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1947-12-03 第1回国会 衆議院 運輸及び交通委員会 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十二月三日(水曜日)     午後一時四十六分開議  出席委員    委員長 正木  清君    理事 佐伯 宗義君       井谷 正吉君    佐々木更三君       重井 鹿治君    島上善五郎君       館  俊三君    志賀健次郎君       橘  直治君    原   彪君       堀川 恭平君    矢野 政男君      岡村利右衞門君    高橋 英吉君       飯田 義茂君  出席政府委員         運輸政務次官  田中源三郎君         運 輸 技 官 岡田 信次君  委員外出席者    議員 本田 英作君 議員 根本龍太郎君    議員 庄司 一郎君 議員 伊藤 恭一君    議員 秋田 大助君 議員 松浦 東介君    議員 村上 清治君 議員 淵上房太郎君         運輸事務官   石井 昭正君         運輸事務官   柴田 吟三君         運輸事務官   川村 二郎君         專門調査員   岩村  勝君         專門調査員   堤  成威君     ————————————— 十二月二日  瑞浪、深澤間鐵道敷設請願長谷川俊一君紹  介)(第一二六三號)  釜石線全通促進請願志賀健次郎君外七名紹  介)(第一二七〇號)  大澤假停車場昇格請願神山榮一紹介)(  第一二八五號)  富山港線拂下に關する請願鍛冶良作紹介)  (第一三〇五號)  大糸線全通促進請願外一件(増田甲子七君紹  介)(第一三一四號)  甲府鹽尻間鹽尻名古屋及び鹽尻長野間  電化促進請願外一件(増田甲子七君紹介)(  一三一五號)  荒尾市増永に停車場設置請願寺本齋君外一  名紹介)(第一三二九號)  右左府御影間鐵道敷設請願山中日露史君  外三名紹介)(第一三三四號)  網代驛の驛名變更反對の請願足立梅市君紹  介)(第一三三九號) の審査を本委員會に付託された。     ————————————— 本日の會議に付した事件   請願  一 遠州地區内における國營トラック運營中止    に關する請願鈴木里一郎紹介)(第六    二一號)  二 二俣、佐久間間鐵道速成請願竹山祐太    郎君外一名紹介)(第六二九號)  三 松本よりの二路線に、明科よりの二路線に、    及び山清路・上田間に國營バス運輸開始の    請願増田甲子七君紹介)(第六三七號)  四 奈良、上野間國營バス運輸開始請願(前    田正男紹介)(第六六四號)  五 西彼杵半島内に國營バス及び航路開設の請    願(本田英作紹介)(第六六五號)  六 羽後鐵道災害復舊國庫補助請願根本龍    郎君紹介)(第六六六號)  七 久慈白山間及び久慈、玉ノ脇間國營バス    運輸開始請願山本猛夫紹介)(第六    六七號)  八 滯貨亞炭輸送増強に關する請願庄司一    郎君紹介)(第六七二號)  九 角館、阿仁合兩驛間鐵道速成請願根本    龍太郎紹介)(第六七三號) 一〇 沿岸荷役業者貨物自動車營業認可請願    (八並達雄紹介)(第七一五號) 一一 新制中學校生徒通學鐵道運賃減額に關す    る請願西山冨佐太紹介)(第七一九    號) 一二 横須賀市沼間に停車場設置請願小暮藤    三郎君外一名紹介)(第七二七號) 一三 城端、西赤尾間國營トラツク運輸開始の請    願(橘直治君外一名紹介)(第七三八號) 一四 古津信號所を一般驛昇格請願高岡忠    弘君紹介)(第七四一號) 一五 七尾、氷見間國營バス運輸開始請願(橘    直治君外二名紹介)(第七四二號) 一六 羽咋、氷見間鐵道敷設請願橘直治外二    名紹介)(第七四四號) 一七 若江本線を金居原まで延長請願森幸太    郎君紹介)(第七五六號) 一八 省線電車を小田原まで延長請願鈴木雄    二君紹介)(第七五八號) 一九 都農町に停車場設置請願(片島港君紹    介)(第七六三號) 二〇 近畿日本鐵道會社線法隆寺平端間復活の    請願細川八十八紹介)(第七六八號) 二一 東京、鳥羽間直通列車復活請願石原圓    吉君紹介)(第七七〇號) 二二 川之江大杉間國營バス運輸開始請願(    馬越晃君外八名紹介)(第七九〇號) 二三 姫路市より新宮山崎を經て曲里に至る間    に國營バス運輸開始請願外四件(佐々木    盛雄紹介)(第七九一號) 二四 川之江池田間鐵道敷設請願馬越晃君    外八名紹介)(第七九三號) 二五 熊本より山鹿を經て大牟田に至る前に電車    敷設請願宮村又八紹介)(第七九八    號) 二六 久慈岩泉間國營バス運輸開始請願(石    川金次郎紹介)(第八〇〇號) 二七 下呂、飯田間國營トラツク運輸開始請願    (伊藤恭一紹介)(第八〇四號) 二八 三田、有馬間鐵道復活請願後藤悦治君    紹介)(第八〇九號) 二九 右左府御影間鐵道敷設請願森三樹二    君紹介)(第八一四號) 三〇 油津港に臨港鐵道敷設請願川越博君外    二名紹介)(第八二〇號) 三一 笹島驛名古屋港間に貨物線敷設請願(    辻寛一紹介)(第八三六號) 三二 穴吹、白地間國營バス運輸開始請願(岡    田勢一君外四名紹介)(第八四五號) 三三 姫路市より新宮山崎を經て曲里に至る間    に國營バス運輸開始請願外五件(佐々木    盛雄紹介)(第八六〇號) 三四 神戸市長田區停車場設置請願佐々木    盛雄紹介)(第八九九號) 三五 桃ノ川、彼杵間鐵道敷設請願中村又一    君外一名紹介)(第九〇三號) 三六 澁民信號所を一般驛昇格請願山本猛    夫君紹介)(第九二四號) 三七 大糸線全通促進請願増田甲子七君紹    介)(第九三一號) 三八 甲府鹽尻間鹽尻名古屋間及び鹽尻・    長野間電化促進請願増田甲子七君紹    介)(第九三九號) 三九 山形鶴岡鐵道敷設請願松浦東介君紹    介)(第九四一號) 四〇 矢島鐵道損害賠償に關する請願村上清    治君外一名紹介)(第九五〇號) 四一 一戸、岩泉間國營バス運輸開始請願(山    本猛夫君紹介)(第九五五號) 四二 荒谷前驛を一般に變更の請願山本猛夫君    紹介)(第九五六號) 四三 柏木平、遠野間改軌工事促進請願山本    猛夫君紹介)(第九五七號)四四 直方福岡間國營バス運輸強化請願(淵    上房太郎紹介)(第九六五號) 四五 常野線水戸まで延長請願葉梨新五郎    君紹介)(第九七二號) 四六 水戸波崎間竝びに鹿島佐原間國營バス    運輸開始請願葉梨新五郎紹介)(第    九七五號) 四七 岐阜、根尾間國營バス運輸開始請願(大    野伴睦紹介)(第九七八號) 四八 楯岡寒河江間寒河江荒砥間及び神町、    谷地間國營バス運輸開始請願圖司安正    君外一名紹介)(第九八三號) 四九 楯岡寒河江間左澤荒砥間及び神町、谷    地間鐵道敷設請願圖司安正君外一名紹    介)(第九八四號) 五〇 國鐵電氣工事開放に關する請願前田榮之    助君外二名紹介)(第一一四六號)     —————————————
  2. 正木清

