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1947-08-22 第1回国会 衆議院 皇室経済法施行法案特別委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十二年八月二十二日(金曜日) 午前十時三十一分
開議
出席委員
委員長
森 三樹二君
理事
岡野 繁藏君
理事
苫米地英俊
君
赤松
明勅
君 尾崎 末吉君 高岡 忠弘君 古島 義英君
本田
英作
君 村上 清治君
黒岩
重治君
東井
三代次君
出席政府委員
法制局次長
井手
成三君
宮内
府
次長
加藤
進君
宮内
府
事務官
塚越
虎男君 ————————————— 本日の
會議
に付した事件
皇室經濟法施行法案
(
内閣提出
)(第三一號)
日本國憲法
第
八條
の
規定
による
議決案
(
内閣提出
) —————————————
森三樹二
1
○
森委員長
ただいまより
會議
を開きます。 前囘に引續き質疑にはいります。
委員
の發言を許します。
本田英作
君。
本田英作
2
○
本田委員
私はごく簡單な
事項
につきまして二、三
お尋ね
したいと思います。
内廷費
というものの中に、
人件費
ははい
つて
いないことにな
つて
おりますか。
加藤進
3
○
加藤
(進)
政府委員
お答えいたします。
内廷費
の中には、
陛下
が私の
立場
でお
使い
になる、たとえばお祭に奉仕する人がございます。これは役人ではございませんので、そういう人の
人件費
は多少はい
つて
おります。
本田英作
4
○
本田委員
別にお
名前
をおつしやらぬでもいいですが、
皇族
の方で、この
法律
の
施行
によ
つて臣籍
に
降下
せられるお
方々
の
將來
の
生活
の
方途
と申しますか、
將來
どういうことをしていかれるかというようなことが、もし御
答辯
ができるならば、お答えできる
範圍
でお
聽きし
たいと思います。新聞に御十
一家
の
方々
で、今度この
法律
が
施行
せらると、
臣籍
に
降下
せられるように出ておりましたが、そういうお
方々
が
臣籍
に御
降下
なさるについて、
將來
どういう
方途
で
日常生活
をなさるかということですから、一々
具體的
な
名前
をおつしやらぬでも結構でありますが、差支えない
範圍
でお願いいたします。
加藤進
5
○
加藤
(進)
政府委員
お答えいたします。それぞれに御
事情
もお違いになりまするし、
お年
も、年をと
つた
方もあり、これから
學校
におはいりにな
つて
修業してという方もありますので、各
宮家
について
事情
は違うのでございますが、大體三十くらいまでのお若い方は、それぞれ
學校
にはい
つて
、それからお
考え
になることと思います。
お年
をおとりになりました方は、これからどうということもございませんので、それぞれに
方途
をお
考え
にな
つて
おるようでございますが、まだどの
宮樣
も、はつきりこういう途を主としてとるというところまでは行
つて
おりません。
宮内
府といたしましては、これはむしろ從來の御縁故によりまして、私事といたしましてお世話することになると思いますが、まずこの
施行法
によりまして手におはいりになりました金を保全いたしていく、それが有利でかつ確實なように運用されていくというような方に、まずお世話を申し上げなければならぬと存じております。
本田英作
6
○
本田委員
ちよ
つと申し上げていいかどうかわかりませんが、
李王家
は十
一家
の中にはい
つて
おるのでございましようか、それを
一つ
。
加藤進
7
○
加藤
(進)
政府委員
李王樣
の方は、これは全然別でございます。
李王樣
は五月三日に、
憲法
の
施行
と同時に
皇室令
が廢止されましたので、ただいま王族としての
身分
を失われておるわけでございます。これは今囘の
議決案件
の
法律
とは、
まつたく
無
關係
に
考え
ております。
本田英作
8
○
本田委員
私はそれだけで結構でございます。
