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1947-11-15 第1回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第35号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十二年十一月十五日(土曜日) 午前十時五十三分
開議
出席委員
委員長
北村徳太郎
君
理事
中崎
敏君
理事
島田 晋作君
理事
梅林
時雄君
理事
塚田十一郎
君
理事
葉梨新五郎
君
理事
吉川 久衛君
川合
彰武
君 川島 金次君 河井 榮藏君
佐藤觀次郎
君 田中織之進君 西村 榮一君 林 大作君 松尾 トシ君 八百板 正君 大上 司君
中曽根康弘
君 青木 孝義君 島村
一郎
君 周東 英雄君
苫米地英俊
君
宮幡
靖君
井出一太郎
君 内藤 友明君 石原 登君
出席政府委員
大藏政務次官
小坂善太郎
君
大藏事務官
前尾繁三郎
君
大藏事務官
伊原 隆君
大藏事務官
愛知 揆一君
委員外
の
出席者
專門調査員
圓地與
四松君
專門調査員
氏家 武君
—————————————
十一月十四日
所得税法
の一部を
改正
する等の
法律案
(
内閣提
出)(第九三號) 非
戰災者特別税法案
(
内閣提出
)(第九四號)
昭和
十四年
法律
第三十九
號災害被害者
に對する
租税
の
減免
、
徴收
猶
豫等
に關する
法律
を
改正
す る
法律案
(
内閣提出
)(第九五號)
印紙等模造取締法案
(
内閣提出
)(第九六號)
持株會社整理委員會令
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)(第九七號) の
審査
を本
委員會
に付託された。 十一月十四日
關係方面使用
の
土地家屋
の
課税基準
に關する請 願(
櫻内義雄
君
紹介
)(第一一一四號) 滿州からの
引揚者持歸金増額許可
の
請願
(並木 芳雄君
紹介
)(第一一二四號) 伊勢崎市の
罹災民
に對する
減免税
の
請願
(鈴木 強平君外三名
紹介
)(第一一三八號)
休業料理飲食店
に對する
課税
の
減免
及び
延納等
に關する
請願
(
庄司一郎
君
紹介
)(第一一六一 號)
仙臺市
に
東北證券取引所設置
の
請願
(
庄司一郎
君
紹介
)(第一一六二號)
大藏省税務講習所名古屋支所
の建物及び
土地拂
下の
請願
(
河野金昇
君
紹介
)(第一一六四號) の
審査
を本
委員會
に付託された。
—————————————
本日の
會議
に付した事件
所得税法
の一部を
改正
する等の
法律案
(
内閣提
出)(第九三號) 非
戰災者特別税法案
(
内閣提出
)(第九四號)
昭和
十四年
法律
第三十九
號災害被害者
に對する
租税
の
減免
、
徴收
猶
豫等
に關する
法律
を
改正
す る
法律案
(
内閣提出
)(第九五號)
印紙等模造取締法案
(
内閣提出
)(第九六號)
企業再建整備法等
の一部を
改正
する
法律案
外一
件審査
のための
連合審査會開會
の件
—————————————
中崎敏
1
○
中崎委員長代理
これより
會議
を開きます。
梅林時雄
2
○
梅林委員
金融機關再建整備法
の一部を
改正
する
法律案
ほか二件は一應留保を願いまして、
所得税法
の一部を
改正
する等の
法律案
ほか三件を
緊急上程
せられんことを望みます。
中崎敏
3
○
中崎委員長代理
ただいま
所得税法
の一部を
改正
する等の
法律案
、非
戰災者特別税法案昭和
十四年
法律
第三十九
號災害被害者
に對する
租税
の
減免
、
徴收
猶
豫等
に關する
法律
を
改正
する
法律案
、
印紙等模造取締法案
、以上四件の
緊急上程
を望む動議がありました。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中崎敏
4
○
中崎委員長代理
それでは
所得税法
の一部を
改正
する等の
法律案
ほか三件を上程いたします。
政府
の
説明
を求めます。
—————————————
小坂善太郎
5
○
小坂政府委員
ただいま議題となりました
所得税法
の一部を
改正
する等の
法律案
ほか三
法律案
につきまして、
提案
の
理由
を
説明
いたします。
政府
は、最近における
財政需要
の増大に對應し、
收支
の
均衡
を圖り
財政
の
強化
に資するとともに、
經濟諸情勢等
の推移に應じまして、
國民租税
負擔の公正を期する等のため、
所得税法等
の一部を
改正
することといたしたのであります。すなわち今次の
税制改正
にあたりましては、
租税
の中樞たる
所得税
につきまして、
國民所得
の
現状
及び
國民生活
の
實情
に鑑み、いわゆる
インフレ利得者等
の
一定額
を超える
所得者
に對し
重課
することといたしますとともに、他面
勤勞所得者
及び
扶養親族
を有する者の負擔を
輕減
する等の
措置
を講ずることといたしたのであります。また
間接税
中
從量課税
の
酒税清凉飲料税
及び
物品税竝びに
、
入場税
につきましては、最近における
物價
の
状況等
に即應して
課税
する等のために
相當
の
増徴
を行うことといたしました。なお
定額税率
による
登録税
、
印紙税等
につきましても、最近における
物價
の
状況
に對應する
税率
の
引上げ
を行うことといたしたのであります。 さらに
政府
は、今囘新税といたしまして非
戰災者特別税
を創設することといたしたのであります。
戰災者
と非
戰災者
との間の經濟的な懸隔は、最近における
經濟事情等
により、ますます助長されている
事情
でありまして、これが犠牲の
均衡化
を圖るべしという論議も
相當
活發
なるものがありますので、臨時緊急な
