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1947-12-08 第1回国会 衆議院 国土計画委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十二月八日(月曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 荒木萬壽夫君    理事 藤田  榮君 理事 細野三千雄君    理事 松井 豊吉君 理事 大森 玉木君    理事 内海 安吉君 理事 松浦 東介君   理事 的場金右衞門君       足立 梅市君    松澤  一君       溝淵松太郎君    宮村 又八君       守田 道輔君    山本 幸一君       東  舜英君    田中 角榮君       原  孝吉君    村瀬 宣親君       今村 忠助君    高田 弥市君       野原 正勝君    野本 品吉君       高倉 定助君  出席政府委員         戰災復興院總裁 阿部美樹志君         總理廳事務官  伊東 五郎君         大藏政務次官  小坂善太郎君         大藏事務官   舟山 正吉君         運 輸 技 官 後藤 憲一君  委員外出席者         議     員 橘  直治君         議     員 梅林 時雄君         議     員 山口六郎次君         議     員 松崎 朝治君         議     員 山本 猛夫君         議     員 小澤佐重喜君         議     員 中垣 國男君         議     員 岡田 勢一君         議     員 鈴木 強平君         議     員 松本 淳造君         議     員 久保 猛夫君         議     員 宮幡  靖君         議     員 小枝 一雄君         議     員 志賀健次郎君         議     員 河合 義一君         議     員 小島 徹三君         議     員 佃  良一君         議     員 川村善八郎君         議     員 増田甲子七君         議     員 山口 好一君         議     員 千賀 康治君         議     員 大石 倫治君         議     員 庄司 一郎君         議     員 淺利 三朗君         議     員 伊藤 郷一君         議     員 山崎 岩男君         議     員 野上 健次君         議     員 井出一太郎君         議     員 村上 清治君         議     員 亘  四郎君         議     員 水谷  昇君         議     員 福田 繁芳君         議     員 岡井藤志郎君         議     員 岡野 繁藏君         議     員 金野 定吉君         議     員 小林 運美君         議     員 関根 久藏君         議     員 堀川 恭平君         議     員 坂東幸太郎君         議     員 井谷 正吉君         議     員 冨永格五郎君         議     員 坂田 道太君         内務事務官   賀屋 茂一君         内 務 技 官 金子  柾君         大藏事務官   橋本 利八君         厚生事務官   飯島  稔君         農林事務官   松野 孝一君         運 輸 技 官 佐藤  肇君         専門調査員   西畑 正倫君 十二月五日委員生方大吉君が退職した。     ――――――――――――― 十二月五日  市街地建築物法適用に關する法律案内閣提  出)(第一四三號)  國が施行する内國貿易設備に關する港灣工事に  因り生ずる土地又は工作物讓與又は貸付及び  使用料徴収に關する法律案内閣提出)(第  一五二號)  國土計畫の研究及び普及機關設置に關する請願  (守田道輔君外一名紹介)(第一三四八號)  科學的調査による土地臺帳作成に關する請願(  守田道輔君外一名紹介)(第一三四九號)  綜合的國土畫樹立請願守田道輔君外一名  紹介)(第一三五二號)  治水對策確立その他に關する請願今村忠助君  紹介)(第一三五七號)  開港法案竝びに海上保安法案修正に關する請  願(千賀康治君外二名紹介)(第一三五九號)  迫川上流改修工事施行請願大石倫治君紹  介)(第一三六五號)  四國地方河川改修工事施行請願秋田大助  君外一名紹介)(第一三七〇號)  道路維持修繕費國庫補助請願秋田大助君外  一名紹介)(第一三七一號)  四國地方災害復舊費國庫補助に關する請願(  秋田大助君外一名紹介)(第一三七二號)  四國地方海岸工作物高潮による被害防除工  事費國庫補助請願秋田大助君外一名紹介)  (第一三七九號)  釜房ダム設再檢討請願庄司一郎紹介)  (第一三九一號)  夏川改修工事施行請願淺利三朗君外一名紹  介)(第一三九六號)  釧路修築請願伊藤郷一君外一名紹介)(  第一三九八號)  青森修築請願山崎岩男君外一名紹介)(  第一四一一號)  津久見港を開港場指定請願上野健次君外  六名紹介)(第一四一七號)  野邊山貯水池設置請願井出一太郎君紹  介)(第一四二四號)  子吉川及び鳥海川上流砂防工事施行請願(村  上清治紹介)(第一四二八號)  佐渡、彌彦を國立公園指定請願耳四郎君  外一名紹介)(第一四三四號)  鈴鹿川改修工事再開請願水谷昇君外一名紹  介)(第一四三九號)  東讚諸町村を國立公園指定請願福田繁芳  君紹介)(第一四四九號)  郡中港修築促進請願岡井藤志郎君外三名紹  介)(第一四五二號)  清水市一帶を富士箱根國立公園編入請願(  岡野繁藏紹介)(第一四五八號)  加茂港第二期工事施行請願金野定吉君紹  介)(第一四六六號)  長野縣水害竝びに早害對策費國庫補助請願  (小林運美紹介)(第一四六七號)  野尻川排水改良工事施行請願金野定吉君外  一名紹介)(第一四七一號)  渡良瀬川砂防工事施行請願松井豊吉君紹  介)(第一四七六號)  埼玉縣下利根川上流治水工事促進請願(關  根久藏紹介)(第一四七九號)  姫路、若櫻間道路改修請願堀川恭平君外一  名紹介)(第一四九六號)  留萠修築請願坂東幸太郎紹介)(第一  四九七號)  檮原野村間道路改修請願井谷正吉君外二  名紹介)(第一五〇三號)  奥尻湯濱間道路開設竝びに青苗松江間道路  改修請願冨永格五郎紹介)(第一五一一  號)  八代海岸堤防修築その他に關する請願坂田道  太郎君外二名紹介)(第一五一三號)  江戸川擴張工事施行請願松井豊吉君外三名  紹介)(第一五二二號) の審査を本委員會に付託された。 十二月七日  磐梯・吾妻國立公園指定促進に關する陳情書  (第七三九號)  戰災復興事業における認承事業量及び事業量單  價増額に關する陳情書  (第七四九號)  戰災都市復興事業國庫補助増額に關する陳情書  (第七五二號)  諌早、彼杵間國道改修等に關する陳情書  (第七五七號)  木曽川改修並びに増補工事施行促進陳情書  (第七五八號)  清水市一帶を富士箱根國立公園編入陳情書  (第七六五號) を本委員會に送付された。     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  治山治水對策小委員會報告の件  市街地建築物法適用に關する法律案内閣提  出)(第一四三號)  國が施行する内國貿易設備に關する港灣工事に  因り生ずる土地又は工作物讓與又は貸付及び  使用料徴収に關する法律案内閣提出)(第  一五二號)  一 伏木港浚渫費國庫補助請願橘直治君紹  介)(第七八八號)  二 番匠川改修工事促進請願梅林時雄君紹  介)(第九六三號)  三 荒川上流改修工事促進請願山口六郎次  君紹介)(第九八〇號)  四 御正村地内荒川上流護岸工事施行請願(  松崎朝治紹介)(第一〇四九號)  五 岩手縣水害對策に關する請願山本猛夫  君紹介)(第一〇七四號)  六 三ヶ尻地區北上川水害復舊助成請願(  小澤佐重喜紹介)(第一〇八〇號)  七 巴川上流調節池築設の請願中垣國男君  紹介)(第一〇八五號)  八 下妻町外數箇町村地内の鬼怒川堤防改修工  事施行請願鈴木明良紹介)(第一一  〇二號)  九 斐伊川改修工事促進請願(木村小左衞門  君外四名紹介)(第一一一一號)  一〇 那賀川改修工事促進請願岡田勢一君  外四名紹介)(第一一一三號)  一一 伊勢崎市の水害復舊費國庫補助その他に  關する請願鈴木強平君外三名紹介)(第一一  三九號)  一二 高津川治水工事施行請願松本淳造君  紹介)(第一一六八號)  一三 千々石川中流溜池築説請願久保猛  夫君紹介)(第一一七九號)  一四 美矢井橋復舊架設請願中垣國男君紹  介)(第一二〇四號)  一五 富士川下流災害復舊工事施行請願(宮  幡靖君外二名紹介)(第一二一三號)  一六 吉井川上流改修工事施行請願(小枝一  雄君紹介)(第一二二二號)  一七 和賀川外二十七河川砂防工事施行の請  願(志賀健次郎君外七名紹介)(第一二六四  號)  一八 岩手山、八幡平を含む地帶國立公園に  指定請願志賀健次郎君外七名紹介)(第一  二六七號)  一九 仙臺三本木間三陸縦貫道路開設請願  (志賀健次郎君外七名紹介)(臺一二六九號)  二〇 北上川上流改修工事促進請願志賀健  次郎君外七名紹介)(第一二七一號)  二一 兵庫縣水害復舊費國庫補助増額請願(  河合義一君外十六名紹介)(第一二七二號)  二二八井谷峠改修請願小島徹三紹介)(  第一三〇七號)  二三 神戸復興計画道路變更請願佃良  一君外二名紹介)(第一三一七號)  二四 函館尾札部間道路改修請願川村善  八郎紹介)(第一三一八號)  二五 上田、小諸間道路改修請願増田甲子  七君紹介)(第一三二〇號)  二六 下都賀郡南部の治水對策に關する請願(  山口好一君外三名紹介)(第一三二四號)  二七 渡良瀬川沿岸築堤工事施行請願山口  好一君外三名紹介)(第一三三〇號)  二八 函館臼尻間道路開設請願川村善八  郎君紹介)(第一三三一號)  二九 廣瀬川、粕川復舊工事施行請願(石井  繁丸君外三名紹介)(第一三四二號)  三〇 利根川鳥川合流地附近堤防工事施行  の請願生方大吉君外三名紹介)(第一三四三  號)  三一 利根川鳥川復舊工事施行請願生方  大吉君外三名紹介)(第一三四四號)  三二 國土計畫の研究及び普及機關設置に關す  る請願守田道輔君外一名紹介)(第一三四八  號)  三三 科學的調査による土地臺帳作成に關する  請願守田道輔君外一名紹介)(第一三四九  號)  三四 綜合的國土畫樹立請願守田道輔君  外一名紹介)(第一三五二號)  三五 治水對策確立その他に關する請願今村  忠助紹介)(第一三五七號)  三六 間港法竝びに海上保安法案修正に關す  る請願千賀康治君外二名紹介)(第一三五九  號)  三七 追川上流改修工事施行請願大石倫治  君紹介)(第一三六五號)  三八四國地方河川改修工事施行請願秋田  大助君外一名紹介)(第一三七〇號)  三九 道路維持修繕費國庫補助請願秋田大  助君外一名紹介)(第一三七一號)  四〇 四國地方災害復舊費國庫補助に關する  請願秋田大助君外一名紹介)(第一三七二  號)  四一四國地方海岸工作物高潮による被害防  除工事費國庫補助請願秋田大助君外一名紹  介)(第一三七九號)  四二 釜房ダム建設檢討請願庄司一郎君  紹介)(第一三九一號)  四三 夏川改修工事施行請願淺利三朗君外  一名紹介)(第一三九六號)  四四 釧路修築請願伊藤郷一郎君外一名  紹介)(第一三九八號)  四五 青森修築請願山崎岩男君外一名紹  介)(第一四一一號)  四六 津久見港を開港場指定請願野上健  次君外六名紹介)(第一四一七號)  四七 野邊山貯水地施設請願井出一太郎  君紹介)(第一四二四號)  四八 子吉川及び鳥海川上流砂防工事施行の請  願(村上清治紹介)(第一四二八號)  四九 佐渡、彌彦を國立公園指定請願(亘  四郎君外一名紹介)(第一四三四號)  五〇 鈴鹿川改修工事再開請願水谷昇君外  一名紹介)(第一四三九號)  五一 東讚諸村國立公園指定請願福田  繁芳紹介)(第一四四九號)  五二 郡中港修築促進請願岡井藤志郎君外  三名紹介)(第一四五二號)  五三 清水市一帶を富士箱根國立公園編入の  請願岡野繁藏紹介)(第一四五八號)  五四 加茂港第二期工事施行請願金野定吉  君紹介)(第一四六六號)  五五 長野縣水害竝びに旱害對策費國庫補助  の請願小林運美紹介)(第一四六七號)  五六 野尻川排水改良工事施行請願金野定  吉君外一名紹介)(第一四七一號)  五七 渡良瀬川砂防工事施行請願松井豊吉  君紹介)(第一四七六號)  五八 埼玉縣下利根川上流治水工事促進の請  願(関根久藏紹介)(第一四七九號)  五九 姫路、若櫻間道路改修請願堀川恭平  君外一名紹介)(第一四九六號)  六〇 留萠修築請願坂東幸太郎紹介)  (第一四九七號)  六一 檮原野村間道路改修請願井谷正吉  君外二名紹介)(第一五〇三號)  六二 奥尻湯濱間道路開設竝びに青苗松江  間道路改修請願冨永格五郎紹介)(第一  五一一號)  六三八代海岸堤防修築その他に關する請願(坂  田道太君外二名紹介)(第一五一三號)  六四 江戸川擴張工事施行請願松井豊吉君  外三名紹介)(第一五一二號)     ―――――――――――――
  2. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 これより會議を開きます。まず治山治水對策小委員長中間報告の申出があります。これを許します。
  3. 細野三千雄

    細野委員 治山治水小委員會經過簡單に御報告申し上げます、本小委員會は去る九月二十六日に設置せられ、委員長より不肖私が小委員長として指名をこうむりました。兩來今日に至るまで小委員會、打合會懇談會などを開くこと前後十二囘に及び、特に關係行政部門における今日までの治山治水事業調査研究の結果、あるいは具體的對策等を把握するために、内務省國土局農林省林野局開拓局商工省電力局及び經濟安定本部建設局等につき、あるいは民間の學識經驗者等を招いて、懇談會を開くことに最も主力を注ぎました。すなわち左の項目につき調査研究を始めました。 一、治山治水事情促進 二、災害復舊事業促進 三、河川維持管理實情 四、水防の強化と河川愛護普及徹底 五、河水統制調査竝びに施行 六、以上の諸事業に對する豫算及び資材檢討 七、以上の諸事業に對する行政組織及び法令の檢討 これらに對しさきに委員長に對し中間報告をいたしました。これら諸般の問題はまことに多岐多様にわたりまして、一朝一夕に解決しかねるので、來議會においてさらに繼續了られんことを特に委員長において御配慮願いたいと思います。本會期終了とともに一應本小委員會の任務も終了することとなりますので、ただいままでの經過をきわめて簡單に御報告申し上げる次第であります。
  4. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本日は本委員會に付託されました法律案二件、請願六十四件を順次午前中に審議いたす豫定でありますが、松本淳造君より、外の委員會委員長として御出席の御都合もある趣をもちまして、この際請願議題とされんことの要望があります。これを許すに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めます。日程は變更されました。     —————————————
  6. 荒木萬壽夫

  7. 松本淳造

    松本淳造君 本請願の要旨は結論的に申しますと、高津川内務省直轄河川編入してもらつて、根本的な治水工事を施行されたいというのであります。  高津川島根縣の最西端にありまして、幾多の支流を合わせて日本海に注ぐ、島根縣におきましては有數の大河であります。昭和十五年に改修工事を竣功いたしたわけでありましたが、戰爭中の非常な森林濫伐によりまして、昭和十八年以來四箇年にわたりまして、非常な大水害をこうむつたわけであります。しかし内務省の非常な努力をいただきまして、十八年度以來堤防工事あるいは河川改修砂防工事等、かなりな成功を見ておるわけでありまして、現在も大體におきまして七割程度の竣功を見ておるわけであります。近くこれの完成は期して待つべきものとは考えますが、しかし最近木炭の縣外輸送の影響を受けまして、森林濫伐は日を逐うてはげしくなつてまいりますのに、それに相應する植林計畫もまだ十分になつておりませんために、將來必ず再び大水害が起るのであろうという可能性は、十分に考えられるのであります。そこで現在内務省國庫補助をもつて治水工事をいたしておりますが、同時にこれが近く一應の完成はいたすわけでありますけれども、根本的に、應急策としてこれを内務省直轄河川にしていただきたい。これが地元民の非常に強い要求であるわけであります。これをやりますために浮き上る耕地及び米あるいはその他の生産は、期して待つべきものがあると考えられますので、豫算の面やいろいろな事情上困難であるということは、十分に察知しておりますけれども、過去四箇年の水害と鬪つてまいりました縣民の熱意をくんでいただきまして、特に今囘天皇陛下山陰行幸になりましたが、特別にこれに關係します町村長の十三名をお召しになりまして、一々激勵のお言葉をいただいておるような事情でありまして、いかにそれが必要であり、根本的な對策要求せられるかということも、こういうところわかつていただけると思うのでありますから、どうぞひとつそういう面で、内務省直轄河川編入していただいて、將來再び災害が起らないように對策をいたしたいと思うのであります。各委員におかせられましても、何とぞ地元要求をお察し願いまして、御賛成くださるようにお願いいたしたいと思うのであります。以上をもちまして島根縣知事夫次郎君ほか八名の請願に對する紹介をいたすわけであります。よろしくお願いをいたします。
  8. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 松本淳造君に申し上げます。ただいま内務省政府委員出席要求中であります。政府側の意見はあらためて聽くことにいたします。御了承を願います。
  9. 松本淳造

    松本淳造君 承知いたしました。     —————————————
  10. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 これより國が施行する内國貿易設備に關する港灣工事に因り生ずる土地又は工作物讓與又は貸付及び使用料徴収に關する法律案議題とし政府當局からの提案理由説明を求めます。
  11. 小坂善太郎

