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1947-10-11 第1回国会 衆議院 電気委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十月十一日(土曜日)     午前十一時十一分開議  出席委員    委員長 前田榮之助君    理事 村上  勇君       石野 久男君    境  一雄君       成瀬喜五郎君    八百板 正君       栗田 英男君    小平 久雄君       根本龍太郎君    夏堀源三郎君       廣川 弘禪君    本田 英作君       秋田 大助君    川越  博君       堀江 實藏君  出席政府委員         商工政務次官  冨吉 榮二君  委員外出席者         專門調査員   落合 高次君         專門調査員   大石 主計君     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  一 富山縣における元縣營水力電氣事業復元に  關する陳情書(第二  五一號)  二 電力制限實施に關する陳情書  (第二七八號)  三 關東地方電源増強に關する陳情書  (  第三三三號)     ―――――――――――――
  2. 前田榮之助

    前田委員長 これより會議を開きます。  本日は陳情書を審議いたします。日程第一、富山縣における元縣營水力電氣事業復元に關する陳情書議題といたします。專門調査員をして陳情文書表によつてその趣旨を説明いたさせます。
  3. 落合高次

    落合專門調査員 富山縣における元縣營水力電氣事業復元に關する陳情書陳情者富山縣會議長前田治吉富山縣はたびたびの出水被害根本對策として、治水と財源補填目的達成及び産業振興に寄與するよう、大正九年以來當願川、黒部川兩水系及び有峯貯水池縣營電氣事業實施し、實績をあげてきたが、これら設備日本發送電株式會社に接收せられて後、昭和二十年度以降は日發株配當金なく、縣財政は最近の異常な膨脹に加えて、右事業の縣債を増加するありさまで、これが建直し計畫を實施しなければ破綻するおそれがある。ついては右電氣事業を縣營に復元されるよう要望する。こういう趣旨であります。
  4. 前田榮之助

    前田委員長 本陳情書に對する政府當局所見を質します。
  5. 冨吉榮二

    冨吉政府委員 電氣事業の經營の問題は、その事業の公共的な性質からいたしまして、最もよく國民の福祉に公平に資するように考慮しなければならないと思うのでございます。從いまして局部的な見地から、既往の状態に復元することのみを主張せらることは、私どもといたしまして必ずしも妥當ではないと考えるのであります。現在の經營形態に改善を加える點がございますれば、十分これを檢討の上善處すべきものであると思いますが、その場合の立脚點は、あくまでも電氣のもつ技術的、自然的特性をも考慮いたしまして、前に申上げましたように、國民總體的福利という點に重點を置いて處理しなければならないものだと考えておるのでございます。配當がなくなりましたために、富山縣が受けられたところの財政上の窮乏はまことに御同情にたえません。そこで當局といたしましては關係方面とも折衝をいたしまして、でき得る限りの努力をいたしておるのでありますが、さらに本年に至りまして水利使用料の三倍引上げをいたしまして、財源補填のためには幾分かの助力をする處置をしておる次第でございます。すでに富山縣の方にもその通牒が届いておることと思う次第でございます。
  6. 前田榮之助

    前田委員長 本陳請書に對する質疑はありませんか。——質疑はないようであります。本陳情書の取扱つについては協議の上決することといたします。     —————————————
  7. 前田榮之助

    前田委員長 次に日程第二、電力制限實施に關する陳情書議題といたします。專門調査員をして陳情文書表によつてその趣旨を説明いたさせます。
  8. 落合高次

    落合專門調査員 電力制限實施に關する陳情書陳情者東京葛飾區柴又山本榮藏陳情の要旨の第一點は、陳情者山本榮藏氏は、業種通信機部品繪具のチユーブ、寫眞機、電氣器等見返り品製造をなしており、業種甲類に指定せられべきところ乙種に指定せられ、そのため強度の電力制限を受けつつありというのが第一點であります。陳情の第二點は、電力制限實施に關し新聞等發表による休電日が守られず、不公平なる制限を受けている都内地域があるから、これを平等に實施するよう要望する、こういう趣旨であります。
  9. 前田榮之助

    前田委員長 本陳情書に對する政府當局所見を質します。
  10. 冨吉榮二

    冨吉政府委員 ただいまの御陳情の第一點は、陳情者の工場が重要度甲類として指定せられるはずのところ、正直者であつたために乙類に指定されたということでありますが、重要度の指定は一定の基準によつて嚴正公平に行つておるのでございまして、この度の甲乙の區別は、決して運動したから實力以上の取扱いを受けるということは事實上あり得ないことでございまして、確かに誤解に基くものと思うのでございます。陳情の第二點といたしましては、休電日新聞等發表と相違し、また地域的に不公平な制限が行われるということでございますが、都内におきましては、電源遮斷のできない進駐軍關係直接需用と、公共用需用が多いために、送電を停止するにあたつて、これらの線に連絡しておりますいわゆる便乘需用家との間に不均衡があることは事實でございます。これは資材の關係で、配線整理ができないために、公平を期し得ない現状でございまして、當局におきましては、資材を多く必要としない線から漸次この配線整理實施せしめ、負荷減少を極力進めておる次第であります。なお緊急制限は、休電日制等の法令に基く正規の制限をもつてしても供給力の方が不足する場合には、サイクル維持のためにやむを得ず行う緊急處置でございまして、的確にこれを豫告することはなかなか困難でございますが、これを可及的に公平に、かつ需用家の御迷惑をできるだけ輕減する趣旨からいたしまして、最近においては地方商工局でその制限基準を設けて、これを事前に公表するように留意いたしておる次第でございます。以上簡單でございますがお答えいたします。
  11. 前田榮之助

