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小林運美君 ただいまの
補償に對する
御返事をいただきましたが、
蠶絲業會の
差益金から出します
金額というものはこの二億
數千萬圓に上ります
被害に對してはほんのわずかなことはわれわれも
承知をいたしておりますが、
蠶絲業に對する
政府の見方というものが非常に甘く見ておりまして、われわれ
國民が今まで
蠶絲業によりまして非常に
恩惠をこうむ
つておりましたことは、
國民が
十分承知をいたしておるのでありますが、こうい
つた災害に對しまして、
政府といたしまして相當巨額の
金額を重點的に
復興のために使
つていただくことは當然なことと思いますが、これらに對しまして
農林省といたしまして、また特に
蠶絲局といたしましては、そうい
つた方面に十分の
努力をしていただきたいと思います。仄聞いたしまするに、
蠶絲業のこうい
つた災害の
復興に對する
蠶絲局のプツシユが非常に弱いというように聞いております。これはあるいは言い過ぎかもしれませんが、大藏省
方面のに對しての、これらの連絡というようなものが非常に少いのではないかというふうに、われわれは考えております。この點今後とも十分に力をいたしていただきたいと思うのであります。
次に先ほど
鈴木委員が
蠶絲業の
復興五箇年計畫に對して
政府はどんなふうに考えておられるかという御
質問がありましたのに、蠶業課長からの御
答辯は非常にむつかしく、またなかなかデリケートなところもあります
關係上、はつきりしたお
答えができなか
つたんじやないかと私は推測いたしますが、この點ははつきりここでしていただきたいことが
一つあります。
桑苗の
關係も
鈴木委員からいろいろ御
質問もあり、御
答辯もありましたが、先般
渉外局の
發表といたしまして
桑園は海外における
生絲の消費のめやすがつくまではあまり殖やしてはいかぬというようなことが傳えられておるのでありますが、この點に關しまして、私は農林
委員會におきまして、先般農林大臣竝びに安定本部長官等に對しまして、
蠶絲業の
復興五箇年計畫は
政府はどんなふうに今日や
つていかれるかということを全面的に
質問をいたしましたに對しまして、農林大臣竝びに安定本部長官は、
蠶絲業の
復興五箇年計畫に對しては今再檢討中だから明確なる
答辯はしばらく留保をしてもらいたいという
お話がありまして、以來もう二、三箇月經過いたしておりますが、依然といたして御
答辯がないのであります。そこでその當時この
渉外局の
發表を聞きまして、
蠶絲業關係者竝びにわれわれ
日本國民は、今まで
蠶絲業によ
つて國の
輸出の大宗として、
蠶絲業が非常に重要であ
つた。しかるに最近
生絲が賣れないために、もう
蠶絲業はだめではないかということを非常に心配しております。その際ただいま申し上げましたような
渉外局の
發表等もありまして、これらに拍車を加えまして、もう
桑園擴張とか、
蠶絲業の將來というものはだめだというふうに考えられておるのであります。
しかしこの内面におきましては、いろいろの
關係がありまして、たとえばアメリカの現在の
生絲の値段が四ドル五十セント、ところがナイロンは二ドル四十セント、その間に二ドルの差がある。これを現在の二千六百掛の値段から換算いたしまして、為替をかりに二百圓としましても、二千六百掛の
生絲の値段は、アメリカに參りまして、一ポンド二ドル四十セントくらいに當るのであります。これが為替が三百圓とかいうようになれば、ナイロンよりずつと
生絲の値段が安くなるのであります。
生絲の値段が高い、安いということだけで賣行きがいい、惡いということはただちに斷定はできないのでありますが、そのほかに値段の安定ということが相當重要なポイントにな
つておりますが、とにかく
生絲がちよつと高過ぎるということは事實であります。これらもU・S・C・〇が今年の二月に半年の間は
生絲の値は下げないということでまいりました。またさらに
生絲の消費が惡いので、一箇年間
生絲の値段を下げないということを聲明いたしまして、來年の一月までには四ドル五十セントという
生絲の値段は一應くぎづけにな
つておりますが、内外の情勢からいたしまして、アメリカ
方面でもあるいは來年の二月には
生絲の値段を相當下げて賣り出すのではないか、こういうふうに考えられております。なおさらに最近アメリカ等の情報を聞きますと、アメリカにおきましては、首に巻きます羽二重を使いましたマフラーが非常に流行いたしました。
日本に輕目の羽二重の注文が殺倒いたしておる次第であります。これら流行はこれまでのいろいろの過去の經驗から見ますと、流行いたしますと三、四時間は續きます。こういうことから考えまして、
生絲は相當賣行きが活發になるのではないかという期待もされております。なお現在アメリカではそうい
つた輕目の羽二重の
生産をや
つておりません。
從つてそれらの羽二重の注文は全部
日本にまい
つておりますが、現在は
日本の福井であるとか、石川縣
方面の羽二重の
生産地におきましては、電力あるいは勞務
關係等におきまして大量の注文の對しましてそれだけの
生産ができないという状態にありまして、先般
政府で計畫いたしておりました月々一
萬俵の國内
生絲の消費ということもそうい
つたことに妨げられておるのであります。こういう點につきまして
政府は國内の問題といたしまして羽二重の
生産をどしどし
奬勵する。それのために相當の補助も考える。あるいは公定價格も上げるというような施策を至急に立てていただきたいのでありますが、そういうようなことから考えまして、先ほどの
お話の
桑園の擴張ということは
食糧等の
關係もありまして、また
渉外局の
司令部の方の考えもあるでありましようから、この際積極的に
桑園をどんどん殖やすということは考えものでありますが、現在あります
程度の
桑園を擴充いたしまして、改殖その他によりましてどしどし充實していく。こういうことは最も大切な方策ではないかと私は考えるのであります。そういう點につきまして先ほどの御
説明では、何だかよいのか惡いのかちよつとわからないようにわれわれには考えられるのであります。私の申上げることがよいか惡いか、その點も附加えて御
答辯を願いたいと思うのであります。