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1947-11-11 第1回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第33号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十二年十一月十一日(火曜日) 午前十一時十三分
開議
出席委員
委員長
北村徳太郎
君
理事
島田 晋作君
理事
中崎
敏君
理事
梅林 時雄君
理事
塚田十一郎
君
理事
吉川 久衛君 川合
彰武
君 川島 金次君 河井 榮藏君
佐藤觀次郎
君 田中織之進君 西村 榮一君 林 大作君 松尾 トシ君 八百板 正君 大上 司君 後藤 悦治君
中曽根康弘
君 松田 正一君 青木 孝義君 島村 一郎君
苫米地英俊
君
山口喜久一郎
君
内藤
友明君 石原 登君
出席政府委員
大藏事務官
愛知
揆一君
委員外
の
出席者
專門調査員
圓地與
四松君
專門調査員
氏家 武君 ――
―――――――――――
十一月八日
企業再建整備法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
)(第八七號)
企業再建整備法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
)(第八八號) の審査を本
委員會
に付託された。
戰死者遺家族
に對し非
戰災者特別税賦課除外
の
陳情書
(第四九六號)
經濟力集中排除法案
の
電氣事業
に對する
適用除
外の
陳情書
(第五二二號) 千八百
圓差額支給政府案
反對の
陳情書
(第五三八號)
放置物品利用
に關する
陳情書
(第五四二號)
土地國有
に關する
陳情書
(第五四三號)
水害罹災者
の
救濟税徴收
に關する
陳情書
(第五四七號)
官公署等
の金錢
支拂
事務迅速に關する
陳情書
(第五五一號)
物價引下げ
に關する
陳情書
(第五五九號) 非
戰災特別税
に關する
陳情書
(第五九六號) を本
委員會
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
會議
に付した事件
金融機關再建整備法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)(第七七號)
補助貨幣損傷等取締法案
(
内閣提出
)(第七八 號)
すき入紙製造取締法案
(
内閣提出
)(第七九 號)
企業再建整備法等
の一部を
改正
する
法律案
(内 閣
提出
)(第八七號)
企業再建整備法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
)(第九八號) ――
―――――――――――
北村徳太郎
1
○
北村委員長
會議
を開きます。 ただいま
議題
と
なつ
ておりますのは、
金融機關再建整備法
の一部を
改正
する
法律案
、
補助貨幣損傷等取締法案
、
すき入紙製造取締法案
でございます。まず
補助貨幣損傷等取締法案
、それから
すき入紙製造取締法案
、これを一括して
質疑
を繼續いたしたいと思います。
中崎敏
2
○
中崎委員
ただいま
議題
と
なつ
ておる件につきましては、
討論
を用いずただちに
採決
に入られんことを希望する次第であります。
北村徳太郎
3
○
北村委員長
中崎
君のただいまの動議に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
北村徳太郎
4
○
北村委員長
御
異議
ないようでありますから、
討論
を用いずしてただちに採擇に入りたいと思います。この
兩法案
に對して贊成の諸君の
起立
を求めます。 〔
總員起立
〕
北村徳太郎
5
○
北村委員長
起立總員
。
兩法案
は原案の通り可決確定いたしました。 —————————————
北村徳太郎
6
○
北村委員長
續いて
金融機關再建整備法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして
質疑
を繼續いたします。
内藤
君。
内藤友明
7
○
内藤委員
金融機關再建整備法
の一部を
改正
する
法律案
に關連しまして、
農業金融
の
方面
から二、三
當局
の方にお尋ねいたしたいと思うのであります。
農業資金
が確保されるかどうかという問題は、その
資金
が
農業
に
圓滑
に流れ込むかどうかということは
農業
の性質にかかりまする大きな問題でありまして、これは私
ども
が現に痛感しておるところであり、
日本經濟再建
は
農業
の
復興
なくしては望み得られない、その
農業復興
はまたこれを裏付ける的確な
金融
が行われないとできないということはわかりきつたことであるのであります。
從つて農業
の
