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1947-11-14 第1回国会 衆議院 国土計画委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十一月十四日(金曜日)     午前十時五十九分開議  出席委員    委員長 荒木萬壽夫君    理事 細野三千雄君 理事 木村 公平君   理事 的場金右衞門君       足立 梅市君    伊瀬幸太郎君       松澤  一君    溝淵松太郎君       山本 幸一君    鈴木 明良君       田中 角榮君    高田 弥市君       松浦 東介君    野本 品吉君       高倉 定助君    只野直三郎君  出席政府委員         總理廳事務官  財津 吉文君         總理廳事務官  伊東 五郎君         大藏事務官   河野 通一君         厚 生 技 官 三木 行治君         農林事務官   伊藤  佐君  委員外出席者         議     員 大石ヨシエ君         議     員 川崎 秀二君         議     員 星島 二郎君         議     員 庄司 一郎君         内務事務官   三島 利美君         農林事務官   奧原日出男君         專門調査員   西畑 正倫君     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  委員派遣承認申請の件  治山治水對策小委員長中間報告延期の件  一 下津港を開港場指定請願山口喜久一  郎君外二名紹介)(第四二四號)  二 伏木浚渫費國庫補助請願橘直治君紹  介)(第七八八號)  三 伊佐津水系河川砂防工事施行請願(  大石ヨシエ紹介)(第八八四號)  四 山梨縣水害復舊費全額國庫負擔の請願(  松澤一紹介)(第八八七號)  五 三重縣下旱害防止費國庫補助請願(川  崎秀二紹介)(第九〇一號)  六 番匠川改修工事促進請願梅林時雄君紹  介)(第九六三號)  七 荒川上流改修工事促進請願山口六郎次  君紹介)(第九八〇號)  八 玉野市砂防工事施行請願星島二郎君外  一名紹介)(第一〇〇一號)  九 金華山松島旭山牡鹿半島本吉海岸  を含む地帶國立公園指定請願庄司一郎  君外二名紹介)(第一〇一三號)  一〇 御正村地内荒川上流護岸工事施工請願  (松崎朝治紹介)(第一〇四九號)  一一 岩手縣水害對策に關する請願山本猛  夫君紹介)(第一〇七四號)  一二 三ヶ尻地區北川水害復舊助成請願(  小澤佐重喜紹介)(第一〇八〇號)  一 英彦山、求菩提、邪馬溪及び日田盆地を含  む地帶國立公園指定陳情書  (第八號)  二 戰災都復興に要する經費國庫補助及び新  規市營企業許可等に關する陳情書  (第二七號)  三 昭和二十二年度復興土地區劃整理補助金増  額に關する陳情書  (第二九號)  四 戰災都復興助成に關する陳情書  (第三〇號)  五 治山治水事業の一部移管反對に關する陳情  書(第四〇  號)  六 山陽國道改良促進に關する陳情書  (第五四號)  七 臨時建築制限令に關する陳情書  (第五六號)  八 全國主要道路整備に關する陳情書  )(第六〇號)  九 可愛川水系河川改修工事施行促進に關す  る陳情書  (第七一號)  一〇 蒲生峠竝びに春來峠隧道工事施工の陳  情書  (第九二號)  一一 霞ヶ浦洪水位底下工事即時施行に關する  陳情書  (第九九號)  一二 鈴鹿川水系砂防工事等施行促進に關する  陳情書  (第一〇六號)  一三 秋田縣水害地區復舊促進に關する陳情書  (  第一五七號)  一四 蒲生川支流小田川、荒金川砂防工事促進  に關する陳情書  (第一八六號)  一五 野坂川砂防工事促進に關する陳情書  (第二〇四號)  一六 庄川、小矢部川改修工事促進に關する陳  情書  (第二〇五號)  一七 田尻川改修工事施行促進に關する陳情書  (第二  一六號)  一八 宮城縣における水害對策に關する陳情書  (第二一八號)  一九 大森川、正光川砂防工事促進に關する陳  情書(  第二二〇號)  二〇 米代川、阿仁川改修工事施行に關する陳  情書  (第二二一號)  二一 江合、鳴瀬、吉田三川合流工事促進に關  する陳情書  (第二二二號)  二二 秋田縣における水害對策に關する陳情書  (二二三號)  二三 岩手縣における水害對策に關する陳情書  (第二三二號)  二四 大阪市内水害對策工事施行促進に關する  陳情書  (第二三六號)  二五 秋田縣における水害對策に關する陳情書  (第二四四號)  二六 山形縣における水害對策實施に關する陳  情書  (第二四五號)  二七 笠岡港修築工事促進に關する陳情書  (第二八〇號)  二八 國道號線一部改修に關する陳情書  (  第三〇三號)  二九 鮭川改修工事施行に關する陳情書  (第三〇  四號)  三〇 伏木浚渫工事費國庫補助増額に關する  陳情書(第三一二  號)     ―――――――――――――
  2. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 これより會議を開きます。  お諮りいたします。先般本委員會におきましても討議されました請願のうちで霞ヶ浦干拓中止請願がございますが、この請願營時審査のときにおきましても、各委員より熱心な御質疑等つたのでありますが、要しまするに政府直營の干拓工事現地より中止してくれという請願なつて現われましたことは、いわば前代未聞でありまして、この干拓工事治水關係との關連を現地につきまして十二分に調査をしなければこれが審査は困難であるというお申出は、數名議員からもその當時お話があつたのでありまするが、爾來檢討を續けておりましたところ、どういたしましてもこれはやはり現地調査をすることによつて最後の採否を決定すべきだという結論に到達いたしましたので、數名委員現地おいで願つて、十分に調査をいたしたらいかがとかように考える次第であります。しかるところ一方におきまして、現地調査につきましては、會期切迫の折から議事進行支障を來さないようにという趣旨申合せも、議會運營委員會において採擇さられておるやうに承つておりますので、十分にその點を勘案いたしまして、できれば來る日曜日の一日だけを費しまして、右の調査をいたしたいと考える次第であります。以上申し上げました車柄につきまして御異存はございませんでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶものあり)
  3. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めます。そういたしますれば衆議院規則第五十五條によりまして、本日の議院運營委員會に諮られた上で議長の御承認を求むるよう申請手續きをとりたい存じます。さよう御了承を願います。  續いて本日の日程に入るのでありまするが、日程治山治水對策小委員長中間報告に關する件は、都合によりまして延期いたします。紹介議員の御出席の順序に從いまして、日程によりまして議事に入ります。     —————————————
  4. 荒木萬壽夫

