○坂口委員 ただいまお話がありましたが、引揚者、戰災者というようなもの、つまり
實際の
營業態様としまして、露店というようなものが多いのでありますが、こういう人は
實際を見てみますと、戰後、また特に昨年あたり多數引揚げまして、どういう
生活の方途を立てるかということに非常な苦勞をした結果にほかならないというので、一部はやみの
業者になり、またややまじめなもの、あるいはその力のないもの、特に婦女子のごときは、今のような非常に弱い、程度の低い飲料業をや
つております。これはむろん御
承知の
通りであります。しかるにそれによ
つて、ほとんどこの準備ができて開店をした、あるいはまたようやくそれによ
つて生活ができるというような時期に、これらのものはこの
禁止に引掛か
つたわけでありまして、現在において非常に
生活に困
つておることは御
承知と思います。同じ料飲業におきましても、古くからや
つておりました人は、相當に基礎があ
つた人は、休業しても
生活上の相當耐久力があるような區別があるのであります。また
實際の
状況といたしましては、
地方によ
つていろいろ違いましようが、大きな
料理飲食店は現在においては、あるいは貸間業に轉業して、持込みで實は
實際上の
料理屋に變らぬようなことをや
つているというものも相當にあるようでありました。この間において、同じ一齊に休業させられました
料飲業者においても、大きなものと小さいもの、あるいは古いものと新しいものと、それぞれ
地方において非常に違う。従
つてこういう點においては、もちろん當局においても今のお話のようにそれぞれ
地方において
適當に對處しておられるであろうと思うのでありますが、しかしこの禁令を出された當時におきまして、明かにこういう
事情のある多數の者が
生活に困るということは、お
考えにな
つていると思います。もつとも
内務省としては、禁令を出せばそれでよろしいと思うのでありますが、しかし
政府としては、本年
一ぱいのこういう困る者についてどういう
措置を講ずるというような指令を併せて
地方にお出しにな
つたか。あるいは直接方針をお示しにな
つたか。また先ほどから話がありましたように、はたして十二月
一ぱいでこれが再開ということになるかどうかということを
考えますと、必ずしもそういう見透しがつかないと思うのであります。こういうことに對しては、それぞれ役所としては、わかれた
方面でそれを救濟するということもあるのでありますが、
政府あるいは國家は、一體としてこれに對して
適當な
措置をと
つていくということを
考えねばならぬと思うのであります。
地方の実情によ
つて外食券食堂が多ければ許さない、少なければ許す、あるいはただ單に特別に便宜をはかり救濟をはか
つていくということは、普通のときでもあることでありまして、何らの善後の
處置でも何でもないのであります。そういう點について
政府の御
意見を承りたいと思います。