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1947-11-21 第1回国会 衆議院 水産委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十一月二十一日(金曜日)     午後一時三十三分開議  出席委員    委員長 青木清左ヱ門君    理事 鈴木 善幸君 理事 馬越  晃君    理事 三好 竹勇君 理事 夏堀源三郎君    理事 西村 久之君       加藤 靜雄君    金野 定吉君       藤原繁太郎君    松本 眞一君       石原 圓吉君    坂本  實君       關内 正一君    冨永格五郎君       内藤 友明君    外崎千代吉君  出席政府委員         農林事務官   藤田  巖君  委員外出席者    議員 寺島隆太郎君 議員 原 健三郎君    議員 飯田 義茂君 議員 本田 英作君    議員 佐伯 宗義君 議員 井谷 正吉君    議員 坂東幸太郎君 議員 岡野 繁藏君         農 林 技 官 太田 國廣君         專門調査員   小安 正三君     ————————————— 本日の會議に付した事件  一 臼尻漁港修築に關する請願川村善八郎君  紹介)(第一〇八号)  二 飯岡町に船溜工事施行請願寺島隆太郎  君紹介)(第二〇六號)  三 斜里漁港修築竝びに斜里川河口改修請願  (永井勝次郎紹介)(第二五七號)  四 丸山漁港修築請願原健三郎紹介)  (第三二二號)  五 大津漁港修築請願菊池豐君紹介)(第  三六九號)  六 雄武村に漁港築設の請願飯田義茂君外一  名紹介)(第五三七號)  七 師崎漁港修築請願深津玉一郎紹介)  (第六一六號)  八 長崎漁港施設修築請願本田英作君外一  名紹介)(第六五一號)  九 蚊燒村船溜修築費國庫補助に關する請願  (本田英作君外一名紹介)(第六五二號)  一〇 江良船入澗擴張工事施行請願冨永格  五郎君外一名紹介)(第七三一號)  一一 出雲崎漁港修築請願神山榮一君紹  介)(第七三七號)  一二 大澤字大澤船入澗築設請願川村  善八郎紹介)(第七五三號)  一三 涌元に漁港築設の請願川村善八郎君紹  介)(第七五四號)  一四 松前町に漁港築設の請願川村善八郎君  紹介)(第七五五號)  一五 大島原口船入澗築設請願川村善  八郎紹介)(第七八二號)  一六 小島村館濱船入澗築設請願川村善  八郎紹介)(第七八三號)  一七 大島清部船入澗築設請願川村善  八郎紹介)(第七八五號)  一八 魚津漁港擴張工事施行請願佐伯宗義  君外二名紹介)(第七八七號)  一九 和田漁港修築請願青木清左ヱ門君紹  介)(第八九五號)  二〇 鷹巣漁港修築請願青木清左ヱ門君紹  介)(第八九六號)  二一 稚鮎の保護に關する請願青木清左ヱ門  君紹介)(第八九七號)  二二 樺島村本竃船入澗築設請願西村久  之君紹介)(第九〇二號)  二三 三島下泊漁港築設の請願赤松明勅  君紹介)(第九三三號)  二四 船泊船入澗擴張工事施行請願坂東幸  太郎君紹介)(第九六一號)  二五 城崎村厨に船溜及び船揚場擴張工事施行  の請願青木清左ヱ門紹介)(第九八九號)  二六 城崎村米ノに船溜及び船揚場の第二工事  施行請願青木清左ヱ門紹介)(第九九〇  號)  二七 蒲生船溜工事國庫補助増額請願(青  木清左ヱ門紹介)(第九九四號)  二八 保戸島漁業組合漁船配船請願(梅林  時雄君外一名紹介)(第一〇〇〇號)  二九 遠別村に船入澗築設請願坂東幸太郎  君紹介)(第一〇二四號)  三〇 清水漁港築設の請願岡野繁藏君外三名  紹介)(第一〇三二號)  三一 四ヶ浦船泊工事繼續請願青木清左ヱ  門君紹介)(第一〇七三號)  三二 豐濱船入澗築設請願冨永格五郎君  外二名紹介)(第一〇七七號)  三三 乙部漁港修築請願冨永格五郎君外二  名紹介)(第一〇七八號)  三四 原町に船溜工事施行請願小澤專七郎  君紹介)(第一〇九一號)  三五 入舸村船入澗擴張工事施行請願(小川  原政信紹介)(第一〇九五號)  三六 四倉漁港修築請願(關内正一君外三名  紹介)(第一一〇八號)     —————————————
  2. 青木清左ヱ門

    青木委員長 これより會議を開きます。まず請願を上程いたします。  第三〇、清水漁港築設の請願
  3. 岡野繁藏

    岡野繁藏君 清水港築設につきましての請願につきまして山本清水市長栗田清水會議長、植田清水商工會議所會頭から出ておりまする清水漁港建設についての請願につきまして、以下紹介議員として御説明申し上げます。何とぞよろしく御採擇願いとう存じます。  清水港國際貿易港としまして稀に見ます立地條件に惠まれておりまして、かつ中央當局の多年の御努力、御後援によりまして、戰災による甚大なる被害をこうむりましたにもかかわらず、ようやくその態勢を整備してまいりまして、貿易再開途上國家經濟復興と、民生の安定に寄與しつつありますことは、地方民の欣幸にたえざるところでありますが、漁港としてのわが清水港の優越なる性格につきましても、この際再檢討を懇請する次第であります。清水港太平洋岸中央に位しまして、甲信地方を經て遠く裏日本各地に連ります。かつ其の江尻ドツク東海道線清水驛構内隣接しておりまして、仕向地選擇に鮮度を生命といたします漁獲物積込搬送に、氷、油その他の仕込物資の供給に至便でありますのみでなく、背後地帶にはカン詰工業その他の海産加工業の發達等、近海漁業はもちろん、遠洋漁業の基地といたしまして缺くべからざる各地の要件を具備し、これに海陸の施設を完備いたしますれば、理想的漁港として更生すべきことは疑いなきところであります。今やきわめて逼迫せる食糧事情のもとに、完備いたしました漁港要請最も急なるときに、何とぞ實情御賢察の上、清水漁港建設の儀、御採擇賜わりたく、ここに謹んで請願申し上げた次第でございます。
  4. 青木清左ヱ門

    青木委員長 本件に關し政府意見を求めます。
  5. 太田國廣

    太田説明員 清水漁港設備の必要な點は十分に認めておるのでありまするが、目下清水港運輸省所管としまして工事實施中でございますので、本件と關連性も非常に深いのでありますから、具體的十分檢討を加えた上に、なるべく速やかに實現するように考えたいと思います。     —————————————
  6. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に第二三、三島下泊漁港築設の請願赤松明勅紹介文書表第九三三號、紹介議員説明を求めます。
  7. 井谷正吉