財政需要
が著しく増大しつつある
現状
に鑑み、この際戰災を免れた者に對し一囘限りの
特別課税
を行うことといたした次第であります。 次に各税に關する
改正
の
大要
について申し上げます。まず
所得税
でありますが、先ほども申し上げましたごとくいわゆる
インフレ利得者等
に對し
重課
するとともに
勤勞所得者
に對しては、その負擔の
輕減
を圖ることに重點を置いて、
所要
の
改正
を
行つたの
であります。すなわち
インフレ利得者等
の
重課
のための
措置
としては、
課税所得金額
が七
萬圓
を超える
所得者
については、
現行
の
税率
百分の五十五を百分の五十七に
引上げ
、順次
税率
の
引上げ
を行い、百
萬圓
を超える
所得
については、
現行
の
税率
百分の七十五を百分の八十五といたしたのであります。但し
所得額
は、これを
課税所得金額
の百分の八十に止めることとしております。 次に
勤勞所得者
及び
扶養親族
を有する者の負擔の
輕減
を圖るための
措置
としては、第一に
給與所得
の
計算
については、その
收入金額
から控除する
金額
の
割合
を、
現行
の十分の二から十分の二・五に
引上げ
るとともに、
控除額最高
六千圓を一萬二千五百圓に
引上げ
たのであります。第二に
扶養親族
の
控除額
を、
現行扶養親族
一人につき年二百四十圓、すなわち月二十圓から年四百八十圓、すなわち月四十圓に
引上げ
たのであります。しかして
給與所得
に對する
源泉徴收
につきましては、七月分の
給與
からさかのぼ
つて
十分の二・五の
勤勞控除
及び月四十圓の
扶養控除
を行うことといたしております。これに對應して
昭和
二十二年分の
課税
にあたりましては、前に述べました
給與所得
の
控除割合
は、十分の二・二五、その
最高額
は一萬千二百五十圓、
扶養親族控除額
は年三百六十圓といたしておるのであります。今囘の
改正
により、
昭和
二十二年分の
課税
について申しますれば、
扶養親族
三人の場合においては、
勤勞所得者
については
給與年額
十六萬四千
圓程度
以下の者、また
事業所得者
については
所得年額
九萬二千
圓程度
以下の者の負擔は、すべて
相當
程度
輕減
されることとなるのであります。たとえば千八百
圓基準
による
扶養親族
三人
程度
を有する
世帶
の
標準給與額
二千九百二十圓の者についていえば、毎月の
源泉徴收税額
は現在四百五十二圓であるのが、
改正
後は三百十三圓となり、
差引月額
百三十九
圓程度
の負擔が
輕減
されることとなるのであります。その他
所得税
につきましては、今
囘課税所得
の
範圍
を擴張いたしまして、一時
所得
といえども、
原則
として
課税
することといたしましたほか、
簡易税額表
の適用を受ける者の
範圍
を、
所得金額
五
萬圓
以下の者から八
萬圓
以下の者に擴張し、大多數の
所得者
の
税額計算
の便宜をはかるとともに、
豫定申告書
及び
確定申告書
の
提出
を要しない者の
範圍
を、若干擴張する等の
改正
を
行つたの
であります。 次に
法人税
につきましては、
所得税
の
税率
の
引上
に對應せしめるため、
同族會社
の
加算税
の
税率
のうち、十
萬圓
を超える
金額
に對する
税率
を、それぞれ百分の五
程度引上げ
ることといたしたのであります。 次に
酒税
でありますが、
財政需要
の
現状
、
物價
の
状況等
に鑑み、
清酒
については、一升
びん詰
の小賣
價格一級酒
現在百三十二圓を二百五十
圓程度
に、二級酒現在百二圓を二百
圓程度
に、また
ビール
については
びん詰
一本の小賣價格現在二十三圓を四十
圓程度
にそれぞれ
引上げ
る
程度
の
増徴
を行うとともに、その他の
酒類
についても、品質に應じ税負擔に差等を設けて、これに準ずる
増徴
を行うこととし、これにより
税類
において十三割
程度
の
増收
をはかることといたしたのであります。また特定の
酒類
につき
加算税
を
徴收
し、
清酒
第一級酒の一升
びん詰
一本當り五百五十
圓程度
、
ビールびん詰
一本當り百
圓程度
の
特別價格
で販賣せしめることといたしました。
清涼飲料税
につきましては、
酒税
の
増徴
に應じ、第二種サイダーの
税率
を一石について
現行
二千三百圓を六千九百圓に
引上げ
、その他の
清涼飲料
についても、同
程度
の
税率
の
引上
を行うことといたしました。 次に
物品税
につきましては、最近における
物價
の
状況等
に即應して、
從量課税
の
税率
を
引上げ
ることとし、マツチについては十割
程度
、
あめ類
及びはち蜜については二十割
程度
、
サツカリン
及びズルチンについては四十割
程度
の
税率
の
引上
を行うことといたしました。次に
入場税
につきましては、現在におけるこの
種消費
の性質に鑑み、
現行税率
の百分の百を百分の百五十に、また
特別入場税
につきましても、
現行税率
の百分の四十を百分の六十に、それぞれ
税率
を五割
程度引上げ
ることとし、これに伴い
課税最低限現行
一圓を三
圓程度
に
引上げ
ることといたしました。 以上のほか
登録税
のうち
定額税
のもの、
印紙税
、
骨牌税
及び
狩獵免許
につきましても、それぞれ
相當
の
税率
の
引上
を行うことといたしたのであります。 以上申しましたほか
所得税
、
法人税
、
酒税等
、各税にわたりそれぞれ
罰則
の
強化
を行い、特に
所得税
、
通行税等
の
源泉徴收業務者
が
徴收
すべき
税金
を
徴收
しなかつた場合、または
徴收
した
税金
を納付しなかつた場合における
罰則
を新たに設けたのであります。その他
租税
の
賦課徴收
につき適正な
運營
を圖るため、
所得税法
の
團體諮問
に關する
規定
及び
物品税法等
の
徴收補助團體
に關する
