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北浦委員 それがいけない。
法律に
規定してありまする以上は、
憲法のいわゆる
國民は法の前に平等である、その
取扱をしなければいけない。
外國の
君主である、
大統領であるからと、
法律の
規定もなくして、特別の
待遇をする。それがいけない。適用し得られるところの
法律を
國會の承認のもとにつく
つておかなければならない。一體
司法官にせよ、いわゆる
司法部は
國會の承認を經ずして、何らの
法律をつくらずして、いわゆる自由心證でありますけれでも、事實の裁判は判事の自由裁量に任せてありますけれども、
憲法の
規定を破
つて外國の
君主であるから、だれだからとい
つて、特別に
待遇して、刑罰を重くするというその根性がいけない。そうぢやない。
國會の承認を經たる
法律ができてありますると、それは
國會の承認のもとにすらすらやれる。そういう根性がいわゆる
司法遍重の思想である。今日の
民主主義憲法と非常に違う。
片山さんのおつしやることは、過日來からの
政府委員の
説明の
通りであ
つて、
國會に提案をせずして、
法律をつくらずして、
憲法に禁じてあることをあえてやろう。
國民の前に平等なりという
規定を侵してやろう。それがために
法律をつくる。なぜこんなものを削除する必要があるかわからない。この
理由は
天皇と權衡を保たすためだというほかに
理由はない。
憲法上
天皇の
地位から申しまして、
片山さんの
地位から申しまして、この
告訴というようなものはどこから見ても成立たない。それをつくらなければならぬというのは、
不敬罪を削除するからだ。それを削除するために、國際
法規化しているところの、諸
外國のいずれもいつせいに
規定しておる
外國の
元首に對する
規定まで削除しなければならぬ。あまりに國際關係というて恐れて、しかも眞理に遠ざか
つては、それこそ國際關係の物笑いになる。
説明は依然として
政府委員の
説明の範圍外に出てませんことを遺憾といたしますが、あとに同僚がまたやりますから、私は
刑法については、この
程度に止めておきます。
今度は
片山さんにお伺いたいしまするのは、農林大臣に對してお伺いするのではない。いわゆる
憲法上あなたの責任の
外交關係、外務關係、
外國の信用ということについて、昨日の續賣新聞、今日の毎日新聞に出ておることについて、あなたの
職務權限内のことだけをお伺いいたします。農林大臣のそういうくわしい
説明を聽こうとは思いません。
外國に對して信用はどうであろうか、この點だけをお伺いいたします。
内閣を
代表して
外交關係について
國會に報告する
職務をも
つてあられますから……。總司令部の天然資源局農業課ローン・ティー・ソンレイ、この人たちの談話について、
片山首相にお伺いいたすますが、そのうちで
犯罪だと思うことは鈴木
司法大臣にお伺いいたします。この中にこう書いてある。今夏の麥及びじやが芋の提出割當は、推定収穫高に對する割合からい
つて今までにない最低基準によ
つて決定されたのではないか。この決定は、多分
片山内閣によ
つて決定されたと思います。あるいは吉田
内閣時代に決定されたものを
片山内閣が踏襲されておるかわからぬ。そんなことはどうあ
つてもかまわぬ。吉田
内閣であろうが、
片山内閣であろうが、そんなことはかまわない。今までにない最低基準で決定されたのではないか。こういうことをソンレイ氏が
言つておられる。米とさつま芋についても同じことが繰返されるのではなかろうか。
日本人の食糧自給努力について、
世界はいろいろ
日本に尋ねたい疑問をも
つておるが、米、さつま芋に對する供出割當数量は、これらの多くの疑問に對する囘答になる。こういうことが出ております。そこで國際信用上
片山總理大臣にお伺いするのでありますが、今度の麥やじやが芋の供出割當は、縱來にない最低基準で決定した事實があるのかないのか、ローン・ティー・ソンレイ氏の疑問は間違
つているのか、願わくは間違
つてありたい。これが
一つ。ソンレイ氏の指摘されたる事實が
ほんとうであれば、その
理由はどういうわけか。もう一度念を押しておきますが、これが自由黨
内閣のもとに行われてお
つて、あなたがこれを踏襲されてお
つても、それは毛頭構わない。もし自由黨
内閣の決定したことで、あなたが踏襲しておられるとするならば、なぜそれを改めないのか。これは
世界の疑問でありますから、
日本の國際信用のために御
答辯を願いたいと思います。但し首相にさような割當のこまかいことはわからぬということでありますならば、この點は他の同僚と御相談あ
つて、國際信用を害していないという御
答辯を頂戴したい。米とさつま芋の割當数量が、また縱來にない最低基準で決定しておるならば、
世界の
質問に答えることができない。それはいかに決定しようと
考えておられるかどうか、このローン・ティー・ソンレイ氏の
一つの疑問に對しまして、國際信用の上からお答え願いたい。