    井谷正吉君 愛媛縣西宇和三島下泊漁港船溜建設につきましての請願紹介いたします。  愛媛縣西宇和郡の西南端大崎半島北部奥地灣南西に位して北東方には海を隔ててニ木生村、陸續きに三瓶町があり、南部は大崎半島水界をもつて東宇和高山村に接して、東西南の三萬を急峻なる山岳に圍繞されて、北方に開口せるU字型港灣で、灣口は約一・五キロ、抱容海面三平方キロ、水深最深約三二メートル、最淺約一〇メートルであります。當港神子浦加室、本浦の三部落よりなり、總戸數二百三十戸、人口千百五十人でありまして、その大半漁業に從事しております。     〔委員長退席西村(久)委員長代理著席〕 その所有いたします漁船動力漁船が二十隻、普通漁船が百十六隻ありまして、計百三十六隻でございます。そして漁業方法いわしッ張網地曳網さば釣船を始めとして、刺網、建網、一本釣等方法によりいわし、あじ、たいえび、するめ等昭和二十一年度において、十一萬一千貫、金額にいたしまして五百四十萬圓さば釣船の分は除く)をあげております。なお三島村内には他に有太港、藏貫港、皆江港があり、これらを合算しますれば漁獲は大なるものがあります。最近の状態としましては近き將來における農業恐慌を見越して、海に發展すべく目下建造豫定の船も多數ありまして、政府の意圖しておられます水産日本再建の線に沿つて萬進しておる次第であります。  なお漁港船溜)の必要なる理由を申し上げますと、港型と風向とを考案するときぜひ必要であることは、前述いたしましたごとく東西南の三方を山に圍まれて、北方に向ひU字型港灣を形成しておりすまので、南西に對しては良港でありますけれども、北風北東風に對しては灣内撃船の餘地なき不良港となるのであります。又灣口比較的廣きために、西風に對しても全波を受けて、冬季には灣内神子浦港は繋船ができないのであります。從いまして前記風向となるときは、大型船は何れも隣接三瓶港へ避難し、小型船は揚陸するの不便不利益があります。この事實を裏書きするものは昭和二十年九月の風水害でありまして、此の災害のために當時の在港船百二十三隻を一時に喪失するの一大慘事を引き起こしたのであります。その後二箇年ようやく現在の港勢に囘復したのでありまして、この間における漁民の辛苦は、眞に大なるものがあります。從いましてこの災害を契機として、多年縣案でありました築港問題が再燃して、しかもその要望はきわめて熾烈なものがあり、この際ぜひ築港をお願いして、漁民をして安んじて漁撈に從時せしめたいのであります。 二、大崎半島突端附近は古來船の難所であつて築港完成の曉には附近唯一緊急避難港となること、宇和海に突出せる大崎半島突端附近海面は、豐豫海峽岬佐賀關附近に次ぐ宇和海における海の難所でありまして、往時宇和島大坂航路滋賀丸九百トン、同義州丸一千トンを初めとして、沿岸航路第二鶴島丸九十トン等、汽船、機帆船の難破せるもの枚擧にいとまのない實情であります。また隣接東宇和高山村田濱港も、漁業のきわめて旺盛なるところでありますが、南風に際しては大型船は何れも當港に避難するのであります。最近においても年々秋冬季には、漁船機帆船等、數隻の遭難ある箇所でありまして、築港完成の曉には大崎半島附近宇和海における唯一緊急避難港となるのであります。  三、魚の豐庫北部宇和海中心漁港として利用されること。宇和海が魚の豐庫なることは周知の事實で、水産愛媛漁獲大半宇和海でありますが、わけて北部宇和海各種魚類の囘遊するものすこぶる多く、その中央に突出せる大崎半島附近中心に西するも、東するも、全部が漁場であり、下泊港はその中心に位置しておるのであります。しかるに現在まで何らの施設のないのは、まつたく遺憾でありまして、漁民志氣にも大いに影響いたします。漁港完遂の曉には、これが利用者下泊在籍船のみならず、東西北各宇和郡の漁船にして附近に出漁するもの全部が、その恩惠に浴するのであります。  四、漁港修築は比較的容易なること。船溜修築必要性は以上の通りでありますが、これが實現には材石勞務者等關係が計畫完遂に至大の影響があります。さいわい當港はこの點大いに惠まれております。すなわち一點には材石の豊富なること。大崎半島附近山岳急に海に迫り、かつ風波荒きために、海岸線は常に浸蝕されて、材石の適當なるものはすこぶる豊富で、しかも近距離にありまして、本計畫に基く所要材石の充足はきわめて迅速容易に採取することができます。二、計畫箇所海岸より約二十メートル鋭角的な岩礁あること、次は地元勞務の提供あること、當漁港計畫は地元民多年のきわめて熾烈なる要望に基くものでありまして、計畫實施にあたつては、勞務者は一部熟練者を除き、すべて無料に奉仕する覺悟でこれを決議いたしております。  右三點よりして、從來この種工事に往々見るがごとき、地元負擔の過重による工事の停滯その他障害はいささかも心配なく、事業は圓滑迅速に進捗するものであります。何とぞ以上の事情を御賢察くださいまして、地元から漁港計畫の完遂いたしますようにお願いいたしたいと存ずるのであります。以上をもつて紹介言葉にかえます。
  8. 西村久之

    西村(久)委員長代理 本件に關する政府意見を伺います。
  9. 太田國廣

    太田説明員 下泊におきまする漁業施設の改善の必要性は十分に認められますので、具體的計畫については目下檢討中でございますが、財政の許す限り二十三年度に實現するようにと考えております。     〔西村(久)委員長代理退席馬越委員長代理著席〕     —————————————
  10. 馬越晃

    馬越委員長代理 次に日程第二二、樺島村本竃船入澗築設請願文書表第九〇二號、紹介者西村久之君、御説明願います。
  11. 西村久之

    西村(久)委員 樺島村本竃港の修築に關しまする請願につきましては、過日委員會において明細に請願の趣意を申し述べてありまするので重複いたすきらいがありまするから、大體において省略いたしたいと存ずるものでございます。  本竃港と申しまするのは、長崎縣五島列島の中間に位する樺島村の本竃港になつておるのでありまして、港の口が西の方向に向いておりまする關係上、冬の季節が波に打込みまして、漁船が碇泊するに非常に不便であるばかりでなく、風が出ると一々小舟等引揚作業をやらなければならないというような、すこぶる地の利に惠まれない港に相なつておるわけであります。從つてこの不便を緩和いたしまするために船入澗修築しようとするのでありまして、この修築が完成いたしまする暁においては、いわし漁場に最も近い地の利を占めた本竃港であり、なおかつ食糧の緩和をはかるべき捕鯨船が、この本竃港には碇泊する等の關係がありまするので、修築後の本竃港に受ける恩惠というものは少からぬものがあり、かつまた食糧増産のために寄與するところが大であろうと信じて疑わないのであります。右申し述べました箇所であり、また事情を御賢察願いまして、御採擇あらんことをお願いいたします。以上簡單ながら紹介言葉といたします。
  12. 馬越晃

    馬越委員長代理 本請願に對する政府の御意見を承ります。
  13. 太田國廣

    太田説明員 樺島船入澗の築設は附近漁業の發展上必要と認められますので、具體的の計畫については、十分檢討の上、なるべく速やかに實現するように考えております。     —————————————
  14. 馬越晃

    馬越委員長代理 次は日程第八、長崎漁港施設修築請願本田英作君外一名紹介文書表第六五一號及び第九蛟燒村船溜修築費國庫補助に關する請願本田英作君外一名紹介文書表第六五二號。右請願に對する紹介議員の御説明を願います。
  15. 本田英作

    本田英作君 まず長崎港の修築請願について、節單にその理由を申し上げます。  長崎縣は御承知の通り、その實力においては、ほとんどその比をみないくらいの水産縣であります。しかるに長崎港は天然の良港ということに安んじて、今まで何らの修築をしなかつたために、せつかく良港が非常にその機能を薄らげておるような状態であります。このままにいたしておきますと、せつかく天下に名をなしておる長崎港も忘れられてしもうということになるのでありまして、ぜひひとつ今度は修築工事をしていただいて、目下最も必要でありまする水産物漁獲ということについて、十分に港灣の機構を發揮したいと思う次第であります。くどくどしく申す必要はありませんけれども、現在長崎水産物支那方面において非常にこれを待望し、その方面に對して十分に發展しなければならぬ状態であるのであります。そういう次第でありますから、ぜひ長崎港の修築は一日も早くお急ぎ願いたい、こういう趣旨であります。  それから第九の蛟燒村漁港修築でありますが、これもやはり長崎港に接したところでありまして、やはり長崎港と一連の關係がある港であります。互いに相互連絡をして修築をしなければならないようなことになつておるわけであります。併せてこの蛟燒村の方の漁港についても、修築の速やかになされんことを希望するものであります。
  16. 馬越晃

