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1947-10-13 第1回国会 衆議院 海外同胞引揚に関する特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十月十三日(月曜日)     午前十一時三十一分開議  出席委員    委員長 天野  久君    理事 庄司 彦男君 理事 藤原繁太郎君    理事 中嶋 勝一君 理事 根本龍太郎君    理事 原   侑君 理事 若松 虎雄君       高瀬  傳君    成田 知巳君       松原喜之次君    吉川 兼光君       和田 敏明君    村瀬 宣親君       菊池 義郎君    竹尾  弌君       内藤 友明君    受田 新吉君  出席政府委員         復員事務官   森田 俊介君         外務事務官   大野 勝巳君     ————————————— 本日の會議に付した事件  海外胞引揚情況に關する説明聽取の件     —————————————
  2. 天野久

    天野委員長 それではこれより會議を開きます。  本日は海外胞引揚げその後の状況につきまして、外務當局より詳細なる御説明を拜聽することになつておりますから、御説明お願いいたします。
  3. 大野勝巳

    大野(勝)政府委員 最近におきまする各地からの引揚状況を、とりまとめて御報告申し上げます。  南の方から始めたいと思いますが、南方地區におきましては、本年九月末日現在におきまして、概數一萬六千人ほどの殘留員がおつたのでございまするが、英軍管轄地區につきましては、まずビルマから、九月十一日に宇品に著きましたドゼツトシヤーという英船によりまして、引揚げを完了いたしました。またシンガポール方面に關しましては、未だ復員せざる方約八千名と計算されておりますが、そのうちの五千名は朝嵐丸という船に乘りまして目下故國に向つて航行中であります。なお殘餘の三千名につきましては、本月下旬、シンガポールを出發する豫定になつている輝山丸という船によりまして、日本に歸つてくる豫定になつております。このほかに戰犯關係といたしまして、所在の地區殘留せしめられておる者が、約四千五百あると計算されておるのでございます。しかしそのうち南部佛印に關しましては、釋放された者が相當ございまして、その他の者と合計いたしまして約百名ほどが日本丸によつて近く本邦歸還する豫定に相なつておる次第でございます。南方に關しては概略以上の通りであります。  中國本土に關しましては九月末日現在において、中國本土に殘當しております本邦人は、大體七千三百名と概算されております。そのうち最近の動きを申しますと、九月二日に上海から、華中方面引揚者百七十七名佐世保に上陸いたしました。また九月二十六日に青島から、青島濟南方面引揚者五十五名が神戸に上陸しております。本年にはいりまして、十月十三日塘沽から華北方面引揚者が約千七百名佐世保に上陸する豫定に相なつております、よつて九月末現在七千三百人の殘留者と見込まれました者から大體千九百名ほどが減ずる豫定に相なつておりますので、ただいまのところ五千四百名ほどが中國本土殘留しておる日本人の數でございます。この中には戰犯關係で止められておる者も相當ありますが、これらにつきましては目下詳細なる數を調査中でございまして、別の機會に御報告申し上げ得ることと存じます。  滿洲からの引揚げでございますが、大體九月末までにおきまして十三萬五千人ほどが殘留していると思われるのでありますが、その中、中共地區におります者がほとんど十二萬に達するのではなかろうかと考えられます。從つて滿洲における國府地區におります人々は大體一萬五千見當に減つておる次第でございます。しかるに最近に至りまして、滿洲からの殘留者引揚げがさらに進捗を見ている次第でございます。すなわち目下本年にはいりまして第二囘目の留用者解除が行われまして、その引揚げが行われておるのであります。すなわち本月にはいりまして、四日竝びに六日合計六千八十五名が留用解除されまして、本邦に上陸いたしております。これらの方々滿洲地區におきまして、その經濟の維持あるいは技術的な方面留用者として從事しておつた方々であります。なお今明日ぐらいと思つておりますが、さらに千百八十八名が入港する豫定と相なつております。從つて合計七千二百七十三名が歸還すること確實であります。このほかに船舶三隻が目下のところ葫蘆島に待機いたしておるのでございますが、滿洲方面におきまするる國府軍と中共軍との戰鬪の熾烈化に關連いたしまして、はたして待機いたしておりまするこの三隻が引續引揚げを實行し得るかどうかに關しましては、ただいまのところまだ見透しがはつきりつかないというような状況に相なつておるのであります。以上をもちまして本年度の滿洲からの引揚げが終了するという豫定になつておるような状況でございます。