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塚田委員 大臣の御決意、御覺悟、御努力のほどはよくわかるのでありますけれども、しかしおそらくその
程度のことでは、いわゆる
やみ利得者というものはなかなかつかまらぬだろうと私も思うのであります。これは前内閣の時分から
當時野黨で、いられた社會黨の諸君などにし
きりに非難攻撃されたのでありますが、私たちはその時分社會黨首班の内閣ができたらば、何かうまい手があるのかと思
つて非常に期待をしてお
つたが、やはりないらしいのであります。おそらくこれはだけがや
つてもできないのでありましよう。しかし私はこの
やみ利得の話が出ましたので、この際に一言申し上げて御
意見を伺いたいのであります。
やみ利得はこれはできる性質、それからしてそういう利得をあげる者の性格などから、これはとうていつかまらぬものなのであります。しかしつかまらぬからとい
つて放
つておくわけにいかぬ性質のもので、結局これは一年かかり二年かか
つても、何とかしてだんだんいつか
はつかまえるという方面にいかなくちやならぬのだ。それにはこの
やみ利得が形をかえておる財産を、何かの面でつかまえていくというように、形を現わしたところでつかまえていくということが、ぜひ必要なのではないかというように
考えておるのであります。そういう
意味におきまして、これは全然別な觀點から、やはり名目
財産税というものを
政府がおやりになる方がよいのではないか。それ以外にはこういう新しい財産階級というものを、つかまえていく適切な
方法がないのではないかというように
考えておるのであります。しかし名目
財産税というものについては、まだ
政府は反對であるように、昨日も御答辯をいただいたのでありますが、そういう點もひ
とつやみ利得の捕捉という面において、併せてお
考え置きを願いたいということを希望しておく次第であります。
次に最初の國家財政の根本の問題に關連してでありますが、要するに、私が
ほんとうに申し上げたいことは、國家が、しかも敗戰後の非常に窮乏した
世帶をもちながら、どうもいろいろな
仕事をやりたがり過ぎる、やらなければならないと
考え過ぎるというように私は
考えるのであります。卑近な例を申し上げてまことに恐縮でありますけれども、個人々々の家庭が非常に窮乏してまい
つたときには、これは結局たくさん働いて、使う方を少くしていくという、兩方の面から家計の建直しをしなければならぬことは申すまでもない。その
意味において國家が一方に生産増強を唱えられ、一方に國民の耐乏
生活を強いられる——強いられると申し上げては、あるいは語弊があるかもしれない。耐乏
生活を要請せられるということは、これは當然の道行きとして國民もおそらく了承すると思う。しかしそれと同時に國民に耐乏
生活を要求せられるのであれば、國家の中の一番大きな臺所の消費者であるところの國家が、
自分の
生活というものを切詰めるという
考え方を根本にも
つていただくのでなければ、日本の國家財政の建直しというものはむずかしかろうと思うのであります。もちろん今ま大臣の御説明になりましたように、なるほど販戰下、殊に占領治下にある日本としては、どうしても出さなければならぬ費用、費目のたくさんあることは申すまでもございません。しかしそういうものを出さなければならぬければなおさらその他の國家の費用というものを縮めるという
考え方でい
つていただくのでなければ、とうてい私は日本財政というものの建直し、日本經濟の建直しというものはむずかしい、こういうように
考えておるわけであります。こういう觀點からいたしますと、たとえばいろいろなものを、あれも統制、これも統制というようなことは、結局役人の數を多くし、それに附帶する事務費を多くし、結局國費を多くするという面において私どもは賛成いたしかねる。そういうふうに
考えるわけであります。これらの點、さらに行政整理というものを
政府にもおやりになる意向があるということをしばしば承
つておるのであります。しかしどうも行政整理ということも、過去のいろいろな例から
考えてみますと、
實際に勤めておる人間はあまり整理しないで、ただ豫算の上の餘
つておる定員だけを整理して、行政整理をしたというように、かつこうだけをつけられる可能性が多分にあるわけであります。そういう點についての
大藏大臣の御意向を、重ねてで恐縮でありますが、お伺いしたいと思います。