    馬越委員長代理 ただいま二つの請願に對します政府の御意見を伺います。
  17. 太田國廣

    太田説明員 長崎漁港重要性は十分認められておるのでありますから、財政の許す限り二十三年度から實現したいと考えております。  次の蛟燒船溜修築費國庫補助に關してはその必要性は十分認められるのでありますが、本件については愼重に調査を加えた上將來實現するように考慮したいと思つております。     〔馬越委員長代理退席委員長著席〕     —————————————
  18. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に第一〇、江良船入澗擴張工事施行請願冨永格五郎紹介文書表第七三一號、第三二、豐濱船入澗築設請願冨永格五郎君外二名紹介文書表第一〇七七號、第三三、乙部漁港修築請願冨永格五郎君外二名紹介文書表第一〇七八號、以上三件を一括して紹介議員説明を願います。冨永格五郎君。
  19. 冨永格五郎

    冨永委員 北海道松前大島村の江良船入澗擴張工事につきまして大島村長木村利三郎君から請願されておりますので、請願に關する紹介議員として説明を申し上げたいと思います。  北海道松前大島村は、渡島半島中最も日本海に突出する鼻梁部に位しておりまして、正面に海島大島を望み、左面海島小島を望みまして、しかも由來道内の最優秀な柔魚漁業地として知られております。それゆえに昭和七、八年中北海道費補助によりまして總工費二十一萬餘圓を投下し、利用水域約四千坪、水深二メートル、七、八トン級動力船二、三十隻収容の規模船入澗を築設しましたが、爾來十五箇年の星霜をけみしました結果、港内に流砂堆積しまして水域を相當狹めております。現在は魚撈船舶出入の安全を奪うに至つたのであります。しかも漁船動力進歩船體の擴大、及び隻數増加の現勢からいたしまして、今後はとうていその任務にたへぬものがあるのであります。顧みますれば、敗戰による北洋海田の喪失の補填、外地引揚者への授産育成等、新國家再建のための内的整備政策上、道及び國の過去の諸施設につきましては、新しい角度から再吟味を加へる必要があるのであります。  わが海島大島は、本村を距る十八里の海中に孤立しておりまして、暖寒二潮の交流に洗はれ、海藻の繁茂、魚族が囘遊しておりまして、鯨群常に其の周邊に棲息し噴潮、鯨波の壮觀を朝夕に望んでいる次第であります。またわが大鴨津川上中流域は非常に森林が繁茂しておりまして、數千萬石原始林を包藏し、百數十町歩適耕盆地を奄有いたしまして、更に滑石DDT劑混和材、繊維、紡織、ゴム、製紙等工業補成材マンガン等數千萬トンの鑛層を埋藏している地域がございます。しかるにあるいは海路險悪、あるいは山岳嶮岨等の悪環境のために、これらの有用の資材が數百年間埋藏されておるのであります。政府にあつてはこれを等閑に附し、曽つてこれを開扉しようと試みることがほとんどなかつたのであります。今や時代は急轉しまして、一切の舊慣墨守性を止揚しなくてはならないのであります。よつて今此の祕庫を合理的に開扉しまして、まず海にあつて漁撈手段を尖鋭擴大して、波濤を克服しまして、漁獲を的確にし、更にこれを高度加工化すべきであります。陸においては、數十世帶の專農家を入殖せしめ、もつて農産の増殖をはかり、又若干千戸の林産業者を収容しまして、もつて動力用及び採暖用等木炭薪炭ないし建築用竝工業用木材製材増産をせしめることは時局柄正に緊要適切な政策でなければならぬと確信するのであります。從つてこれを達成するためには、その諸生産物市場搬出えの運輸機械と、その施設とを整備することが、すなわち先行的前提的必要條件でなければならぬのであります。時あたかも首記流域における滑石タルク採掘事業が勃興し、現に東京都國際タルク株式會社においてその採掘に著手し、近く月産一萬トンずつの原鑛石をわが江良船入澗より積み出そうとして、その運搬路面輕便機關車軌道を敷設するため、すでに軌道五キロ分を入手し、近くその敷設に著手する情勢にあるのであります。よつて當村においてもこれに對應して、江良船入澗附近より南大鴨津川を横斷し、流域に沿うて遡上し、もつて稻倉に達する農林鑛産物輸送村道を認定し、近くその工事に著手しようとしているのであります。しかるにわが江良船入澗現状は、これら今後の重任にたえない貧弱さにあつて、少くとも三百トン級の機帆船が安全に出入して、簡單に荷役のできる設備をもたぬ限り、差しかかつたこれらの重要企業を挫折せしめるばかりでなく、ひいては他の農林漁諸業の發展をさえ窒息せしめ、よつて我國家再建の前路を阻塞するに至るであらうと思うのであります。よつてこの船入澗を約二萬坪規模に擴張するため、大部分國費をもつて急速適切に施工せられんことを切望するものであります。よつて別紙調書及び略圖を添へて謹んで本請願を提出いたします。何とぞ御採擇あらんことを懇願いたします。今のところ大島村におきましては、江良清部原口の三つのうち、いずれかが採擇されるというふうに承つておるのでありまして、農林省方面においては原口を考えられ、道廳においては清部を考えられているということでありますが、その重要性はそれぞれあえて甲、乙はないと存じますが、特に大島村といたしましては、村民の決定によつて江良船入澗を急速に擴張、實現させることに決定いたしているような次第もあるのでございますので、何とぞこの點を御了解くださいまして、御採擇をお願いする次第であります。  それから、北海道爾志豐濱船入澗築設請願について、乙部村長吉岡亀之助乙部漁業會長近藤宗兵衞の方方から請願されておるのでありますが、紹介議員として、その理由を申し上げたいと思います。  豐濱船入澗築設に關しては、機會あるごとにしばしば陳情を繼續してまいつたのでありまするが、遂に今日まで實現をみるに至らなかつたのは、まことに遺憾とするところでありまして、本船入澗を利用する字豐濱、花磯、三ツ谷、元和、榮濱、鳥山の部落一帶は、その沖合に豊富なる魚族を擁する日本海に面する純漁村で、大小四百八十餘の漁船を有しておりまして、近時沿岸漁業より沖合漁業に進出することにより、すけそう、いか等漁獲急激に上昇を示して、檜山管内においても重大なる漁業地帶でありますが、唯一根據地たる船入澗設備がないのと、沿岸の岩礁多きため漁船出入に困難を極めて、漁撈操業上不利不便なるはもちろん、一朝暴風浪襲來した場合、一箇所避難碇繋箇所もない當地方としては、ために年歳人名を失ふのか、漁船破損等その被害はまことに甚大なるものがあることは、漁業振興上最も憂慮にたへがたいところであつて、同地に船入澗を築設することは焦眉喫緊事であるとともに、地元漁民の多年にわたる熱望なのであります。  しかして、本船入澗必要性は前述の通りでありますが、これが築設費二千萬圓を要する大事業なので、材費事業として企畫することは、村財政の逼迫しております現状ではとうてい至難なることでありまして、さりとてこのまま放任する場合には、漸次漁業の衰退を招來して、關係漁民六百戸の死活問題ともなり、ひいては發展途上にある地方産業振興を阻み、刻下の要請である海産見返品の減産も免れない状況に立至るのであります。本船入澗築設の上はこれらの隘路を打開して、漁民安心感を與え、水産食糧増産に併せて近海航路寄港地として重要なる役割を果し、産業振興に寄與するところきわめて大なるものがあると信ずるものであります。何とぞ右事情御洞察の上、速やかに本工事を、國費あるいは高額補助をもつて施行方特段なる御高配を賜りたく請願いたします。  なお北海道爾志乙部漁港修築請願につきまして、乙部村長吉岡龜之助、乙部漁業會長近藤宗兵衞その他から請願されておるので紹介議員としてその理由を御説明申し上げたいと思います。  本村はさきに沖合漁業振興をはかるため、發動機船根據地として工事費二十一萬八千餘圓をもつて船入澗の築設を企圖し、昭和六年度にその竣功をみたのでありますが、年歳沖合漁業の發展するに伴い、漁船は漸次大形發動機船に改造せられるとともに、船數もまた増加して著しく狹隘となりましたので、昭和十三年度において工事費三萬一千圓を投じ、第一次の擴張工事施行いたし、一部改修せるものの、澗内の約三分の二は淺瀬で、この掘鑿改修焦眉緊要事として一般漁民要望するところでありましたが、戰時中國費多端のため、そのままに措置せられて今日に及んでおります。しかして終戰以來北洋の魚場を失つた多數の出稼漁民は必然的に地先の漁田開發に集中することになつたため、急激に沖合漁業は活發となり、大形漁船も倍餘に増加いたしましたので、この狹隘な澗内で操船はまことに危險この上もなく、從つて現在の漁船収容にも困難を極める現況であり、さらに本年中にも船舶は倍増する機運にありますので、本船入澗改修は一日も延引を許さぬ事情に立至つたのであります。なお本船入澗は、江差には四里、熊石まで八里の距離にあつて附近町村の避難港としてその重要なる任務を果しており、また海産物の積出、冷藏庫等、操業した場合海運港として大なる使命を有することになり、澗内の完全収容こそは當面の急務であつて、一日の遲延も許されざる状況におかれておるのでありまして、これが改修は關係漁民の常に熱望しておるところであります。  しかして、本船入澗掘鑿の必要性は前述の通りでありますが、これに要する掘鑿費は一千萬圓を要する大事業なので、村費事業として施行することは、村財政の逼迫しております今日ではとうてい至難なることでありますゆえ、何とぞ右實情御洞察の上、速やかに本工事國費或は高額補助をもつて施行方特別の御高配を賜りたく請願いたします。北海道廳土木部においても、承りますところでは、乙部漁港はすでに實現せられておるよう考えておられるようにも聞いておるのでありますが、これらの點も併せて政府委員の御答辯を願いたいと存ずる次第であります。
  20. 青木清左ヱ門