數を申しましたのを要約して申しますと、滿洲に關しましては關東州を除きまして、先ほど申しました十三萬五千が留用者として殘つてつたのでございますが、その中、中共地區におるとおぼしき十二萬名を除きまして、一萬五千が九月末における殘留者、今次留用者解除によつて歸朝してまいります者大體一萬名と豫想されるのでございまして、先ほどの七千二百七十三名に、葫蘆島におりまする三隻にうまくいきますれば三千人ぐらいは乘れるものと計算いたしておりますので、これで一萬人ばかりが歸つてこられると言われるので、滿洲において留用者として殘つております者五千という數と相なる次第でございます。  ソ連地區からの引揚状況を申し上げますと、九月末現在におきまして六十九萬四千八百名が殘留しておつた計算に相なつておるのでございますが、そのうち、シベリヤ地區におりました者が大約五十六萬名、九月末までに引揚げを了しました者約十四萬七百、それから千島に關しましては、七千八百名がただいまのところまだ殘留いたしております。引揚げを完了いたしました者が一萬三百七十六名、樺太に關しましては、殘留いたしておりまする者十一萬六千名、引揚げを完了いたしました者二十五萬二百七十という計數が出てまいつてきております。今月にはいりましてからの状況を申し上げますと、六日までにナホトカから舞鶴へ六千二十二名、眞岡から凾館へ、大體十月の十日ごろに船がはいつてきておるはずでありますが、一千五百名ということに相なつております。從いまして、これらの數を引きましたものが今日まだソ連地區北方方面殘つている邦人の數でございますが、その數は五十五萬二千五百名ぐらいではないか、かように考えられる次第でございます。  以上がソ連地區におけるごく最近までの引揚状況でございますが、ソ連地區に關連いたしまして、もう一つ報告申し上げたいと存じますのは、過去九箇月間における引揚實數でございます。すなわち本年一月引揚實數七萬九千四百五十九、二月六萬二千五百八十四、三月九萬六千四百十九、以上が主として大連方面からの引揚げであります。四月にはいりまして五萬九千八百八十、五月にはいりまして五萬七千四百十二、六月にはいりまして四萬九千九百四十二、七月に四萬六千五百二十九、八月に三萬四百二十四というふうに、俄然數字が落ちております。九月に至りまして三萬六千百七十四名、四月ないし九月までは主として北方からの引揚げに該當するのでございます。以上合計いたしますと、本年一月ないし九月の間におきまして、五十一萬八千八百二十三名という數に相なつておりまして、一箇月の平均は五萬七千六百四十七名ということに相なつております。御承知のように、ソ連地區からの引揚げに關しましては米ソ間に一つ協定がございまして、一箇月五萬名を目途とした引揚げを行う、事情やむを得ない場合は別であるけれども、状況が普通である場合は五萬名ということに相なつておるのでございますが、ただいま御報告の申し上げましたことによりまして御承知相なられますように、大體一月から五月までの間におきましては、五萬名を相當上まわつておるのであります。殊に今年の三月のごときは、九萬六千という數に上つておるのでございますが、六月から漸次遞減いたしまして、八月の三萬四百二十四とうので底を一應ついておるのでございます。この點に關しましては、政府といたしまして多大の懸念をもちまし出、ソ連方面からの引揚數減少原因その他に關しまして目下鋭意實情調査中でございます。本月にはいりましても、連合軍總令部に對しまして、その理由につきまして照會を發しておりまするし、さらにこの協定の數だけないしはそれを上まわる數を引揚げさしていただきたい、それについて總司令部の好意的なる御配慮を得たいということを懇請いたしておる次第でございます。  引揚數の實質的な減少に關しましては、いろいろ理由が考えられるのでございますが、確實なことをまだここで申し上げ得ないのでありますが、引揚者その他の人々からの話を總合いたしますと、現地におきまする引揚港までの交通機關その他が多少圓滑に動いていないというようなこと等があげられております。從つてこちらから船舶を出しましても、それを十分滿たすだけの引揚者の集結が、必ずしも的確に行われないというような理由が主たるものであるように考えられるのであります。この點に關しましては、ただいま申しましたように、もつと權威のある直接の情報を得たいと思いまして、政府といたしましてはせつかく善處中であります。  以上をもちまして、各地からの引揚状況の御報告を終りたいと存じます。
  4. 竹尾弌

    竹尾委員 ちよつとお尋ねいたします。マライから目下航行中の船名をお知らせ願います。
  5. 大野勝巳

    大野(勝)政府委員 シンガポールマライ方面からの引揚船名でございますが、目下日本に向けて航行中の船は朝嵐丸、それから本月下旬シンガポールから出帆豫定の船は輝山丸と申します。
  6. 菊池義郎