  5. 川崎秀二

    川崎秀二君 本年度の全國における旱害状況は、近來ようやく議員内において大きく取上げられまして、水害が目に痛ましく、かつ大規模に感ぜられるに反しまして、旱害の方は從來比較的關心が薄かつたように考えておりますが、米作に影響し、かつ將來耕地復舊を要するという面からいたしますれば、旱害の深刻なことはようやく世人の認識を深めてまいつたと考えております。三重縣下におきまする旱害は主として滋賀縣との縣境方面に深刻でありまして、三重縣阿山郡、滋賀縣との縣境の方面が一番ひどかつたのであります。これは簡單に申しますと、六月の中句から八月の末までに雨が一、二囘しか降つておらない。雨量は昨年度の三〇%に過ぎないありまさで、六十八日間一度も降らなかつたという悲惨な状況に立至つたこともあるのであります。從いましてこれに對する應急の措置、また將來耕地復舊に對しまして、地元においてはぜひとも國庫補助をいただいて、速やかに應急對策恒久對策を確立しなければならないという機運が濃厚となつておるのであります。この點に關しましては農林當局においてもまた大藏當局におきましてもそれぞれ情報を入手され、對策を講ぜられると思うのでありますが、一應の農林並びに大藏當局の御意見をこの際伺つておきたいと思います。
  6. 伊藤佐

    伊藤(佐)政府委員 ただいま川崎議員からお述べのありました旱害対策でございますが、農林省といたしましては、本年度相當額旱害對策に對する費用を今囘の追加豫算要求いたしたのでありますが諸般關係からいたしまして、非常に壓縮されるのやむなきに至つたのであります。大體現在では旱害對策のために追加豫算に計上された額は五千萬圓程度でありますが、これではとうてい今囘旱害對策といたしましての費用としては不十分でありますので、今後本年度内において何らかの方法によりまして、追加増額いたしたいと考えておりまして、目下それぞれ關係各省と折衝いたしておる次第であります。それからただいまお述べになりました三重縣下の特殊重粘土地帶でありますが、これはわれわれの方でも明年の植付までに、あるいは一種の土木工事的な耕地復舊を必要とするわけでありますが、それをやらないとどうしても明年の作付ができないということは明白でありますので、その點についても特に今後何とかして復舊ができるような方策を講じたい。かように考えております。
  7. 荒木萬壽夫

