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1947-11-15 第1回国会 衆議院 商業委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十一月十五日(土曜日)     午後二時二分開議  出席委員    委員長 喜多楢治郎君    理事 石神 啓吾君 理事 笹口  晃君    理事 佃  良一君 理事 細川八十八君    理事 片岡伊三郎君 理事 中村元治郎君       佐竹 新市君    松原喜之次君       師岡 榮一君    山口 靜江君       井村 徳二君    櫻内 義雄君       坪川 信三君    松井 豊吉君       鈴木 仙八君    關内 正一君       松崎 朝治君  出席政府委員         商工事務官   鈴木 重郎君     ――――――――――――― 十一月十四日  復元綿スフ織物転廃業者復興資金補助請願  (早稻田柳右エ門紹介)(第一一五一号)  中小商工業振興に関する請願(長野重右ヱ門君  紹介)(第一一二〇号) の審査を本委員會に付託された。     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  企業再建整備法等の一部を改正する法律案外一  件審査のための連合審査會開會の件  請願  一 中古衣類公定価格制度撤廃請願笹口    晃君外一名紹介)(第四七四号)  二 同(中村元治郎紹介)(第七七七号)  三 同(仲内憲治君外四名紹介)(第九四四    号)  四 同(笹口晃紹介)(第九四五号)  五 同(細川八十八紹介)(第九八二号)  六 石綿輸入促進請願細野三千雄君外一名    紹介)(第七四九号)  陳情書  一 東京大衆酒場商業組合員共同販売所開設    に関する陳情書    (第二三号)  二 中小商工業再建に関する陳情書    (第一四二号)  三 中古衣類公債制度廃止に関する陳情書    (    第一六〇号)  四 板硝子配給機構及び取扱に関する陳情書    (第二一〇号)  五 開らん炭輸入促進に関する陳情書    (第二五〇号)  六 農業用指定配給物資統制方式實施適正化    に関する陳情書    (第二七二号)  七 商工協同組合法改正に関する陳情書    (第三二七号)  八 大阪市に輸出品例外価格査定委員會設置の    陳情書    (第三四〇号)  九 商葉道徳高揚に関する陳情書    (第五六六号)     ―――――――――――――
  2. 喜多楢治郎

    喜多委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き請願審査をいたします。日程第一、第二、第三、第四、第五の各請願は同一趣旨請願でありますので、これを一括議題といたします。中古衣類公定価格制度撤廃請願文書表第四七四号、第七七七号、第九四四号、第九四五号及び第九八二号に対する紹介議員並びに委員会各位質疑を大體において終了いたしたいと思いまするが、特に慎重を期しまして、本日は特に本請願について鈴木繊維局長の所見を伺いたいと思います。
  3. 鈴木重郎