規定
につき
所要
の
改正
を加えるとともに、この際
納税施設法
を廢止することといたしたのであります。 次に非
戰災者特別税
についてその
大要
を申し上げます。非
戰災者特別税
の創設の趣旨につきましては、さきに申し上げました通りでありますが、本税は非
戰災家屋
を
對象
とする非
戰災家屋税
と、非
戰災者
の
動産
を
對象
とする非
戰災者税
の二本建に
なつ
ているのであります。まず非
戰災家屋税
でありますが、その
納税義務者
は、
終戰時
すなわち
昭和
二十年八月十六日にあつた
家屋
、すなわち非
戰災家屋
を所有していた
個人
及び
法人
であります。
家屋
には
住家
、店舗、
工場
、
倉庫等
すべての
家屋
が含まれるのでありますが、國、
都道
府縣、
市町村等
が所有しておりました
家屋
、公用または
公共
の用に供しておりました
家屋
、
國實
または
史蹟名勝
として指定されておりましたところの
家屋
、
私立
の
幼稚園
、
中等學校
、大
學等
において直接に
教育
の用に供していた
家屋
、
賃貸價格
が三十圓未滿の
家屋等
には
課税
しないことといたしております。非
戰災家屋税
の
課税標準
は
家屋
の
賃貸價格
でありまして、百分の三百の
税率
で
課税
することにいたしておるのであります。 次に非
戰災者税
でありますが、その
納税義務者
は、
昭和
二十二年七月一日、すなわち
課税
時期に
法施行地
で
家屋
を使用していた非
戰災者
たる
世帶主及び
非
戰災者
たる
法人
であります。ここで非
戰災者
と申しますのは、
戰時災害
によ
つて
、
家屋
又は
動産
につきまして受けた
損害額
が三割
程度
を超えない
世帶
の
世帶主
または
法人
といたすことに
なつ
ております。しこうして非
戰災者
であるかどうかは、
個人
については
世帶ごと
に、
法人
については本支店、
工場等
を通じてこれを判定することといたしておるのであります、非
戰災者税
につきましても、國、
都道
府縣、
市町村等
の
公共團體
、海外からの
引揚者
が
世帶
の生計を主として維持している場合における
當該世帶
の
世帶主
、
賃貸價格
が三十圓未滿の
家屋
を使用していた
世帶主等
には
課税
しないことといたしましたほか、
國實
または
史蹟
各勝として指定された
家屋
、
私立
の
幼稚園
、
中學校
、大
學等
におきまして直接に
教育
の用に供しておりました
家屋等
の
賃貸價格
は、本税の
課税標準
に算入しないことにいたしております。非
戰災者税
の
課税標準
は、
課税技術
を考慮いたしまして、
課税
時期におきまする
家屋
の
賃貸價格
といたしておるのてあります。しこうして
税率
は、非
戰災家屋税
と同樣、百分の三百といたしておるのであります。非
戰災家屋税
及び非
戰災者税
は、いずれも
申告納税
の方法を採用することといたしております。
申告
及び
納税
の期限は、
來年一月
三十一日でありますが、しかしながら一時に納付することが困難である場合におきましては、
原則
といたしまして、六箇月以内を限りまして
延納
を認めることといたしました。なお
調査
時期の後の
災害
によりまして
家屋
が
滅失
または損壞いたしましたる場合等には、非
戰災家屋税
を
輕減
または免除いたしまして、また
調査
時期の後の
災害
によりまして
家屋
または
動産
が
滅失
または損壞いたしましたる場合等には、非
戰災者税
を
輕減
または免除することといたしておるのであります。 次に
昭和
十四年
法律
第三十九
號災害被害者
に對する
租税
の
減免
、
徴收
猶
豫等
に關する
法律
を
改正
する
法律案
について御
説明
を申し上げます。
災害
によりまして
被害
を受けた者に對しまする
租税
の
減免
、
徴收
猶
豫等
につきましては、現在のところ
災害
が發生いたしました都度、
減免等
の内容に關する政令を公布してお
つたの
でありますが、今囘この
法律
を全面的に
改正
いたしまして、
災害被害者
に對する
租税
の
輕減
、免除または
徴收
猶豫、
課税標準
の
計算
または
申告
及び申請の特例に關する
具體的
な
規定
を整備することといたしたのであります。 次に
印紙等模造取締法案
について申し上げます。從前の
印紙等模造取締規則
は、
日本國憲法施行
の際に現に
效力
を有しまする命令の
規定
の
效力
等に關する
法律
によりまして、本年十二月
末日
限り
效力
を失うことと
なつ
ておりますので、これを
法律
として整備した次第であります。 以上各
法律案
につきましてその
大要
を申し上げたのでありますが、これによる
租税
及び
印紙收入
の
増税額
は、平
年度
におきまして約三百四十一億四千六百
萬圓
、初
年度
たる
昭和
二十二
年度
において約二百二十七億七千七百
萬圓
に達する見込みであります。その各税につきまして本
年度
の
増税額
を申し上げますれば、
所得税
におきましては約三十八億八千五百
萬圓
、
酒税
において約百三億七千八百
萬圓
、
物品税
におきましては約六億千八百
萬圓
であります。また非
戰災者特別税
の本
年度
の收入額は約六十五億四千百
萬圓
であります。 本
年度
の
租税
及び
印紙收入
の歳入の
總額
は、
物價
の改訂及び
給與水準
の
引上げ等
によりまして
相當
額の
増收
が見こまれますので、右に申し述べました
増税額
と合わせて
計算
いたしますと、實に約千三百三十二億四十
萬圓
に達するのであります。これを
眞接税
と
間接税
との
比率
について見ますと
間接税
は全體の六割七分二厘にあたり、
間接税
は三割一分六厘、その他一分二厘と相
なつ
ておるのであります。また
當初豫算總額
六百九十五億千四百
萬圓
に比較いたしまして、