轉換運動
とも言うべき
農業經營
を適正ならしめる
金融機關
を
整備
することはきわめて重要なことであります。ところでその最も
適當
な農村の
金融機關
と申しまするのは、今度でき上りました
農業協同組合
の
金融活動
が望ましいので、そういう觀點から二、三現在の
農業會
の
農業金融
と關運してお尋ねいたしてみたいと思うのであります。
農業協同組合法
というのはこれは
組織法
でありまして、
實體法的
な
規定
がないのであります。これは
金融
の面から見ますると、やはり大きな問題だと思うのであります。
銀行
は
會社
法という
組織法
のほかに
銀行法
という
實體法
がありまして、その仕事が
圓滑
にできておりまするように、
協同組合
の
信用事業
を行う場合にも、その
信用保持
、
信用秩序
ができまするための
法令
を適用する必要があるのでありまするが、こういう
實體法
をおつくりになる用意が
當局
にありますかどうか。それをまずお尋ねいたしたいのであります。
愛知揆一
8
○
愛知政府委員
ただいまの問題につきまして、私
ども事務當局
で考えておりますところを御説明いたしたいと思います。
農業協同組合法
につきましては、實は率直に申し上げますると、ただいまお話の
通り組織法
でございまして、しかも非常に自主的
なつ
くり方をされておりますために、一面
金融業務
から申しますると必ずしも十分な
規定
が織込まれておらぬということは、
組織法
の
立場
におきましても言えることではなかろうかと思うのでございます。殊にいわんや
實體的
な法規につきましては、全然缺けておるのでございまして、その點につきましては現在
農林省方面
とも
引續
きいろい
ろ協議
をいたしておるわけでございます。ただいまのところ私
ども
の最も重點をおいておりますのは、
農業會
は御
承知
のように
農業協同組合
が施行せられますと、八箇月以内に解散することに
法律
上定ま
つて
おりまするが、
農業會
は
金融機關整備法等
によりまして、新
圓預金
をはじめ、第一
封鎖預金等
につきましても健全なる
資産
は十分確保されることに
なつ
ておりますので、その
農業會
の營んでおりますところの
業務
が何とかうまく
農業協同組合
に
引繼
がれるようにということに最も重點をおいておるつもりでございます。そのために農林中央金庫におきましてはいろいろの
方策
を講じておりますし、まだそれに對しまして非常に
日銀
その他から
援助
についても十全の
方策
を講じておるつもりでございます。 次に
實體法
の問題でございまするが、この
實體法
につきましては實はできるならば次の
通常國會
に
金融全般
についての
實體法
を提案すべく、よりより
研究
を進めておるわけでございます。その際の
考え方
といたしましては、
銀行
、信託、無盡、
保險
といつたようなものにつきまして、
全般
を通じて
金融
の
實態
を律すべき
法律
をひとつ必要としはせぬだろうかという
考え方
でございますので、もしさような
構想
で進めますならば、
農業協同組合
の行います
金融業務
につきましても、
金融
の
實體的
な
規定
として、
當然
その
規定
の對象となるというように考えていくべきではなかろうかと考えております。 それから附け加えて申し上げますが、
農業協同組合
の營みます
農林金融業務
につきましても、それが健全に發達いたしますように、また他の
方面
から
資金
の供給を
圓滑
に受け得るような點から申しましても、役所の
關係
におきましては、
大藏省
がやはり相當におせわをする必要があるというふうに考えまして、
農林當局
とも相談が進んでおりますので、とりあえずのときにおきましても、
農業協同組合
の行います
農林金融
について、必要なる面については、特殊の共管的な
立場
におきまして、
大藏省
が積極的な御
援助
の斡旋をいたしたいと考えておるわけでございます。
内藤友明
9
○
内藤委員
さらにお尋ねしてみたいと思いますことは、
農業協同組合
が
金融
をや
つて
いく上におきまして、
當然
これは二段制、あるいは三段制ということになろうと思うのでありますが、御
當局
はこの二段制、三段制につきましての御見解をどうおもちでありますか、それを伺いたい。
愛知揆一
10
○
愛知政府委員
その點につきましては、實はやはり
金融業務等
につきましては、
農業協同組合
の
連合會
を主として考えてまいりたい。それにつきまして、とりあえずのところは、
農林中金
との
關係
を密接にいたしてまいるのが最も
適當
な
方策
ではあるまいかと考えておるわけでございます。なおその點につきまして、お尋ねの
範圍
をそれるかもしれませんが、
農林中金
につきましては、ただいま新
勘定増資
をしまして、直接に
農業協同組合
、少くとも
連合會
がそれに出資をするようにするのが
