○
淺沼委員長 いろいろ御
議論があるようですが、
政黨は今生れたばかりだからまだこれに
制限を加えることはどうか。さらに
政黨については
國民の信頼がない、まだ脱皮が行われてない。
從つて政黨法を設けることはいかがであろうかと思われるというような御
議論もございました。さらに
範圍の點については、
參議院及び
衆議院に
代表者を送る
團體として、その
範圍を決定したらどうかという
意見も出てまいりました。しかしいろいろ
考えてみれば、こういうことになるのではないでしようか。個々の
國民が
團體を結成して、共同の力において國家民族の福利増進のために、綱領政策を掲げて戰うものが
政黨であるということは間違いないと思うのであります。しかしその綱領政策を定めて戰う場合において、
細川君も御
議論があつたようでありますが、たとえば現在のような
日本の經濟危機を前にして、それを乘切るにはいかなる政策が妥當であるかということについては、現在ある
政黨は千六百と言われておるのでありますが、そういうような方策というものがあるわけではないので、方策というものは大體において四つか五つ、あるいは多くても十くらいのところには集約できるものではなかろうか、こう
考えるのであります。
さらにもう
一つは、多くの
團體が分散してそれぞれの主張のもとに爭
つておることは、
日本の國における
國民の
政治的エネルギーを分散させる形になるから、自然それを集中させていかなければならぬという結果になるから、そこで
政黨の
範圍にある
程度の
制限を加えていくことは必要だ。こういうようなことに私は理論づけられていくのではなかろうかと思うのであります。
それで大體の御
意見を伺
つておると
——内容についてはまだ御
議論があるようであります。すなわち、
投票數の總數の何パーセントとか、あるいはこの前の
選擧の場合の有權者の何割以上の署名をとつたものとか、そういうようなことがいいか惡いかについてはいろいろの
議論があり、さらには、
參議院及び
衆議院に
代表者を送る
團體というような工合に、非常に廣
範圍に
對象を求めたらどうかという
議論もあります。しかしいずれにしても、
範圍に
制限を加えたらいいということには間違いないように私は思います。
從つて議論を進める
意味合において、
政黨に
一つの
範圍を定めることはいい、こういうようなぐあいにきめて
——もし決定することが惡ければ、かりにそういうような決定をして、次に、
政黨の
組織については一體どういうようなものがいいか、こういうぐあいにはい
つていつたら
議論が進むのではないかと思うのであります。
政黨は生れたばかりで
國民に信頼がない、脱皮が行われていない、こう言われますけれ
ども、過去にあつた
政黨のも
つております惡いものに對しては、
一つの制肘が
——新しいものを助長發展させる
意味において何かの規定が設けられてもいいわけであります。たとえば過去における、
日本の憲政が布かれて以來發展してまいりました
政黨が、いろいろの問題において批判さるべき點があれば、その批判の上に新たなる規定を設けて、非難のないように、
國民の信頼を増すような
方向に行く。たとえば、
組織において民主的な
組織をとるとか、あるいは會計の點について公明なる會計制度を確立して、公開制度をとるとか、こういうようなことは、現在ある
政黨よりも、か
つてあつた
政黨の
一つの批判の上に、これからあるべき
政黨のあり方についての
一つの
方向を示していくものだと思いますから、そういうような
議論から言
つても、
政黨法の
内容にはい
つてい
つて議論が全然できないわけではなかろうと私は思うのであります。
從つて範圍の點についてはどうでしようか。そういうぐあいにして
議論を進めていけば、案外前に進むような氣がするのです。
内容についてはまだ
議論が一致しないけれ
ども、ある
程度の
範圍を設けるということについては大體
意見の一致を見ておるというこの姿で、あとは、この次には、
政黨の
組織の問題について、それならばどういう
政黨のあり方がいいかということについて
議論をしてみる。その問題については一應この
程度の
議論にしておいて、先に進んでみたらどうでしようか。