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1947-11-28 第1回国会 衆議院 決算委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十一月二十八日(金曜日)     午前十一時十一分開議  出席委員    委員長 竹山祐太郎君    理事 竹谷源太郎君       河合 義一君    高津 正道君       竹内 克巳君    辻井民之助君       戸叶 里子君    馬越  晃君       中曽根康弘君    岩本 信行君       大瀧亀代司君    冨田  照君       平井 義一君    受田 新吉君       齋藤  晃君  出席政府委員         内務事務官   林  敬三君  委員外出席者         專門調査員   大久保忠文君     ————————————— 本日の會議に付した事件  内務省及び内務省の機構に關する勅令等廢止  する法律案内閣提出)(第一〇二號)  地方財政委員會法案内閣提出)(第一〇三  號)  内務省官制等廢止に伴う法令の整理に關する法  律案内閣提出)(第一一三號)     —————————————
  2. 竹山祐太郎

    竹山委員長 これより會議を開きます。  前日に引續いて質疑を續行いたします。中曽根君。
  3. 中曽根康弘

    中曽根委員 二、三御質問いたしたいと思います。まず第二條におきまして、地方財政委員會は左に掲げる計畫を立案すると書いておりますが、今の地方財政現状を見ますと、おそらく各府縣とも厖大なる赤字に苦しんでおり、特に水害に遭つた縣などにおいては、財政危機に瀕しておる状態であろうと思います。そしてこの地方財政危機を救うものは、何といつて國家補助金によらなければ打開できない現状にあるだらうと思います。そういう點から見まして、地方財政に對する中央行政官廳というものは、ぜひとも現在の危機を切抜けるためには必要であると思うのですが、その觀點からお伺いいたしたいと思います。  まず第一は、地方財政委員會が所要の法律案を提出し、任務を果して、その後は一年間續くと書いてありますが、その場合に大體どういうような中央官廳なり、中央行政廳を置く御意圖があるかもしわかつておりましたら知らしていただきたいと思います。どうせ冬の議會に出すことになつておると思いますから、當局においても心構えがあると思いますが、その點についてお伺いいたしたいと思います。
  4. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 ただいま御尋ねの地方財政について何らかこれを世話する中央機關が必要であることは、私もまつたく同感でございます。おそらくそういうことになるだろうと思うのでありますが、この財政委員會を設けるゆえんのものは、御承知のごとくできるだけ地方財政自主化して、自立獨行できるような態勢にもつていく、これはしかし現在の國全體の中央地方を通する財政金融状態とは裏腹をなす問題でありますので、現在のような國全體の財政金融状態であります限りにおいては、完全なる獨立獨歩ということは、とうていできないだろうと思います。そこで獨立獨歩範圍を極力廣くして、許す限り思い切つて強くやつていく。しかしながら國家全體の公益までも破壞してやるものでない限度に止めておくということが第一條、第二條の書き方でありまして、その氣持を現わしておるつもりなのであります。そこでこの委員會ができてどういう新しい地方財政自主化法律案が出るかは、今ここで斷定することもできませんが、方向としては國家公益を害しない最大限度において、地方團體自主權を強化する方向へもつていく。そこでその必然的結果として中央地方に對する財政上の統制ははずせるだけはずす、從つてこれを掌理する機關もできるだけ少くしてこれを省いていく、こういう機關がありますと、地方財政の問題から地方首根つ子を抑えて場合によつてはかえつて地方の獨立自往の精神を阻害し、その運行を妨げるおそれなきにしもあらずでありますので、この財政自主化法律案ができたあとの中央の組織はできるだけ簡素なもので間に合う程度にはで地方財政自主化を強くやらしめていくことが理想であり目標であると存ずるのでございます。しかし抽象論方針論としてはそういう方向にやつていくわけでございますが、ただ今から豫想いたしますに、財政委員會ができて、その方向作案をし、努力をし、かつ議會審議を經て法律案ができるときに、そういう完全なものはできないので、お話のように地方財政に對する中央機關は、現在の状況存續する限りは、やはり必要になつてくるので、何らかの中央機關は殘ることは殘ると思いますが、できるだけこれは簡素なものにし、かつその地方財政自主化法律案作案の結果にまつて、その結果やむを得す中央存續しておかなければならないものだけに止める方針でいきたいと思います。そこでどんなものができるかというと、やはり地方財政自主化法律案なるものがどういうものができ上るかということにかかつてくるのでありまして、それによつてたとえば許可權認可權をほとんど切り落していつても、わくを與えることによつて大丈夫やつていけるという自信がつけば設ける必要はないのであります。それからどうしても存續しておかなければ、財政上かえつて地方の不幸になるという状態でありますれば、設けなければならぬ。みなこの財政自主化法律案がどういうものができるかにかかつておるのであります。なお存續をせしめます若干の機關が殘る。その機關はどこで扱うかはこの法律案に書くわけでありますが、おそらく内閣にやはりそういう一つ機關を設けるか、あるいは大藏省の一部局としてそういうものを設けるか、あるいは大藏省の中の財政的な豫算的なものが内閣にでも移つてまいりますれば、そういうところで考えるか、それらの三つの中の一つを選ぶことに結局なるのではないか。こういう推則を私見としてもつております。
  5. 中曽根康弘

