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武田委員 今のような御方針でございますと、結局やはり
地方の方でその
施設をつくろうというところまでいかなければ、これはなかなかできないことになると
考えますが、私は現實に見てまいりました問題としても、
助産施設はどうしても要ると思う所があるのでございます。それは、その邊としてはもう長い慣習でございますから、非常になおざりにされておつて、これでよいと
考えておるようでございましても、いかにしてもこれをそのままでおいてはいけない。これは、
一つの例をあげますと、實は私過般東北の方の水害視察に参りましたときに、青森縣の
農村の方へはいりまして、あの邊での住宅を見て、またいろいろな
生活状態を聞いたときに驚いたのでありますが、あの邊は非常に貧村でありまして、まつたく家の中に光線がはいらないような家が多いのであります。ところが、お産をするときにはその暗い中でお産をするのだということを言つております。暗い中でお産をして、その處置も暗い中でして、産婦がそのままでそこにおる。ですから、表には出ませんけれ
ども、その際その處置に手落ちがあつたり、あるいは何かの適正でないことがあつたりしたために、あるいは非常に、衛生的でなかつたりしたために、ずいぶんあそこでは表に出ないところの危險がたくさん含まれていると私は思います。ああいうふうな
場所では、私はどんなことがあつても、
出産だけは、せめて五日でも一週間でも
助産施設のある所でやらせなければいけないと思います。これはその
地方ではその必要を認めておりませんでも、やはりそういう所はそういうものをつくるようにするということを、あるいは縣の方からでもその村なら村に命令をしてもいいのじやないかと思うのであります。その場合に、やはりこのままでございましたら、今の
状態からいつてもとてもできないのじやないか、こう思つておりますが、そういうふうな特別な取扱いをなさるお
考えはございませんか。