    前田委員長 本陳情書に對する質疑はありませんか。
  12. 成瀬喜五郎

    成瀬委員 問題が個人問題でありまして、さして重要視するような必要はないかのように考えますけれども、現今の電力統制につきましては、民間側にとかくのうわさがあるのでありまして、上の方におきまして常識上判斷して、單に誤解であるというふうに片づけることそれ自體が、どうかということも考えられますので、落合調査員によつて、はたして誤解であつたかどうかという點の御調査がありましたならば、私どもも最も公平なる判斷ができるとかように考えております。その點一つ發言をしていただきたいと思います。
  13. 落合高次

    落合專門調査員 これは專門調査員として調査した結果によりますと、甲種に指定せらるべきものでなく、乙種に指定せられべきものであるということがわかりましたので、乙種に指定せらるべきことが適當であると考えます。
  14. 前田榮之助

    前田委員長 質疑はないものと思います。本陳情書取扱いは追つて協議の上決することにいたします。     —————————————
  15. 前田榮之助

    前田委員長 次は日程第三、關東地方電源増強に關する陳情書議題といたします。落合調査員から説明を求めます。
  16. 落合高次

    落合專門調査員 關東地方電源増強に關する陳情書陳情者東京電力協議會準備會代表淺野榮次郎外十九名、今冬の渇水期における關東地方電力を確保する對策として、火力發電用適正炭百三十萬噸を二十二年度下半期本州中央部に即時配給し、火力發電運轉による電力不足の緩和をはかるとともに、發電設備増強用として、關東配電株式會社供給地區に對し、發電用銅線變壓器資材の配給を實施し、電力損失の輕減をはかられたい。こういう趣旨であります。
  17. 前田榮之助

    前田委員長 本陳情書に對する政府當局所見を伺います。冨吉政府委員
  18. 冨吉榮二

    冨吉政府委員 二十二年度下半期における電力用炭としては、電力制限なしに供給するためには、約二百四十萬トンの石炭を必要とするのであるが、第五段程度の電力制限實施する場合においても、最低限度約百四十萬トンが必要であります。目下經濟安定本部においても下期電力用炭として約百四十萬トン割當を行うべく考慮中でありますが、この場合には本州中央部に對する下期割當は約四十萬トンとなるのでありまして、これが電力不足對策としては、電力割當制を實施すると同時に、メーター及び電流制限器の取付による壇用電力低減化竝びに總燃料對策樹立による電熱の減少努力中であります。  發電用資材について申上げますならば、電力部門電線需要量は、日本發送電及び九配電會社發電設備、送變電設備配電設備等復舊擴充補修用を含め、一・四半期當り約四千トンで、これに對しまして、配當量は第一・四半期八百トン、第二・四半期九百トンにすぎず、このうち關東配電配當量は第一・四半期百五十トンであります。これを關東配電の一・四半期當需要量約五百トンに比べると、需要量の三分の一以下であります。關東配電四半期需要量は、送電線擴充復舊を加えますと百トンになります。配電線戰災復舊を含めまして百トン、進駐軍關係三十トン、電壓改善工事八十トン、農事電化その他八十トン、新規電力供給三十トン、其他小口工事七十トン計四百九十トンになります。戰災による配電線の過負荷状態に基く電力損失及び電壓降下の増大の對策は、當局も特に重視しており、これが輕減對策として、配電線の張替、區畫整理等は部分的に實施されており、なお今後も計畫的に實施するべく具體策をとりまとめ中であります。しかしながら前申しましたごとく、電線配當量需要量に比し著しく不足でありますから、具體的計畫も、これらの事實に基いて緊要度に應じ重點的に實施せざるを得ぬ状態であります。關東配電における柱上變壓器需要量は、戰災復舊新規擴充、燒損補填等を含め一・四半期當り約四千と見られるのでありますが、これに對し柱上變壓器生産は、硅素鋼板生産の不振のため制約されており、かつ炭鑛肥料部門等にも相當振り向けられるため、關東配電に對しては第一・四半期は三百臺、第二・四半期は約千臺割り當られ、需要に對し相當不足であります。しかしながら一方において絶縁油の方がなお一層不足を告げており、手持ちの變壓器を十分活用できない状態で、このため連合軍に對し絶縁油拂下げを懇請する等、當局としては變壓器配當増加努力するのほか、特は絶縁油入手對策に腐心中であります。
  19. 前田榮之助

    前田委員長 本陳情書に對する質疑はありませんか。——質疑はないものと認めます。本陳情書取扱いは追つて協議の上決することといたします。  次の會議は公報をもつて通知することといたしまして、本日はこれをもつて散會いたします。     午前十一時二十九分散會