    中曽根委員 話はよくわかりましたが、私は希望といたしまして、現在各府縣によつて財政力が非常に違う、バランスがとれていない状況のようにあります。災害か何かで貧乏しているところは非常に貧乏しておる。そのほか租税や何かで惠まれている縣は非常にゆたかである。そういうところをバランスをとらないと、國全體としての均衡のとれた發展は望まれない關係から、特に第四號にある「地方行政遂行のため必要な國家資金の公平な配分に關する事項」、これを私は非常に重視するものでありますが、どうしても國家的見地から國家資金を公平に配分するという觀點から見て、こういう中央官廳というものを設置するように私は希望いたします。  それから第二條によつていろいろな法律が出てくると思うのです。あるいは分與税の税法であるとか、公企業に關するものであるとか、官制に關するものであるとかそういうものが出てくることを豫想されるのですが、大體において當局内容的に見てどういう範圍にわたる法律が提出されるものとお考えになつておりますか、これを伺いたい。
  6. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 御希望としてお述べになりました第二點の公共團體間のアンバランスをなくするために、最小限度財政調整機能というものは必要であろうという御所見に對しましては、私どももまつたく同感であります。そういう機能財政自主化という點から言えば、できるだけ國家からそれを補助するような作業は少くしようと思いますが、現在の區域、人口、經濟力というものがそれぞれ違いますので、公共團體の間において均衡のとれた、國全體といて、あるいは公共團體全體としての發達をはかるためには、やはり最小限度財政調整資金といいますか、分與税的なにおいの殘るものが必要であらうと存じます。また特に災害をひどく受けた所に對して、國家としてこれに何かの措置を講するという作用も當然必要であらうと存じます。御所論に對してはまつたく同感でございます。  それから今度財政委員會で、第二條に基いて計畫を立案した場合に、どういう法律なついてくだろうかというお尋ねの點でありますが、これはやはり委員會委員になられた方と、事務局との考えでもつて、どういう形が一番いいかということを今後研究して、最善のものをつくつていただく。最終はその結論にまつと存じます。ただ私どもがその機關に對してこれから事務引繼をするわけでありますが、その引繼をする側から見て考えますと、やはり方法は二色あつて一つ地方財政法というようなものをつくつてしまつて、それに分與税的なことから、地方税的なこと、國庫補助的なこと、あるいは資金關係豫算の經理の關係というものを全部入れてしまつて、その法律一本でもつてつていくというやり方もあらうと存じます。それからそれがいろいろなぐあいでただちにそういう一つのまとまつた法典というものにせずに、やはり地方與税的な法律、あるいは分與税という名前を改めれば財政調整的な法律、それから災害補助に關する法律地方税に關する法律國家資金に關する地方との關係法律、そういうものは、もしわけていけば、いずれも必要になつてくるのではないか、かのように考えております。
  7. 中曽根康弘