黒岩重治
9
○
黒岩委員
本
法案
の第
二條
、第三條、第四條、第
五條
、第
七條
、第
八條
に示されました
金額
を御決定になられましたところの
根據
を、お示し願いたいと思います。
加藤進
10
○
加藤
(進)
政府委員
第
二條
第一項から申し上げます。現在の物價
状態
では、五
萬圓
という
金額
は、さほど高價でもございませんが、これを何でとりましたかと申しますと、大體家具その他の
家庭用品
のうちの高價なものを想定いたしまして、これを一應の
標準
といたしまして
金額
を
定め
ました。こういうようなものは
皇室財産
を増加するものとも
考え
られませんので、これについて一々
皇室經濟會議
の議にかけるのは、むしろその煩にたえないというので、まず第
二條
第一項の
價額
は五
萬圓
としたのであります。ただいまのは受ける側、つまり
獻上
を受ける側から申しましたが、
賜與
についても同樣でございます。なおこれはよけいな證明でございますが、新しい物價の體系によりますと、
物品價格
は
戰前價格
の六十五倍とな
つて
おりますから、まず今の五
萬圓
の
價額
は、戰前の千
圓足らず
の値になると存じますので、まず五
萬圓
を相當と
考え
たのであります。 次に第
二條
第二項の十
萬圓
について申し上げます。この額は
皇室經濟會議
の議にかけるものでございまするが、
價格
を想定するにつきましては、
現代日本作家
の
美術作品
、繪とか彫刻とか、
工藝品
のようなものでございますが、この一點の
最高價格
をまず十
萬圓
と
考え
て、そういたしました。
骨董品
はこの
價格
をはるかに超えますが、現在
作家
の
作品
としては、この
程度
の
價格
が
適當
だと
考え
ます。この種の
美術品
は
文化日本
の
將來
から
考え
ましても、
獻上
が豫想されます。先ほど申し上げました
家庭用品
より額が上だという點もございますが、
日常
お
使い
になるというわけでもございません、
財産的價値
もある
程度
考え
まして、五
萬圓
の倍額をとりました。今のは
獻上
についてお話しましたが、
賜與
についても同樣の
考え
であります。 第三條で
價額
を十五
萬圓
といたした
理由
でございますが、この
價額
は
同一
人の
同一
年度内における
財産
の授受の
最高限
を
定め
たものでございます。前の五
萬圓
の三倍、十
萬圓
の一倍
半程度
を
標準
といたしまして、合わせて
皇族歳費
の
基準
となる
定額
は二十
萬圓
でございますので、こういうことを
考え
て合わせまして二十
萬圓
から若干減らしました十五
萬圓
を
適當
と認めたのであります。 次に第四條につきまして、
天皇
、
皇后
、太
皇太后
、
皇太后
については、法第
二條
第二項の
金額
十
萬圓
を三倍とした
理由
でございまするが、これらの
方々
は、
一般皇族
と違いまして、國の
象徴
である
天皇
及びその
親近者
としての特別な
地位
を御持ちになりますので、その點を
考え
まして三倍までといたし、これを
皇室經濟會議
の議にかけることといたしました。 次に第
五條
で
價額
を百二十
萬圓
といたした
理由
でございまするが、法第四條に
規定
いたしまする
皇族
は、
内廷
の
費用
でございますが、これは
天皇
と最も
親近
の
關係
においでになる方でございまして、一體として
考え
るのを
適當
とする場合が多いのでございます。
賜與
や
讓受
につきましても各人を分離して
考え
られないものが少くありません。それでこれらの方については、通じて
價額
を想定することといたしまして、額は現在
天皇
と
内廷皇族
が合わせて御八方になりますので、これを十五
萬圓
を八倍いたしまして百二十
萬萬
ということにいたしたのでございます。 次に第
七條
の
定額
八百
萬圓
でございまするが、この内譯を申しますると御
内帑
の
費用
が、いろいろの場合の賜わり等を含めまして三百二十八
萬圓
とな
つて
おります。この
天皇
御
内帑
