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笠原委員 私の
質問は
警察制度には關連ありませんが、
ちようど警保局長がお見えにな
つておりますので、この
機會を利用させていただきまして、
主食の
横流れの
取締りについて、
ちよつとお尋ねしたいと思うのでございます。今
ちようど米の
供出の
最盛期でございまして、これは非常に緊急を要する問題でございますので、この席からひ
とつ質問させていただきたいと思うのでございます。
やみを
取締りいたしまして、
流通秩序を確立するということは、
片山内閣の
経済施策の
中心眼目であるわけなのでありまして、なかんずく私は
主食の
横流れを
取締りまして
供出をよくするということが、さらにまたその
根本にな
つてまいらなければならぬと思うのでございます。この
主食の
横流れを徹底的に
取締つていかなか
つたならば、
供出の完納ということは不可能ではないかと思うのであります。特に本年度の
供出割當は、御
承知の
通り非常に大きいのでございます。私は
新潟縣でございますが、
新潟縣の例をと
つてみましても、昨年は強權發動までやりまして、僅かに百八十
萬石しか出ていないのであります。本年の作柄は昨年よりもよくない。むしろ昨年よりも一割くらいは悪いのじやないかといわれるような
情勢下におきまして、
新潟縣の例をと
つてみましても、昨年の
實績よりも五十
萬石くらい
割當が多いのでございます。この多い
割當に對しまして、これを完遂するということになりますれば、いきおい縣外に非常に多く持ち出されるものを
取締りをやるということでなければできないのであります。先日
新潟で一列車の徹底的な
取締りをやりましたところが、四十六俵半という米が出てまい
つたのであります。この
程度の
取締りを續行することでなければ、ほんとうの
縣外持出しの徹底的な
取締りはできないと縣では言
つておるのであります。それならば、その
程度の
取締りをするには、どのくらい金がかかるかと申しますと、聽いてみますと、大體七百五十人くらい
警察官を動員しておるのであります。その
費用が大
體三萬圓かか
つておるのであります。その基礎になる數字は、大
體宿泊料が百五十圓くらい、
日當は四十圓くらいくれておるそうでございます。
新潟におきましては、とりあえずこの十月から十二月までの
取締りの豫算を、百二十八萬五千圓ばかりあげておるようでございますが、これからおしてまいりまして、まず大體理想的な
取締りをするのには、三百五十
萬圓以上の金がなければとうていできないのであります。ところが御
承知の
通り、この三百五十
萬圓のうち、
國庫から還元されてまいりますのはわずかにその半額でございまして、そうしますると、あと百七十五
萬圓ぐらいのものは、
地方財政が負擔をせねばならぬことにな
つておるわけでございまするが、
地方財政も御
承知の
通り、今非常に逼迫いたしておりまして困
つておるわけであります。それで何とかこれを
國庫から還元してもらう
方法はないかということを考えておるわけでございまするが、
ちようど新潟の例をと
つてまいりますると、昨年九月から本年の八月までに、この
警察の
取締りにより取上げました米が、大體一萬四十六石六斗二升あるのであります。そしてこれはキロに直しますと、百四十萬六千五百二十六キロになるそうであります。そしてこれをことごとく
食糧營團に
供出さしたわけでございますが、
食糧營團が買上げた價格が五百五十七萬三百十四圓何がしというものになるわけだそうでございます。これを
營團は、やはり配給にまわして
消費者に賣渡しておるわけでございまするが、それが七百十三萬二千六百六十八
圓餘、差引き
食糧營團は、昨年度はたまたま
米價が二囘ほど引上げになりましたから、
利益というものが百五十六萬二千三百五十四圓ばかりで、これだけ
營團が儲か
つておるわけでございます。これをそのまま
地方財政に還元いたしますればやや
取締りができることになるわけでございますので、交渉したのでありまするが、
營團の方では、赤字にな
つておるから、少しも縣費の方に補助することはできないというような話であります。ところがこういうふうに、
地方財政が大きなる負擔をやりまして
取締つてあげましたところの米は、
供出割當外に
營團に全部まわしておるのでありますが、この
利益はあげて
國家が受けておるわけでございまするから、私
どもはこの
取締りを徹底的にやりまして、そして
供出を完遂し、先刻申しましたこの
内閣の
経済施策を遂行するということになりますならば、どうしても私はここにおきまして、
國家がこの
費用を負擔いたしまして、徹底的に
取締るということが當然じやないか、かように考えるのであります。今申しますように、現在の
情勢でいたしますれば、
費用がなくて、とうてい十分な
取締りはできないという
實情にあるのでありますから、
政府におかれましては、これに對しましてどんな
對策をも
つておるかということを伺いたいのであります。もしもこれに對しまして
政府が
對策がないということでありますならば、これは私は
農林省も
關係がありますると思いまするから、至急
農林省と打合せまして、
對策を立てまして、これは
ひとり新潟縣ばかりではなしに、その他の縣におきましても同様だろうと思うのでございまするから、この
地方財政に對しまして、至急もつと補助なり、あるいはまた今申しましたような、この米の取上げたものによ
つて得たところの
利益を還元していくというふうな
方法でも結構でございまするが、それによ
つてや
つてもらいたいということを強く希望する次第でございます。この點につきまして、もしも
政府に
對策があるならば、伺いたいと思います。