    小坂政府委員 ただいま本委員會に付託になりました國が施行すす内國貿易整備に關する港灣工事に因り生ずる土地又は工作物讓與又は貸付及び使用料に關する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。  國において施行する内國貿易整備に關する港灣工事により生ずる土地または工作物の下付または使用料徴収に關する件は、昭和二十二年四月法律第七十二號をもちまして、憲法施行伴つて法律をもつて規定すべき事項で、勅令で規定したものは、本年十二月三十一日までは法律の效力をもつて規定されてありまするので、現在は有效なのでありますが、去る四月に國有財産法が改正になりまして、雜種財産は法律をもつて定める場合以外はこれを讓與することができないことになつたのであります。從いまして昭和二十三年一月一日以降は無效となることになつたのであります。しかしながら港灣築造管理、經營上、本勅令内容を引續き存置させる必要がありますので、ここに法律をもつてその内容を規定することにいたしたのであります。  次に本法案趣旨を申し上げますと、港灣は現在第一種重要港灣と、第二重要港灣とにわかれておりまして、前者は國がその築造に當り、後者は公共團體がその築造に當ることとなつておるのであります。本法の對象となつておりますものは、明治四十年十月港灣調査會及び土木會議審議を經まして、主務大臣の選定いたしました第一種港灣でありまして、横濱港、神戸港、關門海峡、これは門司港、下關港及び小倉港を含むのでありますが、これと敦賀港の四港となつております。これらの港湾の修築國費をもつて支辯するのでありますが、實情地元公共團體に負擔金としまして、その費用の一部を負擔させることとなつておるのであります。そしてその反面、本工事によりましてできまする埋立地岩壁、淺橋、浮標等土地及び工作物の中で、公共用としまして國有として存置する必要のある以外のものは、港灣建設保存管理及び運營に當りまする運輸大臣が、その工事費の一部を負擔しました公共團體に、その負擔額の範囲内でもつてこれを無償讓與いたしておつたのであります。しかしながらこれは今後もなお引續いてこの方法をとろうといたすものであります。  次に從來から港灣工事によりましてできました港灣施設公共團體管理いたさせますことが、港灣管理運營上適當でありますので、港灣工事によりまして生じましたところの土地または工作物のうちで、公共の用に供しまするために國有としまして存置しまする土地、または工作物を、運輸大臣は、工事費の一部を負擔いたしました公共團體無償でこれを貸付けまして、その維持管理に當らせまするとともに、使用者から公共團體をして使用料徴収せしめて、その収入となさしめているのであります。  以上が本法案の大要でございます。何とぞ御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたす次第でございます。
  12. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御質疑等ございませんか。
  13. 松浦東介

    松浦(東)委員 本法律案從來勅令内容においてあまり差がないようなお話でありますが、從來勅令と本法案との内容の異なる點について、一應御説明を承りたいのでございます。
  14. 舟山正吉

    舟山政府委員 本法律案はただいま提案理由説明にございました通り、新憲法のもとにおいて、勅令でもつては規定できませず、特に法律をもつて規定しなければならないという意味合から提案を見たのでございまして、内容は大體において現行勅令及びそのもとにおいて實施と變るところはないのでございます。  なお若干補足して御説明申し上げます。まず現行勅令第一條中には、單にその工事費用の一部を負擔したる公共團體に、無償で下附するということだけが規定してございまして、負擔額範圍内という制限はないのでありますが、實際の扱いにおいてはこの趣旨讓與を實行してまいつたのでございます。第二項においてこの旨をはつきりさせた次第であります。  次に現行勅令では内務大臣主務大臣として、本事務を擔當することになつておりますが、昭和十八年十一月一日から、港灣建設保存管理運營等はすべて運輸大臣所管事項となりましたので、内務大臣運輸大臣と改めたのでございます。  次に現行勅令第二條では貸付けた土地工作物維持補修に當らせるという明文を缺いておつたのでありますが、實際上は公共團體にその仕事を擔當せしめておりましたし、かつまた貸付けました國有財産は、貸付を受けた者が當然これを維持管理すべきものでありますから、なお使用料徴収し、その収入とする建前ともなつておりますので、この點を明瞭ならしめたのでございます。  以上が現行勅令との相違點でございます。
  15. 細野三千雄

    細野委員 ただいま議題となりました法律案に對する質疑はこれを打切り、討論を省略してただちに採決いたされんことを望みます。
  16. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 細野君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めます。  これより國が施行する内國貿易設備に關する港灣工事に因り生ずる土地又は工作物讓與又は貸付及び使用料徴収に關する法律案議題とし、採決に付します。本案に賛成の諸君は起立願います。     〔總員起立〕
  18. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 起立總員、よつて本法は原案通り可決確定いたしました。     —————————————
  19. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 これより市街地建築物法適用に關する法律案議題とし、政府當局からの提案理由説明を求めます。阿部復興院總裁。
  20. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 本法律案の御審議を願いますにつきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  舊憲法による地方廳の獨立命令は、去る本年四月施行に相なりました法律第七十二號によりまして、本年十二月末日限りに失效いたします。從いまして建築關係において、約三十五件の獨立命令が效力を失う次第であります。しかしそのいずれも公共性の強い學校、工場、浴場、集會場、劇場、映畫館等のごとき特殊建築物の保安、衛生、保健などに關するものでありまして、現在全國で毎月五千件に近い新築、改造、修繕等の建築行為が行われておる次第であります。つきましては國民保護の立場上、保健衛生の面、保安防災の面、風紀保持等の面から、適切な指導を行うことは絶對必要でありますから、その根據法規は瞬時も空白とすることができない性質のものと存じます。しかるにさいわいに市街地建築物法にその根據となる規定がありますので、これを活用して、その一部を全國に適用することによつて、その缺陷を補いたいと存じまして、ここに提案いたした次第であります。詳細は建築局長から御説明いたしますが、なにとぞ御審議の上御可決あらんことをお願いいたします。  ただここに一言申し添えたいことは、本案提出につきまして、いろいろ關係方面との折衝、整備に手間取りまして、その結果非常に押し詰つた會期に緊急御審議を願うようになりましたことを、深くおわび申し上げます。
  21. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御質疑はございませんか。細野君。
  22. 細野三千雄

    細野委員 私は約十項目にわたつてお尋ねいたします。  第一點は臨時建築等制限規則で全國的に取締りを行つていますが、これと今の法律との關係はどうであるかということであります。  第二點は市街地建築物法中の第一條ないし第六條、第十一條ないし第十三條、第十五條、第二十二條及び第二十三條を適用除外とした理由は、どういう點にあるかということであります。  第三點は、ここに言う特殊建築物とは、いかなるものを指すのであるかということであります。  第四點は本措置による法規の運營について、現在の機構で何ら支障を來さないものであるかどうか、また豫算面に對してどんな影響を來すものか、こういう點であります。  第五點は市街地建築法適用區域外の特殊建築物の實情はどんなふうになつているかということであります。  第六點といたしまして、本措置に基き、今後いかなる措置が企圖されているかということであります。  第七點といたしまして、その措置のために、必要なる建物が現在以上建ちにくくなるのではないかということであります。  第八點、市街地建築物法を全面的に改正する意圖はございませんか。從つてまたここに掲げてある當分の間というのはいかなる意味をもつているかということであります。  第九點といたしまして、獨立の應府縣令以外の法律に基いて特殊建築物を規制するような規則はないのであるかどうかということであります。  第十點といたしまして、本措置によつて復興に阻害を來さないかということであります。  以上十點に對して御答辯を願います。
  23. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。その前にこの法案がちよつとややこしい點もありますので、市街地建築物法につきまして、若干御説明をいたしました上で、お答えいたしたいと思います。  市街地建築物法は大正八年に制定せられまして、その後四囘ばかり改正がございました。その内容といたしまするところは、都市計畫と對應いたしまして、いろいろな市街地建築物の用途適規正、住居地域、工業地域、商業地域というような制度、あるいは道路法との關係、あるいは高さとか、あるいは敷地内に残すべき空地とか、防火地區、あるいは美觀地區というような區域があるのでありますが、そのうちの第十四條に主務大臣は學校、集會場、劇場、そのほかいろいろな特殊建築物の位置、構造、設備、敷地に關して必要なる規定を設くることを得という規定があるのであります、この法律の全體は主務大臣指定した市街地に適用することになつておりまして、現在大體主要な都市に對してこの規定が適用なつております。今囘提案いたしましたこの法律によりまして、十四條のただいま申し上げました特殊建築物に關する規定がただいま適用なつております主要な都市以外にも、この規定が適用になる。こういうことになるわけであります。  ただいまの御質問にお答え申し上げます。第一點はただいま臨時建築等制限規則というもので、全國的に建築物というものの取締りをいたしております。これとの關係はどうか、こういうお尋ねであります。臨時建築等制限規則は、御承知のように臨時物資需給調整法に基く經濟統制の一環といたしまして、實施せられておるものでありまして、どこまでも資材の面から不要不急の用途の建築を制限する。そうして、重要産業の施設、庶民住宅などの緊急な方面にこれをまわす。そうして復興を促進するということを目的といたしたものでありまして、建築の保安、衛生、防災、こういう方面につきましては規定をしておらぬのであります、今囘提案いたしましたところの市街地建築物法第十四條の特殊建築物は、公衆の特に利用するものでありまして、公衆の利益に非常に關係の深いものであります。しかも保安上、衛生上非常に問題の多い建築物でありますので、その建築する場合の規定をこれによつて規制しようとするものでありまして、臨時建築等制限規則ではできない點をこの規則でやろう、こういうことになるわけであります。  第二點は市街地建築物法のうち、若干の條項を除くというふうに括弧に書いてございます。第一條ないし第六條、第十條ないし第十三條、第十五條、第二十二條及び第二十三条を除外いたしております。その他の條項につきましてこれを本法の適用區域外にも適用しようということになつておりますが、この理由はどういうわけであるか、こういうお尋ねであります。第一條ないし第六條及び第十五條は、これはもつぱら都市の商業地域、住居地域、工業地域あるいは美觀地區、そういう都市の地域地區に關する規定でありまして、また第二十三條はこの適用區域の問題でありますので、これらの條項は先ほど申し上げました趣旨から申しまして、必要がない條項でありますので、これを除いたわけであります。それから第二十二條は行政裁判所に出訴し得る場合の規定でありますが、これは新たな裁判所法によりましてこの規定は不要となつたので、これを除外したわけであります。  次に第三點、特殊建築物とはいかなるものを指すか、こういうお尋ねであります。市街地建築物法の第十四條に例示しておりまして、學校、集會所、劇場、旅館、工場、倉庫、病院、市場、屠場、火葬場、これだけ例示しておりまして、その他命令をもつて指定する特殊建築物、こういうことになつております。これ以外のものはあまり指定なつておりませんが、私ども考えておりますものを申し上げますと、差し上げました資料の中に、特殊建築物に關する地方廳令の表があるのでありますが、このほかいろいろな危險物の貯藏庫、處理場とか、浴場であるとか、遊戯場、そういうようないわゆる警察命令でこの營業許可を必要とするようなもの、その中にいろいろな建築の規則があるのでありますが、そういういろいろな營業關係の建築物などを豫想いたしております。特に保安衛生上、あるいは風紀上の點から、制限を必要とするものを指すわけであります。  第四點はこの措置によりまして、現在の行政機構でやつていけるかどうか、人員を殖やしたり、豫算を殖やしたりする必要はないか、こういうお尋ねであります。これにつきましては、現在警察命令によりましていろいろな特殊建築物の制限をしておるのであります。各府縣におきまして、それぞれ廳府縣令を出してやつておるのでありますが、それをこの法律によつて大體切りかえていこうということでありまして、現實の事務につきましては格別殖えるところはありません。從來通りであります。あるいは將來多少これを整理するものがあると思いますので、むしろその點は事務が減少するということになりますので、格別これによりまして、人員を殖やしたり豫算を要求したりするというようなことはないつもりであります。  第五點は、市街地建築物法適用區域外の特殊建築の事情はどうであるか、こういうお尋ねであります。本法の適用區域は、現在一部百九十八市二百三町十五村に適用いたしております。その區域外に終戰後建築せられておりますものは、大體全建築戸數の約二割程度でありまして、約十八萬戸ほど建築になつております。その中で特に今囘問題になります保安、衛生上の取締りを必要とする特殊建築物の戸數は、大體その二割、約四萬戸程度と推定されております。絶對數としては決してそう多くありません。全國の都市としてはあまり多くないのでありますが、このほとんどが公衆の利用する性質の建物でありまして、保安衛生上竝びに防災上の考慮が最も必要であります。火災による損害のみを見ましても、かなりの額に達しておると推定されるのであります。また建物の質という點から考えて見ても、映畫館の床が落ちた事件とかいうようなこともありましたり、あるいは火災の場合に不詳な事件が起きたりするようなこともあるのでありまして、この法律適用によつて、そう非常に多い數ではありませんが、やはりこれによつて相當の效果を期待されるわけであります。  それからこの法律に基きまして、具體的に今後どういう措置をとる考えか、こういうお尋ねであります。とりあえず獨立命令として現在施行いたしております各廳府縣でやつております規則、そのうち特に急を要すると思われますもの、興行場とか、浴場、危險場の處理場、こういつたようなものにつきまして、さしあたり具體的の規定をつくりたいと考えております。  第七點はこの措置によつて建築物が現在以上に建ちにくくなるのでわないか、こういうお尋ねであります。これにつきましては先ほどから申し上げますように、現在やつております特殊建築物に関する地方廳令、それの一部をそのまま當分の間引繼いでいくということになるのでありまして、その措置によりまして現在以上に建物が建ちにくくなる、こういう恐れはないと考えます。それから市街地建築物法は今囘は一部區域の若干の修正でありますが、これを全面的に改正する意圖はないか、なお當分の間これを適用するというのはどういう趣旨か、こういうお尋ねでございます。市街地建築物法は先ほど申した通りに、大正八年に制定されまして、その後、二、三囘改正はありましたが、現在の社會情勢からみて、あるいは戰災都市の復興という點からみまして、必ずしも完全なものでないと考えますので、これを全面的に改正するにつきまして、目下研究いたしております。大體の草案等も得ておるのでありますが、今ただちにこれを法案として提出する時期には至つておりませんので、適當な機會にこれは提案いたしたいと思います。從つてこの當分の措置は、その市街地建築物法の改正に至るまでの暫定的手段と考えておる次第でおります。  第九に獨立の道府縣令のほかに法律に基ずく特殊建築物を別に規制しておる規則はないのか、こういうお尋ねであります。各地方廳で制定いたしております特殊建築物に關するいろいろな規則のほかに、市街地建築物法の第十 四條に基きまして、昭和十一年に特殊建築物規則というものを制定いたしました。その前に大正十二年には特殊建築物耐火構造規則というものを制定いたしております。特殊建築物規則は、學校と共同住宅、百貨店、自動車車庫、この四つのものにつきまして規定をいたしております。先ほども申上げましたように、これは都市だけに適用なつておるものであります。それから特殊建築物耐火構造規則は、興行場、映畫館、旅館、倉庫、そういうものの、大きな規模のものについて、それぞれ耐火構造について規定をいたしております。  第十點は、本措置によつて復興を阻害するおそれはないかというお尋ねであります。この措置によりまして特に新たに規則を設けるということではございませんので、ただいま以上に建築物が立ちにくくなるということはないことが先ほど申上げた通りでありますが、それにいたしましても、若干の建築の制限は、特殊の建築については從來通り殘るわけであります。その點につきまして復興を阻害するという考えも成立つかと思いますが、これらの建築につきましては、非常に大衆の利害に關係の深いものでありますので、若干の復興上の阻害がありましても、これはやむを得ぬと考えておるのでございます。以上大體お尋ねの點について簡單でございますが、御説明申上げた次第であります。
  24. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 しばらく休憩いたします。政府側の列席のもとにこれより懇談に移りたいと思います。     午前十一時十六分休憩      ————◇—————     午前十一時三十二分開議
  25. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 休憩前に引續き質疑を續行いたします。
  26. 内海安吉

    ○内海委員 市街地建築物法適用につきまして、ただいま政府委員の方々から説明を承りまして、さらに同僚の細野君よりもいろいろ御質問があり、それに對する政府側の御答辯もありましたが、かかる重要なる法律案を今出して、今これを可決せよというがごときことは、まことに議會の審議權を輕視したもので、殊にこの提案理由を見ますと、特殊建築物の制限に關する廳府縣會昭和二十二年法律第七十二號(日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の効力等に關する法律)により、本年末日限りに失效することとなりますので、新たに法律を制定する必要があるから、この法律を提出したのだという。すでに憲法において本年の十二月三十一日をもつて失效するということは豫見し得たのであります。政府が會期すでに明日に迫つた今日とつさいにこれを出して議會の協贊を經ようなどということは、故意にこういうことをやるのか、それとも政府の怠慢か、それともまたこの機會において、この建築のいわゆる空白時代をとつて、民論に問うてみようという意思があつてやるのか、その點はもつと詳細に御説明つてしかる後質問に移りたいと思います。まずこの點をお伺いいたします。     〔速記中止〕
  27. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 現在都道府縣令によりましてやつておりますことを引繼ぐ程度のものでありまして、ことさらに強化するとかいうことはないのであります。むしろこれを整理しまして、簡單になるというように考えております。その點どうか御了承を願いたいと思います。
  28. 内海安吉

    ○内海委員 特殊事情のもとに提案の遅れたことはよくわかるのでありますが、ただいま委任命令によるところの行政命令は、たとえば東北においては東北の事情がある。また九州においては九州の事情がある。それぞれの地域に應じて行政命令は出ているのだ。しかるにこの行政命令全體を打つて一丸として、できている命令を整理するに過ぎない。これを法律にしたつていいじやないかといつたようなお言葉でありますが、法律と命令というものはそんな簡單なものではない。いやしくも委任命令である。その命令を整理して、立法行為として議會に提出せんとし、議會に臨まんとする場合においては、もつとはつきりした根據がなければならぬと思います。この點に對して一應政府の方の御意見を承ります。
  29. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 ただいまお話の通りでございますが、ただ私どもの考えておりますことは、たとえ短期間でも空白になることが面白くないという點から、今度法律ということになるのでありますが、實際問題といたしましては、ただいまやつております府縣令そのままのものが行われるのでありまして、その間建築物法の施行によつて強くなるというのではないのであります。先ほども説明いたしました通り、ある地方都市のみ行われておつたものを、さらに全國的にやるのであります。その全國的にやりますのは、今申しましたように、すでに府縣令によつてつておることでありますから、その點どうか御了承願つておきたいと思います。
  30. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 ちよつと附言して申し上げますが、地方の事情によつて、それぞれの特殊な規定を現在やつております。ある規則は他の縣ではやつておるけれども、この縣ではやらないものがあります。この法律の措置によつて現在やつておるものをそのまま繼續しようというものでございます。從つてたとえば警視令でやつておる建築條例は大阪ではやつていないという場合に、この建築條例を大阪府にもつていこうという考えはないのであります。そのままやつていこうということになるのであります。その點をひとつ御了承願いたいと思います。
  31. 内海安吉

    ○内海委員 そうしますと、現在各府縣においてやつています命令を、今度制定せんとする法律によつてそのままやろうというのですか。
  32. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 さようでございます。
  33. 内海安吉

    ○内海委員 その點が實はどうも腑に落ちないのです。こういうことも考えられると思うのですが、これはできないものでしようか。この法案いわゆる市街地建築物法なるものは、大正八年に制定せられたのであつて、すでに古くさいということもただいま説明なつたようです。それから戰災都市の復興等については、全面的に改革を行わなければならぬということも、先ほど御説明があつたようであります。そうすると、過渡期における命令の效力を失うのであるから、過渡期における便法としてこの法律をきめるのだと承つたのですが、その點をもう一遍はつきりいたしたいと思います。
  34. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 その通りに考えております。
  35. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 ほかに御發言はありませんか。
  36. 野原正勝