合計額
におきまして約六百三十七億二千六百
萬圓
の増加となるのでありますが、直接税と
間接税
との
比率
におきましては、
當初豫算
の場合の
比率
とほとんど差異は認められないのであります。また各税別にこれを見ますと、
所得税
の收入額は約六百六十九億六千五百
萬圓
でありまして、全體の五割二厘、
酒税
の收入額は約二百三十八億七千
萬圓
で、全體の一割七分九厘に達するのであります。この際
租税
及び
印殘收入
の本
年度
における收入
状況
について申し述べますると、
所得税
の
申告納税額
は約七十七億四千
萬圓程度
でありまして、
當初豫算
の額に對しまして二割六分
程度
、
追加豫算
の分との
合計額
に對しましては、一割五分七厘
程度
にすぎない
状況
であります。また
擔税及び印殘收入
の收入濟額は、四月以降九月
末日
までに約二百六十二億
圓程度
に止まり、しかも他面百億圓に達する
滯納
額がある
現状
であります。從いまして本
年度
において約千七十億
圓程度
の
租税收入
を確保しなければ、
健全財政
を維持し、かつインフレーシヨンの
破局化
を防止することもまた不可能となるのでありまして、
財政
はまさにこの
意味
において空前の危機に直面しているのであります。
政府
といたしましては、この際
國民租税
負擔の公正を圖りつつ
租税收入
を確保する途は、
徴税機構
を擴充
強化
するとともに、
税務運營
の刷新を圖りまして、これによりまして
課税
の
充實徹底
に努め、いやしくも
インフレ利得者等
が
調査
不
徹底等
のため、不當に
租税
負擔を免れるがごときことのないようにすることにあると固く信ずるものであります。
從つて
今後は
脱税者調査摘發
、
罰則
の
強化
、
第三者通報制
の活用、
帶納處分
の
促進等
によりまして、
課税
の
徹底
を期することが最も肝要であると考えられますので、この點につきましては今後一段の
努力
をいたす
所存
であります。 申し上げるまでもなく、
國民
の
租税
負擔が現在すでに重く、しかも
國民生活
が最近における
社會經濟
の
情勢
からいたしまして、窮迫の一途をたど
つて
いる
現状
におきまして、かくのごとき厖大な
租税
負擔に任じますことは、まことに容易なことではないのでありますが、
現下
の
經濟危機
を突破し、
財政經濟
の
再建
を圖りますためには、ぜひとも右の
租税收入
を確保しなければならないのであります。すなわち
財政
及び
租税
に關する全
國民
の深き理解と協力を得ることがその根本でありますから、
政府
は近く全國的に
活發
な
納税強調運動
を推進し、
國民
の
納税
に關するところの認識の普及、
徹底
に努める
所存
であります。
國會
の
各位
におかれましては、
國民
のかかる意欲を高揚いたしまするために、一段の御
努力
を願いまして、
現下
の
財政危局
を乘り切りたいものであると考えておる次第でございます。この
意味
において本
法律案
を
提出
いたしたのであります。 何とぞ十分御
審議
の上速やかに賛成せられるよう切望してやまない次第であります。
川合彰武
6
○
川合
(彰)
委員
まず私は最初に
大藏當局
に御警告申し上げたい點は、かかる重點
法案
の場合に
大臣
の御
出席
がないという點であります。それはいろいろな御都合もある點でありますので、今後かような場合におきまして善處せられんことを希望し、さらに特に警告申し上げたい點は、すでに
追加豫算
の
審議
は
豫算委員會
において、本月の上旬より
審議
されておるにかかわらず、これと最も
關連
の深いところのこの
新税法
の
提案
が非常に遲れたという點であります。
豫算案
とこの
財政
との
關連
は私は不可分であるとは申しませんけれども、極力一體化すべきものであろう、かように考えるのであります。
從つて豫算
の
審議
と竝行せずして、これに
關連
の深いところの
法案
が跛行的に
審議
されなければならぬという點は、いかなる點に
事情
があるか、これは
大藏當局
の事務的怠慢であるというそしりを受けてもやまないという感がするのでありますが、
提案
が遲れた
理由
についてまずお伺いしたいと思います。
小坂善太郎
7
○
小坂政府委員
ただいま御
指摘
の二點につきまして私からお答え申し上げます。第一點に關しましては、これはごもつともと考えるのでありますが、まことに今日緊急の要務のために、
大臣ちよ
つと中座をいたしまして、はなはだ相代りまして
失禮
でございますが、お許しを願いたいと思います。 第二點に關しましては仰せのごとく、これは一體化して、
豫算案
と
増税案
というものは車の兩輪のごとく、相扶け合
つて
審議
せらるべきものであると考えるのでありまして、御説のごとく同時に相なるべくは
提出
すべきものと考えるのでありますが、請般の
情勢
からいたしまして、なお
所得税法案
中の、主の實態的な問題ではないのでありますが、形式的な部分につきまして、いろいろと研究すべき餘地が最近になりまして起りましたために、これが折衝を重ねるうちに、遲れました次第でありまして、遲延の點はまことに
申譯
なく存じております。しかしながらこれも決して
大藏當局
の事務的怠慢とは申せないような、お察しのごとく、各方面との
關連
がありまする次第でございまして、この點も
現下
の
危局
と思い併せながら、御同情ある御推察を賜わりまして、この
法律案
を十分に早く御
審議
願いたい。こうお願い申し上げる次第でございます。
中崎敏
8
○
中崎委員長代理
ちよ
つと私一言この際發言いたしますが、
大藏政務次官
と、それから
主税局長
は、ただはま
豫算委員會
において
審議
中の
豫算案
を非常に急速に上げなければならぬというような
事情
もありまして、これから
向う
へいかれるということで、
向う
ではずつと待
つて