  8. 河野通一

    河野(通)政府委員 ただいまの旱害の問題につきまして、大藏當局として考えておりますところを申し上げてみたいと思います。本年度旱害實情に即しまして、できるだけのことはいたしたいということで、かねがね配慮いたしておつたわけでございますが、なにぶんにも財政状況が御承知通り非常に窮屈なために、今囘の追加豫算第七號におきましても、旱害關係復舊經費といたしましては、公共事業費のうち、ただいま開拓局長さんからのお話通り、約五千萬圓程度を計上するに止めなければならぬということに相なつた次第であります。今後におきまする見透しにつきましては、歳入及び豫備費餘裕等を考慮いたしまして、できるだけ考えてまいりたいと思うのでありますが、ごく簡単に申しまして、現在までに提出されております豫算は、補正第八號まででありますが、第八號以下におきまして、九號あるいは事務都合上十號というものが出ることになるかと思いますが、それと今後豫備費で出さなければならぬもの、及び次の国會において二十二年度追加豫算として御審議をいただかなければならぬものとを全部食つてしまい、しかも新しいできるだけの財源を見つけまして、これで賄い、すつからかんになるまで財源を出してみて、それに對する現在まで豫定されております要求額を入れますと、大體要求額財源に對して約三倍強に上がつております。ちよつと具體的數字を申し上げることは差控えさしていただきたいと思いますが、そういう状況でありまして、もちろん三倍強に上がつております要求額に對しましては、財政状況から見まして極力壓縮はいたすつもりでありますが、そういうような財政現状からみまして、この旱害方面に割き得る金額がどの程度出てまいりますか、相當皆様方に御満足していただけるような結果が得られるかどうかを、非常に實は遺憾ながら疑わしく存ずるような次第であります。事情は十分にわかつておりますので、極力財政状況とにらみ合わせまして、考えてまいりたいと思つておりますが、ただいまのところでは、今申し上げましたような財源關係等からにらみ合わせまして、的確なお答えを申し上げることのできぬことをはなはだ殘念に思います。
  9. 川崎秀二

    川崎秀二君 開拓局長から詳細な御答辯をいただきましたが、問題は今年度米收に響いた部面よりも、今後の耕地復舊ということが私どもの縣の情勢としては重大なのであります。今申されましたように、特殊の粘土質でありまして、一度田が割れますとこれが一丈ないし一丈半の深さまでに底か割れているという状態で、大規模土木工事を行わなければならぬという状態に立ち至るのであります。明年の三月ないし四月までにこの復舊工事をいたさないでおいては、來年度作付けというものは全然できない。その結果及ぼす影響というものは約一萬五千石から二萬石に上る減收になるのではないかと私は觀測いたしております。それと同時に農家の生活權というものは危殆に瀕する。この二つの點から十分の御考慮を農林當局に要望いたしたいと思うのであります。大藏省當局におかれましては、非常は財政の苦しい状態でありますけれども、今後の追加豫算で組まれましたところの全國を通じてでもわずかに五千萬圓というような状態では、この三重縣下における旱害だけでもおそらく六、七萬圓要求額が出ておるのではないかと私は推測いたしております。三重縣阿山關係だけでも、四千二百萬圓要求をいたすということを聞いておりますので、もちろん財政上の非常な苦しさというものはあると思うのでありますが、今後の追加豫算竝びに豫備金などというものから、ぜひとも捻出をしていただきたいということを要望いたしまして、私の紹介を終わる次第であります。     —————————————
  10. 荒木萬壽夫