    ○野原委員 市街地建築物法適用に関することについてでありますが、現在の建築の事情をみまして、私どもは、かつてこの法律がつくられた當時の情勢とまつたく違つておる今日において、こうした法律をそのまま存續するということ自體に非常な疑問をもつておるのであります。すなわちこの敗戰の現實にあるときに、建築においても、資材その他の面で非常に窮迫しておることは、今さら論ずるまでもないのでありまして、この時代において、依然として普の觀念でいろんな制限を行う、つまりいろんな建築に對する注文をつけることは、一面においては、たとえば公衆のはいる建造物でありますので、保健上の見地あるいはまた災害の防止という點から望ましいことでありますれども、現實に資材がないというのに、こういう法律適用する場合においては、そのために建築が遅れることがあり得るのであつて、現に私どもはそのことをよく承知しております。こうした建築物法を特殊建築物の建造に對して、一律に都市といわず農村といわず、全面的に押しつけるという考えは、はたして正しいものであろうかどうか、私どもはここに非常な割り切れないものをもつのであります。むしろ私どもは、今日においては、資材その他の面できわめて困難しておる現實に鑑みて、むしろこうしたものの適用に關しては、この際一時的にはせよ、この理想には多少相反する點もあるのでありますけれども、何とかして一日も速やかにこの建設を急ぐ という觀點からいたしまして、こうしたものの適用は一時これを見合せるという方が、むしろ實際に即するものではなかろうか、私はそう感じておるのであります。特に今日六・三制の問題も各方面で急いでおり、そうした教育も施設を整えなければならぬという段階にございまして、そのためには各政府の豫算として出されるものは非常に少いのでありまして、ほとんどその地方地方が大きな經費の負擔をもつて、こうした建築が行わなければならぬという場合において、私どもはりつぱな建築物を欲しい、教育その他のためにもりつぱな建物が欲しい。これはその氣持においては何ら變りはないのでありますけれども、むしろ今資材その他の面で、豫算の關係もございますし、私どもが實際問題としてこれを考える場合においては、實は多少惡くても、建築の制限その他の適用においては、あるいはまずい點があつても、バラツク建てでもいいから一ときも速やかに建物をつくつて、そして教育の面においてもなんらの澁滯を來さないというように扱うのが、ほんとうじやなかろうかと思うのであります。特にまた戰災その他でもつて、劇場であるとか、その他でもつて、劇場であるとか、その他各種の文化施設なども非常に足りないのであります。なるほど一時的敗戰後、雨後のたけのこのごとく、いたるところにちやちな建造物ができて、私どももそれを見聞して、一面においては、公衆の立場から、まことに困つたものであるというふうに考えておるのでありますけれども、國内全體を見ますときには、そういつた文化施設なども非常に少いので、むしろこれは多少外見そ他が惡く、あるいはまた資材その他で十分でないにしましても、これまた急いでこういうものをつくらせる必要があるのではなかろうかと考えておるのであります。そういう觀點からしますと、この法律適用というものは、空白時代を置いてはなぬというお話でありましたけれども、私どもはむしろこういう主張をするものではありませんけれども、そういう時代が、そういう考え方をもつてするならば、多少なりともここに一つの餘裕をもつて、そうしてこの非常に困つておるこうした建築を速やかに行わしめるというような點から、一時こうしたものの適用に對しては、少くもその地方地方の實情に應じて、これを畫一的に行わしめるような本法の施行というものは、現實に即せざるものである、こういうことを私は考えておるのであります。從つて先ほど來同僚各位の質問その他でいろいろとお話が出たのでありますが、本法律に関する限りは、もう少し慎重にこれを審議いたしまして、そうしてこの内容を十分檢討いたしまして、もしこれを適用する、この法律をただちに判定するとするならば、その内容におきまして十分に吟味いたしまして、過去の資材その他が十分にあり餘つていたときの觀念を一掃いたしまして、今日あるところの資材をもつて、速やかに再建がはかどるという考え方を根本といたした、そういう觀點から法律をつくるということでまいりたいと、私はそう考えておるものであります。その邊に關しましても復興院總裁の所見を伺いたいと思います。
  37. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 いろいろこの法律の施行について御懸念なさる點はごもつとものように存じますが、これは大體公共的の性質をもつております建物に限るのでありまして、一般庶民住宅とか、そういうものにはほとんど關係がないのであります。公共建物はご御承知のように、公衆の安全利益というものをはからなければならぬということが眼目でありますから、これを何らの規制なしにやつてもろうことは、たとえば映畫館にいたしましても、非常に狹い所にたくさんな人數を容れるということになりますれば、火災の際には非常な危險が起るということになりまして、またその入口、出口というようなところも、面積のいかんによつて數が指定されるのでありますから、そういうことは結局公衆の安全、災害、危險防止ということになりますから、この點はこの建築物法の實施によりまして規制していきたいというのであります。一般國民の保安上、保健上必要なことでありますから、今お話になりましたような點には、一向御心配がないのでありますから、この法律適用していくことが國民に利益であると考えておるのであります。それがために多く資材が要るとかいうようなことはないのであります。この規則なしにいきますと、今申しましたように、一般的に見ますと非常な危險なものになり、困つた結果になると思います。特に近來火災が多うございまして、そのためにほとんど建つた家の四割以上が燃えていくというようなことになつております。そういうようなことも、こういう措置によりまして防止し得られるのでありますから、結局においては利益であります。今繰返して申し上げますが、お話のような一般庶民住宅には何ら關係がないのあります。そういう復興住宅その他に對してはどしどしできるように、今後資材の面において、盡力したいと思つております。さよう御了承を願いたいと思います。
  38. 野原正勝

    ○野原委員 私が伺いましたことも、別に一般の庶民住宅等のことで伺つたのではないのでありまして、こうした公共用の施設というものについての考え方から、私も申し上げたつもりであります。總裁の御答辯によりましてその邊の事情はよくわかりましたが、ただ私は先ほど申しますように、この法律が前に制定をみました當時と、今日の日本の實情というものはたいへん違つておると思うのであります。何と申しましても、セメントがないとか、木材の面においても、非常に窮屈である。ガラスもない。いろいろの點で非常に資材が窮迫しております。それを非常に潤澤であつた當時の考え方でもつて、いわゆる固く考えますと、つくろうと思つても滿足なものはつくれない。一々その規則を盾にとられたのでは建築ができないではないか、つまり學校などでも、今六・三制の問題なども申し上げましたが、地方でいろいろ學校をつくつておりますが、つくりました學校などを見ますと、むしろ豫算關係その他でもつて、まことにバラツクと申してもよいような貧弱なものになつておりますが、こうした法の適用をあまりやかましくされますと、せつかくみながなけなしの資材を出合わせて、子供たちのために學校をつくろう、そして意氣込んで始めましても、それが許可されないということが萬が一ありますと、この法律のために教育も行われないという結果になりますので、私はこうしたものに對しましても、むしろ根本的に今日の日本の實情、この資材關係の事情というものを十分勘案した見解から、それを新たに再吟味、再檢討して、そうして時勢に合うようなものをつくるということにいたしたい。その御方針があるかどうかということを總裁に聽いたのであります。その點について重ねて御答辯をいただきたいと思います。
  39. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 重ねてお答えいたします。御質問の點まことに御もつともと思います。私どもはこの規則によりまして何か非常に資材が餘計要る、あるいは非常に贅澤なものができるというふうには考えておりません。規則は最小限度を規定しておりますから、それに順應しまして、材料のないときにはないようにくふうをして、そうしてなるべく乏しい資材をもつて十分に、學校建築にしろ、その他公共的なものにしろ、むだのないように建築をしていくということは、運用の面において十分考えております。決してこの規則があるために建てるべきものが建たないというふうにはならないようにいたすつもりでありますから、その點は御安心を願いたいと思います。たださきに申しました公衆の安全、たとえば梁の太さが多少足らぬでもがまんしてやるということになりますと、學校などは床が落ちるというようなことがありますから、そういうようなおもなる點において、その規則を適用するのでありまして、決してそれを嚴重に、あるいは現在以上にきつくなるというようには考えておらないのであります。運用の面においては、必ずその點今日の乏しい資材を活かしていけるように考えております。ただいま私どもが、一般庶民住宅においても、資材の量が六割あるいは三分の二くらいに減つてもできるような構造方法を考えております。その點どうぞ誤解なく御了承願いたいと思います。
  40. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 はつきりしていただきたいのであります。この法律案が通過しても、從來と一つも變わらないという御答辯でありますけれども、この十四條に掲げる特殊建築物というものは、ずつとまん中ごろに、「特殊建築物に關する地方廳令の有無」とありますが、これによります學校とか百貨店というものでありますけれども、たとえば愛媛縣ではこれにマルのついているのが八つであります。すぐお隣の高知縣では二十一マルがついておる。それがこの法律で今まで通りに一つも變わらぬというのはどうも得心がいかないのであります。その點ひとつ御説明願いたい。
  41. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 この總體の項目が三十五ほどございますが、都道府縣によりましては、不要なものがある。從つて現在やつております數だけにやるのでありまして、これを減す方はあるかもしれませんが、殖やすということはしないつもりであります。これはもともと市街地建築物法の精神に基いて府縣令が出ておるものでありますから、必要のないものはやはりここになかつたわけです。ですから數は都道府縣によつて違いますけども、今まで實施しておつたものだけをやろう、こういうわけであります。
  42. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 まだどうも得心がいかぬのでありますが、そういうことがこの文句ではつきりしておるのでありましようか。ただこれには四行ほど同法適用區域外の區域にもこれを適用するとあるだけでありまして、愛媛縣には八つだが、高知縣には二十一適用するというようなことは、一つもこれには出ておらぬ。この文章ではたしてそういう法文解釋が出てくるのでありましようか。
  43. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 この法令といたしましては、この三十五の特殊建築物を取上げるとしますと、これを全國に適用し得ることになるわけであります。ですから高知縣にない規則がほかの縣にあつたのが、高知縣にもつていくこともできるわけであります。しかしただいま總裁から御説明申し上げました通り、そういうぐあいに具體的にその縣に今まで適用なかつたものをこれによつてやろうということは考えておりません。法律といたしましては、一応授權はあるわけであります。全體やつてよろしいということになりますけれども、新たなものを附け加えてやるということは考えておらぬわけであります。
  44. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 さような法律をはたして國會で承認してよいものでありましようか。三十五か三十六か適用はできるのだけれども、愛媛縣は八つしかやらぬというのは、あなたがここでおつしやるだけであつて、また人が代り、いつ適用されてもこの法律が通つている以上は、だれもどうも言えぬわけであります。かりにもそういうふうなことをはつきり國民に約束する以上は、約束する意味がこの法文に現れておらなければならぬのでありますが、その點に對するお考えはどういうものでありましようか。
  45. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 先ほども申し上げましたように、本來は法律をもつて一々規定すべきものと考えております。ただ時間的に間に合いませんために、かりに現在あります市街地建築物法を借りてくるわけであります。その市街地建築物法では、そういう廣汎な授權規定になつておるわけであります。市街地建築物法の十四條によつて、學校その他いろいろ命令をもつて指定する特殊建築物については、いろいろ保安とか衛生上からの規定が設けられるということになつておりまして、廣汎な授權規定になつております。それをさらに市街地建築物法建築物の適用区域外にも一部は及ぼそう。こういうのが今囘の提案でありますので、結果といたしましては、今お話のように相當廣く授權せられるということになつております。しかしこれを實際に運用します場合には、現在やつている以上はやらない、それ以上擴げてやる意思はないということを申し上げたわけであります。
  46. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そういたしますと、この法律で愛媛縣では八つしか、これが通つても絶對適用しない。高知縣では從來二十一やつておつたから適用する、こういう法則がどこからでてくるのでありましようか。
  47. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 これは今までの地方府縣令の根據がなくなるので、これに法的根據をつけようということがこの提案をいたしました趣旨なのでございまして、そういうことから、法文に現われませんけれども當然に現在やつているものをそのままにする。從つて今まである縣ではやつてなかつたものを、あらためてやるということはしない。こういうことにお約束申し上げるわけです。それからこれは廣汎な授權と申せるのでありますが、しかし事柄が何分火災のときの非常な人命に關する問題、あるいは風紀に關する問題というふうな最小限度のことでありまして、非常にぜいたくなこととか、あるいは進歩的なことを規定するわけではないのであります。最小限度衛生、風紀、そういう關係で現在規定されておりますものを考えて、法律に根據をつけようという趣旨なのでありまして、別にこれによつていろいろなことをやるということは考えておらぬのであります。むしろ先ほどから申し上げるように、現在やつておりますものでも、あるものは檢討いたしまして、しばらく停止しても差支えないものは停止したいと考えておるくらいであります。その點は御了承願いたいと思います。
  48. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 地方府縣令は本年末で失效するのでありますから、それがしりを引くということは絶對にないわけであります。まつたく失效してしまうわけであります。それにもかかわらず、ある府縣には八つ適用するのでありますが、ある府縣には二十一適用する。その衛生上大事だということは私も認めるのであります。また二十一適用しようが五十しようが、それは第二の議論といたしまして、ある府縣には八つしか適用しないが、ある府縣には二十一これでしばるとおつしやるのでありますけれども、この法律を通してしまつた以上は、全部各縣に二十一適用されても、三十六適用されてもしようがない。さような法律をお出しになる心境は、どうしても得心がいかぬのでありますから、もし何か根據がありますならば御説明願います。
  49. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 現在の地方府縣令というものが府縣府縣によつてつておりますので、いろいろ區々まちまちであります。あるものはそのまま空白ができてもそうこまらぬじやないかと思う點もありますので、私どもといたしましては、これを全部そのまま切りかえしていくということすら考えておらぬのであります。現在やつておるものでもストップしていいじやないかというふうに考えておるものもあります。ただいまこれだけでありますけれども、さしあたりすぐにやりたいと思つておりますのは、先ほど申し上げました八つばかりのものであります。申し上げますと、學校、共同住宅、旅館、下宿屋、浴場、興行場、集會場、危檢物貯蔵庫、昇降機、倉庫というようなものであります。それ以外のものにつきましては現在地方廳令としてあるものでも、これを一時停止してもいいのではないかというふうに考えております。
  50. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 それならば法律案の形態といたしまして、はつきり左記何々の特殊建築物とするのが、人民を迷わさない正しい法律案でありまして、この法律案と御説明とは非常に食違つていると考えております。
  51. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 市街地建築物法の第十四條は先ほど御説明申しましたように「學校、集會場、劇場、旅館、工場、倉庫、病院、市場、屠場、火葬場其ノ他命令ヲ以テ指定スル」とありますが、これがおもなるものでありまして、今建築局長からお話になりました程度の八つか九つくらいのものがはいり得るのであります。市街地建築物法そのものがすでに八つか九つほど指定してありますから、これ以上に規制していく必要はないと思いますから、十四條の程度と御承知願つたらば一向差支いないではないかと考えるのであります。
  52. 今村忠助

    今村(忠)委員 私のお聽きしたいのは、なるほど憲法の改正によりまして府縣令が失效するといいますが、それでは府縣令がなくなつて、建築に對する各府縣のこういうような處置を、府縣廳で何かの方法でやることができないものでありますか、これは復興院の人に聽いて無理で、法制局に聽かなければならぬことかと思いますが、どの程度にご研究なつたかお聽きしたいのであります。
  53. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 何かほかの方法でというお話でございますが、ただいま臨時建築物制限規則がありまして、全般的に建築の統制をしておるわけでありますから、それによつてやることはできないかということは一應研究してみたわけでありますけれども、深く内容にタッチしまして、出入口がどうか、構造がどうかというようなことには觸れることはできないのでありまして、ほかに根據となる法律は全然ないのであります。市街地建築物法建築物法の適用區域限定されますけれども、大體十四條という規則がありまして、それに基いてやる方が妥當でないかと思います。法制局ともいろいろ御相談の結果その結論になつたわけであります。
  54. 今村忠助

    今村(忠)委員 今の點は私の質問の點に十分答えていただけないのですが、府縣令というようなものが今失效するけれども、府縣の處置として何かできぬかということをお聽きしておるのであります。中央で取り上げて法律にせずして、府縣別で從來つておつた、あるいは地方の特殊事情によつてつておつたというようなことを、府縣廳だけでやつていくようなことはできるかどうかということであります。
  55. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 これは府縣でやるにしましても、法律の根據がないといかなる方法でもできないのであります。何かの法の根據がなければ、權利制限でありますから、ほかに方法はないと考えます。
  56. 今村忠助

    今村(忠)委員 それは法制局にも確かめた點でしようね。
  57. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 法制局とも連絡しまして、この法律によるよりほかにしようがないだろうという結論になつたのです。
  58. 今村忠助

    今村(忠)委員 けれども一應の處置として、府縣だけでできるある程度のものがあるかどうかということを、われわれは知らないからお聽きしておるのですが、これは法制局あたりで聽くべきことと思いますけれども、その點を確かめておるかを實は聽いておるのであります。
  59. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 確かめております。ございません。
  60. 今村忠助

    今村(忠)委員 それではちよつとお尋ねいたしますが、一例をあげますると、私ども初めて出された問題でわからないのでありますが、つまりこの説明書の六のところの特殊建築物に關する地方法令の有無の點です。禽畜舎、つまり鶏や羊の小屋をつくるという意味だろうと一應解釋するのでありますが、ごく些々たる小屋のようなものでも一應取締りをしておつたものでありますが、どの程度にしておつたものかお聽きしたい。つまりこれが今度法律なつて、全府縣に及ぼすというときに考慮してお聽きするのです。
  61. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 興行場で申し上げますと、定員によりまして區別しておりますが、非常に大きなものでありますと、構造そのものを耐火構造にしなければならぬというようなこともありますが、本造で建て得る範圍のものもあるわけであります。それから主として火災時の非難などについて規定をされております。出入口とか建物の表側、側面に相當の通路が要る。それに對する非常口が要るあるいは場内の座席間の通路とか、それから映畫館などでは、防火の點から映寫室になるところはコンクリートでやらなければいかぬ。そういつたような、主として防火とか避難とかいう點について規定されております。浴場などにつきましては、主として風紀の點、それから火たき場とか煙突とか、そういうところの防火などが規定されております。危險物貯藏庫などにつきましては、むろん防火とか周圍に對する考慮もいたしております。空地とかいろいろな點が規定されております。共同住宅、旅館、下宿屋、こういうものにつきましても、やはりたくさんの世帶を収容いたしますから、火災の點を主として規定しております。學校につきましては火災の點もございますが、特に昭和八年の風水害の結果から考えまして、風とか地震とかいう點について、構造上の規定なども設けられております。昇降機の規定につきましては、安全装置とか乗員の檢査とか、そういうようなことがあります。いずれも一切の保安的の最小限の規定を盛つたものであります。
  62. 今村忠助

