○
三浦説明員 三十七條はきわめて短かい
條文でありまして、
裁判官は
罷免の
裁判の宣告によ
つて罷免される、この
罷免の効果に関連いたしまして前に挙げました恩給権の問題、他の文官への就職の問題等があ
つたのでありますが、この問題とは別にたとえば
裁判官が死亡した場合、あるいは辞職を申出た場合、任期満了あるいは停年の場合等にどうやるかということが問題に
なつたのであります。かようなものに対しては
彈劾裁判が起
つた場合においてはみんなやめる、やめると
言つて辞表を申し出た場合においてはこの効果が減殺されるのではないか。そういうものについて特別の
規定を置くべきではないか、かようなことが
意見として出たわけであります。この点に関しましては一應
彈劾裁判の対象であるところの裁別官が
裁判官たるの
身分地位を失いました場合におきましては、それに対してすでに訴訟の目的物がないことになるわけであります。
從つてこれに対する
裁判は自然に停止される、かように
考えておるのであります。しかしながらなお辞職を申し出た場合においてはそれでは困るではないかというような御
意見もありましたので、これらの点につきましては特に法規上の
規定を設けないで、別箇に行政措置といたしまして、
裁判所長なり、あるいは
訴追委員長が内閣の方に辞職を申し出た場合においては、
彈劾裁判所に係属している場合には、その辞表をそのまま進行しないようにというような別途の行政処理に扱いによ
つて解決していきたいと
考えているわけであります。しかしながらなお途中で停年に
なつた場合、あるいは任期満了の場合とか、死亡の場合、どこでやめてもその
人たちを
彈劾によ
つて追究していく。たとえば恩給の問題等にも関連いたしますので、それをどうやるかという問題は残るわけであります。この点に関しましては必要があれば
規定を置いてもいいかと
考えておりますが、但しこれを御判断願います場合におきまして、
憲法の六十四條に
彈劾裁判所を設ける
規定があります点と併せて
考えていただきまして、そこまで追究できるかどうかという
憲法論を一應決定した上で
法案を処理したいと
考えております。