適當
ではなかろうかという
考え方
が一部に非常に強いのでありまして、
農林中金
の
立場
、あるいは
協同組合連合會
の
立場
としては、非常にごもつともな
考え方
と思うのであります。ただいまそれが問題と
なつ
ておるのであります。これもまた率直に申し上げるのでありますが、實は
集中排除法
と
金融機關
との
關係
、あるいはまた將來の
金融體制
の再編成ということが御
承知
のごとく、未だまつたく
具體的
の
構想
ができておらぬわけでございまして、一應ただいまのところは、その經過を今少し見ましてから、
農林中金
との
關係
その他を定める方がよいのではなかろうかと考えまして、とりあえずのところは、まだ
農林中金
の新
勘定増資
という點までははつきり腹をきめておらないような
状況
でございます。ただそういうふうに考えますので、なるべくそれに近いような
考え方
が
具體的
にできますように、たとえば
補償金
を拂込んでもらいまして、それに對して
議決權
、あるいはそれに準するようなものを行使するということも、暫定的な過渡的な
措置
になり得るのではないか、ただいま
關係當局
と
研究
を進めておるような
状況
であります。
内藤友明
11
○
内藤委員
現在
町村
の
農業會
におきましては、近く實施されると豫想されます
農業協同組合法
のために
清算事務
を内々急いでおるのでありますが、私の
富山縣
におきます
町村農業會
の樣子を見ますと、いずれも
赤字
なのであります。
農業民
同
組合
にいろいろな
勘定
を引移しますと、新しい
農業協同組合
がそのために弱體化されるようなきらいなしとしないのでありますが、現在の
農業會
が
清算
いたしましたときにおける
赤字
、しかもそれは
國債
あるいはいろいろな
社債等
を持ちましたことによる
赤字
なのでありますが、こういうひとに對して
政府
は何らか御
措置
なさるのでありますか。もし御
措置
なさるのでありますれば、その
内容等
を一應承りたいと思います。
愛知揆一
12
○
愛知政府委員
農業會
の
資産
につきましては、
金融機關再建整備法
に基く
整理
を行うわけでございますので、その健全なものになりますものが
農業協同組合
の方に移られることを期待しているわけでございます。
清算
の
原則
はあくまでも
金融機關再建整備法
に基く
整理
をいたすことになるわけでございます。
内藤友明
13
○
内藤委員
金融機關再建整備法
に基く
整理
と言われるのでありますが、もちろん今
農業會
がも
つて
おります
資産
を、これはいろいろな
評價
のしかたがあると思うのでありますが、その
評價
のしかたによ
つて
いかようにでもなるのであります。なるべく
赤字
の出ないような
評價方法
をと
つて
、その
資産
を
農業協同組合
の方に移すということになりますと、それを引受けた
農業協同組合
はおもしろくないと思うのでありますが、そういうことにつきまして何らか
具體的
な指示をなさる御方針でありますか。もしなさるならばその
内容
を承りたい。
愛知揆一
14
○
愛知政府委員
この
金融機關再建整備法
に基きます
金融機關
の
評價基準
につきましては、御
承知
のように
暫定基準
と
確定評價基準
の二段に別かれるのでございまして、それらにつきまして
さき
に
決定
いたしました
評價基準
の骨子を申し上げますれば、たとえば
國債
及び
地方債
につきましては、
發行價格
に
經過年數
に應じた
償還差益
に相當する
金額
を加算した
金額
、
動産
については
公定價格
、
不動産
については
帳簿價格
というようなことを
原則
としておるわけであります。また
特別經理會社關係
の株式、
社債
、
貸付等
の
資産
につきましては、各社の
損失整理
の結果捨て切らるべき
金額
を差引いた額を
基準
として
決定
をする。また
在外資産
につきましては、
原則
として
資産
はゼロ、負債は
帳簿價格
とするというような
基準
が
經濟再建整備委員會
の議を經まして去る六月二十五日に
決定
されておるわけであります。ただいま申しました
公債
、
動産
、
不動産
、これらにつきましては
確定評價基準
、その他のものについては暫定的な
評價基準
ということでありまして、
公債
、
動産
、
不動産
その他の確定ならざる
暫定基準
については九月六日に
決定
をしておるような状態でございます。それからなおまたかくいたして
評價
いたしました
資産
を讓渡いたしますときには、この
基準
によ
つて
評價
しましたもの以上であるべきであるということが
法律
できま
つて
おるわけであります。
内藤友明
15
○
内藤委員
そういうことで
評價
いたしまして
農業會
が非常に
損失
が出た場合、
政府
が何か
補償
せられるのでありますか、あるいはそういうことはないのでありますか、それを伺いたいと思います。