    菊池(義)委員 ソ連からの引揚げが漸次減じておる原因は、大抵おわかりでございましようが、大體の豫想をちよつとお漏らし願いたい。
  7. 庄司彦男

    庄司(彦)委員 その問題に關しましては、先日外務大臣委員會理事が會いましたときに詳しいことを大體承つたのでありまして、會議が濟みましてから申し上げることにいたします。
  8. 森田俊介

    森田(俊)政府委員 ただいま大野政府委員からお話がございましたことの通りでございますが、うち復員廳に關しまする部分だけ引き拔いて大要申し上げます。大野政府委員からもお話がございましたような引揚状況でございまして、現在舊陸軍及び海軍に屬しまするものが、十月の初めにおいてソ連關係地區二百五十四萬八千名殘ることになります。それからそのほかに南方、中國、その他を含めまして、約一萬八百名が生存して殘つておるというのが確實なものであります。その一萬八百名のうち、ただいま申されましたように戰犯關係者が約四千名であります。この戰犯關係と申しまするのは、大體戰犯者として指定を受けておられる方、及びその辯護人、通譯向うの指定によつてそれの世話人として殘つておられる方も全部含んで約四千名であります。この戰犯關係のために殘つておられる方は、現在通報を得て、復員廳關係において名簿をもつておりまするので、お尋ねがございますれば、その名簿で照し合わせることができるようになつております。ソ連關係の五十四萬八千名は、生存者名簿も、そのうち死亡した者もあると思いますが、死亡した方の名簿も再三お願いをして、お送りを願い御通報をいただくようにお願いはしておりますが、まだいただいてはおりません。從つて詳細御消息を御家族等にお傳えできないことをまことに心苦しく思つておる次第であります。以上のほか南方、中國地區、その他ソ連を除く他の全部を合わせまして、舊陸軍におきまして約二十五萬六千名、舊陸軍におきまして約四萬六千名の生死不明者がございます。これは大體歸還は濟んだのでありまするが、この生還者の中にはいつておらず、さればといつてその方の個々の消息を斷定するには、もう少し以前の戰友だとか、以前の同じ部隊に勤めておつた者とか、各般の状況を調べなければ、戰死をされたとも、あるいは戰病死をされたとも輕々に御通報を申し上げかねる、もう少し精査をしてからでないと御通知をいたしかねる分がただいま申し上げました數だけあるのであります。この部類に屬される方につきましては、千葉に留守業務局を置き、各縣に民政部世話課がございまして。中央地方連絡をいたしまして、もと内地にございました部隊の原簿と、各歸邊せられる部隊がわずかながらもち歸られる書類、及び歸還者から一々覺書を出していただき、その覺書等をそれぞれ照合いたしまして、そうして調査究明にただいま全力を傾注しておるような次第でございます。以上外務省からのお話の要所と重なるところがあつたかと存じますが、特に復員關係の方を摘出して御説明申し上げました。     —————————————
  9. 天野久

    天野委員長 この際御報告を申し上げますが、前委員會におきましてメツセージの第二項を訂正し、第一項を直すようにというお話がございましたが、ここに訂正いたしまして御報告申し上げます。朗讀いたします。  本次戰爭終了後、東亞各地引續殘留を餘儀なくせられ、物心兩面に痛手を蒙つたわが胞六百萬を速かに日本國内に歸還せしめること及び現地滯留間の諸待遇を改善することに關し、貴下(貴委員會、貴代表部、貴本部、貴會)が示されたる御厚情と御協力とに對し、私はここに日本國衆議院在外胞引揚に關する特別委員會を代表し、滿腔の感謝と敬意とを表明いたします。  なお、現在においてもまだ歸國することができず、海外から空しく故郷の空を望んでいる同情すべき同胞は八十餘萬を數えています。これらの人々を速かにその故郷に復歸せしめますことは、日本國民の切々たる願いであります。殊に殘留が永引くに伴つて歸還を待ちわびる留守家族の生計にもいよいよ深刻なる問題を生じ、その心情の悲痛悲惨はますます筆舌に盡せぬ状態となつております。平和日本の完全なる建設を一日も速かにすることは國民を擧げての熱望でありますが、このために殘留者歸還を一刻も速かならしめ、他國民との間に永く恨を殘さぬよういたすことが最も大切なことと確信いたす次第であります。願わくばこの際滯留特に永きにわたつたこれら殘留同胞に對し同情を賜わり、從前と同樣御盡力あらんことをここに衷心より懇願いたすものであります。 こういうふうに訂正いたしましたから、どうか御承知を願いたいと思います。
  10. 天野久