    中曽根委員 第二條關係してもう少し内容を伺いたいと思いますが、今御答辯になりました内容は、大體財政及び租税關係が主になつておるようでありまするが、ある程度官制にわたる部面もあると豫想されますし、あるいは昔の府縣制地方自治法でありますか、そういうものにあつた公企業、たとえば水道事業とか軌道というものにも觸れてくるのではないかと思いますし、また地方公共團體相互間に關する問題も出てくるだらうと思います。また状況によつては今度の新しい警察法によつて市町村相互の組合的な警察費維持という問題もあろうと思います。大體總括的にどういう部面にわたるかという内容をもう少しお聽きしたいと思います。
  8. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 この内容について大體私どもが豫想しておるところをもう少し詳細に申し述べますと、根本方針目標というものは、地方財政自主性確立強化という問題に目標をおいて、地方團體財政自主權を確定するために、税源及び財源の擴充をはかる。それから地方團體が自主的、自立的な税制を確立するために、地方税制の彈力性をどうしたら強化できるかということを考え、またもう一つには、地方財政中央監督權をできるだけ縮小して、活溌に行わしめ、しかも弊害なからしめるにはどうしたらいいかということに目標をおいて、この法案というものが作案さるべきだと存じます。  それから收入の第一のものである税の關係について言うならば、國から委讓を受ける税というものはどういうものがいいか、あるいはないか、それをやる場合に國家としての財政の影響はどうなるか、あるいは國税に對して附加税制度を設けてはどうか、あるいは設けるとすればどういう税がいいか、あるいは今度は道府縣獨立税というものはどういうものを追加してやつたらいいだろうか、市町村獨立税はどういうものを追加してやつたらいいか、それから住民税というものに對して賦課制度をやつておりますが、この平均賦課額の制限をどうはずしたらいいか、あるいは全然はずした方がいいか、あるいはどの程度に率を上げたらいいか、それから地租と家屋税に對してのその賃貸價格の是正、あるいは税率の引上をどうしたらいいか、それから營業税をどういうふうに扱つたらいいか、鑛區税をどう扱つたらいいか、さらに滯納の問題をどう處理したらいいか、あるいはその滯納に對する徴罰としてとる金をもつと上げた方がいいか、あるいは各種法令に課税をしてはいけないといういろいろなものがありますが、そういう課税することはいけないという各種法令をどの程度整理したらいいか、それから目的税というものをどの範團に擴張していつたらいいかというような問題が、普通の一般地方税については存在いたします。また分與税については、これをできるだけ普通の國税の方から委讓してもらつて、分與税的な國からもらう範團をどうして縮小していつたらいいか、しかし最低限度團體間バランスをとるための財政調整をどの程度やつたらいいか、あるいは分與税という名前をかえてしまつたがいいか、その最低限度調整をするための金を分配する方法としてはどうしてやつていつたらいいか、何を基準にしてどうやつていつたらいいだろうかというようなことが考えられます。  さらに税の根本としては、それは一つアイデイアであつて實現はなかなか困難な問題だと思いますが、今は國税中心になつて地方税國税でとらないもの、あるいは國税で許されているもの、あるいは國税に附加してくるもの、そういうものをとるような從屬的な形になつております。これを地方ということだけを中心考えれば、逆に、たとえば所得税というようなものは地方税にしてしまつて一定率以上の徴收額を得たときには國家に納付するというアメリカのような、地方を第一にして、そのあまるものを中央で集めて、その地方からの集まつた金によつて國家仕事をするというような行き方、これは現在の日本としては私は實現困難だとは思いますが、そういうアイデイア中央地方税制の中にどう織りこんでいつたらいいかというようなことは一つの大切な研究問題であると思います。  それからそのほかに今お話がありましたような、中央地方のいろいろの國費地方費の負擔の區域をどう是正していつたらよいか、それからお話のあるように、公企業關係配電關係公納金の問題であるとか、娯樂場の公營の問題、あるいは水道、ガス、電氣というものを國家で統制しておるその必要というものとのにらみ合せ、配分、あるいは地方にそういう公營事業をもどしてもらうやり方というような問題があるわけでありますし、次第に地方團體というものが、その經濟行為を中心としてやつていく必要の迫られておる社會の進運に伴つてこの公企業問題と財政というものをどうにらみ合わせていくか。それから資金關係、これもお話がありましたが、やはり一つの大切な大きな問題でありまして、地方債許可制度檢討問題あるいは地方團體についての中央金庫というものをつくつてやつた方がよいのじやないかというけれども、あるいは災害復舊金庫の問題とか、第二條に書いてありますような、國家資金の公平なる配分に關してどういう制度を立てたらよいか、そういうような問題にずつとわたつていくと思います。それで結局この地方財政自主化という問題も、さらに究極突きつめれば地方團體の區劃の問題、區域の問題というものに最後のところはぶち當つていかざるを得ないのじやないかと思つて、いわゆる地方團體の再編成の問題にはいつていくと思います。しかしこれは一方において人情、風俗、習慣、その他の長所もありますし、これを動かすということは相當愼重を要する問題であると思います。そこで財政委員會規定に書いてあるますように、明年の二月の末までには一應プランを盛りこんだ法案を出すという、その法案にはそこまでの問題はとてもはいりきらないのじやないか、とりあえず與えられた現状において、許される最大限度地方財政自主化というのは、どの限度であるかという問題としての答案が、二月の末までに出るのじやないか、しかしそれだけでは抜本的な問題にならず、區域の問題にはいつてくる。それからもう一つ中央地方仕事の分擔の問題にはいつてくる、それで國家ではどれだけの仕事國家事業としてなすベきか、どれだけの仕事地方團體仕事としてなすベきか、この中央地方事務配分の問題、これにはいつてくると思います。いかに財政を充實したといいましても負荷される仕事というものがのぼらずに來れば、これはざるに水のようなものであつて、いくらあつても足りないという問題になると思います。また必要なものは、仕事地方仕事としてそれに必要な財源を手當するということもやらなければなりませんし、區域の問題と中央地方仕事配分の問題、この問題に最後にははいつていくと思います。御經驗もおありで、御承知のように、財政というものはやはり行政といいますが、事業、それに伴つて財政というものになるので、どれだけの仕事地方團體がやるべきか、やることを豫想されるか、それに伴つてそれを賄うために十分なあるいはできる限り多くの財源というものをどうしてこれが調達できる制度をつくるかという財政の問題の方が根本に突き詰めていけば從たる問題になつてきて、主たる問題は、表座敷の方は事業の要請とかいう分量の問題になつてくると思います。しかし一應現在そこまで堀り詰めてやりますと、これは相當な大事業であり根本の問題、もちろんこの委員會はそれから繼續してそういう問題も投げかけてさらに必要があれば在續してその問題の解決に當つていくのが國のためであり、地方のためであると思つております。しかしとりあえず公布後九十日以内に出すであろうところの豫想される改革案というものについては、その根本問題を投げかけて根本問題の解決の方途を別に講ずることとして、現在の状態において、現在の區畫において、現在の豫想される地方團體事業において、どれだけの財源をどういうふうにしてやつて自主化の度を強めていくかという答案が出ることと豫想をいたしておる次第であります。
  9. 中曽根康弘

