○愛知
政府委員 大藏省
關係の
地方官廳につきましては、お
手もとに配付してございます表によりまして全貌はおわかりいただけるかと思うのであります。ただいままでいろいろ
説明のございましたものの大半は、最近におけるところの
地方官廳でありますが、これに反しまして大藏省の
地方官廳は、これで
ごらんになりますように、一口に申しまして明治初年以來の古い沿革をもつておるものでありまして、その
内容等につきましても、一々御
説明申し上げませんでも、大體もうおなじみが深い役所でありますから、おわかりいただけると思うのでありますが、ごく
簡單に
内容をかいつまんで申し上げたいと思います。
まず第一は財務局でございますが、この圖にありますように、全國に八つの財務局をもつております。これは昔は税務監督局という
名前で呼ばれてお
つたのでございますが、その名の示しますがごとく、從前は内國税
事務をおもに
所管してお
つたのでありまするが、その後いろいろの
關係から、たとえて申しますと、預金部資金の
運用、それから國有財産に關する
事務、それから金融
機關の監督、最近のものといたしましては金融緊急措置令の施行、それから金融
機關再建整備、企業の再建整備というような
事務も、一部本省から權限を財務局に委讓いたしまして、財務局限りで許可、認可その他が
簡單にやれるようにという
範圍で、財務局に相當廣汎に權限が委讓せられております。なおごく最近におきまして、
一般會計、特別會計の
豫算、決算に關する
調査ということを各
地方におきましても擔當することとなりましたので、この
事務も殖えております。それから特定契約と申しまして、主として進駐軍側からの要請によりまする各般の
事業をいたします場合に、民間との間に特別の契約によりまして相當大きく
事業が行われていることは御承知の
通りであります。その特定の契約につきましても檢査、監督ということを現在やつておるのでありますが、その
事務も財務局におきまして、本省と
連絡をいたしまして擔當いたしておるような
状況であります。財務局の下に、これにございますように、税務署がございますが、これは四百五十二の税務署が全國に
配置されております。それから
地方部と申しますのは、財務局の下に、大體において財務局の所在地以外の
府縣廳の所在地に置いてあるわけでございます。この
地方部におきましては、先ほど申しました内國税
關係以外の財務局が
所管すべき
事項の大
部分を所掌いたしておるわけであります。從いまして
地方部は、税務署とは全然獨立いたしておるわけであります。それからさらに特殊のものといたしまして、この
地方部の下に管財支所というのが書いてございますが、この管財支所と申しますのは、終戰後におきまして、主として陸海軍
關係の特殊の工厰、その他を賠償の
關係その他で管理保管を大藏省が命ぜられているわけであります。その
關係を主として取扱うことに
なつているわけでありますが、この管財支所は財務局の管財支所ということに
なつておりますが、各
府縣におきまして
地方部の監督の
もとに管財支所の
業務をやることに
なつております。從いまして實質的には一番上に財務局があり、それから
地方部があり、末端に管財支所がある、かように
なつているわけでありまして、その管財支所の所在地は、舊陸海軍の工廠その他の施設の多い所に置かれているような
關係に
なつております。なお出張所というものがもう一つあるわけでございますが、これは平たく申しますと、舊軍
關係以外の國有財産の
關係、それから最近におきましては財産税等におきまして物納を受けるのでありますが、その物納されたところの財産の
處理につきまして各税務署に附置されておるのでありますが、別箇の資格におきましし、財務局出張所という名によつてこの國有財産
事務をやつているわけであります。從いまして數は税務署の數と出張所の數がまつたく同じでありまして、これは役所も同じでございますし、ただ資格なりかつこうなりが税務署と別であるというだけのことでございます。
次は税關でございますが、これもまた明治初年以來のものであることは御承知の
通りでありますが、一時戰時中海運局に吸收されてお
つたのであります。これは二、三年の間であ