    天野委員長 それからいま一つお諮りいたしたいのですが、先般來委員方々のうちに、參議院引揚に關する特別委員會衆議院引揚に關する特別委員會とにおいて、その名前においても少々の相違があり、それから衆議院としての引揚委員會がどの程度活動をいたし、どういうふうにいたすべきか、これに對してあまり逸脱した行為もどうかと思う。また足らざるもいけない。こういうようなことでいろいろお話がありましたのですが、これに對して御意見等を承りたいとともに、今參議院の方からこういう件について同調してくれないかという相談があります。大體主題といたしましては、戰爭犠牲者負擔公平化についての活動、こういうようなことで、つまり戰爭犠牲者負擔の公平を期するために活動したい。承れば參議院の方では、在外資産等に對しても小委員會を拵えて、そうしてそれぞれ御研究中である、こういうように承つておりますが、これ等についてどうか本委員會の今後の活動に對する御意見を承りたいと思うのであります。  それから御參考に申し上げてますが、參議院衆議院とで、參議院におきましては、在外胞引揚問題に關する特別委員會、それから衆議院の方は、海外胞引揚促進に關する特別委員會と、こう名前が變つておりますが、これは當局に尋ねますと、何ら他意あつてこの名前を變えたのではない、偶然にそういうことになつたのである。別に意味が違つて名を變えたのではないというお話であります。どうかこの點につきまして御意見を承りたいと思います。
  11. 庄司彦男

    庄司(彦)委員 先日參議院の會合にまいりましたが、在外資産の問題について非常に檢討されておりますので、私は何がこの特別委員會の性質が衆議院と非常に隔りがあるように思つて、一應御注意を喚起したわけでありますが、やはりこの委員會の性格としては、引揚げた後の更生、定著の問題は、厚生委員會の方にもつていくべきものであつて引揚促進を主とし、またこれに對する受入態勢という程度にこの委員會運營を止めていつたらどんなものだろうと思います。引揚げ後の更生資金とか、あるいは就業問題とかいう問題にかかりますと、これは勞働省の管轄もありますし、また厚生省の管轄もありますから、先ほど申し上げたように、引揚促進と、それから引揚げる者に對する受入態勢をどうするか、それからもう一つ、できるならば、留守宅家族の困窮な生活をどう援助するかという程度にこれを止めていつた方が、本委員會の所期の目的に副うのではないかと信ずるのであります。
  12. 天野久

    天野委員長 たでいま庄司委員から御意見がありましたが、本委員會引揚促進に關すること、及び受入態勢に關すること、それからいま一つ留守宅をいかにすべきか、これに對する援助というような範圍内で行動したらどうかという御意見であるますが、いかがでしようか。
  13. 竹尾弌

    竹尾委員 私も庄司委員とまつたく同感でございます。大體この委員會名前のごとく、引揚促進に關する委員會でございますので、それだけでも非常にたくさんの協議すべきいろいろな問題が起つてくると思いますから、とにかく一日も早く、いかにしてこの促進を早めるかということについて、全力を注いでいただきまして、あとの遺家族の援助というようなことは、副次的に考えていただきまして、とにかく一日も早く歸すことに全力を注ぐようにしていただきたいと思います。
  14. 天野久

    天野委員長 今の御意見に御異議はありませんか。
  15. 天野久

    天野委員長 そうしますと、つまり戰爭犠牲負擔公平化についての決議案ということに對しては、幾分逸脱する形になつてまいりますが、これはどんなものでございましようか。
  16. 庄司彦男

    庄司(彦)委員 戰災者の負擔公平化に關する決議案、この問題は議員連盟で取上げまして、案をつくつたものでありますが、これは本委員會と別個に、運營委員會を通じて各派に呼びかけて、そうして全員の問題にしたいということを私は考えておるのであります。本委員會ではこの問題に對して、別に決議する必要はないのではないかと思います。
  17. 天野久

    天野委員長 それではこれは委員會としては別に何ら關係せずに關係する場今には個人の立場で關係する、こういうことですか。
  18. 庄司彦男

    庄司(彦)委員 さようでございます。
  19. 菊池義郎

    菊池(義)委員 ちよつとお伺いします。引揚者在外資産これは一體とれるものですか、とれないものですか、その見込みについて當局からお伺いいたしたいと思います。
  20. 庄司彦男

