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中崎委員 ただいま
預金の
地方還元ということを言われましたか、これは非常に結構なことと思うわけであります。さらにまた逆な考えから、たとえば
預金の
地方還元でなしに、必要な金を
地方から
預金させるという反對の場合を考えてみたらどうかと思います。言い換えますれば、たとえば六・三教育制の
實施という場合におきまして、相當多額の
費用を要するわけであります、これはある
部分國庫として當然補給していかなければならないが、こういうものも、その府縣において支給される金についてはその
地方で
責任をも
つて預金として集める。さらにこれを公債のごときものに轉換していくというような、逆の方向を考えられたらどうかと思うのであります。それだけに教育なら教育の事業を、
政府の力をも
つて行うためには、やはり自分達もそれに努力を拂うのだというような氣持にさすことが貯蓄を増強する方法になりはしないかとも考えるのであります、さらに先ほど福徳定期
預金なるものを積極的にやるということを言われております。これは非常に結構なことと思うのでありますが、私はむしろこの範圍を擴げて、たとえば普通
預金のごときものにもおし擴げられてみたらどうかと思います。たとえば
預金の一箇月間における最低限度を標準にして、これに福徳的な縣賞をつけるというようなことも、一つの方法でないかと思うわけであります。さらにまた今度は無記名定期というものがあるわけでありますが、これを普通
預金にまでおし擴げてやられたらどうか。今日國民が喜んでこの
預金をしないという
理由の一つは、
政府に對する不信任ということもあるわけでありますが、さらにまた一面においては、この
預金が税金の對象として取上げられるのではないか。言いかえれば、
預金の祕密性が嚴守されないことがあり得るというような懸念からそういう點があるわけであります。これを普通の
預金にまでおし擴げるということは、それに對してはどこまでも祕密性をも
つていくのだという、絶對的な保護になるのじやないか。そうなりますと、むしろ
預金の性質からいうと、一時的なものを保護するような形にはなりますが、そうした傾向が漸次殖え、さらに對數統系の原則によ
つて、あちらからもこちらからもそうした
預金が預けられる。同時に一部引出されても、結局
金額においては相當の殘高として殘るのではないかというふうなことも考えられるのであります。定期
預金に無記名のものを認められる以上、もう一歩進めて、普通
預金の中にもこういうことを考えてみられたら、貨幣價値の低下ということの懸念もなくなるのではないか。先ほど
政府委員から言われましたように、
預金に對する貨幣價値低下の保障をする一つの方法ではないか、言いかえると、これは通貨價値が下るのだというようなことを考えたら、あすでもすぐ引出せるというようなもの、しかも
預金の祕密性を嚴守しつつ行われるというところに、こうした
預金の増強される大きな魅力があるのではないかというふうに考えておるのでありますが、こうした點についてどういうお考えでありますか。