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1947-08-25 第1回国会 衆議院 司法委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年八月二十五日(月曜日)     午後一時三十六分開議  出席委員    委員長 松永 義雄君       池谷 信一君    石川金次郎君       榊原 千代君    山中日露史君       打出 信行君    中村 俊夫君       中村 又一君    八並 達雄君       鍛冶 良作君    佐瀬 昌三君       花村 四郎君    明禮輝三郎君       大島 多藏君  出席國務大臣         國 務 大 臣 和田 博雄君  出席政府委員         司法政務次官  佐竹 晴記君         司法事務官   奥野 健一君         司法事務官   國宗  榮君     ――――――――――――― 八月二十三日  札幌高等裁判所の支部を函館市に設置陳情書  (第七二號)  最高裁判所裁判官選定に關する陳情書  (第  一一九號)を本委員會に送付された。     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  家事審判法案内閣提出)(第三二號)  昭和二十一年法律第十一號(辯護士及び辯護士  試補資格特例に關する法律)の一部を改正  する法律案内閣提出参議院送付)(第二三  號)  經濟査察官臨檢檢査等に關する法律案内閣  提出)(第四二號)     ―――――――――――――
  2. 松永義雄

    松永委員長 會議を開きます。  家事審判法議題とし、討論に移ります。石川金次郎君。
  3. 石川金次郎

    石川委員 民法改正せられますことは當然であり、必然になつておりますので、家事審判法原案が妥當適切だと存じますから、原案に對して社會黨贊成いたします。
  4. 松永義雄

  5. 八並達雄

    八並委員 新憲法の施行に伴いまして、民法改正案が現在當委員會において審議せられておるところであります。新民法の施行されるに伴いまして、この家事裁判所制度當然必要であることは申すまでもないことでありまして、この法案を審議いたしましたところ、きわめて剴切適當でございまして、別段修正の必要もないと認めたのであります。この法案贊成の意を表するのであります。
  6. 松永義雄

  7. 佐瀬昌三

    佐瀬委員 自由黨を代表して家事審判法に對する意見を述べ、贊成いたしたいと思うものであります。  新憲法による民法改正伴つて家事審判法提案されるに至つたことは當然であり、われわれもその内容を檢討した上、適切であるというふうに認めたのであります。しかしその中心である参與員調停委員とを参畫せしめて、身分法上のまた相讀法上の問題を適切に裁判調停するという制度をして全からしめんがためには、裁判官及び参與員調停委員にその人を得なければならぬのは當然であります。從つて裁判官選任とか、参與員調停委員選任というような點について、優遇案その他の點から顧慮すべき問題は相當殘されておるように見るのであります。これは今後司法當局の妥當なる運用にまつことといたしまして、この新制度の目的を貫徹しなければならぬと存ずる次第であります。さようなことを顧慮しつつ、私どもは本案贊成する次第であります。
  8. 松永義雄

    松永委員長 大島多藏君。
  9. 大島多藏

    大島(多)委員 私は國民協同黨を代表いたしまして、本法案に對する意見を申し上げます。本法案は家庭内や親族間の紛爭を、從來のように夫婦、親子、兄弟などが血を血で洗うような法廷においての爭いをなくし、理想的に解決することを目指し、各方面からの強い要望により立案を見たものでありまして、今や本法案による家事裁判所設置が一日も早からんことを切望されておる次第であります。先日本院におきましての公聽會の折も、公述人から意見が出ましたように、この家事審判所活用いかんが、今囘改正されんとする民法成功、不成功のかかるところであるとさえ思われるのであります。これ從來裁判所のあり方が封建的特質を多分に有し、一般民衆との親しみきわめて薄く、民主化一大障害たるの感があつたわけであります。この舊弊を一掃するために、本法案による家事裁判所が、必ずや期畫的な役割を演ずるものであろうことを、私は信じて疑わないものであります。これはかつて法案の趣旨を十分に理解し、その運用いかんによることは論をまたないところであります。政府は本法案成立とともに、一般國民に本法案成立を周知せしめることに積極的な努力をなし、法律民主化をはかるとともに、民主化家事審判所よりとの氣構えをもつて臨まれんことを要望して、本案に贊意を表するものであります。
  10. 松永義雄

    松永委員長 これにて本案に對する質疑及び討論は終局いたしました。次いで採決いたします。本案について、原案贊成の諸君の御起立を求めます。     〔總員起立
  11. 松永義雄

    松永委員長 起立總員、よつて本案滿場一致原案の通り可決いたしました。  なお本案に對する委員會報告書の作成については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 松永義雄