    鈴木政府委員 中古品統制価格撤廃請願が御審議の由でございますが、これに関連いたしまして現在の衣料配給制度實情を申し上げて、御参考に供したいと思うのであります。  國民衣料配給につきましては、戦前におきましては相當の消費量がありまして、御承知通り國民一人當りの消費量にいたしましても、大體一人當り約十ポンド半から十一ポンドくらいの消費であつたのでございますが、先般も御説明申し上げましたように、今日は食糧あるいはその他の復興資材輸入引當てまするために、これらの原料であります綿花、羊毛、麻その他の繊維原料輸入によりましてでき上りました製品は、極力これを海外の輸出引當てておるわけでございまして、昨年から今日までに至りまする約一年におきましても、その輸出総額の約六割五分くらいが繊維製品であつたわけでございまするし、今後の見透しにいたしましても、少くとも半額程度まで、この繊維製品輸出によつて賄われるというような大體の状況でございます。從いまして繊維製品は國内の繊維設備復興増産をはかつておりまするが、そのでき上りました製品は糸なり織物、あるいは最終の製品といたしまして、極力これを輸出引當てておる次第でございます。從いまして國内の衣料関係消費量につきましては、きわめて少いのでございまして、今日の配給量といたしまして関係方面の指示を得まして、本年度の配給計画といたしましては、目標としておりまするものは、國民の一人當りの消費量が一ポンド八分でございまして、戦前におきまする消費量に比べますれば、一割五分そこそこの配給量しかないわけでございます。これが配給の方法につきましては、御承知通り從来はこれらの繊維製品が各工場ででき上りました場合には、これを織物で申し上げますれば、中央の一手買取販売期間でございまする日本織物衣料品のようなものについて言えば日本衣料というような、中央配給統制機関が一手に買上げまして、これを各府県にありますところの、いわゆる地方配給機関でありまする地配機関に一手に払下げをいたしまして、この地方の各県別配給機関であるいわゆる地配会社から、それらの傘下にありまする個々の指定配給所を通して、一般國民配給をいたしのたのでございますが、今日これらの独占的な配給統制機関である中央配給機関地方配給機関は、今日の経済民主化趣旨にも、また真に物資の公正な配給のためにも、必ずしも適當でないというような観点からこれを廃止いたすことといたしまして、今般新らしく、從来商業者機構を全部復活いたしまして、製造業者ででき上りました品物は、問屋業者を経て各地方小売店を経由いたしまして、各消費者配給することと相なつたのでございます。これらの問屋及び小売店につきましては、御承知通り登録制度を採用いたしまして、問屋につきましては中央において、小売店につきましては各府県當局に、これらの業者の信用、資格、経験というような点から十分に検討を願いまして、これを登録することといたしたのでございます。從いまして今後におきます配給につきましては、これらの衣料品はすべて生産者からでき上りましたものは、これらの問屋を経由し、小売店を経由するのでありますが、その際にすべて御承知通り衣料品配給規則という物資調整法に基く制度により、すべて切符制度を採用いたしたのでございます。從いまして生産業者においてでき上りましたものは、これらの卸売問屋に対する割當によつて卸売業者仕入れをすることができますし、これらの卸売業者割當てられた小売店割當によつて切符によつてのみ交換をいたしまして配給することになつておるのであります。一般消費者は申すまでもなく、いわゆる衣料切符によりまして、各小売店からこれらの品物配給を受けることと相なつておるのであります。今日の建前といたしましてはこれらの消費者衣料切符、並びに小売店卸売業者に対するいわゆる購入の割當説明書以外によつては、これらの物資は流れない、動かないというような制度に相なつておるわけであります。またこの間におきます価格につきましても、生産業者問屋に卸す価格問屋さんの小売に渡す価格小売店一般消費者に売る価格も、すべて公定制度によつて統制されておるわけでありますので、この制度によつて所要計画されたものを的確に一般國民配給するという制度を確立せられたわけでございます。何分從来配給制度を切りかえましたために、これらの業者登録及び登録業者に対する割當、あるいは各一般國民に対する衣料切符配給事務というものがございましたために、本年の八月以来、これらの準備當つてまいつたのであります。最近におきましては、これらの衣料品問屋並びに小売店登録も終りまして、これらのいわゆる問屋さん、小売店に対する割當は現在着々と準備を進めておるのでございまして、最近に至りまして一部はまだ残つておりますが、大體の物資につきましては、各問屋小売店に対する割當は済んでおるのでございます。從いましてこれらの小売に対する割當が完了いたしますると、小売店はそれぞれ問屋から仕入れ問屋生産業者からこれを仕入れるということができますので、小売に対する物資が大體確保されました時期を見まして、すでに各國民に配布されております衣料切符との引換えを開始するという段取に相なつておるのでございます。從いまして今後生産されてまいりますいわゆる衣料切符対象になります衣料品につきましては、公定価格によつて、これらの衣料切符以外によつて配給されないわけでございますので、これ以外のこの新製品につきましては、この制度の完全な施行によりまして、いわゆるやみ衣料に流れていくようなおそれはないと存ずるのでございます。また販売価格につきましても、新製品はすべて公定価格制度を採用いたしておりますので、これによる価格が實行されるわけでございます。先般本委員会におきましても、いろいろと御審議のございました、いわゆる中古衣料品につきましては、現在のところ特に計画生産計画集荷というようなことのできない性質のものでございまするし、またこれらの品物が、どれだけ國民一般需要に充當し得るかという見透しも、的確に計画に乗せ得ない関係もありますので、中古衣料品につきましては、御承知通り配給統制は實施しておらないのでございます。從つて今般實行されました衣料切符対象にならないことはむろんでございます。ただこれの価格統制につきましては、御承知通り一般物価體系のためにも、また新品との権衡上との関係からも、また一面需要者消費者に対する適正価格を維持するという観点からも、それらのものはいわゆる公定価格と申しますか、査定価格が適用されてまいつたのでございますが、先般来いろいろと御審議もございましたように、これらの中古衣料品につきましての、価格公定制度上のいろいろの欠点もあり、また公定それ自體にいろいろの不合理もあるというようなお話もございましたが、私どもといたしましては、これらの中古衣料品が、それぞれ各家庭に退蔵されないで、適當価格で今日のこの不足した國民衣料の緩和に役立つことが望ましいのでございまして、それがためにこれを真に公正なルートによつて供出され、これが一般商業機構を経て、一般家庭人にこれが販売せられるということは、退蔵品活用意味におきましても、きわめて望ましいのでございます。ただこの際私どもといたしまして、特に考慮をいたしておりまする点は、今申し上げましたように、新品制度上といたしましては、當然衣料切符以外によつて譲渡をすることを禁止せられておりますので、制度上これらの新品が横流れし得ることはあり得ないことになつているのでございますが、實際経済上の現象といたしましては、ときに生産者、あるいは問屋というような一つの段階から、この切符以外によつて流れる危険性がないとは言えないのでございます。もとよりこれらは法規違反でございまして、十分に取締りをすべきものであり、その法規違反に対しましては、それぞれ法規の制裁を適用することむろんでございますが、そういうふうな点が経済現象としてはあり得ると存ずるのであります。從いましてまた一般國民の方、需要者の立場におきましても、中古衣料品価格公定価格によつて切符制度配給され、新品とあまりにも権衡を失することなく、新品に対して適當価格を維持することがきわめて必要であろうと存ずるのであります。この点は今日のように物資不足の際でございますので、これらの中古衣料品が利用されることは、きわめて望ましいのでありますが、これの価格撤廃によりまして、そこにいわゆる新品との権衡を失するがごとき高価な価格が現われてくることがないこともきわめて望ましいのでありまして、その点に関しまして十分の考慮をしていただきたいということを希望しているのでございます。なおこれらの中古衣料品価格撤廃の問題につきましては、もとより私どもの直接の関係はないのでございますが、今も申し上げたような意味におきまして、深い関心をもつておりまして、十分これが措置につきましては、物価庁當局とも御連絡を申し上げたいと存じている次第であります。
  4. 喜多楢治郎