  11. 庄司一郎

    庄司一郎君 本請願趣旨は、宮城縣日本三景一つであるところに推奨されてまいりました松島海岸一帶より、松島の沖合にあります金華山という霊山、竝びに旭山牡鹿半島一帶より本吉海岸一帶に至る地域を包含いたしまして、速やかに國立公園としての御指定を受けたいという請願趣旨であり、要點でございます。松島はいまさら改めて喋々申し上げるまでもなく、古來國内においては最も有名な風光佳絶の場所でございます。古來幾多の文人墨客紀行文あいるは詩歌、俳句等によつて著名な地域であるだけでなく、歐米における文豪詩人等の來朝の際は、必ず松島を訪問されて、その明媚なる風光を觀光されているのであります。數年前にも、イタリーのダヌンツイオの最高の弟子の文豪が來られて、イタリーにおけるナポリの風光にも優るところの結構な地域であるということを激賞されておつたのであります。從いまして最近においてもマツカーサー夫人がこの夏、久しく松島パークホテル等に滞在されて、附近の風光をめでておられたような次第であります。今囘石巻市長鹽釜市長を初め關係町村二十六名の連署連名によりまして、速やかに政府におかれましてはこの地域一帶を國立公園として御指定の上、適當指導誘掖を賜りたいということをお願いいたしているのでありますが、宮城縣においてはご承知のごとく縣立公園課を設け、この松島町に公園課の出張所を置きまして、平素觀光地域としてでき得るだけの施設をやつている状態であります。何とぞ本委員會におきましては御審議の上、御採擇をお願い申し上げたいのであります。なお委員長より、關係政府委員より本請願に關する御意見等を御聴取くださることができますれば、まことに幸甚の至りであります。
  12. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 これに對する政府側意見を求めます。
  13. 三木行治

    三木政府委員 請願の御趣旨は、松島小鹿半島金華山本吉海岸などの宮城縣東北部海岸國立公園指定されたいという點でありますが、ただいま御指摘になりました通り松島は古來日本三景一つといたしまして、すでに人口に膾炙されておる所であります。また金華山牡鹿半島本吉海岸方面東北地方における景勝地として、これまたすでに有名な所でありますが、當局といたしましてはこの地域調査を未だいたしておりませんので、なるべく速やかにこの地域調査を行いまして、善處いたしたい、かように考えておる次第であります。
  14. 庄司一郎

    庄司一郎君 たいへんありがたい御意見、御答辯を承りまして感謝にたえません。なるべく速やかにご意見のごとく實地調査を賜りまして、さいわいに宮城縣縣内有志をもつて、宮城縣觀光協會あるいはこの請願あるいはこの請願に關する國立公園期成同盟會などができ上がつたのでありますから、實地調査においでくださいますれば、各方面を廣く深く御檢討を願うところの御案内等まで準備しておるのであります。この國會の終了をまつて、速やかに御調査あらんことをお願いいたします。これをもつて私の請願を終わります。     —————————————
  15. 荒木萬壽夫

  16. 松澤一

    松澤(一)委員 九月十四、十五日の兩日にわたりまして、關東一圓を襲いました颱風は、さずか二日間の短時日でありましたが、時間的降雨量から見ますれば、明治三十七年以來初めての大雨でありまして、本縣における最高雨量は五三〇ミリに達し、ために河川は急激に増水し、必死の防水作業も空しく、道路橋梁流失、あるいは林野の崩壊または堤防の缺壞による耕地流失等、その被害見込額はただいままでに判明いたしておりますものだけでも、總額八億二千三十八萬四千億圓の巨額に達し、内復舊を要しますもの、縣施設及び市町村施設を合し、五億二千二百九十四萬二千餘圓の多額となるのでありますが、本縣のごとく天然資源に乏しく、縣民の資力きわめて貧弱なる縣におきましては、經常的經費の負擔にも困難なる實情でありまして、かかる多額なる臨時的經費の負擔はとうてい不可能の状態にあります。また地元町村民よりも、これが復舊に關し、政府格別なる援助方を懇請せられたい旨の熾烈なる要請にも接しておる次第であります。  何率以上のごとき特殊事情を、とくと御賢察下さいまして、復舊費に對し、全額の國庫補助金を交付せられますよう、格別の御配慮を願いたく臨時縣議會の議決によりましてここにお願いいたす次第であります。
  17. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 これに對する政府側意見を求めます。
  18. 三島利美

    三島説明員 山梨縣の今次の災害が非常に激甚でありましたことはただいま御説明通りであります。内務省關係土木施設復舊費につきましては、災害實地査定が濟みまする前に、さしあたりの補助金のいわば内渡しというかつこうで、この第三、四半期に二千萬圓だけでとりあえず補助金の支出の手續をとつたのであります。その後の處置といたしましては、全國の災害地區四十府縣災害査定をやつておりまして、今月の下旬までには全部が完了いたすのであります。その全部の増額措置を極力とりたい方針で折るのであります。なおまた補助率の問題でありますが、これにつきましては財務當局と極力折衝いたしまして、國庫財政の許す範圍内におきまして、極力各府縣の要望に副うように一層努力いたしたいと思つておる次第であります。
  19. 伊藤佐

