として、その命令の重大なるに感銘し、日夜奮勵を續けているものでまりますが、終戰後電力事情は、今年度の至り遂に春期豐水期に至るも電力制限を解き得ない状態となり、石炭窒素工場の操業は前途に暗影を投じていたが、秋期に至りその電力供給は最惡の場合に突入し、停電は四六時中頻繁に行われ、肥料の計畫はまつたく不可能なのであります。政府は農民に公約せる肥料配給をいかにして確保する所存でありましようか。ここに政府電力施策を徹底的に批判檢討せられ、石炭窒素肥料増産確保を強力に推進せんがため、政府を鞭撻せられんことをお願いする次第であります。以上が本請願趣旨であります。何とぞ十分御審議の上、採擇せられんことをお願い申し上げます。
  19. 金子益太郎

    金子委員長代理 次に本請願に對する政府當局意見を伺います。古池政府委員
  20. 古池信三

    古池政府委員 石炭窒素がわが國の肥料工業としてきわめて重要なものであることは申すまでもありません。しかし、その生産には多量の電力を必要とするものであるため、電力供給の面においては、その生産はなるべく豐水期にこれを集中し、渇水期においては極力電力事情に合わしてその生産必要最小限度に止めるよう配意していますが、最近における電力事情の極度の惡化のため、最低量確保が困難となり、生産計畫に支障を與へていることは遺憾でまります。今囘は主として全國的異常渇水事情に基くものであるが、可及的速やかに事態の改善に努め、供給力の安定を得た場合は、各種生産工業との重要度をも勘案の上、石炭素窒用電力についても、できるだけの確保をはかることとしたいと存じます。
  21. 金子益太郎

    金子委員長代理 本請願に對する質疑はありませんか。——質疑はないようであります。採擇は後囘しといたし、次に移ります。     —————————————
  22. 金子益太郎

    金子委員長代理 日程第二、湯河原町に配電増加請願萩原壽雄君ほか五名紹介文書表第一四七八號を議題といたします。まず紹介議員説明を求めますが、紹介議員の御出席がありませんから、櫻内君に御説明していただきます。櫻内君。
  23. 櫻内義雄

    櫻内委員 私より趣旨を御説明申し上げます。今囘商工省令によつて電力制限がいよいよ強化さられることとなりました。殊に電動機に對する電力量の急激な節減は、温泉業者絶滅の悲運に立ち至らせる状態となります。現在温泉コンプレッサー運轉して揚湯して使用するのでありますが、湯河原町は源泉地使用場所とが非常に遠いので、源泉から浴場まで温泉を送るのに三時間もかくる所があります。從來は一日少くとも十五時間位はコンプレッサー運轉して漸く所要を滿たしているのでありますが、新省令により一馬力一箇月三〇キロでは一日一時間の運轉となるわけで、これではいかにくふうしても温泉を使用することはできません。これでは觀光地である本町絶滅となるのであります。せめて一馬力に對し一箇月一五〇キロ一日五時間程度運轉ができますように請願いたすわけであります。何とぞこの際貴院の絶大なる御理解と御援助により、電力量増加をはかり、温泉を繼續せしめ、本町萬町民の危急を救濟できますよう、右御懇願申し上げます。以上が本請願趣旨であります。
  24. 金子益太郎

    金子委員長代理 次に政府當局の御意見をお伺いいたします。古池政府委員
  25. 古池信三

    古池政府委員 温泉用動力地況上、特に所要電力量の多いものにつきましては、配當電力量の修正を行う必要のあるものもあると考へられますが、これらは所轄商工局をして十分事情檢討の上、善處せしめたいと考へている次第でございます。
  26. 金子益太郎

    金子委員長代理 本請願に對する質疑はありませんか。——質疑はないようでありますから採決に入りますが、先に保留いたしました日程第一、第三、第四、第五と、ただいま議題にいたしております日程第二を一括議題といたし採決いたします。五件とも採擇するに御異議ありませんか。
  27. 金子益太郎

    金子委員長代理 御異議なしと認めさよう決しました。これら各請願とも採擇の上は、内閣に送付することにいたします。  この際お諮りいたすことがあります。衆議院規則第八十六條による報告書の作成でありますが、いずれも委員長に一任していただきたいと存じますが、御異議ありませんか。
  28. 金子益太郎

    金子委員長代理 御異議なきものと認めさよう決します。これにて本日の請願日程は全部終了致しました。
  29. 金子益太郎

    金子委員長代理 なお去る十二月四日本委員會に、配電統制に伴う公納金に關する陳情書陳情者京都會議長富森吉次郎、第六三〇號と、九州電力事情緩和對策に關する陳情書陳情者、九州各縣議會正副水長會幹事福岡縣議會議長稻員稔第六四五號と、絹人絹織物業に對する電力規正改訂陳情書陳情者、全國絹人絹織物工業者大會、第七〇三號、及び電力に關する陳情書陳情者栃木縣宇都宮市塙田町栃木縣電氣協議會連合會長武田文雄、第七〇八號の四件と、十二月七日に業務用電力直通送電に關する陳情書陳情者東京城東区大島町城東製鋼株式會社代表取締役菅原秀雄、第七二八號と、電力危機突破に關する陳情書陳情者東京都大田区東京南部地区電力協議會電力危機突破大會、第七三五號と、電力對策に關する陳情書陳情者、近畿二府五縣電力對策協議會幹事大阪會議長廣瀬勝、第七三六號と、電力加算料金交付に關する陳情書陳情者京都市長神戸正雄ほか九名、第七五四號、及び電力當量増加に關する陳情書陳情者桐生市長前原一治ほか九名、第七六六號の五件、十二月四日の分四件、計九件が送付いたされておりますから、これを日程に追加いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  30. 金子益太郎

    金子委員長代理 御異議なしと認め、それでは九件を日程に追加いたします。この九件を一括して議題といたします。趣旨説明及び政府の御意見を伺うことを省略いたし、本委員會において了承することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  31. 金子益太郎

    金子委員長代理 御異議なしと認め、了承することに決しました。   これにて日程は全部終了いたしました。これで本委員會付託請願及び陳情書審査は全部終了いたしたのであります。  本日はこれにて散會いたします。    午後三時十分散會