おるわけであります。それで今囘
提案
された
所得税法
中の一部を
改正
する等の
法律案
ほか三件についての
質疑
はこの次に讓りまして、今日は
金融再建整備法
の一部を
改正
する
法律案
について
質疑
をやりたいと思いますが、その點についてお諮りいたします。
川合彰武
9
○
川合
(彰)
委員
われわれがこの新しい
増税法案
の
審議
をする前に、特に
大藏當局
にお願いしたい點は、非常に各税が
滯納
に
なつ
ておるという點と、もう一つはなぜ
滯納
に
なつ
たかという原因に關してわれわれは分析しなければならぬと思うのであります。それと同時にこれに對する
大藏當局
の所見と、さらにまた私たちはこの
滯納
ということが、
實際
の
徴税官吏
であるところの
大藏省
の
財務官吏
に對して、いろいろな
待遇
の悪いというような點、あるいは人員が不足しておるという點から、非常に疲勞を覺えておる。そういうことが起因するのではないか、
從つて現行税制
においても
税收入
が上らない。そこへも
つて
きて新しい
増税法案
が出て、はたしてそういうようなことによ
つて増税
の新目的が達成するかどうか、その點われわれは
現行税法
においてしつかりした
税收入
を確保することを先に考える必要がある。そのために全
財勞
の
提案
であるところの、
税務官吏
の
待遇改善
ということに關する
大藏省
の
方針
ということが先決問題ではないかというふうに思うわけであります。これに對して
豫算委員會
にいかれる前に、簡單でよろしうございますから、その
方針
をひとつ承りたい。
小坂善太郎
10
○
小坂政府委員
川合
さんの御
指摘
のごとく、また私が
提案理由
について申し述べた際に觸れましたごとくに、ただいまのところ百億圓の
滯納
がございますし、また今囘
提出
いたしました
増税
を完全に遂行いたしますためには、一千億圓からの税を五箇月間にとらなければならないようなわけになるのでありまして、この點はわれわれは重大なる決意をも
つて
臨まなければならないと思
つて
おるのであります。なぜ
滯納
がかかる状態にあるかということに關しましては、まず第一にあげられますことは、ただいま
川合
さんの御
指摘
のように、
税務官吏
の
待遇
の點もありましよう。また新しく採用いたしましたところの
申告納税制度
というものが十分に
國民各位
によ
つて
消化されておらない。すなわち今までの
納税方式
と、新しくここに採用せられたところの
方式
とが、十分に調和消化されておらないという點が問題ではないかと思いますが、われわれといたしましてはその後の分につきましては、速やかに
更正決定
を急いでおるような次第であります。また御
指摘
の
税務官吏
の
待遇改善
については、
大藏當局
としてすでにイニシアチーブをと
つて
、この
待遇
に關する
法律案
を起草いたしますために、要綱を目下
關係方面
と折衝いたしておるような次第であります。御承知のように
公務員給與法以
は出るのでありますが、おそらくこれを待
つて
おりましては間に合わぬというくらいに現實が急がれるように考えますので、これに關しましては別途に
國會
に
提出
いたしまして御
審議
を煩わしたいと思
つて
おるのであります。この新しい
制度
が消化されていない。しかも
國民一般
の心理が健康でない、あるいは
經濟状態
が極度にアブノーマルである、あるいは第一綿の
實際
の
徴税機關
が十分に力を發揮し得ない。そういつたものが相入り亂れましてかかる成績に
なつ
ておるのであります。この不成績を克復し得ないことには、
現下
の
國民生活
を脅すところのインフレの危機は、絶對に乘切り得ないのでありますから、この點に關しましてはわれわれといたしましては、非常な決意をも
つて
、この
増税案
を必ず完遂するという覺悟をも
つて
おるのであります。しかしながらこれはいくら
政府
が申しましても、全
國民
の協力を得て初めて實現し得る問題でありますから、
國會
の議員
各位
におかれましては、この
納税
完遂運動に御協力をお願い申し上げたいと考える次第でございます。
宮幡靖
11
○
宮幡
委員
議事進行についてでありますが、ただいま
提案理由
の御
説明
を伺いました。もちろん冒頭に概要の御
説明
であるとのお言葉がありましたので、微に入り、細に入る御
説明
は希望いたしておりません。しかしながら
所得税
説の一部を
改正
する等の
法律案
などの御
説明
、
税率
の
増徴
あるいは
輕減
措置
等についての御
説明
はございましたが、税法の中で最も重要と考えられます一時
所得
を追加いたしております點について何らの御
説明
がございません。ただいま同僚
川合
委員
からも御發議がありましたごとく、一千億の徴税をいたしますことは、事實上非常な困難が伴うわけでございます。しかも一番問題になりますのは、か
つて
税法に現われておらない一時
所得
をとらえた點でございます。この一時
所得
をとらえました點について
提案
者の御
説明
がありませんことは、
委員
といたしましてはなはだ遺憾とするところでございます。ぜひこの
説明
をこの席でいたしていただきたいと存ずるのであります。 なおさらに申し上げたいことは、ただいま
委員長
からのお言葉で、
豫算委員會
の關係で政務次官も
主税局長
もお出でにならなければならぬということでございますが、豫算の歳入面の裏づけをなします根幹は、本日
緊急上程
せられました
所得税法
の一部を
改正
する等の
法律案
でありまして、むしろ豫算より先議すべき議案であります。豫算を先議いたしましてこれをあとにするということは、
審議
の順序を間違
つて
おるものと考えます。この點につきまして御當局の御意見を承りたいと思います。
前尾繁三郎
12
○前尾
政府
委員
一時
所得
の問題につきましては、
提案理由