    今村(忠)委員 私のお聽きしておるのは違うのでして、つまりここをごらん願うと、わかるかわからないか知らんが、この中に、三十五の一つに禽畜舎というものが書いてあるのです。それからもう一つあげれば、長屋というやつもあるのです。長屋ということは三軒割長屋というような、あの長屋と解釋するのです。そういうものまで含めて三十五のものが、今度法律でもつてびしやつと全國一濟にやれるものをつくろうというわけであります。あなたの方はそれはしない、八つか十ばかりの學校とか公共のものだけやるということを繰返されますけれども、この法律でいけば、小さい鶏小屋をつくつたり、羊を入れる小屋をつくるのでも、あるいはこの際必要な二件長屋式のものをつくるにしても、これはもう法律の上でやらうとすればやれるのです。そういう廣範な制限をするようなものを、全國的にぴつしやり今度の法律でいくということに、私たちは大事をとつているのです。それはあなた方の手加減でいたしませんと言うけれども、法律をつくるときに、われわれは議會でそんなものを簡單に認めるわけにいかないのです。實際やられたところでしようがないというのが法律の力なんです。それが一つ。もう一つ説明を聽きたいのです。いわゆる鶏小屋や羊の小屋も、また割長屋も、三十五の中のものは一應法律の上ではできるものと思うのですが、その點を確かめたい。
  63. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 これは市街地建築物法の十四條の規定を適用していくわけでありますから、十四條には一應例示してございますが、「其ノ他命令ヲ以テ指定スル特殊建築物」と非常に抽象的に書いてあります。從つてやろうと思えば、お話のように長屋、禽畜舎までやれぬことはないと思います。長屋につきましては、これは地方的の規定がありまして、関西地方でやつておりますが、ねずみの隣まで乗り移らぬように、壁を屋根から下までやるというような規定があつたり、防火の點があつたりと、道路との關係があつたりしますが、禽畜舎の方は衛生的の問題であります。こういうところまでは、先ほどから申し上げますように、これをやる意思は毛頭ございません。先ほど例示しましたいくつかのものについて、さしあたりやつておけば——長屋などについても必要かもしれませんが、これをやるならばやはり堂々と法律でやるなり、ほかの方法でやらなければいかぬのじやないか。こういう當座のつなぎとしては、最小限度必要なものだけやつていけばいいじやないかと、かように考えております。
  64. 今村忠助

    今村(忠)委員 われわれとしては、いじめているのではないのでありまして、今御説明公共の建物について、衛生上とか火災その他いろいろの點で努力というか制限したいということについては、私どもも同様考えているのです。ただこの法律で、從來の府縣廳令であつたものを、そのまま取り込むということになると、鶏小屋までできないへんなものになつてしまうということは、從來の建築取締りの例を見ましても、殊に私の郷里の飯田が焼けたあとを見ますと、とんでもない制限をして、非常な苦しみをしておるのです。その上なおこれによつて苦しみを國民に與えるということを私たちは喜ばないのであります。そこで私はみなさんのご意向のあるところも順次わかつてきましたからお聽きしたいのですが、今、必要なものだけで、あとはやらぬのだと言われたけれども、その必要なものだけをやつて、あとをやらぬということを法律の上で明らかにすることはできないのでしようか。それで明らかとなるなら、私どもは必ずしも全面的に反對しているのじやないのです。いかにしても大ざつぱなものをぴしやりつととりかぶせて、とかく融通の利かない官吏のお仕事になつてしますとそのたびに國民は苦しむのです。それを私どもは恐れて、いろいろお聽きしておるわけなんですが、聴いてみるともつともな點も一部ある。けれどもこれをこのままのみこんでしまえば、とんでもないものをこしらえて拔き差しならない、鶏小屋まで押えられてしまつて、どうにもできぬというものができると思う。それをわれわれは恐れる。それをひとつ速やかに解決するようなことはできぬでございましようか。それをお聽きしたい。
  65. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 その趣意に副いますためには、ここに法律案があります。「劇場その他の同法第十四條に掲げる特殊建築物云々」というところへ必要なものだけを挿入していただいたらいいと思います。     〔「休憩」と呼ぶものあり〕
  66. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側から修正案を出されると思いますから…。     〔「休憩してやれ」と呼ぶものあり〕
  67. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 十分間休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ————◇—————     午後一時二十三分開議
  68. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 開會いたします。  休憩前に引續き質疑を許します。
  69. 高倉定助

    ○高倉委員 この法律というものは、法律が定まつて、それから省令なり道府縣令になつて、その規則として現れてくるのですが、この法律を中心とした規則の改正というものはやらなくてもいいのですか。ここにいただきました規則がたくさんあります。これは現在のこれに合致していたならば全然建築のできないものが相當ある。これに對して承りたい。
  70. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 ただいまのお尋ねの點はこう思うのであります。現在の廳府縣令を主務大臣の命令に切りかえてそのまま存續するというような建前になります。
  71. 高倉定助

    ○高倉委員 ここに省令というものがあるのですが、この省令というものはどうなりますか。省令がありまして、省令によつてこの法律を中心とした道府縣令というものが出るんですね。それはどういうような形になるのですか。
  72. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 現在出ておる廳府縣令は、これは法律に基かないもので、いきなり憲法の規定によつて出ておるわけであります。今度、來年一月から施行する命令は、この市街地建築物法の規定に基いて主務大臣の命令によるわけです。
  73. 高倉定助

    ○高倉委員 そうすると、この道府縣令というものはなくなるわけですか。存續していくのですか。
  74. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 從來のものは本年十二月三十一日で失效してなくなるわけであります。
  75. 高倉定助

    ○高倉委員 そうする、これがなくなれば、新しくまたこれをこしらえなければならぬのでありますね。
  76. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 そうであります。
  77. 高倉定助

    ○高倉委員 その場合は何かの腹案があるのでありますか。この規則の案があるのですか、ないのですか。
  78. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 これは別に現在やつておるものを改正するということは考えておりませんので、現在やつておるままのものを主務大臣の命令に移しかえるわけであります。
  79. 高倉定助

    ○高倉委員 そうすると、現行のこの規則をそのままにやつておいて、そうして法律を、今お話によりますと、何か修正するようなお話ですと、それでは矛盾するように考えるのですが、差支えないのですか。法律がはつきりきまつたならば、すべての府縣令というものはかえていかなければならぬ。當然これを踏襲していくとなつたならば、そこに矛盾が現れるのじやないかと私は思うが、どうですか。
  80. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 これは、將來の問題としましては、やはり法律檢討しまして、新しい規則をつくつていかなければならぬと思いますが、それが時間的の關係でできませんので、現在の廳令そのままを、この法律の根據を與えまして、その法律に基く命令に直そうというわけであります。從つて内容に觸れてこなかつたわけであります。
  81. 高倉定助

    ○高倉委員 それからもう一つお尋ねしたいのは、市街地建築物法適用市町村一覽がありますが、これはどういうところに根據を置いて御決定をされるというのですか。
  82. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 現在の指定は大體都市計畫法の適用、これと對應しまして都市計畫の一環としてやつておるのです。ですから、都市計畫的の内容をもつた所をやるのでありますから、主要の市町村ということになるわけであります。
  83. 高倉定助

    ○高倉委員 そうすると、ここに相當の數がありますが、これは全部都市計畫の區域にはいつておるというふうに見て差支えありませんか。
  84. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 さようでございます。
  85. 足立梅市

    ○足立委員 この市街地建築物法適用に關する法律案の中で、十四條が一番問題になるわけでありますが、現行の廳、それから道府縣、そういうものにつきまして、建築物については各都道府縣の状況によつて制限する建築物及び建築の内容はまちまちになつておるわけです。從つて各都道府縣の建築の規則というものは、内容はみなばらばらになつておるわけであります。ところが、新しく十四條によりまして主務大臣が規定をつくることができるわけであります。そのときのこの規定は、現在施行されておりまするところの各廳道府縣、こういう建築規則の内容と同一のものをもつてこれを内容としていく、また同時に現在の都道府縣の制限の建物、學校であるとか、病院の建物、そういう範圍がみなまちまちになつておるのでありますが、それを決して附加しない。オーヴァーしない。現行通りをもつて、新たに、つくるところの主務大臣の規定は、現行の内容をそのままもつていく。こういうぐあいに解釋してよろしゆうございますか。
  86. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 御説の通りにいたしたいと思います。
  87. 足立梅市

    ○足立委員 そうすると、來るべき内容につきましては、本法において主務大臣の規定は、特殊建築物に關する現行の各都道府縣の制令と同一内容を有するものとするのであるということ、こういうぐあいにやつたならば、われわれはこの法案に對して異議はないわけであります。現行の畑の中に立つておる學校や、鶏小屋、そういうものを全國畫一的にこしらえ、そうして法律適用をされるとうことは、はなはだ不滿であります。とにかく現行の各都道府縣の建築物の範圍を出ない、こういう點につきまして、來るべき内容をもつてつていただきたいのであります。
  88. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 御意見の通り取計らうことにいたします。
  89. 高倉定助

    ○高倉委員 そうすると先ほど規制その他は、そのままでおくと言われておりますが、その危檢物取締規則第十條は「地下槽以外ノ大量貯藏所ハ其ノ外壁ヨリ左ノ距離ヲ保有スベシ  一、宮城、御所、離宮、神宮又ハ御陵ヨリ四百メートル以上  二、御苑、皇族邸、王公族邸又ハ御墓ヨリ二百メートル以上  三、神社、佛閣、學校、病院、公園、兵舎、劇場ソノ他多衆ヲ収容スベキ建築物ヨリ百メートル以上」 とありますが、これらはやはりこのまま活きるのですか。兵舎というものがあり得るのですか。あるいは王公族というものがあり得るのか。これらのものは、どうもこのままでおくとなると、何だかへんなような氣がするのですが、このままでおくのですか。あるいは改訂されるのですか。
  90. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 現行の規則をそのままでいつて、ぐあいの惡いところはすみやかにこれを削除するようにいたしたいと思います。ただいま委員からお話のありました現行の規定通りという意味は、その範圍内においてというふうに解釋いたしたいと思います。現行の規定の域を出ない範圍においてやる。こういうふうに解釋したいと思います。
  91. 高倉定助

    ○高倉委員 そうすると現行の範圍を出ないということになりますと、現在學校のごときも、あれは一教室が三間に四間としなければならぬ。そして期間こさえなければならぬ、ガラスも入れなければならぬという、非常にむずかしい規則になつておるのですが、これらのことはとうてい現在の場合でき得ないと思う。現在そうしなくても差支えないようなふうにも考えるのですが、こういう場合には、やはりこの規則を改定されるおつもりですか、どうか。
  92. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 お話のような點については、學校に關する規則は運用によりまして加減ができるということになつております。先ほど總裁から申し上げましたように、現在の状況で非常に規定のままやることが困難だという條項につきましては、運用の面においてむりのないように、極力やつていきたいというふうに考えております。
  93. 内海安吉

    ○内海委員 最後に承つておきたいことは、ちようど先ほど政府委員の方からも答辯があつたのでありますけれども、本年の十二月末日で效力を失われる各廳府縣の命令であります。これを今度新たに提出せられましたこの法律によつて、畫一にしていくという御方針のようでありますが、この效力を失うところの命令を、この法律によつて畫一して、各廳府縣個々に命令によつて決めておいたその命令事項を、畫一して實行するというその法的根據はどこからきたのであるか。その基本的精神を承りたいと思います。
  94. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 この法の根據は、市街地建築物法の第十四條であります。これは主務大臣が、これらの特殊建築物についての規則をつくることができるというのがありますが、これは必ずしも畫一的にやらなければならぬということにはなつていないのであります。その土地事情によつて、その土地に必要な規定を設けてもよろしい。全國畫一的にやつてよろしいものはやつてよろしい。必ずしも畫一的にやれということは考えられません。實地の問題といたしまして、この建築縣令は、地方ごとに出ておりますので、地方ごとにそういうことにしたいと思つております。
  95. 内海安吉

    ○内海委員 そうしますと十四條の規定によつて主務大臣がそれぞれの地方長官に命令を發して、まさに失效する各府縣の命令を、そのまま踏襲させるという御意見なんですか。その點をはつきり承つておきたいと思います。
  96. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 大體お話の通りであります。
  97. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 最後につづめて一つだけお伺いしまして、簡単な御答辯を得ておけば安心すると思うのであります。つまり第十四條の規定を運用するにあたつて、今までは同法第二十三條に規定する範圍であつたのを、その區域外にも今度は殖やすという點が、この法律案趣旨であるのでありますが、どうして區域外に殖やさねばならなくなつたのか。それはつまり本年末日限りで失效になるから、新たに法律の規定を要するというのでありますか。失效するから區域を擴める必要が起つたか。ほかに何か區域を擴めなければならぬということになつたその理由を、簡單に御説明願いたい。
  98. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 從來の廳府縣令というものは、全國的と言いますか、廳府縣令と言いましても、その府縣全域にわたつているものであります。ところが今度やります市街地建築物法の十四條は、特定の市街地ということになつておるわけであります。でありますから、ただいまの廳府縣令をそのまま切りかえていくためには、十四條の規定を借りていくのでありますから、この規定そのものを全國的に適用し得るような形に直しておかなければ、今の廳府縣令の適用はできないということになるのであります。廳府縣令は、都市も、町村も、その全域に適用なつておるものです。ところが市街地建築物法の十四條は、都市だけピック・アップして適用しているものです。それで廳府縣令の根據を十四條によりそのまま移すことになりますと、町村の方には適用しないことになる。それでこれを全域に適用し得るようにするのであります。
  99. 今村忠助

    今村(忠)委員 そうすると結局もとへもどつたことになるのですが、私の心配するのは、市街地において、鶏小屋をつくるのは衛生上困るから、市街地建築物法でそれらの制限があるのです。ところが今言われるように、その區域を農村まで擴めて、法律で農村の禽獣舎を取締り、制限することができるようになつてくるのです。そうやられると全國のどこの鶏小屋、豚小屋でも警察で取締られる。それでは困るのです。だから私はその三十五種類という建物を、ある市街地に限るとか、現在の制限の程度では困るのだけれども、その程度で止つておればよいけれども、横すべりをするということをおそれる。そこで先ほど來質問の中で何とか修正しようと思つたのですが、修正なしに、ここで總裁なり、責任ある人の答辯を得ておけばよいということにしようという空氣なのですが、どうも不安でしようがないのです。つまり結局三十五種類のものが、全國到るところ法律であてはめればあてはめられるものをつくつてしまうということです。それではわれわれ困るというのです。どうも今の御答辯だけでは私たちの不安というものは一つも解消せず、元へもどつて、依然としてわれわれはかようなものを日本に擴げるということについては賛成できない。
  100. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 誤解がありましては困りますから、はつきり申し上げます。現在の府縣令は必要があつてできておつたのであります。市街地建築物法の及ばないところでも取締りあるいは建築規制をする必要があつてできておつたものでありますが、新憲法によりまして、今後はそういう命令ではいけない。法律にする必要があるということから、期限をきつて今年末をもつてそれを施行することになつておる。從いまして從來通りこれを規制していきますのには、これに代る法的根據が要りますので、今度法律案を提出した次第であります。しかしその内容に至りましては、從來規制しておりました、國が取締つておりました範圍を越えないというつもりであります。その取締りの内容についても、從來都道府縣令でやつております範圍に止めるということであります。
  101. 今村忠助

    今村(忠)委員 總裁の言うこともよくわかつているのでありますが、ただわれわれの心配するのは法律の解釋ということです。次の總裁と言いますか、違つた責任者が出てきた場合に、法律通り解釋すればできるじやないかと言つて從來はやらなかつたことを、今度の法案をつくりますとやつていけるのです。その場合に、國土計画委員會の十二月八日においては、かようなことが總裁と委員の間に取交わされておつた、質疑應答があつたのだと、今度の責任者がそれはいかんじやないかと言つたときに、次の責任者を制約できるかどうかということです。私はできぬように解釋するのでありますが、そういうようなものを今日ここで認めて、將來亂用されるというか、解釋されて、その通り行われれば困るような法律を今日つくつておくということは、われわれ委員としては無責任きわまるものだ、かように考えてお聽きしているのであります。いかがなものでしようか、次の責任者によつて、解釋すればできることを、つまり引繼事項みたようなぐあいに、次の責任者に必ずやらせずにいく自信があるのでありますかということを承りたい。
  102. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 私は今總裁の責任においてお答えしているのでありますから、これを速記の上にも止めておきます。また次期の總裁たる人にも確然とお引継ぎしておくつもりであります。それによつてもご不安であるということでありますれば格別、そういつたようなご不安はないと私は信じておりますが、そういうふうに御了承願いたいと思います。
  103. 細野三千雄

    細野委員 本案に對する質疑はこの程度で打切り、討論を省略して直ちに採決せられんことを望みます。
  104. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 細野君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めます。よつて質疑及び討論は省略いたされました。  これより市街地建築物法適用に關する法律案議題とし、採決いたします。本案に賛成の諸君は起立を願います。     〔總員起立〕
  106. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 起立總員。よつて本案は原案通り可決決定いたしました。     —————————————
  107. 細野三千雄

    細野委員 この際日程掲載の各請願説明及び答辯を省略し、文書を基礎とし、ただちに議員の會議に付し、採擇を議決せられんことを望みます。
  108. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 請願の處理につきましては、先刻各委員御承知の通り、便法を用いまして、書記の方まで文書をもつて提出をお願いして、審査の簡潔をはかるように決定いたしております。  ただいま細野君より動議が提出せられましたが、この動議のごとく決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めます。さよう決しました。すなわち本日公報に掲載の日程第一、伏木港浚渫國庫補助請願橘直治紹介、文書表番號七八八號。ないし日程第六四、江戸川擴張工事施行請願松井豊吉君外三名紹介、文書表番號一五一二號は、いずれも採擇と決し、議院において採擇の上は内閣に送付すべきものと認め、これを報告いたします。
  110. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 續いて本日は請願六十四件を日程といたしまして審議いたします。まず日程第二番匠川改修工事促進請願梅林時雄紹介、第九六三号、紹介議員説明を求めます。
  111. 梅林時雄

    梅林時雄君 本請願の要旨は、大分縣佐伯市番匠川は、水源因尾地方に全國にも稀な大崩壊を生じ、下流部河口は軍用地設定のために塞がれ、佐伯市は年々大きな被害を受けつつあります。つきましては現在の改修工事を速やかに完成されたいというのであります。では何とぞよろしくお願いいたします。
  112. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  113. 賀屋茂一

    賀屋説明員 番匠川は現在中小河川改良工事として、國庫助成の下に縣において改良工事實施しているのでありますが、國庫財政の関係もあり、また物價の變動はなはだしきため、工程意のごとく進捗いたしません状態でありますが、今後國庫財政等の許します限り工費の増額をはかりまして、迅速なる完成に努むる意向であります。     —————————————
  114. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第三、荒川上流改修工事促進請願山口六郎次紹介、第九八〇號、紹介議員説明を求めます。
  115. 山口六郎次

    山口六郎次君 本請願の要旨を申し上げます。荒川上流の改修工事は、戰爭のため中止となり、今なお著工に至らず、しかも水源地は濫伐のまま植林もせず、一朝出水の際はその惨害の及ぶところ、まことに憂慮にたえません。つきましては荒川筋のうち、殘された上流改修工事促進せられたいというのであります。
  116. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  117. 賀屋茂一