    中曽根委員 その次に第五號の「地方公共團體政府に對する財政報告」とございますが、具體的にどの程度までを財政報告ならしむベきか、お尋ねをいたします。
  10. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 これはやはり今度の委員會でもつてどの程度必要とするかということをきめるわけで、實はまだこの點については何も考えておりません。しかし財政というものは、よくご在じのように、中央地方というのは、根元は同じみな國民經濟力というものから出てまいります。かるがゆえに地方團體財政がどう運營され、どういうふうになつておるかということについては、中央政府としてはしつかりした報告をもつておくことは、ぜひ必要でと思うのであります。中央監督權というものを縮小すベしということについても、監督ではありませんが、報告という、地方團體財政というものが、どうして運營されておるかということは速やかに十分なる資料というものを中央がもつて、それを整備して動きを見ておくということが、中央地方財政一般的な性格から言つて當然必要であると思うであります。そこでどういう資料中央がもつて、それを整備しておつたらば、中央財政地方財政との圓滑なる結びつきとりつぱな調和がてきるかということを、この委員會できめて、その法案に書いておくということが必要だろうということで、第五號というものは實ははいつておるのであります。
  11. 中曽根康弘

    中曽根委員 その次に、第四條の地方財政委員會委員の身分でございますが、これは國家公務員法を適用される一般職に該當するのでありますかどうですか。
  12. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 國家公務員法はやはり公務につく人でありますから、この委員についても適用があると思います。しかし一般職でなくて特別職になるだろう、かように考えております。
  13. 中曽根康弘

    中曽根委員 その點について規定がないと思うのですが、いずれ特別のそういう法律なりあるいは法律による條文が制定されると考えてよろしうございますか。
  14. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 この委員がフルタイムか、パートタイムかということが初めにいろいろ議論になつた。そこで初めは、地方自治委員會委員という案のころにはこれは三人であつて、フル・タイムであるという觀念をとつてまた一般の官吏の規定をそのまま使うということにしてあつたのですが、今度の構想は變りまして、パート・タイムになつておる。そうして國家委員としてその必要の都度集まつてその仕事をするという建前になつておるのであります。そこでこれについて特に何か規定というものは私は要らないのじやないかと思いますが、なお研究しまして必要があればそういう規定を設けることにいたしたいと考えております。
  15. 中曽根康弘

    中曽根委員 その次に第六條において「地方財政委員會は、委員三人以上の同意を以て、會務を決する。」こういう規定がございますが、そうすると大體もちまわりでも何でもよい、とにかく三人以上の同意がありさへすれば會談の定足數や何かには關係せずにものがきめられるという意味ですか。
  16. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 お見込みの通りだと考えおります。
  17. 中曽根康弘

    中曽根委員 以上で終ります。
  18. 竹山祐太郎

    竹山委員長 それではしばらく休憩いたします。    午前十一時四十一分憩    ━━━━◇━━━━━     午前十一時五十一分開議
  19. 竹山祐太郎

    竹山委員長 休憩前に引續いて會議を開きます。  質疑を續行いたします。冨田委員
  20. 冨田照

    冨田委員 今までの質疑應答で、大體本案の要旨は了解いたしましたが、きわめて簡單にお尋ね申し上げたいと思います。それはこの地方財政委員會法案でありますが、これに關する豫算はむろん追加豫算に御計上になつておることと存じますが、どの程度豫算が計上されておりますが、その點をお尋ねいたします。
  21. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 この財政委員會が一月一日から發足するといたしまして、それに要する三箇月分の經費を追加豫算案に計上いたすことにいたしております。それの總額は約二百八萬圓でございます。
  22. 冨田照