の中に非常に簡單ではありますが、御
説明
いたしております。詳しく申し上げますと一時
所得
は來年の一月一日後の施行に
なつ
ておる次第でありまして、來年の通常議會では間に合いませんので、今議會に出しておる次第でございます。その實質上の違いは、ただいまのところ
原則
が變るというだけで、實質上の違いはないと考えるのであります。從來一時
所得
は、
原則
として、はずすということに
なつ
ておりましたものを、
原則
としては取入れて、その中からはずしていくものを一々列擧して書くということに違えたのであります。
實際
上の問題につきましては、買だめ品の
課税
、あるいは清算取引をやりまして、一囘限り
ちよ
つとやつたというような場合に
課税
するというような細かい點が、
實際
現われてくるというだけのことでありまして、
税收入
はほとんど變りはないのであります。 第二點は、これはむしろ政務次官からお答えになる方がいいかと思いますが、從來税法と豫算はいつも同時に
提出
されてお
つたの
であります。ところが御承知のように、最近に歳出がきまりまして初めて歳入がきま
つて
くるというような
情勢
にありますので、いきおい税法は豫算がきまりました後に確定的な決定が行われることになりまして、本年三月の議會におきましても同樣であつた次第であります。また先ほど政務次官から御
説明
がありましたように、手續の法文の書き方というようなことで、
關係方面
との折衝が非常に遲れましたのでこれははなはだ
申譯
ない次第でありますが、
事情
は御了察願いたいと思います。
周東英雄
13
○周東
委員
ただいま同僚官幡君及び
川合
君のお話につきましては、この月の初め本
委員會
で北村
委員長
に對して私は特に御注意を促しておいた次第であります。いろいろ
事情
はありましようが、少くとも豫算の
審議
にあた
つて
收入の裏づけをなす税法の
提出
を至急になさ
つて
いただきたいということ、同時に今日のように緊急しておる場合でありますから、別々の
審議
は必ずしも必要とすしない。できれば
豫算委員會
と
財政
金融
委員會
との合同
審査
でもなさ
つて
、速やかに進められることを望むという希望を申し上げたときに
委員
、長はそれを引受けられたはずであります。ところが今日の事態を見ますとただいま
宮幡
君が
指摘
させられましたように、また
政府
當局からもお話がありましたように、豫算を急いでおる。殊に豫算の方の歳出がきまつた後に初めて税法が出る、こういう事態のやむを得ざる
事情
を述べられましたけれども、それはよくわか
つて
おる。ゆえに私は合同
委員會
でもお開きに
なつ
てはどうかという御注意を申し上げた。しかるに收入の裏づけをなす税法の方は後まわしにされて、
政府
委員
も
大臣
も豫算の方に
出席
なさる。そういうことはこの
財政
金融
委員會
に付託さるべき税法の
審議
を輕視されておると言わざるを得ない。極端に言えば
豫算委員會
において豫算の
審議
が濟んでしまえば、豫算がきま
つたの
だからとにかく税法を早くきめろ、こういう行き方にならぬとも限らない。私は今日の事態はわからぬではない。よくわか
つて
おりますがゆえに、もしも今日、必要ならば兩
委員
が一緒に
なつ
て豫算面に關係のある税法の
審議
をなさい。そういうことをなさる必要があるという警告を、この月の初めに申し上げておるのです。 〔
中崎委員長代理
退席、
委員長
著席〕 豫算の
審議
はどんどん進んで、本日税法の
改正
が出た。しかるにその
審議
にあた
つて
大臣
その他は豫算の方に行かれるというやり方は困ると思う。われわれはすべての事態を了承の上で御注意を申し上げ、警告を發しておるのであります。同僚
川合
君や
宮幡
君の言われることは至極もつともだと思うのであります。これに對する
政府
の責任ある御答辯を承りたいと思います。
北村徳太郎
14
○北村
委員長
政府
のお答えの前に一應
委員長
としてお答え申し上げます。先般周東
委員
から、ただいまお述べになりましたような啓告を、嚴重に
政府
に傳えてくれという御希望がありました。これは
委員長
も他の
委員
におかれても、きわめて御同感であつたことは申すまでもありません。特に豫算と、それから豫算の歳入の重大な裏づけをなすべき税制に關するものと切離されるということは、はなはだよくないと思
つて
、早速當局にはその通り傳えておきました。その後も催促したのでありますが、某方面の手續がまだ終らない。非常に焦慮しておるけれども、某方面において停滯して困つたというようなことがありましたので、遷延しておつたようであります。 それから、第二點として御
指摘
になりました、豫算との連合
審査
でもやつたならばどうかということについては、連合の
理事
會を開きまして、今後の
審査
方法について打合わせたのでありますけれども、どうもやはり
向う
向う
でよほど準備をされておりまして、こちらの税を主として考える考え方と、豫算全體について考える考え方と、多少違うところがありまして、すでに
豫算委員會
においては税を主題とする公聽會等の手續をされておりました。われわれの方においても今か今かと思
つて
、實は
審議
を早くするために、
提案
に先立
つて
公聽會の準備等を進めたというような状態であります。ただいまの周東
委員
の御發言は同感でありますし、また御發言の通りに取計らつたということ御報告しておきます。
前尾繁三郎
15
○前尾
政府
委員
ただいま言われました通りでございます。ただわれわれといたしましては、税法に關係のありますのは、すでに要綱で
説明
いたしております。その後に問題になります點は、ほとんど要綱以外の手續的な問題でありまして、税法には關係ないのでありますので、大筋につきましては、何囘か
豫算委員會
でも皆樣方に御
説明
申し上げたような次第で、その點は先ほど申し上げましたように、税法に關係ある點はすべて御