    賀屋説明員 荒川改修工事促進の緊要でありますことは政府もつとに認めているところでありますが、何分にも物價等の變動はなはだしく豫期の如き工程を得られなかつたことはまことに遺憾に思つております。しかし今次の関東大水害に鑑みましても、その緊急性は益々増大いたしましたので、今後國庫財政の許します限り、速やかに豫算の増額をはかりますとともに、治水關係當局は相協調し、もつて短期完成に努めたいと思います。     —————————————
  118. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第四号、御正村地内荒川上流護岸工事施行請願松崎朝治紹介、第一〇四九号號、紹介議員説明を求めます。
  119. 松崎朝治

    松崎朝治君 本請願の要旨を申し上げます。大里郡御正村大字押切繩堀地先及び押切八幡神社裏より東方約一千メートルの荒川沿岸の護岸工事は、戰時中ほとんど復舊ができなかつたため、去る九月の大洪水には護岸は決壊されたのでありますが、村民これが防禦に當つたためようやく被害から免れたのであります。右の様な現況でありますので、今後の洪水の來襲に際しては護岸決壊し、その被害の甚大なることは明らかであります。よつてこの際國においても本年應急工事を施行せられ、續いて永久的工事を施行せられたいと存じます。何とぞよろしくお願いいたします。
  120. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  121. 賀屋茂一

    賀屋説明員 荒川上流改修工事の迅速完成の必要は政府のつとに認めているところであります。本請願地點は直轄改修最上流端附近でありますので、實情を十分調査いたしまして措置する考へであります。なお今次災害による被害の復舊につきましては、速やかに完成する方針であります。     —————————————
  122. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第五、岩手縣水害對策に關する請願山本夫君紹介、第一〇七四號、紹介議員説明を求めます。
  123. 山本猛夫

    山本猛夫君 本請願の要旨を申し上げます。本年七、八、九月の三囘にわたる大洪水は、縣化各所に甚大なる被害を及ぼし、これが復舊につきましては、御承知のように現在の町村財政はまつたく行き詰りとなり、とうてい自力をもつて對策の樹てようもない有様なので、何とぞ町村の窮状を御洞祭の上、復舊工事の強力なる推進と次の項につきまして何分の御高配をお願いいたしたいと存じます。すなわち一、水害復舊事業を速急に實施願いたい。二、北上川本本流竝びに支流等のダム工事その他支川の治水工事等について恆久的對策に萬全を期せられるようお願いいたしたい。三、治山治水の根本對策の萬全を期せられるようお願いしたい。 四、水害復舊及び治水治山事業の經費は全額國費をもつて支辯お願いしたい。
  124. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  125. 賀屋茂一

    賀屋説明員 北上川上流改修工事昭和十六年に著工して迅速な促進に努めたのでありますが、所要資材等の關係上工事中止のやむない状態となつていたのであります。由來本川の改修は「ダム」の築設を重點的に施行するものであり、本年の水害の状況に鑑みましても、既定計畫の遂行を恆久對策とするほかないと考へられますので、所要資材等の許します限り、早急工事完成をはかる考へであります。さらに本川筋の被害は類例を見ない激甚なものであり、政府といたしましても國庫財政等の許す限り多額の助成をいたし、可及的急速に復舊を期する意向にあります。     —————————————
  126. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第六、三ヶ尻地區北上川水害復舊助成請願小澤佐重喜紹介、第一〇八〇號、紹介議員説明を求めます。
  127. 小澤佐重喜

    小澤佐重喜君 本請願の要旨を申し上げます。岩手縣膽澤郡金ヶ崎町大字三尻村は、本年において北上川氾濫による兩度の水害は住宅、耕地に多大の損害を受け、以來復舊工事中のところ、第三次の増水は徹底的に全部落の生命を拉し去り、その惨状は目をおおばしむるものがあります。かかる決壊箇所を現在のまま放置すれば、今後再度被害をこうむるおそれがあります。これがため、部落民は全く困窮いたすばかりでありまして、部落民一同さらに協力を強化し、これが災害復舊に挺身いたす決心でおりますが、何分現在の諸情勢では復舊に要する諸資材、農機具等、諸資材の入手はけんとうがつかず、御當局の御同情あるご配慮により、格別なる御援助を歎願する次第であります。
  128. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  129. 賀屋茂一

    賀屋説明員 岩手縣今次の出水は既往に類例のない大災害を惹起し、特に北上川沼川の被害は甚大でありましたので、政府は現に改修中の北上川上流改修工事促進を期する方針でありますとともに、とりあへず發生した災害復舊工事を迅速に完成する目途のもとに、すでに國庫補助金六十四蔓圓を支出し、さらに五十萬圓の工事費に對し資金融通の途を講ずる等、復舊の促進に努めている次第であります。さらに復舊に要する資材につきましては、優先配給の特別措置をも講じている次第であります。     —————————————
  130. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第七巴川上流調節池築設の請願中垣國男紹介、第一〇八五號、紹介議員説明を求めます。
  131. 中垣國男

    中垣國男君 本請願の要旨を申し上げます。矢作川及同川左支川、巴川は治水上、利水上愛知縣における最も重要な河川であるが、一度大水至れば土砂の流出、堤防の決壊等を生じ、大なる被害を及ぼしたことが少なくありません。つきましては、これが解決策として巴川上流調節池國費をもつて設置願いたいのであります。
  132. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  133. 賀屋茂一

    賀屋説明員 巴川上流調節池築設につきましては、すでに調査測量は完了しているのでありますが、資材等の關係上今日まで工事實施に至らなかつたのであります。今後縣において本工事に著手する場合は、國庫財政等の許します限り助成する方針であります。     —————————————
  134. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第一四、美矢川橋復舊架設の請願中垣國男紹介、第一二〇四號、紹介議員説明を求めます。
  135. 中垣國男

    中垣國男君 本請願の要旨を申し上げます。愛知県碧海郡美矢井橋は、昭和十七年に落失して以來、日本のデンマークと稱せられ、農産物の最大生産地であります同地方の經濟的に一大支障を來したるはもちろんのこと、昭和日本再建の見地から、一日もおろそかにでき得ない状態でありますから、國庫助成の上すみやかに架設せられるよう取運ばれたいというのであります。
  136. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  137. 金子柾

    ○金子説明員 本件に對しましては、その必要性を認めますが、相當資材と資金を要するので、國家財政を見はからひ考慮することにいたします。     —————————————
  138. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第八、下妻町外數箇町村地内の鬼怒川堤防改修工事施行請願鈴木明良紹介、第一一〇二號、紹介議員説明を求めます。
  139. 鈴木明良

    鈴木(明)委員 本請願の要旨を申し上げます。鬼怒川堤防改修工事は昭和十五年大略完成いたしましたが、茨城縣眞壁郡下妻町地内、豊岡村地内及び石下町の堤防は舊態のまま放置し、あるいは工事不完全のままでありますため、洪水ごとに溢水又は決壊し、本年のごときはその被害多大であります。つきましては前述箇所の堤防改修工事を速やかに施工をお願いいたします。
  140. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  141. 賀屋茂一

    賀屋説明員 鬼怒川改修工事完成の緊急でありますことは、政府もつとに認めてゐるところであり、本年度におきましても相當額の經費を本川の改修に支出しているのでありますが、何分にも物價等の變動はなはだしく豫期の效果をあげ得ない實状でありますことはまことに遺憾に存じてゐますが、今後におきましても國庫財政等の許します限り緊急完成に努力する方針であります。
  142. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第九、斐伊川改修工事施行請願、木村小左衞門君外四名紹介、第一一一一號、紹介議員説明を求めます。
  143. 生越三郎

    ○生越三郎君 本請願の要旨を申し上げます。斐伊川はその水源を鳥取縣に發し、宍道湖に注ぐ山陰随一の大河川で、大正十一年以來二十三箇年間内務省直轄工事として改修され、現在これが追加工事中でありますが、近時山林の濫伐と砂鐵採取等により、河積は半減する現状となり、一度出水すれば藪川平野の耕地及び出雲付近の被害は甚大であります。つきましては速やかに本川下流部を主禮とする兩河改修實施をお願い申し上げます。
  144. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  145. 賀屋茂一

    賀屋説明員 斐伊川改修工事の緊急を要しますことは政府も認めてゐる次第であり、本年度においても本川下流部の改修に相當經費を支出してこれが促進に努めているのでありますが、何分にも物價等の變動ははなはだしく、豫期の效果をあげ得ない實情であります。今後におきましても國庫財政の許します限り、豫算の増額をはかりまして迅速完成に努むる方針であります。     —————————————
  146. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第一〇、那賀川改修工事促進請願岡田勢一君外四名紹介、第一一一三號、紹介議員説明を求めます。
  147. 岡田勢一

    岡田勢一君 本請願の要旨を申し上げます。徳島縣那賀川はまれに見る洪水量を有し、古来屡々破堤して惨害を及ぼすことが豫想される。つきましては本工事完成箇所に對し相當工事費を増額して、昭和二十三年度中に完成願いたいと思ひます。何とぞよろしくお願いいたします。
  148. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  149. 賀屋茂一

    賀屋説明員 那賀川改修の緊急を要しますことは政府もつとにこれを認め、本年度にも相當經費を支出してこれが促進をはかつているのでありますが、何分にも諸物價の變動はなはだしく、工程意の如く進捗しませぬことはまことに道憾とするところであります。未完成箇所を本年中に完成せしめることは國庫財政の關係上困難でありますが、今後におきましても、國庫財政の許します限り豫算を増額いたしまして、緊急完成に努むる方針であります。     —————————————
  150. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第三八、四國地方河川改修工事施行請願秋田大助君外一名紹介、第一三七〇號、紹介議員説明を求めます。
  151. 岡田勢一

    岡田勢一君 本請願の要旨は、四國地方は岳地帶が多く地勢が急である上、屈指の多雨地であるため、水源地は荒廢し、土砂の流下多く、天井川を形成している。ことに戰時中の濫伐と松根の過堀で降雨ごとに堤防の損壊等ははなはだしく危險な状態にある。ついては、四國四縣の河川改修工事を施行されたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  152. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  153. 賀屋茂一

    賀屋説明員 現下各地方の河川は何れも戰時中の維持補修の不完全と水源山地の亂堀のため、わずかな降雨に急も激な出水をいたしまして、思ひがけぬ被害を生じております。政府と致しましてはこれが防止輕減に治水恆久策の推進にはかりますことはもちろんでありますが、國庫財政の現状とも考へ合わせまして、重點的緊急施策を主眼に措置いたしておる次第であります。     —————————————
  154. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第三九、道路維持修繕費國庫補助請願秋田大助君外一名紹介、第一三七一號、紹介議員説明を求めます。
  155. 岡田勢一

    岡田勢一君 本請願の要旨は、進駐軍關係道路及國營バス關係道路以外の各府縣道の維持修繕費に對して國庫補助をしてもらいたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  156. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  157. 金子柾

    ○金子説明員 道路の維持修繕については、政府においても十分その必要性を痛感しており、二十三年度の豫算において要求中であるから國家財政の許す範圍において大いに助成するよう努力する方針であります。     —————————————
  158. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第四〇、四國地方災害復舊費國庫補助に關する請願秋田大助君外一名紹介、第一三七二號、紹介議員説明を求めます。
  159. 岡田勢一

    岡田勢一君 本請願の要旨は、災害復舊工事は民主の安定、經濟産業の復活或は國土復興上からも速やかに施行をはからなければならないが、これが復舊費の國庫補助額は數年にわたるため、早急復舊の完遂ができず累次の災害に復舊費は膨張し、被害關係區域民の不安は大で、諸生産上及び必需物資輸送上多大の支障を來している。ついては四國地方の災害復舊費の國庫補助年度割額を二箇年程度に繰上げ増額されたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  160. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  161. 賀屋茂一

    賀屋説明員 災害復舊工事が民生の安定、生産の増強、國土保全に重大影響のありますことはもちろんでありますので、政府は之が復舊の迅速を、何分にも工費が巨額でありますため、往々にして長期にわたつて支出しなければならぬ現状なのでありますことは、まことに遺憾に存じております。なお今後國庫財政の許します限り短期助成の途を講じますことはもちろん、助成の額につきましてもでき得る限り多額の援助をいたしますよう努める考へであります。     —————————————
  162. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第四一、四國地方海岸工作物高潮による被害防除工事費國庫補助請願秋田大助君外一名紹介、第一三七九號、紹介議員説明を求めます。
  163. 岡田勢一

    岡田勢一君 本請願の要旨は、四國地方、殊に愛媛縣海岸は、最近約三十ミリないし一メートルに及ぶ潮位の高昇があつて海岸工作物の危險に臨んでいるものが多く、一度これが決壊すれば大なる損害を受けることは必然であるが、これが補強費は多額を要して、とうてい地方財政では支辯できない。ついてはこれが被害防除工事費を國庫補助されたいというのであります。
  164. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  165. 賀屋茂一

    賀屋説明員 昭和二十一年南海地方震災は四國地方が最も激甚であり、かつその影響は最近に至つてにわかに現れているようであります。政府といたしましては、災害復舊として採用し得らるるものはすでにこれを採用し、國庫助成をいたしておりますが、被害状況はさらに現地について十分調査いたしまして處置したいと考えております。     —————————————
  166. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第一一、伊勢崎市の水害復舊費國庫補助その他に關する請願鈴木強平君外三名紹介、第一一三九號、紹介議員説明を求めます。
  167. 鈴木強平

    鈴木強平君 本請願の要旨を申し上げます。伊勢崎市は本年九月の水害により、各河川の橋梁護岸及び道路その他に多大の被害を受けたので、治山治山、砂防工事の根本施策を樹立するとともに改修竝びに廣瀬川と荒砥川の合流點より茂町地先までの河川改修工事を施行する等のため、國庫補助を願いたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  168. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  169. 賀屋茂一

    賀屋説明員 伊勢崎市今次の災害は既往に見ない大災害でありますので、地方における負擔も半額となり、財政上の影響も大でありますので、國庫財政の許します限りこれが助成の増額をはかる意向でありますとともに、治水工事施行につきましては、目下縣下全域にわたつて被害調査をいたしておりますので、これが調査の終了をまつて措置する方針であります。     —————————————
  170. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第二九、廣瀬川、粕川復舊工事施行請願、石井繁丸君外三名紹介、第一三四二號、紹介議員説明を求めます。
  171. 鈴木強平

    鈴木強平君 去る九月十五日の大水害は全縣下を襲い、その被害はまことに甚大なるものがありまして、當郡市においては廣瀬川、粕川の洪水氾濫による被害は甚大であり、これが復舊は並々ならぬものがあります。しかしてこれ等復興の第一要件でありますところの廣瀬、粕兩川の一部に對し、一定計畫による災害復舊工事實施計畫が新聞紙上に發表になりましたが、兩川とも一部の實施のみにては、地形上竝に今次出水状況からその效果を十分に發揮することができませんので、ぜひとも廣瀬川は伊勢崎市北西宮郷村地内荒砥川合流點より下流全川、粕川は上流赤堀村より廣瀬合流點まで全川にわたり、一定計畫による災害復舊をせられたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  172. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  173. 賀屋茂一

    賀屋説明員 廣瀬川、粕川兩川の一定計畫による復舊工事實施計畫につきましては、先般現地調査實施いたし、縣において大體の設計の樹立も完了いたしておりますので、大要御希望に添いました計畫により工事の速進を計る考へであります。     —————————————
  174. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第三〇、利根川鳥川合流地附近の堤防復舊工事施行請願生方大吉君外三名紹介、第一三四三號、紹介議員説明を求めます。
  175. 鈴木強平

    鈴木強平君 本請願の要旨は、今般の水害による佐波郡芝根村大字沼の上地先利根川、鳥川の合流點附近の堤防決壊二箇所は、ともに沼の上地内側より破壊し、これがため水勢は急激に大利根に向い引水し、一部家屋は浸水の難を免がれたのは明白の事實であります。なお去る昭和十二年の増加の際にもこの實例を見た所でありましたが、今囘の被害は人家耕地の流失冠水等甚大なるものでありましたので、ぜひとも堤防復舊工事中に水門を設置の必要を痛感したのであります。しかしながら目下自村の力ではとうてい工事不可能の状況にありますので、全額國庫負擔にて水門工事完成を願いたいというのであります。
  176. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  177. 賀屋茂一

    賀屋説明員 利根川筋今次の大災害は既往に例を見ない激甚なるものでありまして、これが土木施設の復舊もまた最も急を要するものであります。政府におきましてはこれ等被害箇所全般にわたる復舊計畫の樹立を急ぎ、緊急工事の應急實施促進せしめております。本請願箇所の復舊につきましても、緊急復舊を要することはもちろんでありまして、これが工事實施にあたりましては、現地の状況を十分檢討いたし、適當なる措置を講じたい考えであります。     —————————————
  178. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第三一、利根川鳥川復舊工事施行請願生方大吉君外三名紹介、第一三四四號、紹介議員説明を求めます。
  179. 鈴木強平

    鈴木強平君 本請願の要旨は、九月十五日來襲の颱風は、本縣赤城山を中心に坪當り實に七石餘の雨を伴い、各河川、用水路は氾濫し、當地方は未曽有の大水害を受けましたが、地根川、鳥川の堤防は數箇所の決壊と各所に危險箇所を生じ、今後わずかの増水にも缺壊の公算きわめて大なるものがあります。これがため沿岸三千八百餘町歩の耕地と四十一部落にわたる人畜家財は、降雨ごとに危險にさらされておりますので、これが補強は焦眉の急を要しますが自村の力では不可能でありますので、地元民の窮状御賢察の上、速やかに復舊補強の工事を進められたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  180. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  181. 賀屋茂一

    賀屋説明員 利根川筋今次の大災害は既往に例を見ない激甚なものでありまして、これが土木施設の復舊もまた最も急を要するものであります。政府におきましては、これ等被害箇所の全般にわたり調査實施し、現に緊急工事復舊を促進せしめております。また復舊工事費に對する國庫助成は、國庫財政の許します限り多額の助成をする方針であります。さらにまた堤防の補強等につきましては、現在實施中の利根川増補計畫で一應の決定を見ておりますが、今次の大出水に鑑みましては幾分の計畫變更が必要と認められますので、至急成案を得まして實施に移す方針であります。     —————————————
  182. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第一二、高津川治水工事施行請願松本淳造紹介、第一一六八號、紹介議員説明をもとめます。
  183. 松本淳造

    松本淳造君 本請願の要旨を申し上げます。高津川はその源を山口縣境に發し數多の支流を合はせて島根縣鹿足郡の中央部を貫流した日本海に注ぐ大河川で、昭和十五年に改修工事の竣功を見ましたが、戰時中の山林濫伐のため河床はますます惡化しつつあります。つきましては本川を内務省直轄河川編入の上、根本的治水工事を施行願いたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  184. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  185. 賀屋茂一