愛知揆一
16
○
愛知政府委員
その
舊勘定
の
整理
につきまして、この
損失
負擔の
原則
をずつと適用してまいりまして、
損失
が出ました場合につきましては、これは
國家
で
補償
いたすことになるわけであります。ごく簡單と申しますか、あつさり申しまするならば、
自由貯金
はもちろんのこと、たとえば第一
封鎖預金
については、
金融機關
の
補償
が
農業會
についても
當然
に適用されるわけでございますから、これは全部
補償
されるわけであります。
内藤友明
17
○
内藤委員
農業會
が今
清算
いたしまして
赤字
になりますのは、
在外資産
がゼロに
なつ
た場合によるのが非常に多いのであります。
滿洲
もの、あるいはその他のものをも
つて
おりまして、
赤字
になる。そういうことにつきまして、何か
心配
してや
つて
いただける途はあるのでありますか。
愛知揆一
18
○
愛知政府委員
その
在外財産
がゼロに
なつ
たというそのことだけをつかまえまして、
在外財産
としての
補償
ということにはならないと思います。それがその
整理
の一環といたしまして、その中の一つの要素として、
在外財産
のゼロに
なつ
たことをも入れまして、全體を總合して
整理
をした結果については、所定の
補償
はできるわけでございますが、
在外財産
がたとえば一億なら一億あ
つて
、それがゼロに
なつ
たからとい
つて
、それだけで一億の
補償
ということにはならないと思います。
内藤友明
19
○
内藤委員
あとでまたお尋ねすることにいたします。 それからもう一つお尋ねしたいことは、解體されます
農業會
の今も
つて
おります
資金
を散逸せしめることなく、この
組合金融
の
過度的混亂
を防ぎ、進んでは
資金
をさらに集めて
農業生産力擴充
のために運用しようということは、今の場合非常に大事なことでありますが、そういうことにつきまして、
政府
が積極的に何らかなされることがありますならば、どういうことをなされるのかそれをお尋ねしたいと思います。
愛知揆一
20
○
愛知政府委員
その點につきましては、
政府當局
におきましても、最も
心配
をしておるのでありまして、實は一、二の
地方
におきましては、かなりおもしろくない現象も一時生じかけたのでありますけれ
ども
、ただいまのところは、
農業協同組合
というものがりつぱに育成されて、それに
農業會
の
關係
は全部
引繼
がれるのであり、しかもそれに對しては、必要に應じて
農林中金
なり、
日銀
におきまして
援助
するということで、ただいまのところ
心配
ないということを説明し、啓蒙に努めておるつもりであります。
具體的
かつ積極的に施策を進めますためには、どうしてもやはり
農業協同組合
を中心にいたしまして、
農業協同組合
が早くりつぱに發達するようにも
つて
いくことが、今のところ第一だと考えておるわけであります。どうしても、
移り變
りにはある種の不安が起りがちなものでありまして、ただいまのところは、何と申しますか、消極的にそういう
動搖
の起らないように重點がおかれておりまして、積極的なところについては、多少まだ手が打たれていないといえるかもしれないと思いますので、この點について
引續
き十分努力していきたいと考えております。
北村徳太郎
21
○
北村委員長
金融機關整備
の一部を
改正
する
法律案
は、
内容
は大體手續法的なものが非常に多いのでありますから、この次にはこれの
採決
に入りたいと思います。どうぞ各
委員
におかれましては、その御
準備
を願いたいと思います。 —————————————
北村徳太郎
22
○
北村委員長
それから
企業再建整備法等
の一部を
改正
する
法律案
につき、これを
議題
として、まず
政府
の説明を聽きたいと思います。 —————————————
愛知揆一
23
○
愛知政府委員
ただいま
議題
となりました
企業再建整備法等
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
を説明いたします。 昨年十月いわゆる
戰時補償
の打切が行われ、これに伴いまして
企業
のこうむる
損失
を適正に
處理
し、かつそれを契機として
企業
の健全なる
再建復興
をはかることを目的として
企業再建整備法
が施行せられたのでありますが、その後種々のやむを得ない事情によりまして、同法の
規定
に基く各
企業體
の最終的な
損失
の計算、
再建
計畫の
策定等
は今日まで完了をみないで推移してまいりました。しかしながら御
承知
のように、
さき
ごろ
特別損失
の概算も終りましたので、いよいよ
再建整備
の
最終的處理
の段階であります
整備
計畫
提出
の時期に相な
つたの
でありますが、その後經濟界の
實情
に即しまして、
企業再建整備法等