説明
申し上げておりまして、ただ
法案
として
提出
が遲れたような次第でありますから、御了承願います。
周東英雄
16
○周東
委員
私は今税法の遲れたということをとがめるのではなくて、税法に對する
審議
を進めるについて、やはり豫算の方はどんどん進行していく、そしてそれが濟みますと、あと税法は今のお話でもわかりますように、大體要綱で話してあるし、豫算の方で
審議
して、この
委員會
における取扱いはやめるということはいかぬのではないか。やはり一つの形式を整える上から言いましても、
法案
の
審議
を先にすべきだ。それについては豫算の方で
關連
的に税法の
審議
が進められるとすれば、その
範圍
で合同したらどうかと思います。今の
委員長
の取計らいで了承いたしましたが、そういう形でいきませんと、豫算はもう要綱で示してあるから、
法律
はうのみにしろと言われても、そうはいかないではないか。遲れた事由はよくわか
つて
いる。だから、出たときに、その
審議
については十分に
審議
をするために、兩方合同でやつたらどうかということを申し上げている。そうでなければ、せつかく
大臣
なり、政務次官なり、政黨の關係の方々が出ておられるのに、豫算の方がいそがしいとい
つて
、あつちに行
つて
しま
つて
、こつちの方を抜けられるというのはいかぬではないか。そういう點を申し上げているわけです。この點について、いずれ
大臣
、政務次官のお考えを願いたいと思います。
塚田十一郎
17
○塚田
委員
いろいろ
法案
の
提出
の後れた
理由
、それからきようこれを中途にして
政府
委員
が
豫算委員會
に行かなければならないという
理由
は御
説明
を伺
つて
いないのですが、何かあるらしいのです。おそらくわれわれが納得しなければならぬ
理由
があるのだろうと思いますが、その場合に私といたしましては、これだけのことは
政府
當局に御警告申し上げておきたい。税法の本
委員會
の
審議
があがらないうちに、豫算が
豫算委員會
の
審議
があがりまして、參議院に囘付されるということは、絶對おやめ願いたいということであります。後れたことの事由は了といたします代り、本日
提出
を受けたその後におきまして、われわれといたしましては、十分な
審議
を盡しました上で、本
委員會
で本
法案
をあげるということにしていきたいと考えております。さう御了承願いたいと思いますので、
委員長
におきましても、その線に沿
つて
委員會
の
審議
をお進め願いたいと思
つて
おります。
北村徳太郎
18
○北村
委員長
ただいまの塚田
委員
の御發言はごもつともであります。ただ問題は、
政府
の諸支拂いが非常に停滯しておることが、民間の産業にも、金融にも、
相當
大きな影響を與えておる
實情
を勘案いたしまして、われわれは愼重に
審議
をするし、またそういう
事情
についても汲まなければならぬというように、私は考えております。
塚田十一郎
19
○塚田
委員
委員長
のただいまの御意見は至極ごもつともであると考えるのであります。もし、そうでありますならば、われわれの希望いたしますところは
政府
當局において、この
委員會
の
審議
が一層迅速に進むように、しかるべく御考慮になることを希望いたします。
北村徳太郎
20
○北村
委員長
了承いたしました。至極ごもつともであります。
中崎敏
21
○
中崎
委員
先ほどからいろいろ御發言がありましたように、もちろんこの税法の
審議
も急いでやらなければならぬわけでありますが、この前の吉田内閣の例の場合においても、
豫算案
が衆議院を通過したあとにおいて、初めて税法が
審議
されたというふうな、いわば日本の現在置かれておる状態、さらに刻下の
財政
状態において、この
法案
の
提出
が後れたことは遺憾でありますが、過去の實例もあつたようなこともあります。さらに、先ほど
委員長
から言われたように、民間に對する支拂等の點を考えてみましても、豫算の
審議
は、衆議院の通過を一日も急いでおるというような
實情
にあるわけでありまして、われわれといたしましても、定例日に限らず、ふだんの日においてもこの
委員會
を開きまして、そしてこの税法の一日も早く通過することを希望すると同時に、先ほど申し上げましたような
事情
によ
つて
、豫算は豫算として急いで進行してもらうべく、われわれも協力していかなければならぬのではないかと思います。それで、先ほど
豫算委員會
からも話がありまして、今大體の一般質問な打切るはずなんだけれども、ただ今囘
提案
された税法が、たまたまさらに
審議
を要するというようなことであるので、みんな手をあけて待
つて
おるのだから、
政府
側の
説明
を一層聽きたいというような要望かありまして、とりあえず見えておりました各
理事
が相談いたしまして、そういうような取計らいをしたようなわけでありますので、その點も併せて御了承の上、今後の議事進行について、速やかに、圓滑にやられんことを切望する次第であります。
宮幡靖
22
○
宮幡
委員
本日
緊急上程
されました税法の
改正
に對しまする議案は、先ほど
主税局長
の御
説明
では要綱としてすでに發表してあると申されておりますが、
法案
は今朝庶務課へ行
つて
受取
つて
きたのでありまして、まだ内容はほとんど見ておる餘裕もありません。しかも、これらは一部
改正
の關係上、
現行
の税法と照査いたしまして、それぞれ一應の檢討を加えなければならぬと思いますので、資料の提供を要求したいと思います。まず
現行税法
と照査しましたものを、全員に御配布願うこと、各税目にわたりまして
増徴
額及び減税額等について、
政府
で詳細にお調べ願つた資料を提供していただきたいと思います。しかる後に十分期間をおいと研究いたしまして、本
委員會
を再開されて
質疑
をいたすようにいたしたいと考えます。