    賀屋説明員 高津川改修工事昭和十八年災害以降、國において工事を直接實施しているのであります。これが工事を遲延しますことは工費その他地元に至大の影響がありますので、國庫財政の關係ともにらみ合はせでき得る限り明年度完成を目途としてこれが促進に努むの方針であります。     —————————————
  186. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第一五、富士川下流災害復舊工事施行請願宮幡靖君二名紹介、第一二一三號、紹介議員説明を求めます。
  187. 宮幡靖

    宮幡靖君 本請願の要旨を申し上げます、静岡縣富士川下流東岸岩松村以南は、地勢が平坦で昔から河身の變動が著しく、沿岸民は不測の大水害を受けましたが、大正九年の堤防及び護岸構造物の築造によつてようやく安定を見ました。然るに昭和二十年より二十二年にわたる三度の洪水によつて、これら構造物も濁流にのまれ、今度一度洪水に見舞はれれば、本堤防の決壊は大を見るよりも明らかであります。つきましては該川下流の災害復舊工事を施行願いたいというふのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  188. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  189. 賀屋茂一

    賀屋説明員 富士川下流の本請願箇所は維持修理不十分の結果、近時著しく荒廢し、本年におきましてもその被害激甚なるものがあつたのであります。これが復舊工事につきましてもその緊急を性認め、すでに復舊設計の樹立も完了し、國竝びに縣においてそれぞれ工事實施することになつておりますので、これが工事促進をはかりますとともに、國庫財政の關係ともにらみ合はせでき得る限り短期完成を目途に努力する方針であります。     —————————————
  190. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第一六、吉井川上流改修工事施行請願、小枝一雄君紹介、第一二二二、紹介議員説明を求めます。
  191. 小枝一雄

    ○小枝一雄君 本請願の要旨を申し上げます。岡山縣の北端中國山脈に源を發する吉井川は岡山縣の三大河川として重要な河川であるが、古來大洪水多く、昭和十三年度より七箇年計畫のもとに改修工事を施工中でありましたが、戰爭のため中止されていました。しかるに昭和二十年の大洪水に多大の被害を受け、護岸堤防の到る所に損傷破壊を來し、加ふるに戰時中の濫伐にその危機はますます増大している。つきましては速やかに本川の上流改修工事を施行願いたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  192. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  193. 賀屋茂一

    賀屋説明員 吉井川上流改修工事につきましては、本年度におきましても相當の豫算を計上いたしているのでありますが、物價等の變動が著しいために豫期の成果を擧げ得ない實状にありますことはまことに遺憾に存じていおります。またこれがため最近における災害頻發の實状から考へましても緊急改修の必要を認められますので、國庫財政の許します限り工費の増額をはかりまして完成を期する方針であります。
  194. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第一七、和賀川外二十七河川砂防工事施行請願志賀健次郎君外七名紹介、第一二六四號、紹介議員説明を求めます。
  195. 志賀健次郎

    志賀健次郎君 本請願の要旨を申し上げます。岩手縣和賀川外二十七河川は水源地の濫伐、荒廢により、降雨ごとに多量の土砂礫が流出するため、年々河床は上昇し、著しく河積が縮小した。從つて一朝豪雨に際しましては、諸河川の氾濫により甚大なる被害の發生が豫想せられますから、すみやかに拔本、塞源的な砂防工事實施願いたいといふのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  196. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  197. 賀屋茂一

    賀屋説明員 本請願にかかる諸河川の砂防工事につきましては、昭和十四年以降八十五萬四千九百圓を投じ、同二十二年度においては五十六萬一千圓をもつて目下施行中であります。昭和二十一年十一月末の調査によりますと、今後約六千二百萬圓をまた本年六月末の調査によりますと、なお九百三十萬圓を必要とするのでありますから、鋭意これが豫算化に努め、できる限り御希望に副いたい考えであります。     —————————————
  198. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第一九、仙臺三本木間三陸縦貫道路開設請願志賀健次郎君外七名紹介、第一二六九號、紹介議員説明を求めます。
  199. 志賀健次郎

    志賀健次郎君 本請願の要旨を申し上げます。岩手縣沿岸部を縦貫し宮城縣青森縣を直結する道路を國道に編入していただきたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  200. 金子柾

    ○金子説明員 國道編入につきましては、十分調査研究の上處理いたしたいと思います。     —————————————
  201. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第二〇、北上川上流改修工事促進請願志賀健次郎君外七名紹介、第一二七一號、紹介議員説明を求めます。
  202. 志賀健次郎

    志賀健次郎君 本請願の要旨を申し上げます。北上川上流であります本縣管内は未改修のままになつており、連年の水害による被害は莫大であり、本年の氾濫によつて十億圓の被害をこうむり、最も肥沃な本川及びその支派川竝びに流域の廣大なる田畑地帶を荒廢に歸せしめたのであります。從いまして本縣最大の懸案であります北上川問題につきまして、速やかに次の諸點を實施願いたいというのであります。一位、五ヶ所の洪水調整池を昭和二十八年までに完了願いたい。二位、洪水調節工事に併行し低水路工事を完了願いたい。三位、低水路工事にそなえ被害關係大なる土地の塘工事を完了願いたい。以上の順位によりまして昭和三十年まで全改修工事の完了を期しますよう措置願いたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  203. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  204. 賀屋茂一

    賀屋説明員 北上川上流改修工事昭和十六年に著工し、迅速な促進に努めたのでありますが、所要資材等の關係上工事は中止のやむない状態となつているのであります。しかし北上川の改修につきましては、其の重要性に鑑み、治水利水の兩面を十分勘案いたし全體計畫を樹立いたしておりますが、何分大規模でありますが、水害著しい現況から考へましても、既定計畫の短期完成をはかることを急務と考えておりますので、國庫財政の面をも考慮し、短期完成に努める方針であります。     —————————————
  205. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第二一、兵庫縣水害復舊國庫補助増額の請願河合義一君外十六名紹介、第一二七二號、紹介議員説明を求めます。
  206. 河合義一

    河合義一君 本請願の要旨を申し上げます。本年七月九日來襲の豪雨による當地方の災害は二億二千八百萬圓の巨額に達しこれが復舊工事の緊急性を新たにした次第であります。しかるに最近復舊資材、勞賃は著しく高騰し、工事の遂行はいよいよ至難の實情にありまして、このまま推移するにおいては、被害を擴大影響も甚大なるものがありますので、急速に多額の經費を配布せられるとともに、高率の國庫補助を賜り一日も速やかに復舊工事完成したいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  207. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  208. 賀屋茂一

    賀屋説明員 兵庫縣下における今次災害の復舊につきましては、緊急を要しますので、政府はすでに一千四百萬圓の國庫補助金を支出し、工事促進をはかつている次第であります。さらにまたこれ等公共土木施設の災害復舊等につきましては、復舊設計の樹立も完了いたしましたので、縣の財政状態を十分考慮いたしました上、國庫財政等の許します限りの助成をいたし、工事促進に努むる方針でありますが、災害復舊費の高率國庫補助につきましては、國庫財政に及ぼす影響甚大なるものがありますので、慎重檢討の上善處したいと考えております。     —————————————
  209. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第二二、八井谷峠改修請願小島徹三紹介、第一三〇七號を議題とし紹介議員説明を求めます。
  210. 小島徹三

    小島徹三君 本請願の要旨を申し上げます。國道十八號線村岡八鹿間は、紆餘曲折多く難路のため、既往數次にわたり自己を惹起している。加ふるに冬期積雪は交通杜絶し、運輸交通に困難を感じつつある現状であります。この代替線として利用しているいわゆる八井谷越は里程も半ばに短縮され、頂上附近の未改良部分を除いては一應自動車交通も可能であるから、交通運輸上かつ危險防止よりしまして、八井谷峠未改良部分を改良されたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  211. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  212. 金子柾

    ○金子説明員 本線路の重要性は請願の通り認めますが、現下の状態よりして、縣下においても整備の急を要する箇所も相當にあるものと認められますので、縣當局と連絡し善處することにしたいと思います。     —————————————
  213. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第二三、神戸市復興計畫の道路變更請願佃良一君外二名紹介、第一三一七號を議題とし、紹介議員説明を求めます。
  214. 佃良一

    佃良一君 本請願の要旨を申し上げますれば、三宮驛西側より税關前に至る街路は現状のままとし別に三宮驛と神戸港とを結ぶ道路を新設されたいというのでありまして、すなわち現在税關前に至る道路の幅員は三十三メートルであります既に兩側に商店街を形成しているので、歩行道路として國際的觀光客を主目的とした特色ある商店街に發達せしめるために、現状のままにして復興計畫から除外すべきであります。この計畫は幅員五十メートルに擴張する案でいたずらに失費を多くして現在ある商店街を抹殺する、本市の特性を無視した案であります。つまり、神戸市の表玄關としての大道路は、この道路と生田川との中間——現在進駐軍の幕營地として焼跡のままになつている地域のことですが——に理想的な大道路を新設する二本立の大理想案に變更されたいというのであります。政府の御所見を承わります。
  215. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府當局の意見を伺います。
  216. 阿部美樹志

    ○阿部(美)政府委員 お答え致します。本請願の計畫街路は、當初國際港神戸の表玄關道路として巾員八十メートルに決定したが、その後神戸市當局の中員縮小の希望により檢討の結果、五十メートルまで縮小することに内定したのであります。本請願によりますと、三宮驛東側より港貨物驛とを結ぶ道路を擴巾して本街路に代へよといつてありますが、この道路を如何に擴ろげても表玄關の道路とはならないのでありまして、神戸港に上陸する海外人の必ず通らねばならなぬ本道路を植樹帶のある装飾的な道路と致しまするには、最小五十メートルを必要とするのであります。     —————————————
  217. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第二四、函館尾札部間道路改修請願川村善八郎紹介、第一三一八號、紹介議員説明を求めます。
  218. 川村善八郎

    川村善八郎君 本請願の要旨は、尾札部村沿岸の水産業の振興に伴い、鮮魚及水産加工品の大部分は函館市場に集中せられ、沿岸住民もまた生業用資材及生活必需品は函館市から供給を受けているのであるが、尾札部村と函館市を結ぶ準地方費道函館尾札部線は、一部屈曲が多く巾員狹少のため利用度が少なく、これ等物資の交流はすべて白尻、鹿部村を經る迂回線によつてゐるので、彼我の不利益は大であり、この線路の改修が實現するときは、産業經濟上寄與するところ甚大であるから改修されたいというにあります。何とぞよろしくお願ひ致します。
  219. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 これに對する政府の意見を伺います。
  220. 金子柾

    ○金子説明員 本路線の産業經濟上重要なることは認められるが、國費による改良については知事の意向を聽衆し善處することにいたしたいと考へて居ます。     —————————————
  221. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第八、函館臼尻間道路開設請願川村善八郎紹介、第一三三一號、紹介議員説明を求めます。
  222. 川村善八郎

    川村善八郎君 本請願の要旨は北海道茅部郡臼尻村と函館市間の交通は省線鹿部驛を經由しているが、同驛と本村との距離は二十六キロ餘で、この連絡に多くの時間を要し貨客の輸送に非常に不便を感じている。この不便を打開する函館市を起點として鱒川を經由、白尻村に至る道路を開設されたいというにあります。何とぞよろしくお願いいたします。
  223. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  224. 金子柾

    ○金子説明員 本路線の重要性は政府においても認めるところであるが、國家財政を勘案して後年度において考慮したいと思つてまいります。     —————————————
  225. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第二五、上田、小諸間道路改修請願増田甲子七君紹介、第一三二〇號、紹介議員説明を求めます。
  226. 増田甲子七

    増田甲子七君 本請願の要旨は、東京と長野縣を通じ裏日本を結ぶ食糧復興資材その他緊急物資の輸送等、その交通量はますます増大しつつある國道十號線中、上田市より小諸町の間は未改修にして狹隘曲折はなはだしく信越線との平面交叉あり交通上きわめて惡條件の區間であるから本路線の有する重要性を勘案して速やかに改修をされたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  227. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  228. 金子柾

    ○金子説明員 請願趣旨は認めるところであり、縣においても昭和二十三年度國道改良要望箇所として要望書が提出されておるから、國家財政を勘案して考慮することにいたしたいと思つております。     —————————————
  229. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第二六、下都賀郡南部の治水對策に關する請願山口好一君外三名紹介、第一三二四號、紹介議員説明を求めます。
  230. 山口好一

    山口好一君 本請願の要旨は、左記諸工事を併行的に施行されたいというのであります。 一、外廊堤防生井村下生井と野木村下影響より巴波川兩岸、巴波川橋の間二メートル、嵩置、三メートルの復付工事。 二、野木村下影より上流穂積村を經て豊田村小宅に至る間一メートルの嵩置工事。 三、巴波橋より螢橋間の一メートル嵩置工事。 四、奥川左岸一メートル嵩置工事。 五、巴波川通り胸形神社裏の二メートルの復付工事。 六、水野川合流地點の補強竝に上流水代村榎本まで一メートルの崇高工事。 七、江戸川放水路を上流より取入れ大擴張せられたい。 八、渡良瀬川と利根川の合流點を關宿附近にて合流するやうされたい。栗橋を高くせられたい。  以上が本請願の要旨でありますが、何とぞよろしくお願いいたします。
  231. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  232. 賀屋茂一

    賀屋説明員 今次の災害による國直轄工事に属する利根、渡良瀬、江戸川竝渡良瀬遊水池等の災害復舊につきましては、すでに豫算的措置も講じまして、著々復舊の促進に努めておりますほか改良計畫の再檢討につきましても審議を進めておりますので、速やかに實施に移る方針であります。さらに巴波川、思川等につきましては災害復舊を迅速にいたしますことはもちろん、改良計畫につきましても國庫財政の許します限り助成に努め、促進をはかる考へであります、なほまた栗橋附近三鐵橋の扛上につきましては、關係の方面と密連絡いたしまして既定計畫の促進を期する考えであります。     —————————————
  233. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第二七、渡良瀬川沿岸築堤工事施行請願山口好一君外三名紹介、第一三三〇號、紹介議員説明を求めます。
  234. 山口好一

    山口好一君 本請願の要旨は、本年九月十五日の豪雨により、利根川の逆流を受け、渡良瀬川の水位は豫想外の増嵩を來し、大堤塘も各所に決壊を生じ惨憺たるものがありました。しかして栃木縣下都賀郡野木村の地域は、舊谷中村遊水池に沿い點々と高所ありといえども、堤塘としてはほとんどなく、まつたく無堤地に属し、出水により氾濫する濁流のため人畜、農作物、家屋、橋梁等に及ぼす被害は眞に甚大にして、運輸上の影響もまた大なるものでありますので、この際早急にこれら無堤箇所の築堤工事實施されんことを要望いたします。
  235. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見をお伺いします。
  236. 賀屋茂一

    賀屋説明員 今次利根川及渡良瀬川の大出水によりまして、渡良瀬遊水地周邊の堤防は十數ヶ所にわたつて大被害を受けたのでありますが、政府はこれが復舊につきましては、ただちに緊急復舊工事費を支出いたしまして、著著と復舊工事促進に努めておりましたが、無堤地域の改良計畫につきましては、目下既定計畫の再檢討をいたしておりますのでこれが結果を持ちまして早急措置する方針であります。     —————————————
  237. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第三二、國土計畫の研究及び普及機關設立に關する請願守田道輔君外一名紹介、第一三四八號、紹介議員説明を求めます。
  238. 守田道輔

    守田委員 本請願の要旨は、國土の利用と保持とはいかなる時たるを問わず、國土保全の見地から国家的に計畫されなければならない國務であるにかかわらず、ほとんど等閑に附され、國民また無關心でますます國土を荒廢に導き、ついに今囘のような大水害なつた、ついては基本的國土計畫研究所を設立するとともに國民間に國土計畫思想の普及を期するため、一方に國土計畫研究所を設立し地方官立大学に國土計畫講座を開設されたいといふのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  239. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺いします。
  240. 賀屋茂一

    賀屋説明員 國土計畫はその内容廣汎にわたるためまたその基礎は數多の科學的調査研究に依存するものでありますゆえ、内務省としても經濟安定本部と協力して、關係部局にその調査研究をいたさているとともに、國土計畫審議会の専門委員の制度を活用して、科學的成果の利用をはかつておるのでありますが、一般行政機關としてはその十分なる成果を得られないことは痛感いたしておるところでありますので、現在の研究諸機關を活用し、その調査研究を總合し得るような態勢の實現を期待いたしておりますとともに、國土計畫審議會の運用にも十分その點を留意して行きたいと考へております。  なお各大學等において國土計畫、地方計畫として講座を設けておられるものは、ただいまのところ聞いてはおりませんが、工學、理學、農學、經濟學、社會學その他の各講座で國土計畫の重要性を認識せられて、各講義の内容に採入れられて實施せられておる様子でありますので、その動向には非常な期待をもつているものであります。     —————————————
  241. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第三三、科學的調査による土地臺帳作成に關する請願守田道輔君外一名紹介、第一三四九號を議題とし紹介議員説明を求めます。
  242. 守田道輔

    守田委員 國民生活の安定を確保しさらに進んで將來文化的日本を建築するには、幾多の土地に關する政策立案、實施を必要とします、これらが公正妥當で効果的であるためには、立案の根本資料である土地臺帳が正確でなければなりません、わが國の土地臺帳は完備しておらないのでありまして、この際、公正妥当な主食供出のためにも、國土計畫的觀點よりしても、さらに境界の爭を避けるため、または、税収の完納を期するためにも、科學的調査法による正確かつ完全な土地臺帳を作成するよう、土地調査準備機關を總理廳に設量して調査方法の研究、主要調査員の訓練、國民協力運動の展開などに著手すべきであるとの趣旨であります。政府の御所見を聽します。
  243. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府の意見を求めます。
  244. 舟山正吉

    舟山政府委員 國土計畫の面からも租税の面から見ても、正確な土地臺帳を完備することの重要なことはもちろんであります。しかしこれを行うための調査機關として請願のような機關を設置することについては、慎重考慮を要する問題と存じます。     —————————————
  245. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第三四、綜合的國土畫樹立請願守田道輔君外一名紹介、第一三五二號、紹介議員説明を求めます。
  246. 守田道輔

    守田委員 本請願の要旨は、今夏來の東北關係兩地方の大水害に鑑み國土の開發と保全とを調整し、もつて再建の基礎確立するため、速やかに總合的國土計畫を樹立されたいというのであります。
  247. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  248. 賀屋茂一