    正木委員長 會議を開きます。  これより請願審査にはいります。採決は後日にまわすことといたしまして、議事の進行上逐次日程を變更して審査いたします。  日程を變更いたしまして、日程第五、西彼杵半島内に國營バス及び航路開設請願本田英作君ほか一名紹介文書表番號第六六五號を議題とします。本田英作君。
  3. 本田英作

    本田英作君 ただいま議題になつておりまする西彼杵西彼半島というのはちようど長崎港を中心として兩翼に擴がつておる半島なのであります。この半島は、陸の方からも海路の方からもまつたく惠まれない、昔ながらの状況を示しておる古典的な所なのであります。それで住民一同がその交通不便のために、多年非常に悩んできておるわけでありますが、今日までなお鐵道の便も、航海の方も、舊式のものによつてわずかに交通せられておる所でありまして、一日千秋の思いをもつてもう少しく交通が恵まれるようにありたいと希望しておるわけであります。そういう次第で、長崎港というような、日本として非常に古くから開けてきたその兩翼の所が、まつたくそういう交通不便の状態にあるわけでありまして、バスはありまするけれども、私營のバスで、それも故障がちで、一日ほとんど交通もできないようなことがたびたびあるし、また船の方は長崎港から二、三里くらい隔たつたところであつて一週間も船の通わないような所です。そういう次第で名前からしてあまり世間にも知られていない西彼杵というまことに舊式な所でありますので、ぜひひとつ國營バス適當航路をもつて、陸上及び海上の交通の便宜をはかつてもらいたいというのが、本請願の趣旨であります。何とぞ多年の同方面住民の熱望をかなえさせていただくようにお願いいたします。
  4. 川村二郎