つたのでありますが、その二、三年間を除きましてはずつと古くからあ
つたのでありまして、昨年の六月一日に
關係方面の慫慂によりまして、税關として再び海運局から獨立いたしたわけでございます。
その
仕事の
内容は別に申し上げるまでもないと思いますが、關税、噸税その他税關の諸收入に關する
事項、それから輸出入貨物の
取締り、密貿易の
取締りというようなことが主たる
業務の
内容であります。なお將來為替管理とか貿易管理とかいうようなことが再び行われます場合におきましては、やはり税關が、これをやらなければならぬかと考えているのであります。現在のところは、主として
關係方面の要請によります密貿易の
取締りというようなことに非常に忙殺されているような
状況でございます。これにはやはり支所というものが四十箇所ございますが、これはやはり開港場その他の
關係で必要なところに置かれてあるわけであります。
それから出張所と申しますのは、支所にもございますし、税關から直接のものもございます。たとえば小さなものは、
東京驛の中に横濱税關の出張所がございますが、そういうものはきわめて小さなものてありますし、また相當の
組織をもつているところもございます。
それから監視署につきましても、申し上げるまでもなく密貿易の
取締り等にあたつているわけでありまして、個所は非常に多うございますが、そこに勤めております人間の數はごくわずかであるかと思つております。
次は專賣局
關係でありますが、これまた御案内の
通り、專賣
事業を
所管いたしているものでありまして、煙草、煙草用巻紙、鹽、にがり、粗製樟腦、それから樟腦油の專賣に關する
事務をやつているわけでございまして、この
組織等は明治以來ほとんど變つておりません。多少
機構その他に消長があるという
程度でございます。
最後に
人員と
豫算の點を申し上げたいと思うのでございますが、まず財務局
關係におきましては、
定員は一級八名、二級六百七十六名、三級二千二百二十四名、税務署はその中に含まれません。ただいま申し上げました數は、この表で申しますと財務局、
地方部、管財支所、出張所、この欄を全部總計いたしましたものでございます。税務署はそれとは別に四百五十二箇所におきまして、
定員は二級五千三百六十名、三級が二萬八千三名、計三萬三千三百六十三名、こういうことに
なつております。
經費につきましては、試みに二十二
年度の本
豫算を見まするに、財務局、
地方部、管財支所、出張所を合わせました
經費は、總計二億三千六百
萬圓、それから税務署におきましては六億七千四百餘
萬圓、かように
なつております。徴税費ということがよく問題になるのでございますが、大體におきましてこの税務署系統の六億七千四百
萬圓と、財務局系統の二億三千六百
萬圓の大半を合わせたものが徴税費ということができるだろうと思います。
次は税關でございますが、税關の
定員は、税關を通じましてこれは下の
機構も全部ひつくるめてでありますが。まず税關長六名のうち一級が四名、二級が二名、それから
事務官の
定員は、二級が三十八名、三級が七百八十二名、それから技官が二級十三名、三級百六名、
經費につきましては昭和二十二
年度豫算は
總額四千二百餘
萬圓、かように相
なつております。
それから專賣局は、實はここにいわゆる問題と
なつております、
地方官廳とはやや性質が違うかと思うのでございますが、この方は、つつこみで申しまして、昭和二十二
年度の
豫算といたしましては、作業費という
名前で呼ばれておるのでありますが、
地方專賣局から專賣本局まで全部合わせまして三十億九千六百餘
萬圓、かように相
なつておりますが、この
經費は作業費でございますから、ほかの
官廳における
經費とは全然性質を異にするものであると御了解願いたいと思います。
なお附け加えておきますが、このほかに大藏省といたしましては造幣局をもつております。本局が
大阪にございまして、
東京に
支局それから廣島郊外に一つの工場をもつております。
それから印刷局ももつております。本局が
東京にございますが、
地方にも相當分散して工場、
事務所等をもつております。これはやはり作業廳でございますので、この表には落しておきましたし、また今日御
説明する對象ではないかと思いますので、省略さしていただきます。