    喜多委員長 何か御質疑がございますか。
  5. 山口靜江

    山口(靜)委員 私ただいま申し上げたいことは質問ではございませんが、意見としてよろしうございますか。
  6. 喜多楢治郎

    喜多委員長 よろしうございます。
  7. 山口靜江

    山口(靜)委員 ただいま審議されております中古衣類公定価格制度撤廃されたい件について、私の意見を申し述べたいと存じます。中古衣類公定価格廃止に対しましては、私も賛成でございます。その理由を簡単に申し上げたいと存じます。その理由といたしますところは、今日までの委員会において、各委員方々によりすでに十分に論議されておりますので、私が蛇足を加える必要はないと存じますが、特に強調いたしたい点を述べさせていただきたいと思います。およそ物価は、需要供給とによりまして自然に定まるものでございまして、今日は物資不足のために、不自然なる事情が続いております。ゆえにやむを得ずここに生産原価とにらみ合わせまして、公定価格を定めることによりまして物価の高騰を防ぐと同時に、公平を期するために、配給制度をとつておるのでございます。しかしその憂いのないものに対しましては、私の考えといたしましては、できる限り自由取引によることが自然でもあり、また明朗な取引が行われるので、すべてのものが公定を廃止されることが理想でございます。ゆえになるべく支障を来さぬ限りは、公定価格を廃止いたしまして、かつ自由販売をいたしますようにいたさねばならないと考えておる次第であります。以上の理由からいたしまして中古衣類事情を考えますのに、これは生産品ではないと私は存じます。かつそのおのおのの品質が千差萬別で、委員会におきまして各委員方々からも、この点につきましては御意見がございましたが、価格決定がまことに困難であり、また各家庭における死蔵、あるいは必要の最小限度以外のもののストツクは相當量あると考えます。これを一般に利用し、また一面手放す側におきましても、有効に資金化されることになると考えるので、不合理な公定価格を定める不明朗な取引のために、むしろ弊害が起るのではないかと存じます。ゆえに需要供給とを円滑にならしめるために、賛成いたすものでございますが、私は以上は正しい意味においての賛成でございますが、気の毒なたけのこ生活者、並びに必要やむにやまれずなけなしの財布をはたきまして、衣類の購入するこの人たちに対しまして、一部不正なる業者のために、きわめて不利な條件によりまして売買せざるを得なかつた事實を、まま聞いております。よつてぜひこのような事實の起りませんように、營業を通じまして社会的に運營されることを強く望むものでございます。以上意見を申し述べました。
  8. 松井豊吉