の一部に若干の修正を加える必要を生じましたので、
政府
はここにこの
法案
を
提出
するに
至つたの
であります。 次に今囘の
改正
に趣旨につきまして、主要なる點を申し述べますと、まず第一に
特別損失
を
處理
して後
特別經理會社
が、その
資本構成
を整えるため
増資
をする場合におきまして、
特別損失
を負擔した
株主
及び
債權者
に滿遍なく
會社
の
資産
の
含み利益
に享受する途を與えるため、
新株發行
の際の
額面超過金
の交付を認め、かつ
新株
の
引受權
を他に讓渡することを認めようとするものであります。 その二は、
特別經理會社
の
整備
計畫の
法律的效力
を強化いたしまして、
當該會社
の
株主
、
債權者
、第二
會社
の
株主等
を拘束することをいたしたことであります。
改正
の第三點は、
特別經理會社
がいわゆる第二
會社
を設立する場合におきまして、
從業員
の承繼を
圓滑
にいたしますため、
舊會社
におきましては、第二
會社
は承繼せられる
從業員
に對しては
退職会
を
支拂
わないこととし、これに代りまして、第二
會社
は
舊會社
におきます
從業員
の
在職期間
を
引繼ぎまして
、自分の
會社
における
在職
と同樣に取扱うとともに、
舊會社
の
特別損失處理
にあた
つて
は、
任意準備金
の一部を
退職金支拂
の
準備
のため特に留保して第二
會社
に對してもこの
準備金
を承繼することであります。 第四に、
特別經理會社
の舊債の
處理
、第二
會社
の
金融等
を容易にいたしますために、
商法等
の
特例
を認めまして、
社債
の
發行限度
を緩和し、
財團抵當
の
登記
の場合の
附屬物件
の
一括登記
の
特別措置
を講じようとするものであります。 第五は、
會社
の
整備
計畫の作成にあたりましては、なるべく擴汎な
利害關係者
の意見をこれに盛り込み、その
内容
を公正ならしめるために、その
提出
に際しまして、
利害關係人
から反對意見の表明があつた場合には、これを附記し、
提出
せられてからは
利害關係人
から
主務大臣
に
異議
の申立ができることといたします。 第六は、
整備
計畫の適正なる實行を確保するため、定期的及び實行
状況
の
報告義務
を課するとともに、
特別管理人
の監督の制度を設けようとする點であります。 第七點は、以上の
企業再建整備法
の
改正
に伴いまして、
會社經理應急措置法
の一部を
改正
いたしまして、
特別經理會社
の
舊勘定
に所属する
資産
の上に存する擔保の
處理
を
圓滑
ならしめるための必要な
改正規定
を設けております。 最後に有價證券の
處分
の
調整等
に關する
法律
を
改正
して、
特別經理會社
の
株主
または
債権者
が
新株
の
引受權
を讓渡する場合にこれを
證券處理調整協議會
に委託することを認めるとともに、
協議會
に
證券發行會社
の經理その他の
業務
の
内容
を詳らかにする權限を與えることといたしております。 なお
臨時石炭鑛業管理法案
の
國會提案
に伴いまして、
企業再建整備法
の一部を
改正
いたしまして、同法によ
つて整備
計畫に記載して
主務大臣
の
認可
を受けました
事項
については、他の
法令
の
規定
による
認可
、
許可
、
免計等
の
處分
を要しないことと
なつ
ているのでありますが、
臨時石炭鑛業管理法
による
管理
の
重要性
に顧み、同法に基く
許可
については、この
特例
を設けず、すでに
整備
計畫に記載して
認可
を受けました
事項
でありましても、
臨時石炭鑛業管理法
によ
つて
も
主務官廳
の
許可
を必要とします
事項
については、あらためて別個に
許可
を受けることを要することといたしたいと考えて、ここにこの
法律案
を提案いたした次第であります。 なお申すまでもございませんが、
臨時石炭鑛業管理法案
は、ただいま
國會
において
審議
中の
法案
でございまして、すでに提案せられておりますので、これが
審議
が行われまして成立いたした場合をかりに豫想いたしまして、この際かような
法律案
を提案いたしました次第でありまして、この點は御了承願いたいのでございます。 以上のような次第でございますが、何とぞ御
審議
の上、速やかに御可決あらんことを希望する次第であります。
中崎敏
24
○
中崎委員
今後
政府側
から本
委員會
に提案される
法律案
は相當にたくさんあると豫想されておるわけでありますが、會期も
大分迫つて
まいつたようでありますし、
政府側
においては、特に急いでこの
委員會
に必要な
法律案
を出されるように、
委員長
から申出でされるように希望しておく次第でございます。
北村徳太郎
25
○
北村委員長
了承いたしました。 それでは本日はこれにて散會いたします。明日は午前十時より開會いたします。 午前十一時四十三
分散會