    伊藤(佐)政府委員 この夏の水害復舊費に對します國としてとりました措置は、ただいま内務省の方からお述べになりましたように、とりあえず内渡しといたしまして、山梨縣に對しまじては、農林省關係といたしましては七百四十九萬圓程度であります。今囘の水害竝びに七月の水害に對しましては相當額要求をいたしました。そして本年内に少なくとも三割五分程度復舊をいたしまして、來年度作付けに間に合うように、その程度のものをいたしたいという考えで追加豫算要求をいたしましたが、先ほど申し上げましたように諸般關係からいたしまして、非常に減額いたされまして、わずかに現在の豫算として一割四、五分程度復舊しかできない、こういつたような状態でありました。來年の米の收穫特に今囘の水害でやられましたところは河川の近くでありまして、いずれも米作地帶なのであります。かような意味合いからいたしまして、來年度の主食の増産にこのままでは非常に支障を來しますので、今年度内におきましてなんらかの方法によりまして、豫備金あるいは追加豫算等方法によりまして極力増額をはかつて、復舊を用意ならしめたい、かように考えております。
  20. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御質疑等ございませんか。     —————————————
  21. 荒木萬壽夫

  22. 大石ヨシエ

    大石(ヨ)委員 伊佐津川は京都舞鶴市の西區にありまして、池内川は彌仙山及び養老山連峰に源を發しております寺田川を合わせて西流し、字池内下山嶺に源を發する池下谷川と合して北流し、舞鶴西灣に流入しております。與保呂川は舞鶴東地區南東方にありまして、養老の山嶺に源を發して、菅坂池邊兩川を集めて北流し、舞鶴東灣に流入するものにして、各川はいずれも上流流路、勾配灯急にして、降雨量出水早く、古來しばしば洪水氾濫し、漸次河床に起状を生じ、不良な河状になりましたので、昭和六年及び十二年に砂防設備地指定を得まして以來、國庫補助のもとに京都府において砂防工事を實施せられたのであります。河状やや安定いたしまして沿岸の住民著しく感謝し、生産に勵んでおつた次第であります。しかるに戦時中舞鶴市は御存じの通り軍港の所在地でありましたので、周圍諸山連峯における山林を伐採し、多數の軍治施設急造等により、山の様相は悪化し、降雨ごと沿岸洗堀浸蝕はなはだしく、河状再び荒廢を來し、殊に昭和二十年、二十一年の出水によりまして、河状さらに荒廢致しました。一度豪雨に際會せんか、山崩れとともに大洪水を惹起して慘禍の及ぶところ甚大にして、まことに憂慮にたえない現状であります。  いまやわが國は産業、經濟、文化等あらゆる都面において復興再建の途上にあることは力強い限りでありますが、これと密接不離關係にある國土計費の一環たる治水利水積極的計費に基づく砂防工事施行こそ、現下地方再建緊急要諦と信じますので、速急に前記各川に砂防工事を實施せられ、もつて食料増産に寄與し、民生安定に資せられんことを切望するものであります。願わくは如上の事情御清鑑を賜りまして、これが實現に格別の御努力を賜らんことを切に懇願する次第であります。本請願を提出いたしました理由は右の次第でございます。
  23. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側意見を求めます。
  24. 三島利美

    三島説明員 京都府の舞鶴市内を流れております各河川砂防工事につきましては、豫算が非常に僅少なために、池内川筋に對して昭和十四年から十八年にわたる間に十五萬圓ほど投じて砂防施設を施したに止まりまして、その後は經費の縮減のために、つい工事中止のやむなきに至つておりますことは、非常に遺憾に存じておる次第でありまして、先ほどお示しの核河川につきまして、今後一通り佐坊施設をやるといたしましても、少なくとも約一千萬圓を必要をするのでありますが、この地區砂防施設の必要なることは十分認めておりますので、今後極力豫算増額に努力いたしまして、できるだけ御期待に副うようにいたしたいと存じます。
  25. 大石ヨシエ

    大石ヨシエ君 ちよつとお尋ねいたします。今後できるだけ努力するとおつしやいましたが、どの程度努力してくださるのでしようか、その御返事を望みます。
  26. 三島利美

