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永井政府委員 事務的にわたりますので、私から御
説明いたします。これは
クレジツトということを言うておられますが、実際は
占領下輸出入回転資金、オキユパイド・ジヤパレ・エキスポート・アンド・インポート・レヴオルヴイング・フアンド・
クレジツトで、借款というふうに訳すのはいかがかと思います。今申されましたような
トルコ、
ギリシヤ等に与えました
クレジツトとは、ま
つたく
性質が違うのであります。御
承知の通う
アメリカの国会は七月二十六日から閉会しておりまして、来年の正月にならないと
議会は開きませんので、
トルコとか
ギリシヤに与えましたような
政府の
クレジツトというものはできないのであります。それとはま
つたく違う。今申し上げましたようは
貿易回転資金でありまして、大体のおもなる
趣旨は、この
資金は
日本の
輸出入回転資金として
連合軍の
占領目的の達成、並びに
国際連合国と
日本との
相互利益を助長するために
設定する。この
資金の運用についてはコントローラー、
管理人を
連合国司令部が任命する。それは
アメリカから追
つてくるらしい。その
担保といたしまして一億三千七百万ドルというのは、
日本にあります金その他の貴金属の全部ではございませんので、これは
担保に出してもに何らほかから文句が出ぬというもので、あれ以上まだあるのでありますが、それらについてはいろいろな条件がついておりますので、載せるわけにはいかぬのでありますが、その一億三千七百万ドルと、去年
アメリカから積んでくれました綿を
製品にしまして
輸出をして
残つた金の
利益があります。それもついでですから申し上げますが、大体今まで契約しております四億ヤードの綿布を外国に
輸出いたしますと、まず一億ドル以上の
利益が出る。それを
司令部ではまず一割と見まして
内輪に見まして八千万ドル、これまで買いました八十九万一千俵の綿を
製品として、幾分か
日本に残して、あと
輸出しました
利益が八千万ドルと言
つております。私
どもは一億ドル以上になると思いますけれ
ども、
向こうは非常に
内輪に見ております。そうすると合計しまして二億ドルあまりになります。それを頭金にしまして、
アメリカに借金するのであります。それを三割と見ておりますから、理論上の最高借り入れられる
金額は六億六千六百万ドルになります。今後今年内に三十五億万俵の綿を積んでくれます。それを
製品にして約八割を
輸出いたしましたならば、来年の今ごろまでには、
貿易庁の
計算によりますと、五千五、六百万ドルの
利益が出るのであります。それをまず
内輪に見まして、二億四千万ドルほどになります。そうすると
頭引きを三割としますから、二億四千万ドルに達しますれば八億ドルになるわけであります。来年の年末くらいにでもなりますれば、二億七、八千万円の
利益があがりますから、理論的の
最高金額は九億ドルくらいまで買えることにな
つております。それによ
つて買います物は、
綿花、
羊毛、
ゴム、鋼材、重油、石炭、
いくらでもいいわけでございますが、それの第一著手として、綿の契約を今ワシントンでや
つておりますが、そういう
加工原料が続々とそれによ
つてできる。そういうことで、
クレジツトと申しますか、
貿易回転資金の
性質は今申し上げた
通りであります。