    青木委員長 以上三件に關し、政府意見を求めます。
  21. 太田國廣

    太田説明員 江良船入澗の擴張の必要性は十分認められますが、具體的な計畫については、今後十分に檢討の上、なるべく速やかに實現をはかりたいと思います。  次の豐濱船入澗築設は、北海道漁業開發上必要性を十分認めておりますが、具體的の計畫については、愼重に檢討の上なるべく速やかに實現するように考えております。  次の乙部漁港の浚渫は維持及び改良の二面からみて、その必要性は十分認められますので、財政の許す限り、二十三年度において維持工事を實施できるように考えております。     —————————————
  22. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に第六、雄武村に漁港築設の請願飯田義茂君外一名紹介文書表第五三七號、紹介議員の御説明を願います。飯田義茂君。
  23. 飯田義茂

    飯田義茂君 請願の要旨を御説明申し上げたいと思います。北海道紋別郡雄武村に漁港設置の件についての請願であります。請願主は同村村長三國友之助という人でありますが、私が紹介議員としまして、ここに御説明申し上げます。  本村北海道紋別郡の最北端に位して、方里は三十方里餘、開拓途上にある村でありまして、昭和十一年國有鐵道興濱南線の開通以來著しい發展を遂げ、現在戸數千五百戸、人口七千五百有餘を數え、世界三大漁場の一つであるオホーツク海の沿岸三十三キロ餘は、天然の屈曲きわめて沿岸漁業に適し、さらにまた一萬町歩になんなんとする未利用可耕地は、敗戰後の國内食糧事情緩和のため目下開發を急いでおります。殊に戰爭終結後の漁業は、遠洋漁業より近海漁業に轉換を餘儀なくされた結果、本村沿岸は一大漁場と化しつつあります。すなわち既設の日魯漁業株式會社、雄武水産株式會社、雄武漁業會、北見鮭合同、日興食品株式會社等のカン詰工場、冷藏庫、その他各種施設のほか近時の食糧事情緩和のため、大小水産加工場が設立され、それぞれ活發な活動をしておりますが、現在の狹隘な船入澗では十分な漁船出入が不可能であるばかりでなく、澗口が淺いため沿岸一帶における漁船、殊に大型船の収容が不十分な實情にあるので、速やかに全額國費至辨による漁港を築設し、地方住民の期待を充たすとともに、無盡の國富を洋々たるオホーツクの海田開發により求め得らるるよう切望するものであります。  なおこの請願は第九十議會において採擇になつておる請願でありますから、どうか委員會におかれましても、政府當局におかれましても、愼重御審議の上御採擇はもとより、本事業を實施せられんことを切にここにお願いする次第であります。簡單でありまするが、ここに説明をいたします。
  24. 青木清左ヱ門

    青木委員長 本件に關し政府意見を求めます。
  25. 太田國廣

    太田説明員 雄武漁港築設は、同方面におきまする漁業開發のためにその必要性は十分認められるのでありますから、具體的な計畫について十分檢討を加えた上、なるべく速やかに實現するよう考慮したいと思つております。     —————————————
  26. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に第三六、四倉漁港修築請願、關内正一君外三名紹介文書表第一一〇八號、紹介議員説明を求めます。
  27. 關内正一

    ○關内委員 ただいま議題と相なりました四倉漁港修築に關する誰願に關しまして簡單に御説明申し上げたいと存じます。當漁港につきましては先般當委員會におきまして全國を數班にわけまして御視察に相なつたのでありまして、その際四倉港にも委員の皆様がおいでになりまして親しく御視察を賜わりましたことは、地元民といたしまして非常に感激しておるような次第であります。從いまして當漁港につきましては、委員の皆様は十分御認識を深めたことと存じますし、また全委員の方方もこれらの委員の方々の御報告によつて十分詳細を知り得たことと存ずるのであります。從いまして詳しいことは省略いたしまして、ぜひこの四倉港が長い間の要望でありまする漁港の一日も速やかに完成いたされまするように、特にお願いしてやまない次第であります。さらに御當局におきましても當四倉港に深い御同情をもつて御配慮にあづかつておるということも漏れ承つておるのでありまして、この點につきましても地方民は深い感銘と感謝の念をささげておるような次第であります。何とぞ委員の皆様におきましても、十分御審議の上御採擇あらんことを切にお願いする次第であります。簡單でありますが以上をもちまして紹介に代えたいと思います。
  28. 青木清左ヱ門

