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岡田(春)
委員 今度は勞働
關係のことでありますが、勞働
大臣が見えるまで、ひとつ
商工大臣の方に勤勞
關係としてお
伺いいたしておきたいと思います。
昨日でありましたか、一昨日でありましたか、閣議で
石炭非常増産對策要綱、これが決定されたことを、新聞で拜見しました。この中で
勞働者の
關係、特にこれは重要な問題でありますが、いわゆる時間延長の問題が、大體三本建として
經營協
議會で
團體協約によ
つてこれをきめていこう。こういうことに
なつたように新聞で拜見いたしたのでありますが、これは時間延長の問題が、當面の三千
萬トンの増産のためにいま直ぐに必要である。こういうような意味で、この
法案がもし
國會を通過いたしまして、
實施をいたしますならば、これがこの前の御
答辯で二月の末あるいは三月という話でありますから、それまでの期間も待てないから、ともかくとりあえず
經營協
議會で
團體協約によ
つておきめになろう。こういうことでおきめに
なつたのであろうと思います。ところがこの點について、特に
商工大臣もよく御承知であろうと思いますが、私申し上げておきたいのは、現在炭
勞働者の實勞働時間というものは、平均五時間半ぐらいであります。拘束八時間のうちで約二時間半というもののロスが出ておるわけであります。これにつきましてその
内容をもう少し見てみますと、この二時間半の時間というものは、決して
勞働者が遊んでむだにしているのではないということを、
はつきり申し上げたいのであります。
具體的に例をあげて申しますならば、これは特に最近
生産能率が惡いといわれておる北海道の實例を申し上げたいと思いますが、北海道は實働時間五時間十三分であります。ところが、この五時間十三分の中で、時間のむだにな
つているのは、たとえば箱待ち時間が十七分、機械の故障で止
つていて仕事にならない時間が三十一分、休憩時間は拘束時間でありますから
當然でありますけれども、これが三十九分、それから往復時間が五十八分、これも人車が故障のために、よけい往復時間を食う。こういうふうに、
一つ一つ例をあげてみましても、
勞働者が働かなくて五時間十三分で引上げるのではない。實は坑内の機械がま
つたく荒廢してしま
つて、坑内の機械の整備を行わない限り、
勞働者がいかに働きたくとも働けない
實情にあるのであります。この點が一番大切な問題であると思います。現實に
炭鑛の
勞働者は、日本の再建のために血みどろにな
つて、あらゆる惡
條件のもとに素つ裸にな
つて働いているのであります。この
實情を
考えます場合において、拘束八時間
制度をたとえば九時間にされましても、あるいは十時間にされましても、それの裏付になるべき設備の整備というものが行われるということ、それからまた勞働力の再
生産のためにぜひとも必要であるところの生活必需物資というものが増配されるということ、この
二つが
絶對に確保されなければ、いたずらにこれは勞働力の酷使にな
つてしまう。結局働く
勞働者だけを犠牲にする結果にな
つてしまう。この點を十分御認識にな
つていただきたいと思います。この點について坑内の機械整備に要する
資材の確保、それから生活必需物資の増配についていかなる確信をも
つてこの閣議決定の裏付にされておられるか、
はつきりと
具體的に
商工大臣から
お話を承りたいと思うのであります。