    川村説明員 ただいまお話がありました通り半島内の交通はきわめて不便で、まことに申譯ないと思つております。島内の路線には大部分現在は長崎自動車株式會社バスが運行されておりまして、非常に運行囘數は不的確で、地元に御迷惑をかけておりまするが、さしあたりはこれらのバス資材を配給するなり、増車をするなり、そういつた増強方法を講じて、サービスの改善をはかりたいと考えております。國營自動車營業開始については、御承知のように豫算なり資材なりの事情があり、目下情勢では、早急に實施することは困難かと思われます。しかし長崎面高間、村松、瀬戸間については、今囘の輸入貨物自動車を十輛、トレーラーを十二輛配置して、旅客貨物運輸實施をいたすような運びになつております。御了承願います。
  5. 石井昭正

    石井説明員 ただいまの御請願のうちに、航路開設の件がございました。大村灣沿岸航路省營をもつて開設いたしますことは、地方事情、あるいは旅客貨物の動きなどを調査の上、鐵道直營の航路運營の箇所を檢討いたしたいとは存じておりますが、ただいまのところではいろいろな事情から、さしあたりの實現は困難ではないかと考えております。
  6. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。     —————————————
  7. 正木清

  8. 淵上房太郎

    淵上房太郎君 この請願直方福岡間と書いてありますが、直方福間間の誤植ではないかと思います。運輸省當局でもいろいろ御配慮をいただいておるのでありますが、資材とか車輛關係もあつて、現在非常に運行囘數が少いので、きわめて地方民は困つております。現在直方福丸間が十四往復、福丸福間間が四囘往復です。しかるに昭和十八年の省營の始まりましたときには、直方福丸間は十八囘往復であり、福丸福間間は十二囘往復であつたのであります。さらにさかのぼりまして、前の民營時代には直方福丸間が三十四囘往復であり、福丸福間間が十八囘往復であつたのでありまして、民營時代から省營になつて非常に減つており、その省營の發足當時から現在は、さらにうんと減つておるというような状態でありまして、例を昭和十七年にとりますれば、福間福丸間一日平均二百八十人、福間直方間は一日平均八百五十人の乘客を輸送してもらつてつたのであります。現在非常に囘數が少くなつて、何時間も待つてつても毎囘のバスに乘り切れず、積み切れずに終日待ちぼうけを食うというような、まことに悲惨な状況でありまして、資材不足折柄でもありますが、運輸當局に何とか特別の御考慮をお願いしたいと考えます。この筑豐沿線は御承知のように炭鑛が非常に多いのでありますが、その炭鑛からちよつと西に、ほんの一里か二里、あるいは三里くらいしかない実地になつておる所であります。しか海岸にも三、四里しか離れていない土地がありますが、いわし一匹一圓五十錢から二圓もする、相當物價も高く、經濟的に相當開けておりますが、ただ輸送状況というか、運輸状況がそういうぐあいできわめて困つておりますので、各地方のいろいろな關係もありましようけれども、特に運輸省としては格別の御考慮を願いまして、運輸囘數の増加、輸送力の擴充に格段の御配慮を特にお願い申し上げたいのであります。よろしくお願いいたします。
  9. 川村二郎

    川村説明員 ただいまおしかりを受けましたごとく、まことに申譯ないと思つておりますが、現在のかような輸送力の貧困は、國營自動車といわず、民營自動車といわず、戰時中の車輛の酷使、あるいは車輛用資材配給不足、その他燃料の不足等事情によりまして、民營自動車においては免許線の約半數は休業状態でございますし、省營自動車においても、本路線に限らず、全般的に今申し上げましたような事情で非常に運行囘數は減少しておりますし、サービスは下つておるのでありまして、申譯ないと考えております。しかし現在においても、車輛事情その他資材事情は非常に窮乏状態にありまして、御希望の通り輸送力を發揮することは非常に困難であると考えられますが、それについては現在もつております貨物自動車を改善して、逐次旅客輸送力をつけたいとも思つておりますし、最近入手の見込みのつきました新しい自動車を、さしあたり五輛ほど本路線に配置して、幾分でも輸送を緩和して、御要望に應えたいと思つております。
  10. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はございませんか。     —————————————
  11. 正木清

