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小笠原政府委員 第三章は
郵便に關する
料金の納付及び還付に關する
規定を網羅したのでございますが、第三十
二條は
料金納付の
方法及び時期について
規定いたしたのでございます。すなわち第一項は原則でありまして、
法律に別段の
規定のある場合を除いて、
郵便切手でこれを前納しなければならない。これはむしろ當然のことでございますが、
はがきについては、その
料額印面に現わされた
金額の限度において
料金の納付があ
つたものとする。第三項は御承知のように、現在
料金後納とか、あるいは
料金別納とか、通貨で
料金を納付するというような
取扱いをしておりますので、それの關する
規定を設けたのでございまして、その
具體的な運用につきましては、この
法律の
規定に基いて、
省令で
規定することにいたしたいと
考えておるのでございます。
第三十三條は
切手類の
發行及び賣さばきにつきまして、「
郵便切手その他
郵便に關する
料金をあらわす證票は、
遞信大臣が、これを
發行し、
郵便局及び別に
法律の定める賣
さばき人において、これを賣りさばく。」つまり
郵便局で賣りさばくことはもとよりでありますが、今日そのほかに御存じのように印紙
切手の賣
さばき人というのがございます。この賣
さばき人の關係につきましては、現在は
法律はないのでございますが、この
郵便法案の第五條の事業の獨占というところの第一項の但書に「但し、
遞信大臣が、
法律の定めるところに從い、契約により
遞信官署のため
郵便の業務の一部を行わせることを妨げない。」かように
規定いたしました
趣旨によりまして、その以外の、つまり國の使用人でない賣
さばき人が
郵便の業務の一部であるところの
切手や葉書の賣さばきの仕事を行うのにつきましては、
法律に
規定する必要がございますので、追
つてその
法律を御制定願うことにいたしまして、この
法案において「
法律の定める賣
さばき人において、これを賣りさばく。」ということに
規定したのでございます。これに關連してこの
法案の第九十
一條には經過
規定として「この
法律施行の際現に
郵便切手其の他
郵便に關する
料金をあらわす證票の賣さばきの
認可を受けている者は、これを第三十三條に
規定する
法律の定める賣
さばき人とみなす。」現在
認可を受けて賣さばきをしております者は、
郵便法案の第三十三條に
規定する
法律の定める賣
さばき人とみなすことにいたしまして、その間に支障のないようにいたしたのでございます。
第三十四條は
切手類の記號、すなわち
郵便切手に特別な記號を施して使用することができるのでありまして、それに關する
規定を設けたのでございます。これも
現行と同様であります。
第三十五條は、どういう場合に
切手が無効になるかという
規定でございます。汚染
切手、もしくは毀損された
郵便切手、または
料額印面の汚染し、若しくは毀損された
郵便はがきは、これを無効とするというのであります。
三十六條は
料金納付の義務の消滅に關する
規定でございます。納付すべき日から六箇月以内に納付の告知を受けないことによ
つて消滅するのであります。
三十
七條は、
現行法の二十
七條と同様でありまして、
料金の不納
金額の徴収について、國税滞納の處分の例によるということを
規定いたしたのでございます。
三十
八條は、
現行法では二十四條に「
郵便ニ關スル既納及過納ノ
料金ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外之ヲ還付セス」と簡單に
規定しておりますが、その
内容をさらに
具體的に「
郵便に關する既納の
料金は、左のものに限りこれを納付した者の請求に因りこれを還付する。」第一は過納の
料金、すなわ
ちよけいに納めた
料金は返す、それから「
特殊取扱その他この
法律に定める特別の
取扱をする
郵便物について、不可抗力に因る場合を除いて、
遞信官署がその
取扱をしなか
つた場合、又はその
取扱をしないと同様の結果を生じた場合における
特殊取扱その他特別の
取扱の
料金」すなわち
速達郵便物が
料金を納付して差出したにもかかわらず、普通
郵便物よりも遅く届いて、結局その
速達としての
取扱をしないのと同様の結果に
なつたというような場合に、
速達料金を返すというようなことを包含しておるわけでございます。第三號は「
遞信大臣が損害賠償をしなければならない場合における當該
郵便物の
料金」すなわち書留、保險扱にいたしました
郵便物がなく
なつたような場合、
郵便物の
料金は返す。それから第四號は「
郵便差出箱の私設又は
郵便私書箱の使用を廢止した場合における廢止した月の翌月以後の
料金」これは請求をま
つて返す、これは當然のことでございます。
三十九條は、
料金の還付の請求、これは
料金還付の請求をなし得る期間を限定いたしまして、
郵便事業の處理を簡潔にいたした
趣旨でございます。