    庄司(彦)委員 大藏當局が見えておりませんから、私この問題についてずつと働いてきました關係上、私から申し上げます。  この在外資産の問題については昨年議員連盟ができまして以来、非常に當局との交渉も重ね、また各方面からの陳情もありましたが、特に在外資産よりもつと重大な問題は在外公使館とか領事館が殘留者生活、あるいは館員の生活その他のために集めた——集めたというより、本省の了解を得て借りた金が非常に厖大な額に上つておるのであります。この問題をまず取上げて外務省に交渉いたしまして、そのころの外務大臣であつた吉田外務大臣から善處するということを聞いておりますけれども、その後これも在外における資産の一部として取扱われることになりまして、當分の間見込みない。またこれが賠償に組入れられるかどうかということもまだはつきりしない。われわれとしては個人勤勞所得くらいは、何とかして返してもらいたいということで、範圍を縮めて申し上げたのでありますけれども、今のところではとうてい國家財政上、また司令部の指令上、これが全面的にどうなるかということについては、何らの結論に達し得ない状況になつております。大體見込みがないじやないかということになつている状態であります。
  21. 高瀬傳

    高瀬委員 ただいまの問題に關連しますが、もし全部向うに押えられたと假定すると、それに對して國家賠償するようなことがあるかどうか。その點外務省の方にちよつとお伺いいたいと思います。
  22. 大野勝巳

    大野(勝)政府委員 ただいまの高瀬さんの御質問でございますが、在外財産將來賠償に引當てられるだろうとは考えられるのでありますが、今の段階では正確にどういうふうになるかということにつきましては、ここで申し上得げないような状況でございます。しかしながらかりに賠償に引當てられる場合におきましては、個人のもつてつた財産政府が肩代りをしまして賠償に引當てるということに相なる筋合いでございますからして、それに對しまして本來から申せば賠償を補償をするのが至當であらうと思います。しかしながらこれはその時の財政状況その他とにらみ合わして考えていかなければならない問題でありまして、何とも今状況からしまして豫測を許さない問題であると考えている次第であります。
  23. 天野久

    天野委員長 ほかになんか御質問ございませんか。     —————————————
  24. 天野久

    天野委員長 いま一つ報告申し上げておきますが、先般舞鶴函館當委員會から視察に派遣するということになつておりましたが、それはG・H・Qへ今申請いたしておりますが、オーケーがまいりませんから、オーケーが來次第出掛けることになつております。  先般婦人議員を動員いたして各關係當局その他に陳情しようというようなことでありましたが、これは參議院の方でメツセージをつくつて、それをもつていこう、こういうことになつておりますが、參議院の方でまだメツセージができておりませんので、それができ次第各方面を歴訪する、こういうことになつております。  いま一つ引揚者が港へ著ついたときに、生家へ電報をもつて知らせる電報を無料でやつてもらいたい。こういうことを遞信大臣お願いをしておきましたが、大臣としては法の許す限りはひとつ研究してみよう、こういうことだけで、まだそれは確たる返答がまいりませんが、法が許すならばそうしよう、こういう御返答でありました。
  25. 松原喜之次

    松原(喜)委員 その電報の問題は小さい問題ですけれども、そこに關係官廳があるのでありますから、その官廳から官報を出してもらえばなんでもないことではないかと思います。そうむつかしく研究するというような問題ではないと思います。
  26. 天野久

    天野委員長 なお一つ大臣にその旨をよくお話し申し上げます。
  27. 受田新吉

    受田委員 委員長が先ほど言われた函館舞鶴視察に行く計畫がまだ許しがないそうですが、非常に差迫つた問題だし、また寒さも迫つてきておるので、この點はわれわれの熱情のあるところをできる限り早く具現したいと思うのであります。どういう事情かは存じませんが、こちらの熱意に缺けるところがあるか、もしくは非常に困難な事情があつて、とうてい實現がむつかしいというようなことでもあるならば、この際あらためて方法を考える必要がないかと考えるのでありますが、その間の事情ちよつとお知らせ願えますまいか。
  28. 天野久

    天野委員長 はつきりした事情はわかりませんが、何か參議院の方で視察に行つてきた。その報告がどうとかいうことが關連して、それが濟みさえすればオーケーが出るのではないか、こういうふうに聞いておりますが、私としてもせつかくこういう委員會をつくつて御出張願うことになつておりますので、一日も早くオーケーをとつてといろいろやつております。オーケーが出ない理由はつきり聞いておりませんが、何か參議院の方の視察團あと始末關係でこちらにたたりがきておる、こういうふうに聞いております。なお一層努力いたしまして、急いでオーケーをとつて御出張願うようにいたしたいと思つております。  それでは本日はこれで會議を閉じることにいたしまして、後刻庄司委員から外務大臣の御報告の話を祕密會を開いて承りたいと思います。    午後零時十六分散會