と申しますのは、
天皇
、
皇后兩陛下
の御
内帑
と
皇太后
及び
東宮
の御
内帑
と申しております。そのほかに
皇子
の御
養育費
といたしまして四十五
萬圓
、それから供御及び
供膳費
、これは御食事とか御會食なさる
費用
でございまするが、これを七十五
萬圓
、御
旅行費
百三十
萬圓
、これは
兩陛下
について申しますれば、やや公的の場合と、また
まつたく
私的の場合とございますが、その中のごく私的の場合の御
旅行費
を見たのでございます。なお
兩陛下
のほかに
皇太后
、
東宮殿下
、
皇子等
の御
旅行
はもちろんこの中に含まれております。次に
祭祀
の
費用
でございますが、これは二十一
萬圓
をみました。これは主として
陛下
は皇祖御歴代、
皇族方
を御祀りにな
つて
おる
内廷
の
祭典關係
の
費用
でございます。次に
用度費
で八十三
萬圓
、これは備品、
消耗品
、
車馬等
の
費用
でございます。その他に
雜費
といたしまして百十八
萬圓
をあげておりますが、これが
先ほどお尋ね
のありました
祭祀
をはじめ
内廷等
で
陛下
が
個人
として使
つて
おる人の
人件費
その他
雜費
のほかに若干の豫備費を含めたのでございます。以上合計いたしまして八百
萬圓
になります。 次に第
八條
の
定額
二十
萬圓
の
根據
でございますが、これは
親王
が御結婚にな
つて親王妃
となられて、第二方の御
一家
が
皇族
として相當の
品位
を保ちながら
生活
に要する
經費
を
考え
てみますと、現在までの
實際
の
所要經費
その他を
考え
合わせますと、まづ少くとも年額四十
萬圓
という數字が出てくるのでございます。その内譯を御參考に申し上げますと、使用人に對する
給與
が十五、六
萬圓
、御
生活費
とか、
交際費
とか、
用度費
とか、
旅行費
とか、營繕費とかいうような
經費
が合わせて二十四、五
萬圓
になります。しかしこの四十
萬圓
の中には、
皇族
のほんとうの
個人
的の私の
經費
も含んでありますから、その大體の七五%を
皇族
としての
品位保持
のために出す
年金
と
考え
ますると、
親王
及び
親王妃
の御二方の
年金
三十
萬圓
となりますので、この額を
皇室經濟法
第六條により、つまり
親王妃
を
親王
の半分と
考え
ますると、成人なす
つた親王
の
定額
二十
萬圓
ということに相なるのでございます。 以上で一
應御答辯
といたします。
赤松明勅
11
○
赤松
(明)
委員
ちよ
つと
速記
を待
つて
ください。
森三樹二
12
○
森委員長
ちよ
つと
速記
を止めてください。 〔
速記中止
〕
森三樹二
13
○
森委員長
速記
を始めてください。
赤松明勅
14
○
赤松
(明)
委員
憲法
第八十
八條
によ
つて
、
舊皇室財産
はすべて
國有財産
に
なつ
た。すなわち
財産税
を徴收されたその後は
國有財産
に
なつ
た。ところでその
國有財産
は
皇室經濟法
の第
一條
に「
皇室
の
公用
に供し、又は供するものと決定した
國有財産
(以下
皇室用財産
という。)は、これを
國有財産法
の
公用財産
とし、これに關する
事務
は、
宮内
府で、これを掌る。」とありますが、
國有財産
には
なつ
たけれ
ども
、それ全部が、要するに
皇室
の
公用財産
というものに
なつ
たのかどうか、その點を承りたい。
塚越虎男
15
○
塚越政府委員
ただいま
お尋ね
の、
皇室用財産
ということにつきましては、この
皇室經濟法
の附則の第二項に「この
法律施行
の際、現に
皇室
の用に供せられている
從前
の
皇室財産
で、
國有財産法
の
國有財産
と
なつ
たものは、第
一條
第二項の
規定
にかかわらず、」——つまり普通でありますれば、
皇室經濟會議
の議を經ることになるのでありますが、それにもかかわらず「
皇室經濟會議
の議を經ることなく、これを
皇室用財産
とする。」という、經過的な
規定
があるのでございます。從いまして、
當時
、
日本國憲法施行
の際において、現に