    青木委員長 本件に關し政府意見を求めます。
  29. 藤田巖

    ○藤田政府委員 四倉漁港修築いたします必要については、私どもも十分これを感じておるのであります。現に工事を實施いたしておりますが、昭和二十三年度におきましても引續き工事を實施いたしまして、できるだけ速やかに工事が完成するようにやつてまいりたいと、かように考えます。     —————————————
  30. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に 第二四、船舶船入澗擴張工事施行請願坂東幸太郎紹介文書表第九六一號、紹介議員説明を求めます。
  31. 坂東幸太郎

    坂東幸太郎君 船泊船入澗擴張工事施行請願について趣旨を御説明申し上げます。  船泊村は北海道本土の北西、日本海上東經百四十一度、北緯四十五度にありまして、遠島利尻島と相對し、稚内港を隔る三十二海里の位置にあります。今より二百四年前に錢屋五兵衞來りて本村字ベンザイトマリすなわち現在の船泊船入澗を根據として、露人と交易をなしたるにより内地人の入植ようやく活發となり、明治二十五年戸長役場を設置、明治三十五年一月二級町村制を實施され、越へて昭和十八年六月地方制度の改正によりまして、内務大臣の指定村となり、昭和二十一年十月五日より普通村となりました一小漁村であります。しかして本土の最北端にあたる孤島なるがゆえに、往時より交通文化において何ら進展を見ず、從つて文化の惠澤に浴することがない國境の村船泊であります。戸數五百七十戸、四千三百の村民は、人民榮養給源たる魚介類の生産を物資不足を克服し、増産に求め來りたるところでありますが、いかんせん漁業根據地たる漁港船溜りの小規模不完備に基因しまして、十分なる生産を得ざる現状にあります。由來本村西北海は本道においても有數なる未開發の魚田でありまして、魚族の棲息實に無限と稱される所でありますが、敗戰の結果として厖大なる漁業の寶庫を喪失したるわが國としては、これを補うは一人北方漁業によるのほか途なきを深く信ずるものでありますがゆえに、これら未開發の漁場を積極的に開發を行うは、食糧不足を解決するとともに、一面外地外國引揚者の生業、生活の安定を保障するものと存ぜられますにつき、左記事項は重要なるものであることを痛感しているのでありますから、國家再建からしても重要なるは言うまでもありません。何とぞ政府においてこれが施行をお願いしたいというのが本請願の趣旨でございます。
  32. 青木清左ヱ門

    青木委員長 本件に關し政府意見を求めます。
  33. 藤田巖

    ○藤田政府委員 船舶船入澗の擴張は北海道漁業開發上必要と認められますが、具體的計畫につきましては十分檢討いたしました上、將來財政の許す限りなるべく速やかに實現するよう考慮いたしたいと思います。     —————————————
  34. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に第二九、遠別村に船入澗築設請願坂東幸太郎紹介文書表第一〇二四號、紹介議員説明を求めます。坂東幸太郎君。
  35. 坂東幸太郎

    坂東幸太郎君 その要旨は、北海道遠別村は臨海線延長五里二十町に及び、沖合には豊富なる魚族生棲して、天賣浴岸屈指の有望漁場として認識せらるるところであります。沖合二十數海里にして有望なる魚礁武藏堆を擁しております。漁業は地域的に本村をその根據地となすを最も有利なりと認めらるる環境にあります。加うるに漁獲物の輸送竝びに必要物資の集散は、天賣線遠別驛所在地たる本村市街を中驅となす利便を伴つております。船入澗修築水産食糧増強上重要であり、殊に海濱單調にして天與の灣形を缺き、漁船の保護繋留ともに從つて援護の恵擇を見ずして、その安定性を缺き、殊に苫前郡羽幌町以北約二十里の區域は一船を碇繋する施設もありません。漁民は半歳の久しきにわたりて漁業を休止して、空しく拱手傍觀の姿を續けておりますので、その苦境はひとり漁家の不幸ばかりでなく、邦家のためにも遺憾にたえざる次第でありますのみならず、日本海特有の風浪にもてあそばれて、避難の途なく、無惨にも精靈と化する者、或は漁船の破壊せらるるもの少くはありません。これらの健全性を確立し、沿岸漁業の活發なる進展をはかります上より、本施設沖合漁業達成と民生安定の上より、唯一無二の使命的施設なのですから、ぜひとも御採擇願うというのが請願の趣旨であります。
  36. 青木清左ヱ門

    青木委員長 本件に關し政府説明を求めます。
  37. 藤田巖

    ○藤田政府委員 遠別に船入澗築設は、北海道事業開發上その必要性を十分に認められますので、具體的計畫につきましては、十分檢討いたしました上、財政の許す限りなるべく速やかに實現するよう考慮いたしたいと存じます。     —————————————
  38. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に第一八、魚津漁港擴張工事施行請願佐伯宗義君外二名紹介文書表第七八七號、紹介議員説明を求めます。佐伯宗義君。
  39. 佐伯宗義

    佐伯宗義君 魚津港は往時から富山縣新川地方(下、中兩新川郡)農産物と能登、佐渡、北海道方面物産の交易港で、遠くは樺太に及んでおり、かつ伏木、直江津兩港の中繼寄航地として、近海航路の要衝に位し、風波最も穏やかな富山灣内唯一の良避難港であり、また炭港としては、天下に喧傳されるほたるいか、たい網を初め、ぶり定置漁業等の漁獲品種の多様なこと、古來裏日本第一と稱され、その漁獲高においても近海屈指の主要水産地である。それがため魚津港は大正十一年指定港灣に編入せられたが、船舶の安全な碇繋するところがないので、富山縣會の決議を經て、昭和四年度に魚津漁港修築工事を起され、昭和十二年度末に完成したのである。しかして本港利用度の向上をはかるには、陸上設備の完備と相まつて商工水産業の般賑をはかるほか方途なく、ただひたすらこの二點に努めたるも、時あたかも支那事變より今次大戰に誘發發展したため、この港灣施設を活用するに足る陸上設備及び本港を不可分の關係にある附近一帶の護岸工事など、ついに實施に至らなかつたのである。その後本漁港も歳月の經過とともに、破損はなはだしく、再修築の必要きわめて急なる實情である。しかるに終戰以來陸上輸送の隘路によつて魚津港の海運は日に月に伸展し、沿岸航路機帆船の入港碇泊と、それら揚陸貨物の集散に往時を凌ぐ活況を呈するに至り、ここに再び伏木、直江津兩港に比肩する重要性を加へつつある現況に至つたのである。この趨勢から漁民漁港施設に漸次狹小を感ずるようになり、漁撈船は主として魚津町南部漁業地區を貫流する角川に繋留されるもの、あるいはまた附近砂濱に揚陸されるもの、その他沿岸船路の角川を利用碇泊するものもまた少くない現状である。しかして漁民數は舊に培し、漁船もまたさきの二百餘艘に對し、今日四百五十餘艘を算する般賑を來し、角川尻漁港修築等の要いよいよ切實なるものがある、今や終戰後の國内情勢がもつぱら産業振興に萬進せなければならないこのときにあたり、わが國の貿易は再開せられ、地元民こぞつて此の機に多年の要望する港灣施設の完備をはかることは、地元産業の發展と、民生福利を増進させる緊急施策であり、國土計畫上重要事であると存じます。よつて本港を擴張擴築せられんことを請願する次第であります。どうぞ御審議のほどをお願いいたします。
  40. 青木清左ヱ門

    青木委員長 本件に關し政府意見を求めます。
  41. 太田國廣

    太田説明員 魚津漁港擴張の必要性は認められるので、具體的内容について十分に檢討の上、さしあたり二十三年度から船溜設備等で一部實施したいと考えております。     —————————————
  42. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に第四、丸山漁港修築請願原健三郎紹介文書表第三二二號、紹介議員説明を求めます。原健三郎君。
  43. 原健三郎