    松井委員 動議を提出いたしますが、本案は前回委員会において慎重審議議論を交わし、大體議論は尽きたように感じます。採決をお願いいたします。
  9. 喜多楢治郎

    喜多委員長 ほかにも意見もございませんようですから、これをもつて採決いたしたいと存じます。日程第一、第二、第三、第四、第五を一括して採決いたします。各請願衣料登録衣料切符制度の確立とともに、配給衣料指定価格が近く改正實施されることにより、新品の横流れは十分防止し得ることとなるために、その實施時期において中古衣類公定価格制度撤廃するという意味におきまして採択をいたし、内閣に送付すべきものであると決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 喜多楢治郎

    喜多委員長 では右各請願は採択いたし、内閣に送付すべき請願決定いたしました。     —————————————
  11. 喜多楢治郎

    喜多委員長 次に日程第六、石綿輸入促進請願文書表第七四九号を採決いたします。本請願は採択いたし内閣に送付すべきものと決定いたすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 喜多楢治郎

    喜多委員長 御異議なしと認めさよう決定をいたします。  以上をもちまして請願審査を終ります。  次に陳情書審査にはいります。各日程陳情書につきましては質疑も終了いたしておりますので、ただちに採決いたします。  日程第一東京大衆酒場商業組合員共同販売所開設に関する陳情書了承決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 喜多楢治郎

    喜多委員長 それではさよう決定をいたします。     —————————————
  14. 喜多楢治郎

    喜多委員長 日程第二中小商工業再建に関する陳情書は、了承決定いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 喜多楢治郎

    喜多委員長 それではさよう決定いたします。     —————————————
  16. 喜多楢治郎

    喜多委員長 日程第四板硝子配給機構及び取扱に関する陳情書は、了承といたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 喜多楢治郎

    喜多委員長 それではさよう決定いたします。     —————————————
  18. 喜多楢治郎

    喜多委員長 日程第五開らん炭輸入促進に関する陳情書は、了承決定することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 喜多楢治郎

    喜多委員長 それではさよう決定いたします。     —————————————
  20. 喜多楢治郎

    喜多委員長 日程第六農業用指定配給物資統制方式實施適正化に関する陳情書は、了承決定することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 喜多楢治郎

    喜多委員長 それではさよう決定いたします。     —————————————
  22. 喜多楢治郎

    喜多委員長 日程第七、商工協同組合法改正に関する陳情書は、了承決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 喜多楢治郎

    喜多委員長 それではさよう決定をいたします。     —————————————
  24. 喜多楢治郎

    喜多委員長 日程第八、大阪市に輸出品例外価格査定委員会設置陳情書は、了承決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 喜多楢治郎

    喜多委員長 それではさよう決定をいたします。     —————————————
  26. 喜多楢治郎

    喜多委員長 日程第九、商業道徳高揚に関する陳情書は、了承決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 喜多楢治郎

    喜多委員長 それではさよう決定をいたします。     ————————————— 次に日程第三、中古衣類公價制度廃止に関する陳情書は、了承決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 喜多楢治郎

    喜多委員長 それではさよう決定をいたします。     —————————————
  29. 喜多楢治郎

    喜多委員長 最後にお諮りいたします。財政及び金融委員会に付託されております企業再建整備法の一部を改正する法律案は、本委員会にも関連いたしまする重要法案でありますので、財政及び金融委員会鉱工業委員会連合審査会を開きたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 喜多楢治郎

    喜多委員長 それではさよう決定をいたします。その期日は各委員長において協議の上公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時二十三分散会