皇室
の用に供せられている
從前
の
皇室財産
は、すべて一
應皇室用財産
となるという建前でございます。しかしながら
思召
しもございまして、
皇室財産
の中で、民生の安定あるいは産業の
復興
のために寄與し得るものについては、これをできるだけそういう用途に使うようにというような
思召
しもございましたので、この
日本國憲法施行
の際に檢討いたしまして、その中から若干はずしまして、これを
皇室用財産
でないものといたしたのであります。それには、たとえば
新宿御苑
でありますとか、あるいは日光の
御用邸
、鹽原の
御用邸
というようなものがございます。なおそういうふうに整理をして、結局
皇室用財産
となりましたものは、お手もとにお配りいたしました資料にございますような
内容
のものにな
つて
おります。 なお念のために申し上げますと、この
皇室用財産
の
範圍
をきめるにつきましては、この
皇室經濟法案
の
審議
をいたしました
當時
の、
帝國議會
の
審議
の、經過等に鑑みまして、
關係
の方を
委員
といたしまして、
皇室用財産調査委員會
というものを設けまして、その
審議
を經たものであることを申し上げておきます。
森三樹二
16
○
森委員長
速記
を止めてください。 〔
速記中止
〕
森三樹二
17
○
森委員長
速記
を始めてください。
赤松明勅
18
○
赤松
(明)
委員
皇室經濟法
の
内廷費
と
宮廷費
、すなわち第四條と第
五條
とは、ほぼ相よ
つた内容
をも
つて
おる。ところで、第四條の
内廷費
は、いわゆる今提出せられておる
皇室經濟法施行法案
の中に、この第四條の
内廷費
をとらえて、この中で
價額
を決定することがきめられておる。ところが、
宮廷費
は官内府で經理すると、
皇室經濟法
では
うたつて
お
つて
、
施行法
においては、この
價額
というようなものはうたわれていない。この點についての見解はどうですか。
井手成三
19
○
井手政府委員
この
内廷費
の方は、これはこの法文にございますように、
日常
の御
費用
でございまして、
まつたく
私的な
立場
における
費用
を計上したものでありまして、國から呈上しますのは、言葉は惡いのでありますが、
一定
の
渡し切り經費
というような
考え
で、この中で御賄いを願いたいと
考え
ておるのであります。しかるに
宮廷費
の方は、國の
象徴
たる
天皇
もしくはそのまわりの方におきましても、公の
立場
において、たとえば
儀典費
というような例でありますが、
憲法
が制定され、
國家
が大きな
祭典
を行う。あるいはまた
日本
が
講和會議
ができて、
國際關係
において普通の
地位
にもどるというようなおめでたいようなときに、特に大きな
儀典
か行われるということは、
憲法
によりまして、
天皇
が
儀典
をお行いになるということが書いてある。
從つて
その年度内に必要の
關係
で
事項
が減
つた
り殖えたりいたしますので、毎年
豫算
におきまして、
來年度
はどういうような
儀典
が行われるか、
來年度
は
天皇
がどういうような國の大きな行事を行わせられるかということを一々御
協贊
を願う。
從つて一定價額
をきめるということは、公の
地位
の御
行動
としては明示せられているので、一々その必要に應じて計上していく、そして
議會
の御
協贊
をいただく。こういうぐあいに
考え
て、
定額
をきめなか
つた
次第であります。
赤松明勅
20
○
赤松
(明)
委員
いわゆる
國有財産
であ
つて
、しかもいわゆる
皇室用財産
に
なつ
たところの宮城、諸建物、こういうようなものが戰災によ
つて
相當荒廢しておる。しかもこれに對する
復興
計畫とい
つた
ようなものについては、いまだか
つて
聞かないが、
當局
としては、この
復興
に對する
意圖
をどういうふうにお
考え
にな
つて
おるか、この點を伺いたいと思います。
加藤進
21
○
加藤
(進)
政府委員
お答えいたします。ただいまの
状況
から
考え
まして、御指摘になりました通りに、