    三島説明員 豫算折衝の結果でなければわからないのでありまして、現在といたしましては、はなはだ漠としたことで申し上げるほかはないと思います。やはりできるだけ努力すると申し上げるより、ちよつと今のところ言いようのない次第であります。
  27. 大石ヨシエ

    大石ヨシエ君 いつの豫算にこれを繰入れてくださいますか。來年度ですか。
  28. 三島利美

    三島説明員 今年度におきましては、追加豫算機會も見込みがありませんので、できるかぎり明年度あたりという所存でありますが、それは今後の豫算折衝にかかつております。今しばらくお待ち願いたいと思います。
  29. 細野三千雄

    細野委員 政府砂防五箇年計費があるように承つておりますが、その計費の中にはいつているのですか、その點を承つておきます。
  30. 三島利美

    三島説明員 五箇年計費は目下檢討中でありまして、正才の府縣の直轄砂防についてはこちらで一々具體的な箇所を掘つておりますが、これは府縣補助箇所でありますので、ある程度豫算がきまりまして、そのわくの中で府県は順位をきわめるということになる次第でございます。
  31. 大石ヨシエ

    大石ヨシエ君 政府にお尋ねいたしますが、それでは明年度豫算にこれを繰入れてくださるように御交渉くださいますか、どうでしよう。言質をとつておかないとこれはだめになりますから……。
  32. 三島利美

    三島説明員 極力努力するということより申し上げられない次第でございます。     —————————————
  33. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 これより本委員會に送付されました陳情書につきまして、これを審査いたします。まず日程順によりまして、陳情文書表に基づきその大要を御紹介いたしまして、次にこれに對する政府側の御意向を承りました上、もし御質疑等ございますれば、これを許可いたしたいと思います。では順じ陳情書の審査に入ります。  日程第一、英彦山、求菩堤、邪馬溪及び日田盆地を含む地帶國立公園指定陳情、文書表番号第八號、陳情者英彦山求菩堤國立公園期成同盟會長林田惣七郎外二十一名。  概要を申し上げます。今日の國立公園は自然の保護により郷土愛、祖國愛の崇高なる精神を揚げさせ、廣く國民をして容易にその環境に入らしめ、心身の錬成をさせる目的を有するものと考察する。ついては本英彦山、求菩堤、邪馬溪國立公園は、この使命達成に多大なる寄與をいたすものと信ずるから、速やかに指定されたいというのが陳情の要旨であります。これに對する政府側意見を求めます。
  34. 三木行治

    三木政府委員 陳情の御趣旨は、英彦山、求菩堤、邪馬溪及び日田盆地を含む地帶國立公園指定されたいという點でございますが、ただいまの陳情書にもございましたようにこの地域は九州における景勝地でありまして、世界的に有名な阿蘇國立公園と近接いたしております。そこで當局といたしましては、將來の國際観光情勢に對處いたしますためにも、阿蘇國立公園の一環として保護利用の萬全をはかりたい、かように考えて準備をすすめておる次第であります。なお日田盆地につきましては、保護すべき景観その他に關しましてなお檢討を要する點がございますので、この地域については目下研究中でございます。
  35. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 ただいまの政府側の御意見は、大體陳情趣旨に御同意のようであります。お諮りいたします。この陳情に對しましては了承ということに決定いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  36. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 異議なしと認めましてさよう決定いたしました。     —————————————
  37. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第二、戰災都復興に要する經費國庫補助及び新規市營企業許可等に關する陳情書。全國戰災都市連盟會長石見元秀、文書表番號第二七號。  要旨を申し上げます。戰災都市は終戰以後、復興と戰災者引揚者の援護に努力したが、資材資金の不足により、現在は殆ど行詰りの状態なつているので、本連盟は、その打開策として、目的達成に要する經費國庫補助要求、新規市營企業による資金調達等の施策を議決した、ついてはこれら事項の達成を要望する。というのがその要旨であります。これに對する政府側意見を求めます。
  38. 財津吉文