    正木委員長 なければ日程を變更いたしまして三九、山形鶴岡間鐵道敷設請願松浦東介紹介文書表番號第九四一號。松浦東介君。
  12. 松浦東介

    松浦東介君 山形鶴岡間の鐵道敷設請願でありますが、これはずつと以前にも衆議院を通つたことがあり、また昨年私が紹介議員として本院において採擇になつておるところのものであります。山形縣は御承知のように山形米澤兩市中心とする村山、置賜地方と、いわゆる庄内地方と呼ばれますところの酒田、鶴岡方面日本海地帶とからなつておるのでありますが、同一行政區域内にありながらこの間の交通がきわめて惠まれません。縣廳所在地山形市から庄内地方に行くには、遠く新庄地方を迂囘して陸羽西線を通らねばならず、日歸りはとうてい不可能というような状態でありまして、縣の行政上にも、またいろいろな方面物心兩面においていろいろな支障があるのでありまして、從つてこの山形鶴岡間をつなぐところのこの鐵道は、實に重要路線となるわけでございます。しかし從來請願して採擇になつたものは昔のいわゆる六十里も多いと言われる道順なのでありますが、今囘請願いたしますものは、同じ山形鶴岡間の鐵道敷設でありましても、道順に多少相違があるのでございます。請願者地方縣會議員町村長町村會議員、その他有力者七十有數名でございます。その代表者となつております松田實という人は七十餘歳の老人でありますが、これは若いころから鑛山業で鍛えた人でありまして、この出羽山脈のすみずみまでくまなく拔渉している練達の山の體験者であります。非常にこの山について知識の深い人であります。前に山形縣縣會議員をやつた經歴もあります。すなわちこの請願はこの鐵道をかけるならば、舊來考えておりました道順とは多少違うのでありまして、鶴岡壁から分岐して赤川と梵字川の合流點から大越川と寒河江川との合流點を通過しまして、西村山大井澤を南進した路線をとりますればその間寒河江川に沿うて平坦地があるのでありまして、そこを通つて寒河江川を渡り下峠に約二キロのトンネルをもつて同じ西村山郡の七軒大字柳川字徳澤に直通し、それから大字柳川字青柳に達し、それから約四キロ東進いたしまして、七軒大字貫見に至り、本郷村を經て約十四キロで省線左澤線左澤驛に達するのでありまして、こういうような道順をとれば工事は他の路線と相違しまして、なだれの防止設備も少く、また工事費も少額で足るだろう、こういうような觀點からこの道順について請願をするような次第なのでございます。またこの鐵道敷設になりますと、その間にはいわゆる朝日嶽と大島湖の大自然林があるのでありまして、ぶな材その他松、杉等が繁茂しておりまして、まだ一度も人跡のなてない伐採したことのない自然林があるのであります。ここに鐵道敷設になりますれば、いわゆる林産物の開發はもちろんのことでありまして、その他の地下資源開發をはかり、また同時に日本海方面山形地方との運輸圓滑にすることができる、かような意味においてこれを請願したような次第でございます、何とぞ御採擇あらんことをお願いいたします。
  13. 岡田信次

    岡田(信)政府委員 ただいまお話鐵道の沿線には森林資源鑛物資源が非常にございまして、かつ未開發のままに殘されておるわけでございます。なおこの鐵道ができますれば、日本海山形本州中部との連絡に非常な役に立つということは申すまでもないのでございますが何分鶴岡左澤間は七十二キロございまして、非常に廣大トンネルとかあるいは廣大橋梁等を必要といたしますので、目下情勢では早急にこれを敷設する運びに至らない状態でございます。
  14. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はございませんか。     —————————————
  15. 正木清