宮殿
が燒失いたしましたので、
萬事
お
手狹
であり、御不便でもあることは
事實
でありますが、と申しまして、現在のような國の
状態
から
考え
まして、
天皇
の國の
象徴
としての御
行動
、あるいは御
威嚴
にふさわしくないという
程度
までにもい
つて
いないかと存じます。
將來國力
の進展に伴いましては、そのときの
状況
にふさわしい
復興
計畫をお願いするということに相なるとは存じまするが、現在の段階におきましては、
宮殿再興
の計畫はいまだにも
つて
おりません。
赤松明勅
22
○
赤松
(明)
委員
しからば、現在の
状態
のもとでは、いわゆる國の
象徴
としての
天皇
、あるいは
皇族
の御居住、しかも、たとえそれが認證であるにしても、何にしても、政務を見られる。その場合における御
日常生活
というものに對しては、結局支障がないというよりも、ある
程度
の
品位
は保てると見てよろしうございますね。
加藤進
23
○
加藤
(進)
政府委員
さようでございます。
赤松明勅
24
○
赤松
(明)
委員
本
提出法案
の第
八條
、法第六條第一項の
定額
の問題ですが、これは
憲法
と
關係
があるかと思いますが、いわゆる現在の
皇族
のうちで、新
憲法
による
皇族
として殘られるお家と申しますか、それはどこどこであるか。そして
親王
、内
親王
というような、いわゆる
皇族
としてお殘りになる數は現在どのぐらいあるか、これを伺いたい。
加藤進
25
○
加藤
(進)
政府委員
お殘りになります
宮家
は、
秩父宮家
、
高松宮家
、
三笠宮家
の
御三家
であります。
秩父宮家
は
殿下
、
妃殿下
の二方、
高松宮家
は
殿下
、
妃殿下
の二方であり、
三笠宮家
は
殿下
、
妃殿下
のお二方にお
子樣方
であります。
赤松明勅
26
○
赤松
(明)
委員
なお
舊憲法下
におけるいわゆる御
皇族方
で、新
憲法
によ
つて
昔なら御
降下
でしよう、
臣籍
ということはないわけですが、これは大體お何家で、お何人ぐらいですか。
加藤進
27
○
加藤
(進)
政府委員
十
一家
で、御
人數
から申しますと五十一方でございます。
赤松明勅
28
○
赤松
(明)
委員
第九條に「前
二條
の
定額
による
内廷費
及び
皇族費
は、
國會
の
議決
による
歳出豫算
の
定め
によらないで、又は
定め
のない間に、これを支出し、又は支出の
手續
をすることはできない。」こうな
つて
おるが、この
豫算
の
金額
はいわゆる
本年度豫算
で決定しておるわけですか。
追加豫算
として今
議會
に提案されるものの中に含まれておるということになるわけですか。この
國家豫算
と、この
金額
との
關係
について承
つて
おきたい。
塚越虎男
29
○
塚越政府委員
内廷費
の八百
萬圓
が
月割
の十一箇月分ですから、これは七百三十三萬三千円。これについては
當初豫算
に計上せられております。それから
皇族費
につきましては、實は
皇族
の
身分
御
離脱
の
關係
が新
憲法施行
前であるという豫想でありましたために、
當初豫算
におきましては、お殘りになるいわゆる三
直宮
の
方々
の
年金
のみを計上しておりました。殘餘のものにつきましては、つまり
皇族
御
離脱
の場合の一時
金額
及びその御
離脱
までの
年金額
につきましては、今度の
國會
の
追加豫算
として御
審議
をいただくべく、
目下大藏省
の方にその
豫算
につきまして要求をいたしております。
赤松明勅
30
○
赤松
(明)
委員
このいわゆる
皇族籍
を
離脱
なさる
方々
の一時
金額
ということになるわけですね。たとえば現在お殘りになる方の分はきま
つて
お
つた
ということですが、しからば本
豫算年度
内にこの
施行法
というものがきまると、ただちに御
離脱
なさらない以前のものには、二十
萬圓
ずつというこの
基本額
が、いわゆる
品位保持
のためにということで渡され、その後において
離脱
されるということに
なつ