    冨田委員 これは形式上のことではなはだ些細なことのように存じますが、今までいろいろな法案が出ましたときに、こうした臨時的なものには、必ず臨時という文字がついておつたのでありますが、この法案を拜見いたしましても、第一條にはつきりと「臨時に、地方財政委員會を置く。」こうありまするし、さらに附則の方で、在續の期間をこの法律公布の日から一年間を限ると、はつきり臨時的な意味が含まれております。それにもかかわらずこれに臨時という文字が冠せられておりませんのは、何かここに意味がおありになるか。先ほど來お話がありますように、この委員會臨時的なものであつても、その性質上將來繼續しなければならないじやないかといつたような氣持も現われておりますので、そういう點の御意見をちよつと伺いたいと思います。
  23. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 この地方財政委員會臨時という名をつけませんでしたのは、何ら特別の意味はもつておりません。また將來これが財政委員會における審議の結果、やはりこれ、またはこれに類似のものを在續しなければならないかどうか、そういうことはまつたく豫測すベからざることでありまして、ほんの私見として、もしそういうことで解決のつかぬ問題があれば、何かそういう方へ發展していくというのではないかという感じを述ベただけであります。何らそういう意圖をもつて臨時という字をつけなかつたわけではございません。これは法制局と相談いたしまして、法案の名稱のところで、特に臨時とつけなくてもいいのではないかというところで、名もあまり長くなりますし、地方財政委員會とこういたしただけのことでございます。第一條及び附則を見れば、明らかに臨時的のものであり、期限を切つてもあるのでございます、一年間を限ると書いてございますから、その點は明確でございますので、特に名前にまでつけなくともいいのじやないかというだけでございまして、何らこれを存續する深き意圖があつて臨時という字をつけなかつたわけでございません。なお駄足を加えますと、たとえば經濟安定本部というようなものも、あれは一年限りということになつております。たまたま一年限りが少しずつ延びておりますが、あれも臨時をつけておりません。今までの立法例臨時機關であつても、臨時という字を絶對につけなくてはいけないというものではないのでありまして、ついてないものも相當あるように存ぜられます、別に特に異例を立てておるわけでもない思います。
  24. 冨田照

    冨田委員 第四條にあります地方財政委員會の構成の要素でありますが、その中の第二「國會議員の中から代表者として衆議院議長及び参議院議長の指名した者 一人」とありますが、これは國會から一人ということになりますが、衆議院議員の方から一人、参議院議員の方から一人というように、兩方から一人ずつ選びました方が、非常に公正を保てますし、現在議會運營の方から見ましても、しばしば衆議院参議院との間にいろいろ意見の相違もありますし、その立場においてお互いに論議を鬪わせますことが、國政運營の上から非常に妙味があるのではないか。これを兩方から合わせて一人としたのは、どういう意味でございましようか。その點をお尋ね申しあげます。
  25. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 これはこの委員會をして權威あらしむるためには、やはり國會から代表者としてどなたか加わつていただくことが、最も意義のあること、かように考えまして、ここに國會議員の中から一人ということにいたしたわけでございます。それでお話のように衆議院から一人、衆議院から一人ということも考えられるわけでございますが、なるべく委員會は奇數がいい。これは一つの物事をきめる委員會になります。なるべく奇數がいいということも一つの理由でございます。それからもつと大きな理由としては、國會の一體性と申しますか、内部においていろいろ衆議院衆議院が、御意見の違うことはあると思いますが、外に現われる形としては一體性をなしている。外に對しては一體性であるべきだと思われるわけです。そこで二人ではいけないというわけでもございませんけれども、一人ということでいいのではないか。かように考えたわけであります。またあまり委員會の人數の多くなることは、力が強くなるようで、かえつて弱くなるというような點も考えまして、またここで一人、それが五人と六人とどう違うというほどでもございませんが、また自治體の代表の方でもどうというような、いろいろなことになつてまいります。まずこの性質の委員會なら最高五人くらいが適當じやないか。そこで割振りをやつてみて國會の一體性などから考えてみ、かつ奇數ということから考えまして國會の内部の話合いで一人にしていただくということが一番適當であると考えたわけであります。
  26. 冨田照

    冨田委員 もし奇數が望ましいことでありましたら、これを今少し殖やしまして七人にすることも考えられます。それは今までこうした委員會にたいていはいわゆる學識經驗者がはいつておつたと存じております。特にこうした財政上のことになりますと、もちろん市町村長の代表とか、あるいは府縣知事の代表とかいうものも結構でありますけれども、學識經驗において、特に財政的の問題について造詣の深い人が一人はいつておることも決して私はむだなことではないと思うのであります。こういう意味から申しまして、この地方財政員會だけでなしに、他の委員會でも學識經驗者というものが大抵は加わつておるのに、この構成にあたつてその一人が缺けておるような感じがいたします。こういう意味でそういう方が加わつており、そして衆議院から、一名、参議院から一名出したら、もつとこれが完全なものになつて、いくのではないか。こういう考えからお尋ね申し上げたのでございます。
  27. 林敬三

    ○林(敬)政府委員 學識經驗者を入れようという御意見も確かに一つのごもつともな御意見だと存じます。ただ委井の數がこの財政委員會のような仕事をする上から考えてみますと、いわゆる單に各省の諮問機關で、三十人とか二十人とかいう、都市計畫の委員會であるとか、ああいう性質のものになりますれば、委員は多くとも一向差支えないのでありますが、こういう五人の人が主人になつてこの作案を責任をもつてやる。こういう機關になつてまいりますと、あまり委員が多いことはいろいろの點においてかえつて適當ではないじやないか。やはり五人くらいが最も適當な數ではないか、かように存ずる次第でございます。なおいわゆる學識經驗者というものについて、やはりこの一から五までの人について、代表として總理大臣が選ぶというときも、やはりそういう代表としての資格はもちろん尊重いたしますが、その許される範圍の中においては、やはり最も學識のあり、あるいは豐豊な經驗に富んだ人を任命するということで、その缺點は補い得るのではないか。また先日も申し上げましたように、その方の經驗をもつ人を事務局の局員になつていただくあるいは特に大物であり他に職をもつておる方であれば高給の囑託としてこれを遇する。あるいは参與として實質上そこに加わつていただくそういうことによつてその點は補いをつけていくのが最も適當ではないか、かように考えまして五人にいたしたわけであります。
  28. 冨田照

