○林(大)
委員 私はおもに資料の御提出をお願いいたしたいと思います。大體この
百貨店法というものは、私の海外における経験から申しますと、欧米におきましては、多分
百貨店法があると思います。この欧米における
百貨店法の内容をお知らせ願いたいのであります。と申しますのは、百貨店というのは、いわゆる今までの一等國以外の國におきましては、欧米資本主義國がそこへも
つてい
つて百貨店を設置いたしまして、そして
自分たちの資本、もしくはその土着資本と協同経營することによ
つて成り立
つておるその形が、いわゆる
世界の百貨店の今まである形であります。
日本におきましては、欧米先進國と同様な
意味における百貨店が今まで行われてお
つたのであります。その
意味において、今この
百貨店法を廃止する、しないという問題は、私の見解では
百貨店法を廃止することによ
つていわゆる独禁法に触れていくという
意味に解釈するのでありますが、それが触れないというためには、逆に相當な根拠の示さなければいけないような立場にあると私は思うのであります。その
意味において、どうかひとつ欧米の
百貨店法の内容の大體と、今議論の
中心点になる資料をなるべく早く御提出願いたいのであります。
それから第二は、百貨店の販売いたしておりまする品物の、
委託の部分と、自己が買持ちして考る部分との比率でも金額でもよろしゆうございますが、なるべく詳しいものをいただきたいのであります。これは私戦争前の経験でございますが、松坂屋などにおきましては、ほとんど七割に近いものが
委託販売をしておるのであります。いわゆる大きい看板を前にしまして、そしておれのところでなければ売れないという
意味から、
委託を
中心にして口銭稼ぎをしておるというのが、百貨店の半分以上の仕事であ
つたのであります。そして今後もそういうことがどんどん行われる可能性、見透しは十分にある。そういう面から申しますと、中小商業者を非常に圧迫をすることは明らかでございますから、どうか戦前と戦後の百貨店の
委託荷と買持販売荷物との内容を
研究をしていただきたい。それからアメリカには百貨店に類するもので、通信販売の本部というものがたくさんあります。
將来日本の百貨店はおそらく通信販売というようなことにも相當乗り出していくだろうと思うのであります。そうすると、この面でも小さな商業者が片つぱしから食われていくという状態になりますものですから、どうかひとつアメリカの通信販売に関する規定なども、一應御
研究にな
つて、御提出を願いたいのであります。
それから次に
理研に関する資料のいただきたいものを申し上げます。
理研を
株式会社にしなければならないねらいは、今議論されておるほかにあることを、私も大體想像しておりまするが、一體
理研の
研究の今までの科目の中で、平和的なる
研究として
將来大いに伸ばすべきものと、それから多少忌避さるべきものとの
研究の分類をしていただきたいのであります。そしてその順位などをつけてくださ
つて、必要なら秘密会でも
つてこの分は大いに伸ばします。この部分はだめですと、サイクロトンのごとくすでに禁止されてしま
つたものもある。こういうわけでありますから、その内容の
研究をしていただいて、お示しを願いたいのであります。そうすることによ
つて、先ほど
海野さんの
お話のあ
つたように、
政府機関にすることもできるでありましようし、また私の
考えでは大学にこれをわけて、各大学の各課にわけるべきものも多々あると思いまするし、また
株式会社が
利益追求の
機関であ
つて、いくら
政府委員がうまく御答弁になりましても、これが
研究の
目的とマツチしないことは、これは正直のところはつきりしておるのでありますから、
株式会社にするものは、いわゆるその技術を
一つの採算経營として独立さすということに
考えて、
株式会社ではいけない、大学に入れるなり、
國家の
機関にするなり、あるいは新しい形であるところの公團にするなり、古い形である
一つの
株式会社の脱出形態である營團にするなり、また先ほど申し上げたような洗い直した
意味において
研究所という
財團法人としていくなり、もつと内容を分析して、よくG・H・Qとお渡りにな
つて、自信のあるところでも
つて出直していただきたい。これははなはだ失礼な言葉でありますが、こう私は希望するのであります。
最後にこのまま放
つておいたならば閉鎖期間に指定されることが明らかであるかどうかということも、この次の機会でよろしゆうございますから承りたい。そうしてその根拠なども承りたい。閉鎖
機関の項目の中にこういうものがはいり得るかどうかという点も、私は疑問をも
つておりますから、大體そういうふうな材料を一應整えていただいて、それから本格的な議論をするのでなければ、いたずらにいやこれを
法律にするのだ、いやそんなものはいけないのだというようなところでは話にならない。こういうふうに私は感じますので、はなはだ恐縮でございますが……。