た場合には、一體どういうふうになるのか、この點についてはどうですか。いわゆる二重
支拂
になるおそれはないか。それとも一囘渡したら、それから後に
離脱
なさるということにな
つて
も、もうお渡ししなくても
濟むのか
、この點についてのお
考え
はどうですか。
塚越虎男
31
○
塚越政府委員
大體
歳費
としての
皇族費
は、
月割
でお
支拂い
をいたしております
關係
からいたしまして、御
離脱
に
なつ
た後におきましては、
歳費
は支給をいたしません。
從つて
二重
拂い
になるということはございません。
赤松明勅
32
○
赤松
(明)
委員
しからば、現在はまだ
月割
でお
支拂い
にな
つて
おるということですね。この五十一方に對しても……。
塚越虎男
33
○
塚越政府委員
實はその
施行法案
の九條の趣旨もございまして、御
直宮
御三方につきましては、
當初豫算
において計上いたした
關係
もありますので、その
月割額
をお
支拂い
いたしておりますが、そのほかの
皇族方
につきましては、この
豫算
が
國會
の
審議
を經まして、決定した後において
支拂い
をすべく豫定しております。
赤松明勅
34
○
赤松
(明)
委員
この
支拂
は遡
つて支拂
うべく豫定しておるか、それともきま
つた
いわゆる法の效力を發生した折、それから後ということであるか。たとえば現在における
皇族
の
方々
の御
身分
というものは
同一
のものである。しかもお殘りになるからということは、なるほど
皇室
に近いということにはなるけれ
ども
、同じ
皇族
としての
立場
において、一方はもら
つて
おるけれでも一方はもら
つて
いない。しかも
日本
の現在までの、過去におけるところの
皇族
というものは、少くとも
皇室
の藩屏、それがいい
意味
においても、惡い
意味
においても、
國民
の
象徴
として新
憲法
によ
つて
決定した
天皇
の
周圍
にある方として、その
品位保持
のためには、一般人とは異
なつ
た
費用
も、あるいは
生活
の限界もあ
つた
はずである。これに對する不公平な取扱いにな
つて
おるとするならば、これに對する何らかの便法を
考え
る必要はないか。たとえば、本法がそのまま通過すると假定して、その通過以後において、いわゆる
月割
なら
月割
というものにして、しかもその
離脱
される時期がいつになるのか、これは後で聽きたいと思
つて
おるが、その
離脱
の
期間
、
離脱
をするのならば少くとも二十
萬圓
は渡すけれ
ども
、
離脱
されない以前においては、結局金はやらないのだ。もしこの
法律
が通過しないような場合における、
直宮
三家を除くところの
皇族
が、一體何をも
つて
して、その
皇族そのもの
の
品位
を保つか。
餓死線
上を彷徨するということであ
つて
はならない。こういう面について、
當局
はどうお
考え
にな
つて
おるかを承
つて
おきたい。
塚越虎男
35
○
塚越政府委員
まことにごもつともな御意見でございまして、實はこの
皇室經濟法
の
施行法案
というのが今度の
國會
に出ておりますが、それまでの暫定的な措置といたしまして、この前の最終の
議會
におきまして、
皇室經濟法
の
施行
に關する
法律
というものが出ております。その
法律
によりまして、
皇族方
に對しては十五
萬圓
という
基準
によりまして
皇族費
を
支拂い
得るという
規定
がございます。そして今度の
施行法
は八月一日から適用されるということになりますので、
從つて日本國憲法施行
のときから、五月、六月、七月分、これにつきましては十五
萬圓
を
基準
にいたしまして、御承知のように王はその十分の七というようないろいろな
皇室經濟
のに
規定
しております、その
規定
に從いました
年金
を差上げることにな
つて
おります。
赤松明勅
36
○
赤松
(明)
委員
わかりました。そこで五十一方の
皇籍
の御
離脱
というその時期については、どういうふうにお
考え
にな
つて
おるか、それを承りたい。
加藤進
37
○
加藤