    冨田委員 了承いたしました。
  29. 竹山祐太郎

    竹山委員長 ではこれに質疑を終了いたします。
  30. 竹山祐太郎

    竹山委員長 これより内務省及び内務省の機構に關する勅命等を廢止する法律案地方財政委員會法案内務省官制等廢止に伴う法命の整理に關する法律案以上三案を一括して討論に付します。討論は通告順によつてこれを許します。竹谷源太郎君。
  31. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 徳川政府時代の封建的鎖國時代から、明治維新の革命によりましてわれわれは明治政府をもちまして、そしてこの明治政府におきましては、特に内務省は國の政治にとりましてきわめて重要な役割を演じてまいつたのでありまするが、今この敗戰後の日本の民主革命期にあたりまして、内務省解體という大きな事實を迎えますことは實に感慨無量なものがある次第であります。明治政府の當初におきましては、内務省はきわめて廣汎なる内務行政の權限をもつておつたのでありますが、逐次政府行政が擴充發展するにつれまして、各省に分離していつたものがありますが、特に最近におきましては、厚生行政につきましてはこれが分離して厚生省ができる、また厚生省から勞働省が分離するというふうに擴大していきました。しかるに内務省はその後また土木關係あるいは港灣交通等に關しては、運輸省等にその事務の一部が吸收せられ、逐次その事務範圍が縮小せられていつたのでありますが、新憲法によるところの地方自治の擴充また警察の民主化に伴いまして、地方行政の問題については、大體これは都道府縣市町村等の自治體の自治に任してよろしいような情勢になつてまいりまして、地方局の行政關係仕事も大半必要がなくなつてくる。なお新警察法によりまして、警察は國家地方警察竝びに自治體警察の二つに分屬して、特に内務省として一省において警察行政を掌る必要もないような情勢にもなり、また國土行政につきましては、これは戰災復興院と合體して、もつと目標の大きい國土計畫に向つて進むべきところの對象ともなるべき建設院に吸收合併せられるというようなことになり、また選擧事務に關しましては、全國選擧管理委員會等において選擧を民主的に執行するということになりますと、内務省としては殘るところのものは、地方自治行政の中に地方財政をいかに處理するかということに相なるのでありますが、これも今囘提案せられました地方財政委員會等においてできるだけ自主的に地方財政を運營していく、國家の保護助長以外の監督等はできるだけこれを廢止するというような方向に向いますと、自然内務省というものの存置理由も乏しく相なつてきたのでありますので、さような意味合いから内務省及び内務省の機構に關する各般の勅令等官制に對する法立案をここに政府から提出せられましたが、これについては當然のことでありまして、贊意を表する次第であります。なお内務省廢止になりますれば、これに伴うところの法令の整理を要する次第でありまして、從つて内務省官制等廢止に伴う法令の整理に關する法律案、當然こに法律を必要といたす次第でありまして、これまた贊意を表する次第であります。地法財政の企畫立案に臨時にあたるべきところの地方財政委員會につきまして、これはいろいろ本委員會においても論議もありましてが、できるだけ早急にこの委員會をつくり速やかに各般の計畫を立案をする必要があるのでありまして、これにつきましては、この委員會仕事はなかなか廣汎多岐、しこうしてきわめて重要な事項でありまして、この點については各委員會から熱心な御質疑もあつたのでありまするが、政府當局は十分この各委員の御意見を參酌いたしまして、この地方財政委員會の運營上遺憾のないように希望をいたす次第であります。ただこの地方財政委員會法につきましては、第七條について各派協同で修正案を提出する次第であります。その修正の趣旨を辯明申し上ゲまいるが、第七條の原案によりますると、都道府縣、知事、市長及び町村長の代表者として地方財政委員會委員となる人々は、それぞれの地方公共圓體において定められておるところの給與を受けておるのであります。その上一般官吏の俸給よりも高い、國務大臣よりも低いところの範圍内の手當を支給されるということになつておりましてこの點非常に待遇が厚いようで、その地位を保障してあるようでありますが、一面から考えますと、地方自治體の財源は、これは國費と同樣にやはり國民の負擔するところの公共の費用でありまして、むろん國費地方費とは別々のものでありまして、それぞれ重複して支出することはあえて法律上は差支えないのでありますけれども。實質上から見まして地方財政もまた國家財政と同樣に國民の公共の負擔であり、さようなものから重複して支給するということは公務員の給與基準という觀點から見ましても、はなはだ不合理であり、また同樣に地方財政委員でありますところの國務大臣たる委員竝びに國會議員たる委員とくらべまして、はなはだ公平を失すると思うのであります。この趣旨によりまして、第七條の「地方財政委員會委員(國務大臣たる委員を除く)は、」の次「一般官吏の俸給の額よりも高く、國務大臣の俸給の額よりも低の額の範圍内で、」この部分を削除するという修正案を提出いたす次第でありますが、これによりまして地方財政委員のうち都道府縣知事、市長、町村長代表であるところの三人の委員につきましては内閣總理大臣が定めるところの適當な額を支給するということに相なるようにいたしたい、こういう趣旨であります。しかしながら「一般官吏の俸給の額よりも高く、國務大臣の俸給の額よりも低い額の範圍内で」、という字句を削りましても、決して地方財政委員の地位を低くするというような趣旨では毛頭ございません。やはり趣旨におきましては一般官吏の俸給よりも高い。一般官吏よりも地位が上であるという趣旨と同樣でありまして、この點御了解を願つておきたい次第であります。以上の第七條の第一項の修正以外につきましては原案に贊成をいたす次第であります。  要するに内務省及び内務省に機構に關する勅令等廢止する法律案地方財政委員會法案及び内務官制廢止に伴う法令の整理に關する法律案はいずれも贊成でありまして、ただ地方財政委員會法案の第七條を先ほど申し上げたように修正をして贊成をいたす次第であります。
  32. 中曽根康弘

