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松岡議長 土曜日に向うの人から会いたいというので、参議院の
事務総長と私ども三人で会いに参り、
相当長い時間話してきました。そのときの樣子をかいつまんで申し上げると、どうも
議会運営を見ていると、
常任委員会があるにかかわらず、特別
委員会を多くつくり過ぎる。干渉するわけではないが、
常任委員会の権威をなくするおそれがあるから、この点は考えてもらいたいということであ
つた。
もう一つは、
感謝決議が多過ぎはしないか。そこまでは言わなか
つたが、私の想像によれば、
日本民族の死活問題とする食糧について
感謝決議をする。また石炭三千万トンの一月ぐらい少し突破したとい
つて感謝決議をするが、結論的に言えば、
議長の
感謝でいいではないか。仰々しい決議案の形をとることはどうであろうかと言
つておられた。せつかくの
議会の
感謝決議の効果が減殺される
ようなことはないかとの注意をしておられた。その点を申し上げておきます。要するにすべては
議会の権威に帰する。率直に言えば、議論すれば議論の余地はある。政党政治である以上、三派の人々は自分らの政策を行わすための三派内閣だと考えているに違いない。またそうでない方方は、他の観点から議論があるに相違ないが、三派連立内閣だから三派の人が自主的に政府をして実行せしめ
ようというのがわれわれの
態度である。
議会で勝手ほうだいなことをして、
議会を通じて政府にやらすことは、政党内閣においては簡單に通らない。政治の実際の上から、單純な形式論に対して言うことがないではないけれども、それを議論する必要もないと思
つたから默
つて聞いていたが、要するに
議会の権威をあらしむるという根本
趣旨は大いに傾聽に値するものがあ
つた。殊に官舎問題に対して、外務大臣官舎の予算と
議長官舎の予算についても、事実は追加予算の上にそんなことは何ら現われていないのにもかかわらず、妙な調子でそういう問題に触れて、聞くところによると参議院
議長官舎の予算はえらく削減されて、それを外務大臣官舎に比較すると六分の一にも足らない。すると
國会の
議長の値打は外務大臣の六分の一に足らぬ
ような考えも起
つてくるということに対して、それは
日本の現状が、計画して新しいものを建設しなければならぬのであるが、あるものを買うというので、少し大き過ぎてもそれを買わなければ他にない。あるいはそまつだと思
つても、それでなければ家がない。それを買うということで、大臣が一千万円、
議長官舎が七百万円ということがあ
つても、決してそういうことを
意味するのじやない。それは
日本が戰災のために家がなくな
つておる特殊事情によるものだと言うておきました。
さらにG・H・Qとの連絡問題をやかましく言
つてお
つた。G・H・Qと
議会との連絡は自分のところにすべての問題について集中されているのであ
つて、他のセクシヨンから直接
議会にどうこうという
ようなことはないのと同樣に、
議会の方でも
委員長が
議長を通さないで勝手に出かけてくるということは絶対にやめてもらいたいという希望なのです。しかし個人的に何か事情を知りたいと思
つて訪ねる人の場合、それまで禁ずるのは不穏当だ。そこで結局は
議会として公式にG・H・Qを訪問したのであるかどうかということが明瞭になる
ようにしておくことが必要であると思います。
委員会でそういう必要のある場合正式に
議長に届け出ていただきまして、事務局にあらかじめ何か印刷したものを準備しておきまして、正式な訪問として
ウイリアム氏のところに電話をかけて、
ウイリアム氏の方から、その係に連絡をと
つてもらう。それが
議会の公式の訪問で、その他のことはま
つたく個人的な問題として扱
つてもらう。大体こういうことに話合いをつけてまいりました。その点どうぞ各
委員会に徹底する
ように皆さんからお傳え願います。