(進)
政府委員
實は
皇族
の籍をお
離れ
になるという御希望は、前から表明されておりまして、これは今年の初めあたりから
伺つて
お
つた
のであります。その
關係
から、先ほど
塚越事務官
から申しましたように、あの時期におきましては四月ごろと
考え
まして、
豫算
にも計上しなか
つた
のであります。それがいろいろの
事情
で、やむを得ず延び延びにな
つて
おります。現在におきましては、この
法案
が通過し、かつ先ほど申し上げました
追加豫算
が
議決
になりました後で、はじめて
皇族
の籍を
離れ
るということが可能にな
つて
おる次第であります。この時期は、まず九月一ぱいまでにこれらのことが終るといたしますれば、十月までにはまず實現いたしたいと存じております。今申しましたように、
法案
の
成立
、
豫算
の
成立
、それからその後におきましても
皇室經濟會議等
の議を經る次第でございますから、現在においては、まず十月末までぐらいには實現いたしたいというくらいのお答えしかできない次第であります。
赤松明勅
38
○
赤松
(明)
委員
大體において、諸般の
事情
が整えば、
直宮御三家
を除いて、五十一方の現在の方が、一般
國民
として
同一
の權利と義務とのもとに
皇族籍
を
離脱
される。
宮内
府として、
離脱
なさ
つた皇族方
に對し、この
法律
が通過するとすれば一時
賜金
としてお渡しできる。しかし今日の物價高のもとに、そうい
つた
一時
賜金
というものは、どの
程度
の
生活
と、どの
程度
の
期間
の
生活
を支へ得られるか、こういうことになる。しかもこれは假説ではあるけれ
ども
、
離脱
なさ
つた
にしてみても、
日本
人の人情として、感情として、少くとも
皇族
であ
つた
ということは、誓くの
期間
は、おそらく忘れられないに違いない。しかもその
皇族
の
方々
が
離脱
なさ
つた
直後において、路頭に迷うというようなことがありとすれば、その累をわれわれ
國民
の特徴であると言うところの
天皇
に及ぼす大きな影響がありはしないか、こういう點について
職業安定法
とかいうものもあるが、しかし
宮内
府
そのもの
は、
皇族
に對する
一つ
の
責任
において、
皇族離脱
のその後における
生活
に對しても心配をすることが、正しいのではないか。法には
關係
はないけれ
ども
、こうい
つた
點について、どういうお
考え
をおもちにな
つて
おるかということを承
つて
おきたい。
加藤進
39
○
加藤
(進)
政府委員
ただいまの御質問は、まことに私
ども身
にしみて感じます。現在におきまして、
皇族方
が
國民敬慕
の情にふさわしい御
生活
をお送りになるということが、現在までのわれわれに
責任
があると同じように、
道義
におきましては、
皇族
の籍をお
離れ
になりました後も、この
責任
は
續くも
のと存じております。但し、これは法の上から申しますれば、
赤松
さんの御指摘なさ
つた
ように、
まつたく
の
個人
におなりになりますので、この御自由なる
意思
は尊重せねばなりません。そこで私
ども
の
道義的責任
と、
宮樣方
の御
降下
後の自由な御
意思
との
合致點
におきまして、先ほど申し上げましたように
財産
の安定、あるいはいかなる御
職業
を選べばよろしいかということにつきましては、今から十分の御忠告も申し上げ、また
宮樣
の顧問としてしかるべき人の御選定にも應じております。但し、どこまでもわれわれの
道義
的の
責任
と、
宮樣
の御自由の
責任
との
合致點
におきまして、この點は私
ども
も十分努力をいたしますが、社會におかれます各位の方も、どうか今まで通りの敬慕の情に基いて、それぞれ
適當
なる御忠告を、われわれにもお話しくださるとよろしいと存じます。
森三樹二
40
○
森委員長
ほかに御質疑の方はございませんか。 別に御發議もないようでございますから、本日はこれにて散會いたします。次會の
委員
會は、追
つて
公報をも
つて
お知らせいたします。 午前十一時二十二分散會