    正木委員長 なければ日程を變更して四〇、矢島鐵道損害賠償に關する請願村上清治君ほか一名紹介文書表番號第九五〇號。村上清治君。
  16. 村上清治

    村上清治君 簡單に御説明を申し上げます。矢島鐵道と申しますのは、現在秋田縣省線羽本庄線から矢島線というのが運行されておるのでありますが、その路線のうちの矢島前郷間の路線、これを大正十一年九月三日に軌道特許を受け、この矢島鐵道株式會社というのは大正十三年の十月四日に設立いたしたものでありますけれども、敷設工事が未完成の間に、昭和十年八月三日工事竣工期間の不認可軌道特許取消の處分を受けたのであります。當時敷設工事延期延期を重ねておりましたために——承知通り當時は非常に農村の不況時代でありまして、米の値段が一俵五、六圓のときであります。全國的に救農請願運動が展開された當時でありまして、これがために第六十三臨時議會が召集せられ、次いで第六十四議會におきまして、全國的に災害匡救對策竝びに東北振興策の徹底せられた當時であります。かくのごとき不況時代でありましたがために、零細なる農民資本をもつて始まりました本軌道敷設の困難を極めたことは當然なことでございます。この間におきまして會社の重役などは資材を投げ出して、ようやく工事の七割程度まで進捗させたような次第であります。しかるに政府におきましては右の災害匡救對策竝びに東北振興の政策の一環といたしまして、政府線の現在運行いたしておりまする矢島線著工昭和十年の三月に發表いたしたのでございます。しかるにこの線は子品川をさしはさみして、すでに工事中の矢島鐵道路本と、新たに政府線として著工を始ました線とが竝行いたしております。しかも、接近してその川の兩側を通つておりまして、かつ横斷するというような、竝行、接近、横斷關係にある新線でありますために、この場合私鐵でありますところの矢島鐵道買收しなければならないのは當然であつたのであります。しかるに政府におきましては、買收もいたしませんで、また同年六月、會社から提出いたしました補償の申請に對しましても應諾いたしませんで、かえつて八月に至りまして、特許權失效處分をいたしたのでございます。もちろんこの買收する、しないは政府の權限でございますけれども、かくのごとき明白に竝行接近しておりまして、かつ政府線竣工の曉には、矢島鐵道既成軌道というものは無價値のものになつてしまい、地方の一局部に當時不況時代において五十五萬餘圓損害をもたらしたというこの處置は、正當な行政措置とは申し上げがたいのであります。しかも矢島鐵道と同じ運輸系統に屬しておりまして、先ほど申し上げました本荘から接續しておりますところの模荘鐵道西線——これは本荘前郷間でございまして、省線羽越線竝行線ではございませんが、これは買收されております。また當時北海道江當線のごとき竝行線ではないものが、省線新設のために無價値になるという同情ある理由のもとに、補償されておるのでありますが、ひとり矢島鐵道のみは買收補償もされていないという状態でありまして、片手落ちの措置だと言わざるを得ないのであります。ここにおきまして會社側といたしましては、同年九月に行政訴訟を提起いたしまして、かつ衆議院請願をいたしまして、前後二囘にわたつて採擇せられております。この行政訴訟は敗訴になりまして、さらに昭和十三年十二月に、政府會社線交叉地點不法侵害によるところの損害賠償請求訴訟秋田地方裁判所に提起いたしたのでありますが、當時議會請願中でありましたので、紹介議員その他の關係衆議院議員斡旋勧告によりまして、あまり穏當でないのではないかというような話がありまして、翌十四年の一月にこの訴訟を取下げたのであります。次いで昭和十七年十一月二十八日に、翼贊政治會民情部に陳情いたしまして、その斡施了解によりまして、當時八田鐵道大臣はこれを了解是認されたのでございましたが、當時事務當局側におきましては、豫算がないという理由のもとに十八年の十一月に金一封會社側に提示して解決をはからんとしたのでございます。金一封というのは二千圓だそうであります。會社役員會におきましては、これに從うことはできないときめまして、同年十一月二十八日に八田鐵道大臣あて不服の囘答をしたのであります。大體以上申し上げるような事情でございますが、本件はまつたく當時鐵道當局の、地方實情を無視した處置だと言わざるを得ないのでありまして、このため地方中堅農家——これは中堅農家だけの株式會社でありますが、この中堅農家の破産したものが八人までおり、それからその村は非常に疲弊いたしております。それまでは優良村として全國的に嘱望された村でございましたが、それから非常に貧弱な村になりました。それのみならず、このほか有形無形地方に與えた悪影響というものは、きわめて大なるものがあるのであります。すでに二囘にわたつて採擇せられました請願でもありますから、新しい憲法の實施によりまして、國民の權利が再確認されました今日、多年にわたる行政の誤診を訂正しまして、虐げられた國民に温かい救濟の手を伸ばして、新して民主政治の明朗な出發を發足せられんことを要望するために、本請願を提出した次第であります。何とぞ委員各位におかれましては、愼重に御審議の上に御採擇あらんことをお願いいたします。
  17. 柴田吟三