    賀屋説明員 戰後相次いで惹起しました各地の大水害の根本的原因竝にその對策については、特に科學的調査を必要としますが、その原因の中心をなす國土保全の施策が、請願事情のため戰時中より著しく等閑に附せられてゐる事にあるのはもちろんであります。從つて戰後内務省としては、公共事業として治水事業のため特設の努力をいたしてまいりましたが、國土荒廢の状態はその回復容易ならざる、状態であるとともに、國土保全の施策は速効的には困難でありますので、今次の災害に十分な效果をあげ得なかつたものと遺憾に存じております。加うるに戰後の國土利用開發に對する積極的要請に基く開拓、森林伐採等との調整をも重視せねばなりません。また地方災害復舊も單なる原状復舊に止まらず、國土復興の見地より實施して國土保全の實をあげねばならないと考へております。よつて内務省としては、最近治水に關して長期かつ總合的な實施計畫の樹立竝びにこれが實施を期するとともに、地方各地方の開發事業については國土保全と重視して、其の開發に總合性を與へるため地方總合開發計畫としてその實施に十分注意を拂つております。しかしながら全國土あるいは重要なる地方については、さらに科學的調査をなすとともに、國土計畫審議會その他の機關の積極的運營により、國土の利用、開發、保全について基本的計畫の樹立と、その實施こそその根本的對策であることを十分認識いたしておりまして、ただいま經濟安定本部と協力してその調査研究をいたしております。     —————————————
  249. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第三五、治水對策確立その他に關する請願今村忠助紹介、第一三五七號、紹介議員説明を求めます。
  250. 今村忠助

    今村(忠)委員 米と水、電氣と水、水と都市、河川は永遠に日本の重大資源であり、治水は治山にあるといわれ、これが對策の確立は文化國家の努力である。ついては河川の上、中、下流の砂防、堰堤の築造、用水堰の科學化、橋梁、堤防の増強及び、民主的水害、審判機關の設置をされたいということであります。
  251. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺ひます。
  252. 賀屋茂一

    賀屋説明員 治山、治水さらに利水と水の關係を總合的に考へて實施いたしますことは御趣旨に同感でありますが、これらの事務は廣汎でありまして所管は各省各部課に属しておりますので、これが計畫樹立にはむだの起らぬように密に連絡をいたしておりまして、また實施にあたりましても相互連繁して促進しておるのであります。さらに水害審判機關の設置はただちにお答えはいたしかねますが、御意見の點に對して十分に研究したいと考へております。     —————————————
  253. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第三七、迫川上流改修工事施行請願大石倫治紹介、第一三六五號、紹介議員説明を求めます。
  254. 大石倫治

    大石倫治君 本請願の要旨は、北上川の一大支流であり迫川は、本年七月及び九月の豪雨に氾濫し、その被害は近年にその比なく、兩岸堤防全線はほとんど溢水し、堤防決壊し、流域耕地、家屋及び道路橋梁の被害は實に甚大である、ついては迫川流域全體に對する根本治水工事を施行し、右岸決壊堤防の修築を施行し、これら費用國費をもつて全額負擔せられたいということであります、何とぞよろしくお願いいたします。
  255. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  256. 賀屋茂一

    賀屋説明員 迫川はこれまで數囘にわたり著しい被害を受けておりますが、本年の水害は特に甚大であります。政府はこれが復舊工事の迅速を期しますことはもちろん、復舊の設計の樹立にあたりましても、再び災害を繰返さぬ方途のもとに指導いたしますとともに、災害復舊工事でなお不十分な點につきましては、さらに別途補助金をも考え總合改良を檢討し、治水の完全をはかる方針に進んでおります。     —————————————
  257. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第四二、釜房ダム設再檢討請願庄司一郎紹介、第一三九一號、紹介議員説明を求めます。
  258. 庄司一郎

    庄司一郎君 本請願の要旨は、内務省の直營の宮城縣名取川改修工事の一部に釜房ダム築造豫定地として柴田郡川崎富岡の兩村にわたり、一部の用地が買収されてから五ヶ年を經過しているが、同地域は穀倉地帶として最大重要地域で、同工事が施行されれば、農民はとうてい他耕地を求めることができない。ついては該工事計畫を再檢討されたいというのである。何とぞよろしくお願いいたします。
  259. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  260. 賀屋茂一

    賀屋説明員 釜房ダムの築設工事昭和十九年中止されて以來今日に至つております、釜房ダム建設は名取川改修工事の重要な部分に属しておりますが、仙臺市を始め沿川の事情の變化は、本川の改修用途にも大きな影響を來しますので、せつかく再檢討をいたしておりますので、請願趣旨も十分考えましては對策を樹立したいと考えております。     —————————————
  261. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第四三、夏川改修工事施行請願淺利三朗君外一名紹介、第一三九六號、紹介議員説明を求めます。
  262. 淺利三朗

    淺利三朗君 本請願趣旨は、夏川は宮城縣、岩手縣の境を南下する迫川の支流で、昭和十二年に改修工事完成して以來、水害を受けずに現在に至つているが、當時の工事は單に當面應急工事を施行しただけで、堤防の補強工事には一切手を著けなかつた。さらに十餘年を經た今日、河底の上昇あるいは森林伐採等のため、降雨時における増水量は急激となり、堤防は危險に直面するに至つた。ついては該川の改修工事を施行されたいというのであります。
  263. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  264. 賀屋茂一

    賀屋説明員 迫川の改修につきましては、目下國庫助成の下に改良工事實施いたしておりますが、支川、夏川につきましても改良の必要はつとに認めておるのでありますが、國庫財政等の關係上いまだ著工の運びになつておりませぬことにはまことに遺憾に思つております。なお今後縣において改良工事實施さるる場合は、國庫財政上許します限り助成し促進したいと考えております。     —————————————
  265. 荒木萬壽夫

  266. 村上清治

    村上清治君 本請願の要旨は、秋田縣由利郡川田村を貫流する子吉川及び鳥海川は急流で、本年七月の出水に際しては流域一帶の耕地、道路、堤防及び橋梁等は多大の被害を受け、二百町歩の美田を荒廃地と化し、村内交通も杜絶の状態となつた、ついては兩川の上流、本村地内の砂防工事を速やかに施行されたいというのであります。
  267. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  268. 賀屋茂一

    賀屋説明員 子吉川及び鳥海川上流砂防工事については、豫算僅少のためいまだに著工を見ないのは、はなはだ遺憾であり、そのために本年七月の出水に相當の災害を惹起したことはお氣の毒に堪えない。本流域の砂防計畫については、災害後の變化した状況に對すべく目下調査中であるから、その調査完了次第速やかに豫算化をはかり、豫算の認められる限り實施に務めたい考えであります。     —————————————
  269. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第五〇、鈴鹿川改修工事再開請願水谷昇君他一名紹介、第一四三九號、紹介議員説明を求めます。
  270. 水谷昇

    水谷昇君 本請願の要旨は、鈴鹿川下流地域は四日市市、鈴鹿市、三重郡楠町及び河原田村を兩岸に擁し、廣大な耕地を養い、水利の天惠を供しているが、川床が年々上昇し、沿岸地域は被害を及ぼすため、昭和十七年度より内務省直轄の改修工事を施行されたが、昭和二十二年度に中止された。加ふるに戰時中の濫伐に、一朝豪雨があれば沿岸市町村の被害は火を見るよりも明らかである。ついては昭和二十三年度より本川の改修工事を再開されたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  271. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府の意見を伺います。
  272. 賀屋茂一

    賀屋説明員 鈴鹿川の改修の緊要でありますことは政府のつとに認めているところでありますが、本年度は國庫財政等の關係上やむなく一時施行中止といたしたのでありますが、この状態を久しく續ける考えは毛頭ありませんので、明年度におきましてはぜひとも再著工する方針のもとに豫算等の折衡をいたしておるところであります。     —————————————
  273. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第五七、渡良瀬川上流砂防工事施行請願松井豊吉紹介、第一四七六號、紹介議員説明を求めます。
  274. 松井豊吉

    松井委員 本請願の要旨は、渡良瀬川上流改修工事昭和十六年に著工、爾來これが工事の進捗状態は遅々として進まず上流水源地帶は荒廢のまましかもはげ地を水源とする松太、仁用元、久藏本山等の諸渓流より流出する土砂は、年々渡良瀬川の河床を惡條件に導きいたるところ、今次の大洪水を迎え一瞬にして栃木群馬兩縣の流域地區及び桐生足利の兩都市は莫大なる損害をこうむつたのであるが、再建途上にあるわが國産業界において、右兩都市の持つ重大使命竝びに本河川の重要性に思をいたされ、再度かかる惨害を招ねかざるよう、本川上流に拔本的河川改修竝びに砂防工事を施行せられんことを要望するというのであります。
  275. 賀屋茂一

    賀屋説明員 大正十一年以降百二十七萬一千圓を投じ、昭和二十二年度は四十六萬圓をもつて目下施工中であり、直轄砂防工事としては昭和十三年度施行以降七十一萬九千八百四十五圓を投じ、昭和二十二年度は五十四萬圓をもつて施行中である。本川の重要性に鑑みるとかかる僅少なる工事費をもつてしてはとうてい所期の目的を達し得ぬのであつて、今次利根川水害を招來したことはまことに遺憾である。昭和二十一年十一月末現在の調査に基き、一應全體計畫の樹立を見たのであるが、今次の水害により状況が一變しているもので、目下鋭意調査中であるから、至急取まとめ急を要するものから逐次實施に移したい考えであります。     —————————————
  276. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第六四、江戸川擴張工事施行請願松井豊吉君外三名紹介、第一五二二號、紹介議員説明を求めます。
  277. 松井豊吉

    松井委員 本請願趣旨を申し上げます。關東地方水害の防止策といたしまして、各河川の合流川である利根川の水量を速やかに海灣に流下する大放水路を設置すれば、栃木縣南部にある三千餘町歩の遊水池はただちに良田と化し、遊水池沿岸各町村の多大の經費を要する排水設備は不必要となり、耕地の増大と地方費の輕減となります。つきましては關宿を開き、江戸川の擴張工事を施行願いたいといふのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  278. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  279. 賀屋茂一

    賀屋説明員 江戸川擴張計畫は、昭和十四年の利根川増強計畫ですでに決定しており、政府といたしましては計畫の遂行に努めてきたのでありますが、豫算その他の關係上豫期の成果をあげ得なかつたのでありまして、この點まことに遺憾に存じておりますが、既定計畫の遂行には變りなく、國庫財政等の許します限り、短期完成に努むる方針であります。     —————————————
  280. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第五八、埼玉縣下利根川上流治水工事促進請願関根久藏紹介、第一四七九號、紹介議員説明を求めます。
  281. 関根久藏

    関根久藏君 本請願の要旨を申し上げます。埼玉縣大里郡及び兒玉郡の利根川上流は、川底が年々上昇し、堤防は高さを減じ、最近は弱い箇所が多く、數日の雨にも堤防は軟化して歩行に膝を没し、かつ増水ごとに滲透する水がはなはだしいため堤の内外は水が連通している感があつて、地方民の不安は大であります。つきましては、特に危機にある箇所すなわち兒玉郡神保原村八町河原、同郡仁平村地先、大里郡中瀬村大橋詰、同郡男沼村地先、同郡妻沼地先の利根川上流に速やかに治水工事促進お願いしたいというのであります。
  282. 賀屋茂一

    賀屋説明員 本請願地點の利根川堤防の増強につきましては、すでに利根川増補計畫で根本計畫は決定しているのでありますが、豫算その他の關係で完成つておりませぬことは遺憾に存じております。目下今後災害の状況も考え合わせ、右計畫の再檢討をいたしておりますとともに、緊急施行を要する地點につきましては早急に著工し、短期完成をはかる方針であります。     —————————————
  283. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第五九、姫路、若櫻間道路改修請願堀川恭平君外一名、第一四九六號、紹介議員説明を求めます。
  284. 堀川恭平

    堀川恭平君 本請願の要旨を申し上げます。姫路、若櫻間國道は、日本海沿岸と瀬戸内海沿岸とを直結し、沿線に農林産物の大生産地帶にして、いわゆる中國の實庫地帶を横斷する運輸、交通上最も重要なる路線でありますが、道路の現況は巾員狹少にして屈曲多く、勾配また急にしてあまつさへ戸倉峠の隧道は未だ實用できない現況にありまして、交通不能の状態でありますから、急速にこれが改修をせられたいというのであります。
  285. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  286. 金子柾

    ○金子説明員 本區間は國道二十號路線で、この改修の必要性は、政府におきましてもつとに認め、本路線中最惡箇所であります戸倉峠の改良に著手、昭和十七年度において單年度事業として二十萬圓を投じさらに十八年度より二箇年繼續事業として百三十一萬八千圓をもつて實施いたしましたが、その後情勢の變化に伴い、一時中止しましたが、本路線の改修は政府の緊急要請であります農林産物の搬出、あるいは一般交通におきましてもこれが寄與することは甚大であると思料せらるるので、政府財政の許す限り、急速完成いたしたいと思います。
  287. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第六一、檮原野村間道路改修請願井谷正吉君外二名紹介、第一五〇三號、紹介議員説明を求めます。
  288. 井谷正吉

    井谷正吉君 本請願の要旨を申し上げます。高知縣檮原町は生産物資、名所舊跡に富んでいますが、交通機關に惠まれないため種々障害している。つきましては檮原、野村間の道路を改修願いたいというのであります。何とぞお願いいたいます。
  289. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  290. 金子柾

    ○金子説明員 本區間の道路は生産物搬出に相當役立つものと思われますから、縣の意向を徴した上善處したいと思います。     —————————————
  291. 荒木萬壽夫

  292. 冨永格五郎

    冨永格五郎君 本請願の要旨を申し上げます。北海道奥尻奥尻村は海陸ともに豊富な資源を有していますが、交通に惠まれないため開拓は東海岸のみに限られ、西海岸は東西連絡道路の施設がないため、荒廢に任せております。つきましては奥尻、湯濱間の道路を開設しますとともに、青苗線中、松江、青苗間は開墾當時のままで、東馬の運行、物資の運搬に大なる支障を來しているのでありまして、該路線の道路を改修願いたいというのであります。何とぞよろしくお願いいたします。
  293. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 政府側の意見を求めます。
  294. 金子柾

    ○金子説明員 本路につきましては、奥尻島開發のため、奥尻幌内間を結ぶ横断道路竝びに西海岸の縦断道路開設を計畫しております。     —————————————
  295. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第六三、八代海岸堤防修築その他に關する請願坂田道太君外二名紹介、第一五一三號を議題とし紹介議員説明を求めます。
  296. 坂田道太

    坂田道太君 八代海岸汐受堤防は、七箇市町村にまたがり、その關係耕作地には實に一萬町歩、熊本縣穀倉の中心部となつています、本地方は全國まれな潮差のはなはだしい所でありかつ、季節時には恐るべき颱風の通過ルートになつていて暴風時の住民の脅威ははかり知られないものがあります。過去においても、幾度か堤防決壊の憂目に遭い、美田は數年不耕作に終り、農民の悲惨は言語に絶するものがあつたのであり、殊に昭和村のごときは、昭和十一年、十七、十九年の三囘決壊をしている。また戰時中、堤防の維持管理は等閑視され、石がきは、こわれ、平常の晝夜二囘の滿潮時さえ危險の状態であります。御承知の通り河川堤防すら縣の管理なつていますが、汐受堤防の多くは、今なお個人の地元管理となり、インフレの進行とともに修築材料は高騰し、その負擔にたえらえぬ状態です。また農地改革により從來の地主の負擔はやがて、自作農家の負擔に移らんとしています。これが維持管理費は小作料の總額より多いという例もある。耕地の生命線である汐受堤防の確保なくては、民生の安定はない、目下進行中の自作農創設事業も、このため、阻容されている現状であるから、汐受堤防は國家管理すべきが當然と考えられます。從つて本件は、單にわが八代海岸汐受堤防のみならず、全國汐受堤防に關係する問題であり、政府は食糧確保の絶對的要請からも、また農民の地位の安定と、農業生産力の発展を目途にした自作農創設の偉業を完遂する上からも、速やかに汐受堤防の維持管理を縣または國家管理に移されたいのであります。すなわち 一、國庫補助、または縣費をもつて緊急汐受堤防の増強工事實施されたい。 一、海岸堤防の維持管理に關する法規の緊急制定をされたい。 右二點を要望して本請願の要旨としますが、何とぞ御審議の上速やかに採擇あらんことを望みます。
  297. 賀屋茂一

    賀屋説明員 八代海岸地帶の災害復舊につきましては、政府は縣の申請に基きその復舊に協力いたしますとともに、でき得る限りの助成をいたしているのでありますが、海岸堤防の維持管理につきましては、縣と連絡いたしまして、完全なる管理ができ得るように努めたいと思つております。     —————————————
  298. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第一、伏木港浚渫費國庫補助請願橘直治紹介、第七七八號を議題とし、紹介議員説明を求めます。
  299. 橘直治

    橘直治君 富山縣伏木港は、日本海沿岸一の良港で、北陸地方ばかりでなく、東海方面への石炭荷揚場港として活況を呈しているのであり、民間貿易再開を見た現在その使命は重大なりと存じます。しかるに本港は小矢部川の河口にあたり、年々多數の土砂が流下して港内に堆積する關係上、これが浚渫費として毎年數百萬圓を要しますので、その半額まで國庫補助を増額されたいというのがその趣旨であります。政府の何分なるご援助を得たく存する次第です。
  300. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  301. 佐藤肇

    ○佐藤説明員 伏木港は小矢部川の河口港で、戰時中、維持浚渫は所期の通り實施することができなかつた關係で、現在約一百萬立方メートルの土砂が堆積しており、このまま放置できないのでありまして、來年度以降においては、過般行われた日本海河口港埋没防止對策専門委員會の決定の線を強力に推進する必要があり、目下これが事業化について、關係方面と接衡中であります。從來維持浚渫は港灣の經營管理に當つている關係地方公共團體において負擔するのが建前となつていますが、伏木港のごとき多額の維持浚渫費を要する所では、從來國庫補助をなしており、その増額も目下考究中であります。
  302. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第三六、開港法案竝びに海上保安法律に關する請願千賀康治君他二名紹介、第一三五九號を議題とし紹介議員説明を求めます。
  303. 千賀康治

    千賀康治君 政府は近く海上保安法竝びに開港法案を國會に提案せんとして準備中である由ですが、右法案中地方自治體において、管理又は經營している開港に對し、開港上の保安強化の名目のもとに、新に中央官廳の特別行政機關を各港ごとに設けんとする條項があるのは、地方港灣運營一元化に反するばかりでなく、地方自治尊重の精神に背馳しまするにとどまらず、また地方港灣の振興上障害をなすものと確信します、以上の理由からして左の如く修正を要望します。すなわち一、海上保安法の適用區域より港灣區域を除外すること、一、港灣運送業の監督は地方公共團體に移管すること、一、開港法の施行は地方公共團體管理する港湾については地方公共團體の長の權限とすること、一、開港法を開港保安法と修正すること、一、港長の名稱を其の職分に適合するよう修正すること、等がこの請願の要旨であります。何とぞ御審議の上、採擇あらんことを望みます。
  304. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  305. 佐藤肇

    ○佐藤説明員 兩法案は、目下研究中でありますので、請願趣旨は、十分慎重に考慮して、各方面から見て最善の結論を得たいと思います。     —————————————
  306. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第四四、釧路修築請願伊藤郷一君外一名紹介、第一三九八號を議題とし、紹介議員説明を求めます。
  307. 伊藤郷一