    松永委員長 それではそのようにいたします。     —————————————
  13. 松永義雄

    松永委員長 次に二十一日に付託經濟査察官臨檢檢査等に關する法律案議題とし、政府説明を願います。和田國務大臣
  14. 和田博雄

    和田國務大臣 ただいま議題となりました經濟査察官臨檢檢査等に關する法律案提案理由を御説明申しあげます。  本年の五月一日に經濟安定本部令改正されまして、經濟安定本部監査局が設けられ、また地方の經濟安定局監査部が置かれまして、これに所屬しまする經濟査察官經濟安定緊急施設實施にあたる行政各廳とか公團事務監査や、隱退藏物資調査、供出の促進の事務を行うことに相なつたのでございます。これらの事務を行いますためには、行政各廳や公團に對してばかりではなく、行政施策の對象となつておりまする關係者に對しても必要な報告を求めたり、または關係官吏である經濟査察官をして、關係者の業務に關係のあります場所に臨檢をさせまして、隱退藏物資各種行政施策關係のある物件の檢査をさせまして、隱退藏物資調査活用に便ならしめ、あるいは各種行政施策の末端への浸透状況を判斷する必要があるのでございます。ところが現行の臨時物資需給調整法食糧管理法隱匿物資等緊急処置令等には、統制の實施にあたりまする主務大臣には右のような報告を求め得る權限や、それから關係官吏を派遣しまして臨檢檢査をさせる權限があるのでありますが、經濟安定本部總裁にはこういう權限がございませんから、職務の執行上非常に支障がありますので、この法律提案いたしまして、經濟査察官等に、以上述べましたような臨檢檢査に關する權限を與えようといたすのであります。何とぞ愼重に御審議くださいまして、御協贊あらんことをお願いいたします。     —————————————
  15. 松永義雄

    松永委員長 次いで、さきに参議院において修正議決の上、本院に送付せられました去る十一日付託の、昭和二十一年法律第十一號(辯護士及び辯護士試補資格特例に關する法律)の一部を改正する法立案議題とし、政府説明をお願いします。國宗政府委員
  16. 國宗榮

    國宗政府委員 ただいま上程せられました昭和二十一年法律第十一號の一部を改正する法立案の、提案理由を御説明もうしあげます。  終戰後滿洲から引揚げた人々のうちには、わが國の高等試驗司法科試驗に合格した後、滿洲へ参り、司法官なつ人々が若干あるのであります。この人々は、同國の司法官として、相當年月の經驗を積んでおるのでありまするが、何分外國裁判官または検察官であるため、當然にわが國の裁判官または檢察官のみならず、辯護士資格をも有しないので、歸國いたしましても、ただちに司法事務に從事することができず、精神的に經濟的に悩んでいる實情であります。この法案はこれらの人々に、わが國の辯護士たる資格を與えることによつて、その經濟を活用し、併せてこの人々を救濟しようとするものであります。  立案の形式は、すでに存する昭和二十一年法律第十一號の一部を改正する方法をとりました。この法律朝鮮辯護士令によつて辯護士及び辯護士試補資格を得た引揚者に、辯護士審査委員會選考を經て、辯護士また辯護士試補たる資格を與える辯護士法特例であります。  この法案内容は、辯護士法第三條の試驗、すなわち高等試驗司法科試驗に合格して後、滿洲國司法官の職にあつた引揚者で、先ほど申し上げました辯護士審査委員會選考を經た者には、辯護士法第二條第一項第二號の規定にかかわらず、すなわち辯護士試補として一年六箇月以上の實務修習を終え、考試を經ないにかかわらず、辯護士たる資格を付與しようとするものであります。この人々はすでにわが國の高等試驗仕法科試驗に合格して後、さらに滿洲國において、わが國の從來司法官試補に相當する學習法官として實務修習し、審判官または檢察官の職についていたものでありますので、この事實及び滿洲國法律が、大體わが國の法律同一系統のものであつたこと等を考えますと、法律的素養の點では、實質的にわが國の辯護士試補修習を終えた者と同視して、差支えないと思料するのであります。なお辯護士審査委會選考を經ることといたしたのは、愼重を期し、人物、實務その他各方面よりの十分な審査を行い、資格付與に遺憾なきを期したためであります。何とぞ愼重御審議の上、速やかに可決せられんことを希望いたす次第であります。
  17. 松永義雄

    松永委員長 以上の法案に對する本日の審査説明の程度に止め、本日はこれにて散會いたします。次會は明日午前十時より開會いたします。    午後一時五十五分散會