    中曽根委員 私は日本民主黨を代表いたしまして、ただいま議題となりました三法案竝びに地方財政委員會法案中の修正案に對し贊意を表する次第であります。  内務省の存在に關しましては、いろいろ功罪相批判されておりますが、顧みますれば、一方においては民主主義の風潮に伴いまして、あるいは人權蹂躙の總本山であるとか、ビユーロー・クラシーの總本山であるとか、日本における最も強力な一つの推進力として、かつてはあるいは批判され、あるいは讚えられたこともあつたのでありますが、敗戰によりましてここに占領政策に至急即應するために、内務省が解體されるに至りましたことは感無量なものがある次第であります。いろいろな論難もありますが、また一方においては非常に低い民度で、しかも後進資本主義國として先進國に追いつくために非常な努力をいたしました結果、いろんな罪はあつたにしても、ここに廢止されるに至りましては、先輩その他これに當られた各位に對して厚い同情をささげるものであります。それに伴いましてここに地方財政委員會その他の法律が提出されたのでありますが、ただいま竹谷君の申された通り、緊急やむを得ない法案であつて、贊意を表する次第であります。ただこの地方財政委員會の中におきまして問題になる點も非常にあるのであります。殊に第二條におきまして國家資金をいかに分配するかという問題、あるいは今後打立てらるべきいろんな租税問題や豫算、經理の問題、公企業の問題等に關しましては、國家財政竝びに地方財政ともに危機の折から、この地方財政委員會の活動の状況によつて非常に影響されるところが大きい。また國家しとても非常に重要な事項があると思いますので、適切にかつ速やかに具體案を提示するように希望するものであります。  以上をもちまして、民主黨を代表いたしまして贊成の意を表する次第であります。
  33. 冨田照

    冨田委員 私は日本自由黨を代表いたしまして、ただいま議題となつております地方財政委員會竝びに内務省及び内務省の機構に關する勅令等廢止する法律案その他一件の法案に對しまして贊成をいたします。と同時に、ただいま竹谷委員から御提案になりました第七條の一部を修正する修正案にも贊成いたすものであります。申し上げるまでもなく今囘の内務省の解體に伴いましてこうした法案の出ますことはきわめて當然なことでありまして、私どもはこの法案がその立案の本旨に從いまして、きわめて適正に、そうして公平に行われますように祈つてやまないものであります。新しい憲法で今まで明治憲法において見られなかつた一つの條項として、第八章以下に地方自治の問題が取上げられまして、すでに民選知事竝びに市町村長の公選が行われまして、制度カ員上におきましても、あるいはそうした自治體の人事問題におきましても、近く行われようとする警察權の地方委讓というような問題にきおましても、わが國の長い間の歴史に一轉換を來しまして、ほんとうに地方自治體から民主化の第一歩を踏み出していくというような情勢にありますことは、お互いに喜ぶべきことと存じますが、ただ一點殘されました地方財製の自主化、こういうことは言うべくしてはなはだ困難な問題でございます。のみならず、ほんとうに民生の基盤をなしておりますものは、いわゆる地方財政の堅實な歩みであろうと存じます。その意味でこうした地方財政委員會というものの發足に對しましては、私ども贊意を表しますが、その重大な使命を感じまして、その立案計畫にあたつては從來行われましたきわめて畫一的な官僚的なものの考え方から、もつと地についた、ほんとうに各地方々々における實情に即應した、ほんとうに國民生活の根本に根を張つた、しつくりした地方財政なるものが築き上げられますように祈つてやまないものであります。それと同時にこの委員の選任にあたりましても、全國の知事、市長あるいは町村長この間にだれか一人を選ぶ、こういうことに相なるので、その選任にあたりましては、きわめて公正な方法によつてお選びになることを望むものであります。  さらに附則に掲げられております委員會の一部は、任命されてからすでに仕事が始まる形になつておりますが、私どもは全員がきわめて速やかにそろいまして——僅か五人の委員のことでございますから、この五人が同時に任命され、同時に出發するように祈つておるものであります。こういう意味におきまして、この案を十分に審議する時間をもち合わせないのを残念に思いますけれども、この地方財政法なるものができましたあげく、將來の地方自治體の健全な發展をしていくか、あるいはまたこれが誤まつて地方分権が極端にいつて、この法案にもございますように、國家公益を阻害するような面にまでいきましたならば、これは國家の一大事でありますし、また國家公益の方面を強力に主張することによつて地方財政の健全な發達を阻害することになりましたならば、せつかく新らしい憲法に地方自治なる一項目が設けられ、地方自治體の健全なる發達を期待しておるその期待を裏切る結果にならないものでもございません。こういう重大な使命がございますから、政府當局におかれてはこの運用の完璧を期せられるように希望申し上げる次第であります。  以上所見を申し上げまして、この三案竝びに修正案に對して贊成の意を表するものでございます。
  34. 受田新吉

