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今井政府委員 最初におつしやいました千八百圓の問題、これは
政府といたしましては千八百
圓水準を
官公吏に當てはめる、これをただ當てはめて、堅持するとか堅持しないとかいう問題は、
追加豫算の本
豫算を出します際に詳しく申し上げたいと
考えておるものであります。今囘の
措置として、とりあえず
政府が一
應追加豫算の編成上用意し、
組合側も欲しいという金を、とりあえずまとめて出すという
應急的な
措置でありまして、
實質的には千八百
圓水準ということにも相なりましようが、
建前といたしましては一時金の
建前をと
つておるものであります。從いまして十月以降にはどうなるかという問題がすぐ次に起
つてまいるのでありますが、この問題につきましては改め
ら組合側と相談してきめようという
約束に相な
つております。
それからもうひ
とつお述べになりました
組合の
分裂關係、
中央と
地方の
關係をお述べですが、實は
地域の差をどういうふうに取扱うかということは、非常に現實問題として困難な問題であります。私
どもつとに
組合側に對しまして、これを
政府の方でも
地域給ということを一方的にきめることは
適當でない
組合側と
政府側と協力して、
一つにな
つて具體案をつくろうじやないかということを、そのときにも申し入れたことがございます。しかしながらまだ未
發達のわが國の
勞働組合におきましては、そういつたことの
調整を
組合側でやることは、若干時期尚早のようであります。すなわち
中央におきまして
調整をはかり、ある所では上げ、ある所では下げる。そういう役割を
組合の幹部に負わせることのむずかしいことは、現實問題として承認しなければならぬようであります。從いまして
組合側への私
どもの
意見は、
組合側の方の聞き入れるものとは限りませんので、ただいまのところはやむを得ず
政府側の方で一方的にこの問題を取上げておる次第であります。結局なるべくわが國の
組合が
發達を遂げまして、
お互いに
資料を
もち寄つて、
お互いに
納得のいく線において全國的にきめるという姿が望ましいことは申すまでもございませんので、できる限り速やかにそういつたラインにも
つていきたい、かように當々
考え、また努力いたしております。ただ今囘のこの問題につきましては、なお、もうひ
とつからま
つておる問題といたしまして、
凹凸整理という問題と一しよに
取扱つたのであります。この
凹凸という問題も、御
承知の
通り各省ごとに非常に
利害が錯綜しております。
組合の
内部におきましても、その
組合と
組合の間におきまして、非常な激論が鬪わされたことは聞いてもおりますし、想像も十分にでき得る次第でありますが、結局この問題を片づけます際にあたりましても、私
ども組合の
分裂が日本の健全なる
勞働運動の
發達のために、非常に害のある點に強く注意を向けまして、全體の
組合が不承々々ながら、とにかく
最大公約數で話がまとまるところを押えようといつたところから、私
どもの當初の案を何囘も修正いたしまして、その線にも
つてい
つて、結局理論的にはしつくりしておりませんが、半分は頭割、半分は凸凹に
應ずる、こういつたような
妥協案を、先月、九月十九日交換したような次第でもあるのであります。從いまして
組合の
分裂云々につきましては、
政府側といたしましても極力避けたい。避けなければならぬということは常々
考えておるところでありまして、この問題につきましても、各
方面に日ごろわれわれが得ております
各種の
資料、あるいは情報、
組合側の御
意見といつたようなものを取りまぜまして、もちろんこまかに申せばいろいろな案もあるかと思いますが、第三者的に、
客觀的に、技術的に、はじけば、まず一時金としてはこのくらいがいいじやないか。特にこれは一應三分の一で三月分という
建前にな
つておりますけれ
ども、とにかく
開きの差は非常な
傾向をもちつつあり、すでに四月、六月間におきましても、
乙地は約二割の騰貴にしか過ぎませんが、
京阪神のごときは三割以上の向上を示しておるような形でありまして、多少前のものも埋めてやるというような含みももたせますと、このくらいの
數字の方がおさまりがいいじやないか。ただ個々的に申しますれば、
地域決定の問題がきわめてむずかしいために、
丙地としておいてはならない、
乙地の引上げなければならないところが、未だに
丙地としておかれてみたり、
甲地に引上げられなければならないものが
乙地におかれてみたりといつたようなところから、個々的には非常にまずい點も起
つてくると思うのでありますが、全體の趨勢といたしましては、このくらいの幅で決して御
心配のような事態は起るまいと
考えております。