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久保政府委員 ただいまの
特許法は
大正十年に
改正されまして以來、大した
改正が加えられておりませんので、いろいろ
改正しなれけばならぬと痛切に
感じておる問題が、非常にたくさんあるのでございます。それにつきまして、實は私
どもの方でも鋭意研究をいたしておるのでございますが、何ぶんこれほど
厖大にわた
つております
法律というものも、
行政官廳としても
つておるものといたしましては、きわめて珍しい
程度の
厖大なもので、かついろいろの點において係合いがございますので、一箇所だけを
簡單に直すということが非常に困難でございます。
終戰以來鋭意研究努力いたしておるのでございますが、全體を
改正いたすのは、もうしばらく時間をかしていただきたいと
考えておるのでございます。
工業所有權制度は、
世界各
國共通のものでございまして、それぞれ自國の
産業を助長しようということをねら
つておりますので、一面國内の
産業を伸ばすように立案されますと同時に、他面
世界各國の
利益が衝突しないようにするために、
同盟條約というものも結んでおりますような次第で、しばらく
戰爭のために、その間
世界各國のこの
制度はどういうぐあいに動いておりますかという點を、目下私
どもの方で全然窺知し得ませんために、今しばらく時間をおきまして、その方面の資料をも入手したいと
考えまして、
目下連合軍の方にも懇請いたしている次第でございます。
軍事祕密の問題につきましては、このたび新憲法によ
つてわが國は
戰爭を放棄した次第でございますので、今全然必要がない次第でございます。これにつきましては、至急この
軍事祕密に關しまする
條文を削除いたしたいと
考えまして準備はいたしたのでございますが、これが
ちよつと特別の
關係によりまして實現し得ないような
状態にあります。いずれ今秋か來年の初めぐらいになると思いますが、
民事訴訟法が
改正されるに從いまして、
特許法も
當然改正されなければならない部面がございますので、そのときにはぜひとも
祕密特許の
條項を削除いたしたいと
考えている次第でございます。