    原健三郎君 兵庫縣三原郡阿那賀村の丸山港は、古來瀬戸内海における漁港とし、近時の漁獲高はまことに巨額に達しますが、未だ港灣設備きわめて貧弱狹小であり、これが改築の緊要なるに鑑みまして、國庫補助のもとに急遽改築事業施行せられんことを請願いたす次第であります。  元來この丸山港は瀬戸内海の南關門たる鳴門海峽の北方に位しまして、全面には魚種豊富なる好漁場を控へ、また村内の地勢ほとんど山地なる關係上、古來より村民の大半は主として漁撈を業といたし、現在本村において保有する漁船は約五百餘隻を算し、近年における漁獲高二千餘萬圓になんなんとするのであります。以上のうち、本丸山港を基點といたしまする漁船及び漁獲高はいずれもその約七割強に達する次第でありまして、殊には輓近食糧増産の高唱せられるにあたりまして、本港の受持つ使命たるやまことに緊要なるものがあるのであります。ひるがえつて本港の施設を見まするに、わずかに西南風に對處すべき貧弱なる捨石提の存するのみでありまして、擁せられる水面積またきわめて狹小であり、その保有漁船の一割未滿を収容するに足りませず、秋冬季節風に際會しましては、殘餘の漁船は遠く湊港または對岸四國の撫養港に退避するのやむなき事情にあるのであり、本港の設備の不完全なるため、いきおい出漁囘數、漁獲高の低減と相まつて、本港避難船舶中においてさへ、風波のため損傷沈没するもの毎年數隻に達し、殊に昭和二十年九月十七日の臺風時に際しましては避難船舶の大半を失つた次第でありまして、その損害まことに大なるものがあるのであります。また本港は鳴門海峽に至近の港灣でありまして、海峽及び内海通航の一般小船舶の荒天の際における避難港としてかつこうの好位置を占めてゐる關係上、避難港としての使命もまことに大なるものがあります。右の理由によりまして本港の改築は村民多年の宿望であつたのでありますが、如何せん舊要塞地帶内に存在いたしておりました關係上、設備その他につきまして意のごとくなりませず、荏苒今日に及んだ次第であります。殊には終戰後同地帶の解消とともに、絶景地たる本地方一帶にわたりまして、近時觀光客の來遊とみに増加の趨勢にありまして、本港を利用するものまた激増するの勢にあるのであります。  以上の諸點より本港の占むる使命はまことに緊要なるもので、これが改築は焦眉の急を要するのでありますが、一貧弱漁村の獨力をもつてしては、よく本事業達成の能力これなく、いたずらに拱手するのほかなき事情にあるのでありますが、よくこの事情を御賢察せられ、本港をもつて水産食糧増産の一大基地とし、併せて海運の伸展と觀光施設の擴充に寄與せしめるため、國庫の補助のもとに港灣施設の改築を策しくださらんことを切に請願する次第であります。なおこれについては、兵庫縣の縣當局は、來年度に率先して本港を縣費支辧港に指定いたしております。本衆議院の委員會請願する前におきましても、すでに農林當局及び安本當局に向つても、丸山港の改築の必要なることをわれわれは請願し、一囘や二囘でなく、數囘あるいは十數囘にわたつてその請願陳情をるるいたしておるのでありまして、大體安本と農林當局においては、その趣旨は十分了解されておるのでありますから、願はくは衆議院の本委員會におきましても、われわれの請願を諒とせられて、これを採擇あらんことを切にお願い申し上げます。
  44. 青木清左ヱ門

    青木委員長 本件に關し政府意見を求めます。
  45. 太田國廣

    太田説明員 丸山漁港修築については、その必要性は十分に認めておるのでありますが、具體的な計畫についてなお愼重に檢討の上、財政の許す限り速やかに實現するように考慮したいと考えております。     —————————————
  46. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に第二、飯岡町に船溜工事施行請願寺島隆太郎紹介文書表第二〇六號、紹介議員説明を求めます。寺島隆太郎君。
  47. 寺島隆太郎

    寺島隆太郎君 本請願の趣旨は請願文書表に書いてありますが、千葉縣海上郡飯岡町は九十九里濱の東端に位し、舊幕府時代以來同地方漁場の基地として往時繁榮を極めましたが、その後適當なる船溜なきため漸次衰退に向い、天惠の漁場を控えながら、開發の成果を收むることなく今日に及びました。しかして九十九里濱に適當たる船溜を待望する衷情は、沿岸漁民の熾烈なる欲求であります。しかるところ最近飯岡町東端地先が、自然の波動浸蝕により岩盤地帶が蚕喰され、あたかも自然の船溜をなす地形を現出致しました。ついて當町において若干の技術試驗及び詳細調査をいたしましたところ、この地形に工事を施しますれば、十分船溜として築造せられ、九十九里漁民の熱望も果し得らるる見透しを得るに至りました。今日この船溜を完成すれば、銚子市より大東岬に及ぶ沿岸地帶は、始めて安全なる停泊地を得、そのこうむる利便は言をまたず、漁獲高の向上、地方の開發等、その惠益はきわめて甚大なるものがあります。右事情御諒察の上、國家においても水産資源開發の國策に鑑み、實情調査の上早急工事實現を見ますような措置を賜りたく請願いたした次第であります。以上簡單ながら御説明申し上げた次第であります。
  48. 青木清左ヱ門