    ○受田委員 私は第一議員倶楽部を代表して、ただいま本委員會に上程されております三法案に贊意を表し、併せて竹谷源太郎氏の修正案に贊意を表するものであります。地方財政委員會方案を除く他の二法案は、内務省解體に伴う當然の法案として、何ら異議をはさむものでございませんが、地法財政委員會法案については、一昨日來の質疑において、政府當局の御答辯を伺つてほぼ了解點に達しておるのでありまするけれども、重ねて希望を申し上げてこの法案の圓滿な推進を願いたいのであります。  第一は、この委員會の構成メンバーが、専門的な財政通をあげることができがたい憾みがある。この點において少くともその缺を補う意味において、第八條の事務局には、きわめて優れた地方財政のエキスパートを簡抜していただきたい。これについては政府當局より現在の内務官僚がこの方へ轉換をしていくということは考えられるが、これは地方財政通が網羅されてあるというお言葉でありましたけれども、希わくは十分地方のこれらの財政通が待遇の上においてもこしをおちつけて、中央事務し得るように考慮を拂われなくてはならぬ、こう考えます。なお財政専門家の多い大藏當局との連繋を常に密にして、國家財政地方財政圓滑なる遂行を期さねばならない。この點については内務官僚としての長所である地方民との接觸を今後一層密にして、現に徴税上の困難などが非常に輻湊しておつて、すでに多額の滯納が現實に行われておる。この混亂せる社會情勢を人情、風俗、習慣等を尊重して、道義、正義、人道の立場に立つた内務行政官としての眞面目を發揮するようにやつていただきたい。地方財政委員會がこの點において今まで見られなかつた地方財政自主化地方自治の圓滿な遂行、こういう晝期的の大業を前にして、そこに違大なる——臨時的の措置ではあるけれども、恆久機構えの發展段階としてここに違大なる功績をあげていただきたい。議はこの點を特にお願いし、現に赤字續きの國家財政竝びに經費の高騰に悩みながらも戰災復興、經濟安定、公共事業の實力以上の事業を遂行しつつある地方財政、こういう點の兩者の調和が得られて、敗戰後の日本の財政建直りの上に大いなる功績をあげられんことを希望して、贊成の討論をいたすわけであります。
  35. 竹山祐太郎

    竹山委員長 これにて討論は終結をいたしました。これより採擇に入りたいと存じます。  まず地方財政委員會法案中竹谷委員より各派共同提案になる修正案が提出をされました。その修正の點は第七條中「一般官吏の俸給の額よりも高く、國務大臣の俸給の額よりも低い額の範圍内で」を削除するということであります。この趣旨は提案者の御説明の通り、國家及び地方の兩立場から公平な給料の基準を亂さないために、この修正をいたそうということでありまして、委員の資格に對して何ら變更を加えたものでないということであります。この修正案に對して採決をいたします。贊成の諸君の起立を求めます。     〔贊成者起立〕
  36. 竹山祐太郎

    竹山委員長 起立全員。修正案は提案者のごとく決定をいたしました。  ついで修正案を除く他の内務省及び内務省の機構に關する勅令等廢止する法律案地方財政委員會法案内務省官制等廢止に伴う法令の整理に關する法律案、以上三案に對して採決をいたします。贊成の諸君の御起立を求めます。     〔贊成者起立〕
  37. 竹山祐太郎

    竹山委員長 起立全員。原案の通り可決をいたしました。これにて内務省解體に關する三法律案を議了いたしました。連日の御審議を感謝いたします。  これにて散會いたします。    午後零時二十八分散會