    伊藤郷一君 本港は東北海道における唯一の要港であり、その勢圏は北見、十勝、根室、釧路一圓に及び、奥地開拓の進捗と鐵道開設に伴い、貨物集散は飛躍的に増加し、米國航路の要地として世界的にも認められるに至つた重要港であります。しかも戰後日本の更生は本道開拓を中心として考へねばならないのはもちろんであり、東北海道の地下資源の開發は生命部面のみならず、人工對策上からも、かつ民間貿易再開の今日ただちに本校の使命が重加されることになつたのであります。すなわち本港の施設と背後地の現状と、明日えの役割を考へ合せまして、速やかに本港第三期修築工事實施せられたいというのが本請願趣旨であります。何とぞ御採擇あらんことを望みます。
  308. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  309. 佐藤肇

    ○佐藤説明員 釧路港の北海道における重大性については、政府においても十分これを認識しているのでありまして、この要望の點は考慮に入れて、來年度より著工いたしたいと考えている。殊に港内の浅いことは本港の最大の缺點であるから、ぜひとも點より改修の實をあげて行きたいと考えます。     —————————————
  310. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第四五、青森修築請願山崎岩男君外一名紹介、第一四一一號を議題とし、紹介議員説明を求めます。
  311. 山崎岩男

    山崎岩男君 青森修築工事は、來年度より五箇年をもつて實施せらることは、縣民一同の感激いたしておるところであります、何と申しましても貿易再開に備えて各港とも整備を要するのはもちろんですが、東西の分岐點たる當港の地理的優位性は必ずや物資の集散の上から見て顯著な事實と信じます。この場合、接岸荷役は少くとも大型船の出入に支障がないよう修築を急連に完成せしむる必要を痛感します。また北海道と本港との物資交流の上昇よりしても、修築期間を短縮して三箇年で所期の目的を達成されたいというのがこの趣旨であります。何とぞ御採擇願います。
  312. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對し政府側の意見を伺います。
  313. 佐藤肇

    ○佐藤説明員 青森港はその自然状況として海面水深が不適當に大であつて資材、工費ともに大量を要するので、本港の整備には政府としましても從來相當努力してきましたが、所期の工程を迅速にあげることができなかつたのでありまして、殊に現在における資材の窮迫している状況では、遺憾ながら請願の御趣旨を滿足が行くようにすることは、困難ではないかと考へられる次第です。しかし技術的の研究にも大いに努力して、少しでもその趣旨に近づくよう努力いたしたいと存じます。
  314. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第四六、津久見港を開港場指定請願野上健次君外六名紹介、第一四一七號、紹介議員説明を求めます。
  315. 野上健次

    野上健次君 本請願 は地元大分縣會において滿場一致議決し、官民一體となつてこれが實現を熱望せるものであります。また請願紹介に當たる者は大分縣出身の衆参兩院議員全員でありまして、まつたく、超黨派的にこれが促進を希ふところであります。請願書記載の通り津久見港は、全國重要港湾中、すでに昭和十五年において實質的には第十四位を占めており、現に指定港灣を、はるかに續いている實情であります。さらに東九州沿岸には未だ一港も指定港になきありさまですから、何とぞ急速に御指定を願い、東九州の産業、貿易の發展のため御援助を賜りたい次第であります。本港の指定資格の十分なるは關税課長等のよく認識されるところでありますから、何とぞ御採擇のほど切望します。
  316. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府當局の意見を求めます。
  317. 橋本利八

    ○橋本説明員 津久見港には現在、税關出張所が設置してありますので、輸出入貨物の税關手續等には別段支障はないと考えておりますが、同港を開港に指定することにつきましてはとくと調査考究することといたしたいのであります。     —————————————
  318. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第五二、郡中港修築促進請願岡井藤志郎紹介、第一四五二號を議題とし紹介議員説明を求めます。
  319. 岡井藤志郎

    岡井藤志郎君 愛媛縣伊豫郡郡中港は、昭和十二年度より縣の直營工事として豫算工費六十三萬圓をもつて五箇年繼續事業修築せられることになつておりましたが、はからずも戰時の影響をこうむりまして工事中止となりましたが、はからずも戰時の影響をこうむりまして工事中止となりました、昭和二十二年度には地方港灣改良補助としてわが郡中港も指定せられました結果、工費六十萬圓で本年度早々著工せられたのであります。しかしながら本港への集貨が頓に活發になるにかかわらず、内港が陜隘のため船舶の寄航が意の如くなりませぬので、本工事の一日も速やかに完成されるよう來年度の補助額も相當に助成せられたいというのが本請願趣旨であります。願わくばぜひ本年度分も完全に出していただきたい。僅かな費用で莫大なる國利民福となつて歸つてくるのですから、思い切つて出して國民を喜ばせていただきたい、しからば國民は右費用の十倍百倍の税金を喜んで納める力も出る次第です。右衷状御賢察の上何とぞ採擇あらんことを望みます。
  320. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の御意見を伺います。
  321. 佐藤肇

    ○佐藤説明員 本港修築は目下工事中であるが、資材及び財政上の制約によりその實をあげることのできないことは残念であります。來二十三年度においても財政の都合さえつけば豫算に計上して工事を續行して竣功を急ぎたい考えであります。     —————————————
  322. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程五四、加茂港第二期工事施行請願金野定吉紹介、第一四六六號を議題とし紹介議員説明を求めます。
  323. 金野定吉

    金野定吉君 當加茂港は山形縣海岸線の中央に位する縣下唯一の良港でありまして、近隣には庄内平野の物資集散の地、鶴岡市、大山町、また庄内の穀倉ともいうべき東、西田川郡を控えておるばかりでなく、湯野濱温泉、油戸炭鑛等があり、近隣における、漁獲高も少くないのであります。しかるに近頃、港内規模の陜隘と、日本海の波浪高きため、現在の内防波堤のみでは、船舶の確泊に不安全な状態となつたのでありまして、第一期工事として工費二十二萬圓をもつて昭和十五年完成を見たのでありますが、海洋資源の開發上、漁獲の増産は新日本再建に課せられた重要な議題と信ずる次第であります。かかる意味からしても本港の整備は急を要すべく、第二期工事を速やかに著工せられ、完成せられんことを要望した請願であります。
  324. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對し政府當局の御意見を承ります。
  325. 佐藤肇

    ○佐藤説明員 本港の利用實績は、近年頓に上昇している際でありますから、資材及び豫算の都合さえつけば著工いたしたいと考えて、三十三年度豫算にこれを要求してあるのであります。財政上の都合がつけばぜひとも實施いたしたいと考えます。     —————————————
  326. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程六〇、留萠修築請願坂東幸太郎紹介、第一四九七號を議題とし、紹介議員の御説明を伺います。
  327. 坂東幸太郎

    坂東幸太郎君 北海道の西海岸留萠港は、昭和十一年貿易港として開港せられ爾來多額の輸出入を見たのでありまして、終戰後に至りアメリカ號、ベァディ號等一萬トン急の船舶の出入がある次第で、今後ますます國際的重要性を増強すべきことは當然でありますので、港灣施設を一層充實するよう本港の修築をでき得る限り速やかに實現して下さることを特にお願いいたします。
  328. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の意見を伺います。
  329. 佐藤肇

    ○佐藤説明員 留萠港は、室蘭、釧路に次いで北海道における最も重要な港灣であり天鹽炭田の積出港として特に重要であるから、政府においても、その施設の急務であるのを認めていることろであります。從つて、資材の制約が幾分でも緩和される状況ともなりますれば、請願の要旨に沿うよう努力いたしたいのであります。北海道の諸港灣殊に日本海側の波浪は激烈であるから、來昭和二十三年度においては、防波堤工事の基礎要件であるところの凾塊製作工場設備の準備に著手するように考へております。     —————————————
  330. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第一八、岩手山、八幡平を含む地帶國立公園指定請願志賀健次郎君外七名紹介、第一二六七號を議題とし、紹介議員説明を求めます。
  331. 志賀健次郎

    志賀健次郎君 本請願の要旨は岩手縣の岩手山、八幡平、田澤湖を中心とする一連の山岳、高原地帶は、その規模雄大、宏壮な自然美を備へ、國立公園として十分なる要素を有している。しかも本縣のように風光明美ある宮古、釜石港を控え、内陸には廣大な山林資源を有する地理的條件のもとにおいては、ただちに産業開發にも資するところが大であります。ついては外地帶國立公園指定されたいというのであります。
  332. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の意見を伺います。
  333. 飯島稔

    ○飯島説明員 八幡平、岩手山、田澤湖を含む一帶が、各種の原始的な景觀や温泉に富み、特異な風景地であることにつきましては異存のないところでありまして、國立公園の有力な候補地の一つと考へております。しかしながら本地域は調査が未了でありますので、なるべく近い将来に實施調査をいたし、國立公園委員會の意見を徴しまして善處いたしたいと存する次第であります。     —————————————
  334. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第四九、佐渡、彌彦を國立公園指定請願、亘四郎君外一名紹介、第一四三四號を議題として紹介議員説明を伺います。
  335. 亘四郎

    ○亘四郎君 傳統に富む佐渡と信仰の彌彦とはわが國の代表的景勝地であつて、國際観光地として好適なばかりでなく、國民保健上にもまた適切な條件を具備し古來都人士地方民の杖をひく者の後を斷たないありさまでありますが、今後この天與の景観を保護し開發するためには強力な指導を必要とするので速やかに國立公園指定願いたいというのであります。
  336. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  337. 飯島稔

    ○飯島説明員 佐渡彌彦一帶は日本海岸における特殊の景觀地であり、特に暖流、寒流の交錯する海域にありますので、暖帶性、寒帶性、植物郡落の交錯、特色ある文化等を有し風景の保護利用の措置を講ずる必要があると認められるので、實地調査の上、國立公園委員會の意見も聽きなお十分研究すべきものと考へているのであります。     —————————————
  338. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第五一、東讚諸町村を國立公園指定請願福田繁芳紹介、第一四四九號を議題とし、紹介議員説明を伺います。
  339. 福田繁芳

    福田繁芳君 東讃岐海岸は徳島縣鳴戸附近景勝地とも相關連し、最も風光明媚なる地域でありますから風致維持竝びに將來の觀光事業に寄與するところ重大であると存ずるので、本區域について十分檢討の上國立公園の區域に編入されたいというのであります。
  340. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の意見を伺います。
  341. 飯島稔

    ○飯島説明員 東讚岐海岸一帶の景勝地は海岸風景において傑出していると認められるので、實地調査上、保護及び利用上適切なる地域を瀬戸内海國立公園の區域に編入するよう目下取運び中であります。     —————————————
  342. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第五三、清水市一帶を富士箱根國立公園編入請願岡野繁藏紹介、第一四五八號を議題とし、紹介議員説明を求めます。
  343. 岡野繁藏

    岡野繁藏君 清水市は貿易港及び漁港として完璧を期し得るのみならず、清見潟、日本平、三保の松原等、富岳大觀を中心とした天然の風光は一段の彫琢を加へられ、ヨットハーバー其の他の港灣觀光施設により、變化に富む海岸線の美觀を有し、清見潟、田子の浦の絶景あり、背後地帶には久能山、淺間神社、臨濟寺等の名稱、考古學上稀有の大遺蹟たる登呂を有する静岡あり、運然たる一大觀光地帶を形成しているから、清水地方を富士箱根國立公園地域に包括指定せられたいというのであります。
  344. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  345. 飯島稔

    ○飯島説明員 清水地方が富岳を背景とした海岸風景に勝れた景勝地であり、伊豆半島一帶に對する天然の展望として、また觀光港、古蹟名勝の地として、風景に對する保護利用の措置を講ずべきものと認められるが、本地域一帶を富士箱根國立公園區域に包括指定することの適否については、實地調査の上、國立公園委員會の意見も聽き善處したいと考えております。     —————————————
  346. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第一三、千々石川中流に溜池築設の請願久保猛夫君紹介、第一一七九號を議題とし紹介議員説明を求めます。
  347. 久保猛夫

    久保猛夫君 本請願は、長崎縣南高來郡千々石町は水源を雲仙山麓の加治川に得て、全町二千戸、一萬の住民と二百七町歩の水田を涵養しているが、昭和十年五月雲仙旅館業者が當水源からの引水を企て、しかもなお昭和二十一年四月に至つて關係方面の命令により、加治川水源よりの引水が行はれて、ここに一萬町民の基本生活への一大脅威へ逢着したのであります。ここにおいて縣當局に願い出で、本川中流地點に堰堤の高さを約五メートルとし、延長約二十メートルに及ぶ貯水量約五千石の溜池を工事費三十萬圓をもつて築造する豫定となつたが、當豫定では規模なお小にして、農業生産の需要に應じ得ぬから、少なくとも水量十萬石以上を擁する貯水池を二箇所國庫補助にて築造し、水田旱害の絶無をはかり、産業の開發振興に努むるべく恆久的策を樹てたれたいというのであります。
  348. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府1の意見を求めます。
  349. 松野孝一

    ○松野説明員 本事業土地改良事業として行ふ場合、本年度豫算はすでに各府縣に割當を了し、現在本省には手持ちがないので、從つて昭和二十三年度豫算が決定したら、各府縣に割當を行ふことになるので、縣と十分連絡をとり、二十三年度として申請し得るよう打合せられたいのであります。     —————————————
  350. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第四七、野邊山貯水池設置請願井出一太郎紹介、第一四二四號を議題とし、紹介議員説明を求めます。
  351. 井出一太郎

    井出一太郎君 長野縣南佐久郡における水田面積は約三千三百餘町歩で、農家一戸當り僅かに二反歩餘に過ぎません、しかも開田可能の土地を關係村民は兩三年來協力してこれが實現に努力している状態であります。このために千曲川上流の南牧村地野邊山原に一大貯水池を建設せんとするものであり、延長約八キロの導水路をつくるに要する工費約二千萬圓で、二箇年繼續の開發計畫であります。これが完成の暁は豊富な灌漑水のため年間約一萬七千石の米穀がとれるのみならず、冬期は全量を千曲川に放流するため、渇水期の電力危機を緩和できるというのがこの請願趣旨であります。何とぞ御審議の上採擇あらんことを切望します。
  352. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府當局の御意見を伺います。
  353. 松野孝一

    ○松野説明員 野邊山農業水改良事業に關しましては、長野縣よりその施行希望につき何らの打合せもないが、本件は縣當局と十分協議の上善處したいと思います。     —————————————
  354. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第五五、長野縣水害竝びに旱害對策費國庫補助請願小林運美紹介、第一四六七號を議題とし、紹介議員説明を求めます。
  355. 小林運美

    小林運美君 本請願の要旨を簡單に申し上げれば、長野縣は六月下旬以降連日の降雨のためと、九月來襲のカザリン颱風の餘波を受けて、被害額は實に一億五百餘萬圓の巨額に上つたのであります。ところが七月中旬から五十日餘にわたつてはほとんど降雨なく、大旱害となり、これまた被害三千餘萬圓に達しまして、本縣の窮乏せる財政をもつてしては對策を講じ得ないので、ぜひ國庫負擔とされたいとの趣旨でありますから、何とぞ御審議の上御採擇下さるようお願いします。
  356. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府の意見を伺います。
  357. 賀屋茂一

    賀屋説明員 長野縣下今次の水害に對しましては、先般全縣下にわたりまして復舊設計の樹立を終り、目下著々と復舊工事を進めておりますが、政府は災害國庫補助規定に定むる助成金をなるべく速やかに交付して工事促進を期する方針でありまして、すでに過般九百萬圓の補助金を前渡しておる次第であり、今後の補助額については目下折衡中であります。
  358. 松野孝一

    ○松野説明員 本件水害に関しては、すでに第二・四半期及び第三・四半期にそれぞれ補助金、二百十八萬四千二百圓及び四百七十七萬七千百二十圓を支出したのでありますが、なお第四、四半期分にも三百萬圓程度支出する豫定であります。しかし、この程度の補助金ではもちろん不足するので、目下追加豫算要求中でありますから、これが決定次第善處する。次に二十二年度旱害に關しまして、本件については、應急施設費一億七千萬圓の外、耕地復舊(三縣分)四千萬圓を含め二億一千萬圓を要求し、五千萬圓だけ決定したが、目下追加要求中であります、この追加要求が決定すればある程度の補助金の交付が可能と思はれるが、本議會で間に合はないときはとりあへず決定分の五千萬圓につき一應の割當をする豫定であります。恒久對策については、本年度は實施不可能であるが、二十三年度においては實施できる豫定で、目下豫定提出、折衡中であります。     —————————————
  359. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次に日程第五六、野尻川排水改良工事施行請願金野定吉君外一名紹介、第一四七一號を議題とし、紹介議員説明を求めます。
  360. 金野定吉

    金野定吉君 只今議題となりました野尻川は、北村山郡の熊返山に水源をもつ河川であり、屈曲が多いのと戰時中の濫伐のため、一朝豪雨があればたちまちに出水し、護岸を崩し、ために土砂を流し、年々川床を高める結果となります。昭和十九年及び本年七月の降雨には、堤防を決壊したため地元民協力の上、これが復舊に努めつつありますが、今や部分的復舊工事では、とうてい降水量を流下することは不可能でありますので、來年度より本川排水改良事業を施行して欲しいというのであります。
  361. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府の意見を求めます。
  362. 賀屋茂一

    賀屋説明員 近時水源山地の荒廢の影響もありまして河床著しく隆起し、ために不慮の水災を惹起いたします状態は、遺憾ながら到る所に發生している實情であります。政府はこれら河川に對しましては根本的の治水施設を実施したい方針でありますので、重點的に應急措置を講じている次第であります。野尻川の改良につきましても、縣と十分に連絡をいたしまして、實情に即しますよう善處いたしたいと考えております。
  363. 松野孝一

    ○松野説明員 野尻川農業水利改良事業は、山形縣より都府縣營用排水改良事業の二十三年度新規著手地區として打合がありますが、現在二十三年度豫算要求中であり、その採擇の能否についてはただいま何ともお答えができないのであります。     —————————————
  364. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 ちよつとご挨拶を申し上げます。不肖私が第一囘國會の劈頭から國土計畫委員長を仰せつかりまして、不敏ををも顧みず、ひとえに委員の皆様方のご援助にすがつて今日に至つたのでありまするが、その間におきまして請願は四百數十件、法案を審査いたしますること三件、さらに水害その他の續發に伴いまして、現地調査等、あるいはまた細野三千雄君の主宰せられまする治山治水對策小委員會のこと等、公私にわたりまして絶大なる御支援を賜わりようやく大過なく本日もつて一切の議案の審査を終了し得ましたことを衷心より厚く御禮を申し上げ、各委員の皆様方の御勞苦に對しまして、深甚なる感謝の意を表する次第でございます。一言御挨拶を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散會いたします。     午後一時五十一分散會