北村徳太郎
23
○北村
委員長
資料を要求する點については了承いたしました。
塚田十一郎
24
○塚田
委員
ただいま資料要求の發言がありましたので、私からもお願いしたい資料を一、二追加いたしたい。その一つは、
政府
の
課税
コストを見るに何らか參考になる資料があつたら御
提出
願いたい。と申しますのは、最近非常に税がいろいろな種類になり、
金額
も大きく
なつ
た關係上、
課税
コストが大きくついて、結局
國民
から取上げたものが、今度國家の財源として國家のために役立つ上に、非常に歩留りが悪く
なつ
ているのではないかと考えているのです。そういうような考えが正しいかどうかということを吟味いたしますために必要でありますから、これを御
提出
願いたい。なお
政府
委員會
の今の
提案
説明
をプリントしたものがありますならば、これも頂戴できないものかどうか。以上二つをお願い申上げます。
前尾繁三郎
25
○前尾
政府
委員
かしこまりました。
川合彰武
26
○
川合
委員
われわれは今後現在上程されている
法案
を
審議
する上に、これに非常に
關連
性ある別個のいろいろな
法案
が上程されることが豫想されます。こういうことに對して
大藏省
は、第一
國會
にはこういう
法案
が上程されるということを、あらかじめ
委員會
に明示して、各
委員
にそれぞれ準備を整えていただくというようなことを考える必要があるではないかと思うのであります。まだこれ以外に多少
法案
があり、しかも比較的重要性をもつた
法案
の上程が豫想されるわけでありますから、そういうこともあらかじめ
大藏省
當局としては考慮してほしいということを、この機會に希望しておきます。
前尾繁三郎
27
○前尾
政府
委員
ただいまのお話承知いたしました。ただわれわれ税に關係いたしましては、この
法案
以外に
税務官吏
の
待遇
の問題で一つ出す見込みでございます。その以外の部局の關係につきましては、さつそく皆によく話しまして、御趣旨に副いたいと思います。
北村徳太郎
28
○北村
委員長
どういう
法案
がいつごろ出るということを、あらかじめ表にでもして出していただきたいと思います。
周東英雄
29
○周東
委員
資料追加をお願いいたします。一つは、
當初豫算
に組こまれました歳入豫定額と、
申告
制度
をとつた場合における現實に
申告
した額を比較したもの、それから今日まで
滯納
額は百億との
説明
がありましたが、
實際
上の
滯納
と申しますものは、おそらく督促状を發せられたものが百億と私は考えておりますが、それ以外に、期日までに督促状は出さないが
滯納
されておるものが
相當
あるのではないかと思われますので、困難でございましようから、できるだけ近い機會でよろしいのですが、最近の一定期日までにおける
滯納
額についての表をお願いしたいと思います。そのうちを直接税と
間接税
とにわけて、直接税である勤勞
所得税
等の
滯納
がどのくらいあるか、そのうち督促状を發したるものと督促状を發しないもの、期日前にまだ
滯納
に
なつ
ているものの區別をお願いいたします。もう一つは、
滯納
している中に、分類
所得税
と申しますか、原泉
課税
と申しますか、各會社等において俸給額から引除けて納める分類
所得税
があるわけでありまして、この方の
滯納
がかなりあるように聞いておりますが、これがどのくらいに
なつ
ておりますか、これもお願いいたしたいと思います。その次に、先ほどの御
説明
で
徴税官吏
の問題が出ましたが、現在の
徴税官吏
の官制定員上の數と實數とをお示し願いたい。さらにそのうちの質的の問題といたしまして、この頃はどう
なつ
ているか知りませんが、もとの關係で申しますと、官吏と雇員級にわけられました。その二つにわけての官制定員數と實員數との比較をお願いいたしたいと思います。
前尾繁三郎
30
○前尾
政府
委員
大體お話の資料は
提出
できるのでありますが、ただ
滯納
の關係で督促状を發付したものと發付しないものという數字は、ただいまから照會しても
ちよ
つと遲れてしまうと思いますが遲れましてもできるだけのものを最近
提出
いたしたいと思います。原泉
課税
の
滯納
は、七月末においては六億
程度
でありました。それについてもなるべく御趣旨に副いまするが、あなり詳細なことはわからぬかもしれません。
林大作
31
○林(大)
委員
もう一つ資料の要求について。
國民所得
額とその
計算
基礎について、
大藏省
にあるなるべく詳しいものをお知らせ願いたいと思います。
前尾繁三郎
32
○前尾
政府
委員
國務
所得
については、特に公權的につく
つて
いるものはないかとも思いまするが、
大藏省
ではある
程度
の推算を
なつ
ておりまするし、安定本部でもや
つて
おりますかる、交渉いたしましてできるだけの資料を
提出
したいと思います。
塚田十一郎
33
○塚田
委員
先ほど
政府
委員
の御
説明
の中に、
ちよ
つと數字を誤られたのではないかと思われる筋があるのであります。それは甘味品の値上げを二割と言われたように記憶するのですが、それは二十割ではなかつたかと考えますので、あとで速記をお調べ願いたいと思います。
前尾繁三郎
34
○前尾
政府
委員
二十割です。 〔
委員長
退席、
中崎委員長代理
著席〕
中崎敏
35
○
中崎委員長代理
それではこの際皆さんにお諮りします。
企業再建整備法等
の一部を
改正
する
法律案
でありますが、これは鑛工業と商業とに
關連
がありますので、各
委員會
からの希望もありますから、連合
審査
會を開きたいと思いますが、この點について御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中崎敏
36
○
中崎委員長代理
それではそういうことに決定いたします。 本日はこれで散會いたします。 午前十一時五十六分散會