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大池事務総長 ただいまの荒木
國土計画委員長からの
お話は、この前の
委員の
協議会におきましても、またその前に
淺沼委員長からも御披露になりまして、昨日までいろいろ研究された点でございます。ただいまの
お話で第一回目の
事務局案として、内務省系統でありましたこの國土計画
委員会の中に、開拓問題がはい
つてお
つたのが、後に至
つて農林
委員会の方にはい
つてしま
つたのは、どういうわけであるか。またそれがむしろ不穏当ではなかろうかという点と、観光事業が國立公園と密接な
関係あるために、むしろこの
委員会の方に來べきではなかろうかという点と、住宅に関する問題については、やはり國土計画
委員会の方が穏当ではないかという御
意見のように
承知をいたしました。
第一点の開拓問題が、最初國土計画
委員会にはい
つておつたものが、なぜ農林
委員会の方へい
つてしまつたかという点につきましては、実はこの素案を各
委員の方々に御研究を願う際に、また私の方といたしまして、あのガリ版で差上げた當時は、十分に練れてもおりませんし、十分なものではございません。しかしながら二十日に各
委員長の顔合せがあるのであるから、その顔合せをいたします際に、各
委員長とも
お話をいたしましたり、いろいろする際に、自分たちの
委員会の
所管事項が、何をや
つているかわからぬというようなことでは困るから、とりあえず、十分なものではなく、また各
運営委員等の御
意見等も聽取しておらない、まつたく
事務当局の素案として出したものでございました。その当時は、実情を十分御
承知と考えておりますが、この開拓の問題を農林省
方面の事業の
一つとして取扱うがいいか、内務省
方面の
仕事の
一つとして取扱うがいいかということにつきましては、私がほのかに聞き及ぶところによりますると、前
内閣時代から、いろいろ
内閣においても御檢討があつたようでございまして、最初の案を私どもがつく
つて出しましたあの当時におきましては、当時の
内閣の大体の方針といたしましては、開拓の問題はむしろ大きな國家的な問題といたしまして、独立の
官廳といいますか、開拓廳といいますか、それは私存じませんが、独立のところでや
つて、内務省とか、あるいは農林省というように、いろいろに——今北海道の方は、何か内務省の方でおやりだとか聞いておりますが、そういうように二途に出ないように、統一的な施策をしたいということを
了承しております。そうなりますと
將來の日本再建のための食糧問題並びにいろいろの点で、むしろ國土計画という方がいいのではなかろうかという
意味で、私どもの素案といたしましては、一應國土計画という中に開拓という問題を取入れてお
つたのであります。ところが、その後に至りまして、だんだん政府の方も種々檢討をいたしました結果、独立のそういうものに開拓の問題を取扱わせるよりも、むしろこの農地というような面、また一方において食糧問題というものに非常な重点がありますので、それとの密着の
関係で、やはり農林省
関係の
事項といたしまして、取扱わせる方がいいということに、御決定に
なつたかのように聞いたのであります。ところがこの各
常任委員の
所管事項をわけまする際には、御
承知のように、一番最初問題になりましたのが、各省別の
常任委員会を設けるがよろしいか、
事項そのものを拾つた
常任委員会を設けるがよろしいかという
二つの思想がございまして、各省別が一番
簡單で結構なんでございますが、各省別にいたしますると、各省の廃合あるいは分離というようなことがあるたびに、この
規則をかえていかなければならぬ。それは非常に煩雜で、その都度、省が
一つできれば、また
一つの
常任委員会を殖やし、また減らすというようなことで、
委員になられた方々の
常任委員制度の本質に、むしろ副わぬじやないか。これを
事項そのものから專門的な能率をあげていただき、また力を発揮していただく方がいいという結論に
なつたために、この
所管事項は非常に
不備でございます。しかたがありませんので、現在や
つている一省のものをそのままに、なるべくそこへまとめる。非常に問題が多過ぎますれば、大体においてこれを
二つにわけるという方針のもとに、今の内務省系統のものを、治安とか地方
制度と國土計画というものにわけ、また農林省
関係のものを農林と水産というものにわけ、また厚生省のものを労働
委員会と
厚生委員会にわけるというように、一省のものを大きな眼目から
二つにわけた次第であります。
從つて今申し上げたような
意味合で、開拓というものは一應農林
委員会の方へも
つていつたわけであります。
また観光事業にいたしましても、これは実にむずかしい問題でありまして、見方によりますると、運輸の
委員会の方がいいという方もありますし、いまの國立公園そのものから見ますれば、國土計画がよいという見方もできますし、文化
方面の問題といたしましても、やはり観光事業が最も適しているではないかというので、文化の方に入れようとか、運輸の方に入れようとか、それからいまの國土計画に入れようかというので、私どもの方は非常に迷
つたのでありますが、私ども
事務局といたしましては、一應は運輸の中に入れるように考えてお
つたのであります。ところが、
参議院の方で観光事業は文化
委員会にどうしても入れるということに決定をされまして、向うの方から強き要望がありまして、各
常任委員会は合同
審査会を開くという
規定に
なつている。
從つてこちらの
委員会と向うの
委員会との
内容が非常に違
つておれば、合同
審査会を開く場合に非常に不便がありますから、これだけは何とか文化
委員会に入れて研究をしてもらいたい。少くとも
事務局案といたしましては文化
委員会の方へ入れておいてもらいたい。あと
委員諸君が、これはいかぬ、よその方がいいということで、よそに移管をされるような場合はやむを得ないが、一應はこちらに入れておいてもらいたいという強い御希望がありましたので、私どもといたしましては、両院の協調
関係等も考えまして、文化
委員会の方へ入れて
提案した次第であります。
それから住宅問題はおつしやる
通りで、災害復旧というものが一方においてありまするから、その災害復旧という中に、今次の戰爭における災害そのものを入れるということになりますれば、おそらく今の現実の住宅問題というものは、その方へ入らなければならぬという結論になりましよう。しかしながら、一方におきまして、
國民の生活自体をいかにしても
つていくかという、厚生という面から見ますれば、やはりこれは厚生省の方ではないかという見方が非常に強くなることと思いましていろいろ研究し、これをつくる場合には、わざわざ行きまして各省の
意見を一應聽取もいたしてまいつた次第でありまして、そんな
関係で一應厚生省の方へはい
つております。そういうようなわけでこの三つの
所属の経緯はそのままでございますが、ただいまの
お話の國土計画の面から、どれだけの開拓事業を國家としてなすべしというような、全般的な開拓計画を立てるということは、これは國土計画の
委員会が研究されて、少しも差支えない
事件ではないかと考えております。開拓そのものの技術的の
方面のものや、開墾その他農地増加というような点からは、当然この開拓ということは、農林
委員会の方で御研究になるものと思
つておりますので、開拓に関する現実の
議案が出て参りましたときには、その
議案の
内容が國土計画の面のものを沢山含んでおるというものであれば、またそのときにはどこへも
つていくかということをお諮りすることになるであろうと考えております。住宅の問題につきましても、その
通りと考えておる次第であります。