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栗栖國務大臣 その中勞委の裁定をどうするかということは、その筋との
交渉も全然まだ承認など得ておらぬので、これはわからぬのでございます。この上
財源をどうするかということはなお別でございます。私
どもとしましては、
災害復舊とか、あるいは急を要する
費用、これは再生産でございますが、どうしても再生産ということをやらなければ
ぐあいが悪い。それと一つは、生活の安定というような線とにらみ合わして
豫算を立てよう、こういうことを
考えておるのでありまして、今度の
追加豫算は、實はあなたの方がよく御存じかもしれませんが、前の
豫算のつまり追加でございまして、これが物價と賃金が非常に上
つたために、そういう面で大いなる制約を受けておる。もう一つやむを得ない大きな
支出もあるわけでありますが、それで非常な制約を受けるわけでありますが、
内閣としまして、殊に私といたしまして、もう少し生産というもの
——この生産というものも殊に國内生産ですが、國内生産をするのにも、やはり資材その他を入れなければ、今、日本は設備はあ
つても資材その他がないためにできないのがたくさんあるのでありますから、そういう點から、さらに原料な
ども海外から輸入してやりたいというように
考えておる次第であります。それと同時に、われわれ國民の生活安定ということを十分
考えたいと思
つております。
ちようどこの
公共事業費の中の
災害對策のごとき、
旱害對策の
費用のごときは、その生産の面と國民生活安定の面に強くひつかかるものでありまして、十分
考えたいと
考えるのでありますが、今囘の
追加豫算ではどうにもならぬものでございまして、さらに
追加豫算の一部の
追加豫算を將來出そうとしましても、
財源等で話が十分いきませんから、それを荏苒待つよりも、むしろこれを使
つた方がよいのではないかと思
つておるような次第であります。
それから今後の
豫算の問題でありますが、二十三年度の
豫算などにつきましては、私は終戰處理費その他にも相當の減少があろうと思います。他面におきましては賠償物の撤去費が今の四十億よりは殖えていくとも思いますが、差引きましても相當その邊に節約できれば、それをも
つて再生産と民生安定ということの線にも
つていきたいと思
つております。それにつきましては官業もそれから民業も、すべて戰爭中のいろいろな厖大な働かない機構及び設備、人をも
つておるのであります。こういうようなものも民業については企業再建整備、
金融機關再建整備という線によ
つて整理をいたしております。この官業及び行政機構については行政機構の改革というものがすでに進みつつあるのであります。この線に沿
つて、それより生ずる整理というようなものも行います。それを行うのでなければ、この二十三度の
豫算は十分盛り切れぬと思うのであります。官業、
官廳、民業、こういうものを併せ行
つて、すつきりしたベースメントの上にこの
豫算を盛り立てたいと思うのであります。しかしそこで人の整理その他というものが起るということは
——配置轉換その他を
考えますが、起るものということを
考えますと、それを單に消極的という面において、失業
手當とかその他の面においてこれを受けるというのでは、私はいかぬと思うのでありまして、それはやむを得ない問題でありまして、それよりはむしろこの生産面にも
つてい
つて、それを受けなければならぬと思うのであります。受入れ態勢を生産の面にこしらえなければならぬと思うのであります。そういう
意味においても中小企業というものの促進、殊に貿易産業、輸出向けの産業という方の態勢を早く整えて、そうしてその方面に受入態勢を十分つく
つて、そうしてすぐ生産の方に迎える、再生産と民生安定というものを行い得るようにする。そういう受入態勢をこしらえる等一連の政策を立てて、これを一月も早く實行しなければいかぬのじやないか、こういうふうに
考えております。そういう構想のもとに今度の二十三年度の
豫算その他を盛
つてみたい。かように思
つておる次第であります。