    柴田説明員 ただいまいろいろお話がございましたように、事情はまことにお氣の毒に存じます。しかしながら當時の書類について調べてみますると、大正十四年十一月に工事施行認可が下りまして、その後數囘にわたりまして竣工期限延期をしてまいつたのであります。その間九箇年を經過したのでありまするが、なお事業遂行見込みがつきませんので、昭和十年に至りまして特許取消があつたわけであります。また省の矢島線の開業は昭和十二年でございまするが、すでに矢島鐵道につきましては特許取消がせられておりましたために、地方鐵道法に基すますところの買收または補償方法によることを得なかつたのであります。地方鐵道法には、政府地方鐵道に接近しまたは竝行して鐵道敷設したために、地方鐵道業者が營業を繼續することができない場合には補償することになつておりますが。ここで敷設と申しまするのは、營業開始という意味でございまして、從いまして本件の場合につきましては、省線營業開始のときにすでに矢島鐵道特許取消されておりますので、矢島鐵道補償の途はないということになつております。また先刻も申されましたように行政訴訟本件につきまして提起せられておりますが、これは敗訴になつておりますし、また民事訴訟につきましても、提起を取下げたというような經緯もありますので、事情はまことにお氣の毒に存じますが、事情はまことにお氣の毒に存じますが、目下のところ損害賠償に對する方法がないのであります。まことにその點は遺憾に存じます。
  18. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。
  19. 村上清治

    村上清治君 ただいまのお話で、特許取消されたために補償の途がないというようなことはごもつともでございますが、事情かくのごとき状態でございまして、御調査になれば明瞭になると思いますから、地方實情によつて何らか御考慮を願いたいと、當局に向つてお願いする次第であります。
  20. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑がなければ、三二、穴吹、白地間國營バス運輸開始請願岡田勢一君ほか四名紹介、文書表番號第八四五號。岡田君代理秋田大助君。
  21. 秋田大助

    秋田大助君 御説明申し上げます。これは徳島縣の穴吹、白地間に省營バスを通してもらいたいという請願でありまして、穴吹、白地間の沿道にありまする十一箇町村が、この間に省營自動車を通してもらいたいという期成同盟會を結成いたしまして、熱心に陳情をいたしてまいつておるものであります。陳情者の方から運輸省御當局に對しましては、再三すでに御陳情申し上げておりますので、事情は當局においてはよくおわかりであり、またその必要性も御認識くださつていることと思うのでありますが、國會の請願紹介者の一人として責任上、同僚諸君にも御説明申し上げて、ぜひとも御採擇願いたいと存ずるのであります。穴吹、白地間と申しますのは、徳島縣の有名な吉野川の約中流に位しまして、北岸地帶を連絡する地帶で、約二十數キロにわたつていると記憶いたしております。こ間南岸には國有鐵道徳島線が通つておりますが、大した交通機關が北岸にはないのであります。しかもその沿道には地方事務所、警察署、裁判所、税務署、職業安定所、專賣局の出張所等の諸官署を初めていたしまして、脇町中學校、池田中學校、三好農林、美馬高女の各中學校その他銀行支店等がありまして、これらの通勤、通學する者の數もきわめて多く、また産業方面を見ますれば、米麥、甘藷、葉タバコ、木材、薪炭あるいは和傘等の生産地帶をなしておりますので、そういう物資の集散も頻繁でありまして、産業上から申しましても重要な路線をなしているわけであります。しかるに並行的に南岸には國鐵が通つているのでありますが、有名な荒川として全國に名高い吉野川が、雨が降りますとただちに氾濫をいたしまして、交通が南北間杜絶する。しかもその二十四キロの間に橋梁は互いに兩端に一つずつあるだけというような状態でありまして、沿道の住民の困惑もはなはだしいのであります。しかるにこの穴吹から吉野川の下流までは、同じ北岸に現在すでに國營バスがいわゆる鍛冶原線として運行しているのであります。これを延長していただきたいというのでありまして、現在の鍛冶原線の上流地帶にあたつている北岸の者は、同じ北岸でありながら、下流地帶は交通に惠まれているにもかかわらず、相當重要な所でありながら、惠まれていないというような觀點からしても、ぜひ交通の利便に均霑したいという要望を抱くのは無理からぬところであろうと思うのであります。ところが實際は、現在穴吹、白地間の約中間に位します重清という所までは、私營の西部陸運株式會社というものが路線權をもつてバスを運行しておつたのでありますが、現在非常にサービス悪く、不定期で、一日一囘出たり出なかつたりというようなことで、非常に不便でありますから、これもぜひ省營にかえたいということと同時に、それを延長したいという要望であります。何とぞ請願者の熱望の状況理由等もよく御勘案くださいまして、ぜひともこの際鍛冶原線を延長していただきたい。しかもこの請願には、穴吹、白地間となつておりますが、實際は白地から少し延長して南岸にずつとまわり、池田まで御延長願いたい。これは愛媛縣の川之江に至るいわゆる川之江に至るいわゆる川之江バスとその間竝行するわけでありますが、現地の地理的状況から申しますれば、當然池田まで延長せしむべきものであろうと思うのであります。穴吹、池田間には車庫の設備もありますし、また道路もりつぱな道路であります。いろいろ事情御勘案になりまして、ぜひこの請願を御採擇あらんことをお願いする款第であります。
  22. 川村二郎