    青木委員長 本件に關し政府意見を求めます。
  49. 太田國廣

    太田説明員 本件に關しましては千葉縣當局から具體的な計畫の提出をまつて愼重に檢討した上、將來財政の許す限り實現するよう考慮したいと考えております。     —————————————
  50. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に第一九、第二〇、第二五、第二六、第二七、この五件を一括して上程いたします。いずれも各位の御了解によりまして、本籍より私が御紹介申し上げたいと存じます。  まず第一九、和田漁港修築請願青木清左ヱ門紹介文書表第八九五號の御紹介を申し上げます。若狹灣一帶は日本海方面における優秀なる漁場でありまして越前若狹丹後の各沿岸漁民の渇望する漁場として出漁するのでありますが、各沿岸には完全なる避難港の施設なく、不安が多いため、自然出漁囘數も少なく、なり勝ちでありまして増産に影響するところはなはだしく、漁業振興上これが施設要望すること切なるものがあります。よつて時の福井縣知事白男川譲介氏は、縣下にわたり避難港と漁港の適地に關し、調査を進められました結果、小濱灣の西方和田港は大島半島に圍まれ、風波の恐れ少く、加うるに半島の根基にありまして、内海と外海との距離わずかに二百八十間に過ぎず、この地を開發するときは、東方は小濱灣口より西方は和田外海よりするいわゆる東西兩面に入り口を有することとなり、漁船の避難には最好適と相なるのでありまして、内海面には岸壁近く小濱線が走つており、停車場もあり、漁獲物の集荷發送に便利でありますので、この地を縣下第一の候補地と定められ、大正十三年より翌十四年に至る約二箇年を費して、海浪の抵抗力竝びに内外海の水位の落差等細密なる調査を進められました結果、外海には、防波堤、防砂提を築き、水深七尺、幅員二十間、長さ二百八十間を切割れば、それより生ずる土で一萬六百四十坪の土地を得られますから、これによつて陸上の重要施設用地も得られるのであります。また内海、外海の水位落差は約一尺でございますが、長さ二百八十間に對する一尺は何ら漁船の通路に支障を來さないのであります。すなわちこれが實現化は沿岸漁民の福利増進を計るゆえんでありますから、遂に内務省の指定港灣に編入を見たのでありましたが、世上漁業に對する認識淺きため、今日に至るも實現を見ざる現状にありますことは、はなはだ遺憾であります。然るに食糧不足に惱む今日やうやく水産の必要性を認めらるるに至り、國會においては水産常任委員會を設けられ、漁港の築設についても鋭意調査を進めらるると聞きます。まことにわれら漁民の喜びにたえないところでありまして、この福音を聞いて改めて本問題が再燃致し、最近本縣土木課の手により、再調査を進められ、昨今ようやく調査の完了をみたのでありますが、願わくば初頭に述べたごとく、この切割による漁民の利は、ひとり和田村のみでなく、若越丹を通じての漁民の福利増進をはかる途でありますから、水産常任委員會においても、何とぞ御採擇の上、全額國費をもつて實現さるるよう、格別の御配慮に預りたいと存ずる次第であります。  これが福井縣大飯郡和田村村長一瀬滿近君、及び和田村漁業會會長理事瀧甚左ェ門君から提出された請願の要旨でございます。  次に第二〇號、鷹巣漁港修築請願青木清左ヱ門紹介文書表第八九六號の御説明をいたします。  鷹巣村は越前沖最大の漁場である玄達瀬に最も近い關係上、徳川時代においては越前における沿岸漁業の根幹をなしてきたところでありましたところでありましたが、發動機船漁業の興隆とともに、漁港施設を有しておらなかつたために、一時沈着いたしまして、出稼漁村に化したのでありましたが、昭和七年以來漁民の熱誠が報いられまして、船溜の完成を見ましたので、漁村の復舊がようやく進み、昔日の面影を示すに至つておるのであります。  現在における漁船數は動力付七十隻、無動力百三十隻でありまして、漁業の主なるものは、底引網漁業十隻、そのうち七隻は船溜關係で三箇港を根據として出稼ぎしておるのであります。また夏季におけるぶり大謀網漁業一統、柔漁、さば、あじ、たら、ぶり等のはえなわまたは一本つり漁業、たこ空つり漁業、うに、わかめ、てんぐさ等の磯物漁業でありまして、年漁獲高十五萬貫、五百萬圓に上つておるのであります。本村海産物中、うには古來越前の名産として世に定評がございます。またかにも越前の名産として賞美せられ一般に知られておることでありますが、この越前のずはいかには舊幕時代本村漁業家によりまして發見せられたものでありまして、本村の誇りとするところであります。本村は上述いたしましたごとく、漁村の懇望に答へて昭和七年に至り、ようやく時局匡救事業として、船溜の設置を見るに至りました。縣直營として、工事費萬圓を投じ、岩盤地三千坪を大汐干潮面下二メートルを掘鑿し、海岸に防波堤を築き、理想的船溜となつたのであります。さらに本船溜中心として、昭和十年には燭光燈の新設、十一年には專用道路の開設、十二年には集荷場の新設、電話の架設等、漸を追うて漁村設備の充實をはかりましたため、次第に機船の増加をきたし、漁業の成績も向上するに至つたのであります。なお越前海岸には、三國港より敦賀港に至る間に適當なる避難港を有しない上に、なお三國港は川口の出入が困難でありますため、丹羽郡四ヶ浦、越の、國見、坂井郡三國、雄島等の漁船がしけに際しまして、本船溜に避難した例もはなはだ多いのであります。日本海におけるしけは尖鋭でありまして、破壞力が強いために、本船溜の防波堤もしけごとに多少の被害がございまして、昭和十三年及び十六年と二囘にも大災害を受け、復舊工事施行いたしましたが、戰時中から資材勞力の不足のために小被害の看過を餘儀なくせられたるところ、二十年二十一年の兩度の大しけによつて、全防波堤及び、周圍道路までも破壞せられるにいたりまして、砂利の浸入をきたし、全然漁船出入はできず、船溜としての機能が消滅した状態に及んでおるのであります。縣の理解によりまして、防波堤復舊費として昭和二十二年度において十萬圓を計上せられましたけれども、物價の激騰によりまして問題とならず、さらに農林省及び縣に陳情いたしまして、三十萬圓に増額計上をお願いをし、本復舊工事本村内鹽田工事施行中の飛鳥組に對し、縣の設計による見積りを徴しましたが、最初の豫定額をはるかに超過いたしまして、七十五萬圓を要すとのことでありますので、やむを得ず一部設計を變更いたしまして、五十萬圓事業として請負わしめ、かねて工事を續行しておつたのであります。ところが今秋東北地方及び關東地方の水害と同じ時期に北陸地方を見舞いました大風水害によりまして、工事の築堤が全部波浪のために洗い流されてしまつて、今まで投じました全經費を空ならしめたのであります。地元といたしましては、これが災害の復舊はもとより、本工事全般にわたつて速急に完成いたしたい熱望に燃えておるのであります。  これが福井縣坂井郡鷹巣村漁業會長の成瀬忠君から請願された要旨でございます。  次に第二五號、城崎村厨に船溜及び船揚場擴張工事施行請願青木清左ヱ門紹介文書表第九八九號の御説明を申し上げます。  水産資源の開發は、日本經濟の緊急にして一瞬たりともゆるがせにすることのできないものだということは論をまたないことであります。このときにおきましてすべての漁船を動員し、この獲得に萬進することは、漁村、漁民の最大責務でありまして、その成否が民主再建に大なる影響を與うるものと存ずる次第であります。さいわいにして、本村は無盡藏なる日本海の寶庫に面し、飛躍増産に精勵いたしておるのであります。しかしながら本村厨における既設船溜船揚場は、すでに狹隘でありまして、わずか十有餘隻の船腹を収める程度に過ぎないのであります。動、無動力船合わせて九十隻餘を有するこの厨の漁民は、日本海にしけの日が續き腕を撫し出漁でき得ないことが多々あるのであります。なかんずく晩秋から雪融けの期にありましては、獲物を前に切齒扼腕する漁民の姿、ただただ船溜船揚場の新設を絶叫しておるのであります。このために漁民一同協議をいたしまして、總工費七百萬圓程度の豫算をもつて昭和二十三年度から漁民渇望の的である海上、陸上設備の兼備した船溜船揚場を建設したいと念願し、計畫を進めておる次第なのでありまして、ぜひ水産委員會におきましても、政府當局におきましても、この點漁民の熱望を容れられまして、速やかにこの船溜及び船揚場の完成に向いますよう、御決議願いたいのであります。ちなみに最近二、三箇年の漁獲高を申し上げますれば、昭和十九年度は二十九萬五千百九十三圓、昭和二十年度は百八十二萬一千三百圓、昭和二十一年度は二百四十三萬四千四百十七圓、昭和二十二年度は八月末現在で四百三十一萬五千九百十三圓と相なつておりますし、漁業勞務者は約四百名を算えております。これが福井縣丹生郡城崎村厨漁業會長上田千代三郎君ほか二名よりの請願の趣旨であります。  次に日程二六、城崎村米ノに船溜及び船揚場の第二工事施行請願青木清左ヱ門紹介文書表第九九〇號の御説明を申し上げます。  日本海における無盡藏なる水産資源の獲得は、越前海岸中心としてなされつつあるのは周知の事實であります。なかんずくその主要なるものは、本村の米ノ浦の漁港を基點として十分漁民の活躍を期待することができるのであります。しかも比較的少額の工事費を投ずれば、完全なる天惠の漁港に適するような地の利を占めておるのでありまして、昭和二十一年度には農林省の認むるところとなり、工事費四十五萬圓をもつて第一期工事施行し、目下船揚場及び船溜防波堤の築造工事中なのであります。しかしながら日本海冬季間における暴風激浪を防ぐに完璧を期せんがために、さらに一層完全なる船溜、堅固なる防波堤築造をすることが緊要なのでありまして、ここに總額約壹千壹百萬圓程度の豫算をもちまして、昭和二十三年度において充實した漁港を築造し、漁業戸數約五百戸、從業員三千五百人の漁民をして、安んじて生業につかしめ、水産物増産をはかるとともに、本縣敦賀、三國兩港の要點に位する本漁港として價値ある良港たらしめ、これが完成の曉には、海上交通に資するはもちろん、越前海岸漁業者の福利に寄與すること大なるは言をまたないところであります。これが、福井縣丹生郡城崎村米ノ漁業會長吉田廣治君ほか二名よりの請願の趣旨なのであります。  次に第二七、蒲生船溜工事國庫補助増額請願青木清左ヱ門紹介文書表第九九四號の御説明を申し上げます。福井縣丹生郡越逎村蒲生におきましては、昭和二十一年度において、船溜工事設備を行うことを計畫いたしまして、工費二十萬圓のうち十萬圓を國庫補助に仰ぎ、他は地元負擔をもつて工事施行してきたのでありますが、日を逐つて物價の高騰に伴い、資材の入手難勞働賃金の増騰その他諸般の事情がインフレの高進とともに、工事の完成につき支障をきたすのでありますが、部落民一同全力を傾注しまして、これが工事の完成を期したのであります。しかしながらわずかにこの程度の經費をもつて、完全なる船溜の築設等は望むべくもないのでありまして、特に相當の經費をもつて理想的なものに完成することを、地元民は特に要望しておるのであります。殊に今秋襲つてきました風水害等によりまして、この小規模船溜も波浪の洗うところとなり、多大の被害を生じておるのでありまして、被害の修復竝びに新しき計畫等の完成のためには、約五十萬圓程度の追加補助を受けなければ、理想の一端をも實現することができない状態であるのでありますが、どうか委員會におきましても、また政府當局におきましても、この點十分御留意の上、本船溜の完成に向つて御助力を願いたいのであります。これが福井縣丹生郡越逎村漁業會長新谷末吉氏らの請願の趣旨でございます。  以上五件に對し政府意見を求めます。
  51. 太田國廣

