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中島説明員 電力の
需用順位の問題でありますが、これ先般
安定本部で
電力の
需給調整要領を決定いたしました。その
實施方法といたしまして、今度の
需給調整要領によりますと、各
需用部門ごとに
電力の
割當量を決定いたしまして、それぞれその
割當量の
範圍で使用していただく、こういう
方針になるわけでありますが、この
割當量の決定に際しましては、
電力の
供給量がどの
程度あり得るかということを豫想いたしまして配當いたしますので、大
體供給量が豫想
通りいけば、
割當量を全部使えるわけであります。ところが、
電力は水あるいは石炭の
關係等よりして、ときどきその
供給量が増減いたしますので、殖えた場合には使う
方法もまた考究されておりますが、主として
減つた場合につきまして、
從來の
ような
制限の措置ということを離れて考えることはどうしてもできないわけであります。
そこで
制限をする場合にはどういうふうにするかということになりますが、普通のものでありましたら、これは結局出荷の
調整であるとか、あるいは
引取未濟のところは不換切符で殘るという
ようなことで、おのずから
調整することもできるわけでありますが、
電力につきましては、そういう
方法が講ぜられませんので、あらかじめ
供給量が
豫定通りいかなかつた場合の
制限の
方法を一應きめておかざるを得ないのであります。その場合に、まずその
割當量はおのおのその
産業の
重要度において決定されておりますので、これを一律に引下げる。
供給量が一割
減つた場合には一律に一割だけ引下げることもできるわけでありますけれ
ども、
需用部門の内容によりましては、たとえば
保安用のものであるとか、あるいは
交通通信用といつた
ようなものにつきましては、これはたとえ一割でも引下げることはできだいという
ようなこともあり得るわけであります。
從つてそういう
制限をしなければならない場合におきまして、どの
部門にどの
程度の
制限をするかということを
順位をつけまして、それによ
つて制限をするというのがこの
需用順位であります。そういう意味の
需用順位が、この
金屬工業に對しましては、必ずしも高い
順位にな
つておりません。現在におきましては
鐵鑛石が乙、それから硫黄が甲のロであります。銅は乙、鉛と
硫化鑛は甲のロ、こういうふうにな
つておりまして、甲のロ又は乙が一部あります。それからその他若干のものが乙に上
つておりますが、それ以外のものといたしましては大體丙、こういうことにな
つておりまして、大
部分が乙、または丙、そういう
順位にな
つております。これは現在の
産業構成上の點から考えられた
順位でありまして、各
方面において打合せは濟んでおりますが、この
順位を
引上げるということは、これは必ずしも不可能ではございません。しかしただこの
順位が低いということがすなわちその
工業自體の
重要性を非常に低く認識しておるというわけではありませんので、たとえば
鑛山需用のうちで、排水その他の
保安という
ような
電力につきましては、たとえ丙でありましても、その
部分だけはいかに
制限をする場合でも
確保するということは、これは當然のことでありまして、そういう
考慮は拂われておるのであります。それからさらに先ほど申しました
ように、各
需用部門ごとの
割當數量というものは、やはりそのときの
需用量とその
産業の
實際の
必要性というものとを十分勘案いたしまして、その
數量がきまりますので、
從來の
ように過去の
實績というものを基礎にいたしまして、それから何割減というふうな
制限を機械的にやるのでありません。その點におきましても、
從來の
制限方法よりはよほど
實際に即應した
ような
考慮が拂われております。從いまして必ずしもこの
順位そのものを
引上げるということが、その
産業に對します
電力の
不可缺な
數量を
確保するという
趣旨を達成する
ための唯一の手段とは考えられません。いろいろな點から、今度の
方法で一應スタートするということで、大體や
つていけるのではないか。こういうふうに私
どもは考えております。ただこれは必ずしも固い
順序でも何でもありませんので、
實施いたしました上で、必要があれば變更もいたしますし、またこの
順位そのものの
實施の點につきましては、これはやはり各
商工局の方で實行をいたしますので、その際の
實際上の運用というものは、また相當
實際に即應する
ような
方法で行い得るわけでありますから、まず一應はただいまの
程度でいいのじやないか、か
ように私
どもは考えておる次第であります。