    ○財津政府委員 この陳情はまことにごもつともでありまして、戰災都市がその復興經費が足りないで弱つていられることは私たちよく存じております。從つてできるだけ國庫補助をたくさん出せるようと思つて努力をいたしておりますが、ご承知通り國庫財政窮迫のために、今日まで思うような國庫補助額を計上することができなかつたのであります。しかし陳情の御趣旨にもありましたように、きわめて重要なことだと存じますので、來年度豫算においては要望に副い得るようただいま努力をいたしているところでございます。
  39. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本陳情に對します政府側の以降はお聽きの通りであります。本件も趣旨了承と決定するに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  40. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めましてさよう決定いたしました。     —————————————
  41. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第三、昭和二十二年度復興地區畫整理補助金増額に關する陳情、文書表番號第二九號陳情者戰災復興九州ブロツク代表福岡縣提出。  陳情の概要を申し上げます。全國戰災都市の復興は、五箇年繼續事業として、著手のこととなつているが、本事業に對する昭和二十二年度豫算は約六億圓に過ぎない、この豫算では、根本的な都市計畫の遂行に支障となる憾がある、政府復興地區畫整理に對する補助金が、少なくとも三十億に達するよう、速やかに追加豫算に計上していただきたい。これがその要旨であります。これに對する政府側意見を求めます。
  42. 財津吉文

    ○財津政府委員 この問題も先ほど申し上げたものと同様でありまして、御趣旨のように三十億くらいの豫算は必要であろうと存じます。しかしすでに二十二年度豫算はきまつており、追加豫算もすでにきまつてしまいましたので、今さら三十億というような豫算を計上することはできないのでございます。昭和二十三年度すなわち來年度豫算に必要な國庫補助の額を計上することのできますよう今努力をいたしておるところでございます。國土計畫委員の皆さん方あるいは地方の皆さん方も、側面的に援助していただきますればさいわいだと存じます。
  43. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側のご意向はお聽きの通りであります。本件も趣旨了承と決定するに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  44. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御域なしと認めまして、さよう決定いたしました。——日程第四は政府側都合もあるようなのでございますから延期いたします。     —————————————
  45. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 次は日程第七、臨時建築制限令に關する陳情書陳情者北海道一般勞働組合連合會。  臨時建築制限令の實施によつて、標記の勞働組合員の關係當事者は、失業と生活の困難に陥つている。ついては當組合の持つ特殊性と過剰人口の土地である點を考慮して、前記法令の彈力性ある運營をされたい。  以上が陳情の要旨であります。これに對する政府側意見を求めます。
  46. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 建築の制限規則のために建築工事が制限せられまして、その關係の勞務者の失業と生活困難に陥つておるのであります。それで土地の事情によりまして、彈力的な運營をせられたい、こういう御趣旨でございます。この建築制限規則につきましては、ただいま非常に乏しい資材を最も重點的な方面に流して活用しなければならぬという事情にありますので、これを全面的に撤發するということは、ただいまただちに實施することは困難であろうと思います。ただ土地の事情によりまして、彈力性のある運營をするという點につきましては、私どももそういう心構えで運用いたしております。この趣旨につきましては同感でありますので、今後ともこの方針で進みたいと思います。
  47. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の意向はお聽きの通りであります。本件も陳情趣旨了承と決定いたしたいと思いますが、御異議はありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  48. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたしました。以下の陳情都合によりまして延期いたします。  恐縮でありますが、さらに請願日程に還りまして、紹介議員の御出席がありましたので續行いたしたいと思います。     —————————————
  49. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 日程第八、玉野市砂防工事施行請願星島二郎君外一名紹介文書表番號第一〇〇一號、紹介議員説明を求めます。星島二郎君。
  50. 星島二郎

    星島二郎君 玉野市は瀬戸内海の沿岸にあるのでありますが、あの邊はわけてもずつと砂地が多く、町のいろいろな樹木の育ちが悪いために、常に沿岸の人は困つておるようなわけでございます。昨今玉野市は造船所その他非常に發展しているところでありまして、砂防工事は從來相當金を注ぎこんでやつておるわけでありますが、今囘もこれをやらないと非常に玉野市の將來のために、殊に水道のためにも困りますので、ぜひこれは採擇の上、當局においても一日も早く實施を願いたい。かような趣旨であります。
  51. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 本件に對する政府側の御意見を求めます。
  52. 三島利美

    三島説明員 岡山縣の玉野市内の各渓流の砂防工事については、昭和十五年から十九年までの間補助事業といたしまして實施いたしたのでありますが、その後經費削減に遇いましてつい中止のやむなきに至つておるのであります。今後極力豫算増額に努めまして、できるだけこの工事を復活實施いたしたいという方針です。
  53. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御質疑等はございませんか。  本日はこの程度にいたしまして、次の委員會の日時は公報をもつて御通知申し上げます。本日はこれをもつて散會いたします。    午前十一時五十五分散會