    太田説明員 和田漁港修築必要性は認めるのでありますが、運河開鑿については、具體的な計畫につき十分檢討を要する必要があると想いますので、十分檢討の上、將來財政の許す限り實現するよう考慮したいと思います。  次に鷹巣漁港擴張の必要性は認められるので、具體的計畫については十分に檢討を加えた上、財政の許す限りなるべく速やかに實現するより考慮したいと考えております。  次に厨船溜擴張の必要性は十分に認められますので、財政の許す限り二十三年度において實現するよう考慮したいと考えております。  蒲生船溜の擴張の必要性は認められますが、具體的計畫についてはなお十分に檢討の上、將來財政の許す限り、なるべく速やかに實現するよう考慮したいと考えております。  米ノ浦船溜は目下工事中でありますが、さらにこれを整備する必要性は十分に認められますので、財政の許す限り二十三年度において實現するよう考慮したいと考えております。  鷹巣船溜昭和二十二年度の九月災害の復舊については、別途目下豫算要求中でありますから、復舊につき十分考えたいと思つております。     —————————————
  52. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に三四、原町に船溜工事施行請願小澤專七郎紹介文書表第一〇九一號については、私は事情を十分承知しておりますので、本席から各位の御了解を得て御紹介申し上げたいと存じます。  本港は福島縣相馬國原町大字下澁佐海岸にありまして當海岸新田川の流入する河口を改修して船溜を作ることを希望して居るのでありまして、昭和二十三年度において國庫から相當額の補助金を交付せられたいのであります。町においては、右工事の金額に對する地元の負擔も、すでに陳情書に添付しておりまする通り決議を見ておるのでありまして、ぜひ委員會においても御採擇を賜わり、政府においても實現を企圖されんことを希望するものであります。これより理由を申し上げたいと思います。當町下澁佐濱漁港の問題は、當地方民が七十年來の念願でありまして、しばしば陳情を繰返し、今囘本縣知事竝びに關係者、殊に縣會土木常任委員會の強力なる推輓もあり、ぜひ昭和二十三年度に着工いたしたいという希望をもつております。同海岸河口對岸には御堂崎と稱する青松欝蒼たる岩壁が聳立し、往時は今より二キロほども海上に突出して河川を擁護しておつたのであります。從つて河口も相當の水深と幅もあつて百石積の荷船さえ自由に出入碇泊することができた良港であつたのですが、歳月を經るとともに、御堂崎の崎壁も自然崩壞するに伴い、海水の壓迫を受け、河口も淺くなり、荷積船はおろか、漁船出入もできなくなつたのであります。從つて近海の大漁場漁船の足だまりを失つて漁獲水揚も意のごとくならない状態と相なつておりまして、當漁村の困憊はもちろん、消費地たる原町地方民四萬の不利不便を痛嘆する次第でございます。從つて一日も早く漁港修築を渇望し、本漁港の完成には相當大きな計畫をも地元はもつておりますが、一時に巨額の負擔は耐えがたいため、とりあえず漁港の基礎工事について、この際ぜひとも新田川の河口を掘鑿し、適當の箇所に防波堤を築造し、漁船出入を便にし、かつ河口内に船溜設備工事施行しようというのが、福島縣相馬郡原町町長渡邊敏君から請願の要旨でございます。  本件に關し政府意見を求めます。
  53. 太田國廣

    太田説明員 澁佐船溜必要性は十分認められますので、財政の許す限り、二十三年度から實現するよう考慮したいと考えております。     —————————————
  54. 青木清左ヱ門

    青木委員長 次に第三一、四ヶ浦船溜工事繼續の請願青木清左ヱ門紹介文書表第一〇七三號を、各位の御了解により、本席より御紹介申し上げたいと存じます。  福井縣丹生郡四ヶ浦町大樟にあります船溜工事でございますが、これはかねてより小規模ながら工事を計畫いたし、ただいま工事中に屬するのでありますが、地元民としてはさらにこの計畫をより擴大し、地元民の所有する全漁船を完全に収容するに足るだけの船漁工事の完成を熱望しておるのであります。殊に現在の防波堤は突出度が短かいために波浪を防止することができなく、船揚場の破損もはなはだ大でありますし、また船の出入にも大なる支障を生じておりますから、これを相當程度のものに擴充強化していただきたいという地元民の熱望でありまして、福井縣丹生郡四ヶ浦町大樟、大樟漁業會長荒木増太郎君の請願の趣旨であります。  本件に關し政府意見を求めます、
  55. 太田國廣

    太田説明員 四ヶ浦町大樟船舶工事の繼續の必要は認められますので、財政の許す限り、速やかに實現するよう考慮したいと思つております。
  56. 青木清左ヱ門

    青木委員長 請願第二、第四、第六、第八、第九、第一〇、第一八、第一九、第二〇、第二二、第二三、第二四、第二五、第二六、第二七、第二九、第三〇、第三一、第三二、第三三、第三四、第三六、以上二十二件の請願は、次の適當なる機會に審議を繼續いたしたいと存じます。  殘餘の請願はこれを延期し、本日はこれをもつて散會いたします。次會は公報をもつて通知いたします。    午後三時十分散會