○
井上(良)
政府委員 今回
主食代替として輸入いたします
砂糖を
砂糖取扱業者に
配給させよという御
質問でございますが、御
趣旨はよくわれわれも各
業者並びに
衆参両院議員からもたびたび陳情を受けておりまして、十分理解し、かつそういう
方面に何とか扱えないものかということで、この問題についていろいろ検討を加えてまい
つたのであります。ここで御了解を得ておきたい問題は、今度輸入する
砂糖は大體来年六月まで、
日本政府が連合國から輸入いたします附属食糧約百九十萬トン近くのうちで、われわれは法體穀類を輸入いたしたいというつもりでございましたけれ
ども、世界食糧
事情の非常に緊迫した状態におきましては、穀類のみの輸入は困難な實情にあるのでありまして、そのためにやむを得ず他の食糧をもつて代替輸入をしなければならぬことに
なつてまい
つたのであります。そこでその第一として今回
砂糖を輸入することになりまして、大體豫定は主要食糧としておよそ二十一萬トンを充てるつもりでおりますが、この
砂糖が今申します
通り主要食糧の代替として輸入する、このことから
考えますと、
當然國内へ輸入された
砂糖は、主要食糧として
取扱いをしなければならぬ。この場合お
考えを願いたい点は御
承知の
通り、主要食糧は食糧管理法によりまして、
政府が主要食糧として認定をいたしましたものについては、
食糧營團において一手
配給を命ずるという法的條文がございます。從
つて政府といたしましては、これが國内産の代替食糧でありますならば、何とかまた方法もつくのでありますけれ
ども、これが輸入食糧であり、しかもその食糧の保管及び
配給においては非常な責任を
政府の最終まで全うしなければならぬ立場にもありますので、かたがた今申します
通り、主要食糧としてこれを繰入れます場合、
當然その
配給は
食糧營團において取扱わす、こういう規定もありますので、この際これを
食糧營團で扱わすという
建前をとらざるを得ない結果になりまして、全國の
砂糖業者の熱烈なる御要求に対して御期待に副うことができ得ませんことを、まことに遺憾に存じます。この問題はすでに
お話のありました
通り、閣議でも問題になりまして、一應全國の
砂糖業者の要望に副うように何とか手配はできないか、またそうすべきであるというような強い要求もございました。しかし今いろいろ
砂糖業者が
砂糖を取扱うことの正當なる理由をおあげに
なつて
お話がございましたが、全くその
通りでございます。ただしからばこれを
食糧營團に扱わせた場合に一體どれだけ不都合が生ずるかという問題もございますが、しかし大體において今日
食糧營團の取扱う内容をわれわれがとにかくここで
營團側の立場に立つて弁護する必要もございませんが、第一は、
先ほど申しました
通り法的
基礎で責任の所在を明らかにしなければならぬということが
一つ、もう
一つは、できるだけ
消費者の便宜をはかるということが第二、すなわち
食糧營團で正確にこれが
配給されるということになるならば、大體大消費地におきましては三日分なり五日分なりの持込
配給が行われます。そういう
関係上
消費者としては、仮にこれを
砂糖業者に扱わすということになりますと、
營團の法で一應
米穀通帳に
自分の受配される量を記入してもらつて、それから今度また
砂糖配給所に行つて、そこで
配給を受ける、二重手間をしなければならぬ
関係もありまして、それを一度でやる方が
消費者に
とつては便宜である。それからいま
一つは、これの
取扱いが、御
承知の
通り世間で非常に渇望している品物であるという
関係上、保管設備というか、これが非常に厄介でございます。相當の保管設備をもつて、
配給の管理を最終まで責任をもつて實行するものでないと、これが輸入食糧であるという
関係であり、同時に社会的に非常に目をつけられる品物であるだけに、その保管設備なり
配給設備というものが非常に責任のある機関において行われなければ、萬一問題が起つたときにお互いに迷惑することが大きい、そういう点で
取扱いの上において
食糧營團に扱わす方がいいのではないかという考をもつております。
それから食料
營團にははかりがないとか、あるいは容れ物がないとか、あるいは
配給技術が未熟であるとかいうようないろいろな
意見も伺いますが、これは最近小刻み
配給を食料
營團はやつておりますし、また計量器にいたしましても、最近小麦粉その他の小刻み
配給をやつておりますから、それらの設備は相當持つている。萬が一
營團において、この品物が取扱上非常に
消費者に不便を感じさせるような地域に対しましては、地方
砂糖業者の協力を求めて、末端まで円滑に
配給をしたい、こういうつもりで一應責任の所在は
食糧營團にして、どうしても
取扱いの困難な地域におきましては、地方
事情に應じまして、地方長官の申告に基き、
砂糖業者と協力をして
配給をしてもらうという
建前を
とつていきたい、大體こういうつもりでおります。
從つて一應理屈から申しますと、
當然砂糖は
砂糖屋が
配給すべきであるという、何人も理解しやすい、また何人も常識的に
考えられる
意見に対して、われわれは根本的に反対するものではございません。ただそういうような
法律的に、また責任的にやむにやまれぬ諸條件がございまして、これは食料
營團に扱わしてもらう。但しあと六萬トンほど育児用としてはいつてきます分、さらにまた農村報奨
物資としてはいります分約四萬トン、これら合計十萬トンは
主食ではございませんから、
砂糖業者に扱つていただく、こういう
建前を明らかにいたしておりますから、その点を御了承いただきたいと思います。