    川村説明員 ま話の通り、まことにお氣の毒に存じておりますが、正式に國營自動車運營事業を開始するということにつきましては、目下豫算資材その他の事情から早急實施は困難かと存ぜられます。先ほど來お話がありましたように、民營自動車の件につきましても突き進んだ了解ができているようでございますし、さいわいにして、私どもの方の川之江線竝びに阿波線兩方とも池田と穴吹まで行つておりますので、いろいろ實情を調査いたしましたところ、一輛なり二輛なりの車を兩線から稔出いたしますれば、從事員につきましてもあまり無理をしないで一日二往復程度の實施は可能ではないかと思われますので、御希望通りには困難かと思いますが、現地の鐵道局長の責任で一日二往復程度の實施はいたしたいと考えております。
  23. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。     —————————————
  24. 正木清

    正木委員長 それでは次に日程二七、下呂、飯田國營トラック運輸開始請願、文書表八〇四號、紹介議員伊藤恭一君。
  25. 伊藤恭一

    伊藤恭一君 岐阜市を起點といたしまして富山に通じております高山線の中間にある下呂驛から、中央線の坂下驛を通じまして長野縣の飯田驛に通ずるところの道路は、裏日本、北陸方面と東海地方、静岡方面とを結ぶところの最短距離の路線でありまして、中部地方の最も重要なる道路の一つと信ずるものでありますが、從來トラック、バス等の運轉状況はきわめて振わない。特に最近は運轉車輛が非常に少くなりまして、沿道隣接町村間においての物質の交流竝びに供出物資の輸送等に關しましても、事缺くことが非常に多くなつたのであります。ここにおいて沿道一市十七箇所町村にわたるところの各町村民の間に、省營トラックの運轉開始を要望する聲が非常に高まつてまいりまして、各關係町村相はかつてここに請願をする次第であります。なお飯田市におきましては御承知のごとく本年四月の大火災によりまして、全市のほとんど八割程度を失つておりまして、その復興資材の必要を痛切に迫られておる現状であります。一方沿道各町村におきましては、木材、薪炭等あらゆる生産物質の滯貨は非常におびただしい量に上つております。この際下呂から坂下驛を通じて飯田間の約百七キロの全線に省營トラツクの運轉が開始せられましたならば、この沿道の關係區域の愛くる恩恵は實に大なるものがあるとともに東海、北陸の物資交流はますます活發となり、山林資源の開發などにより新生日本の建設に寄與するところが非常に多いということを確信するものであります。從つてトラツクをまず第一に開通さしていただきまして——もちろんこの關係町村はトラツク、バス兩方を切望しておりまするけれども、まず第一段階といたしましては、トラツク運轉を速やかに實施していただきますように格段の御配慮を煩わしたいという沿道民衆の熱意を代表しまして、關係の一市十七箇町村の代表者が先だつて請願にわざわざ參つたのであります。どうぞ委員の皆様におかれましては、その邊を御了解いただきまして、御採擇いただきますように切に懇願をいたす次第であります。
  26. 川村二郎

    川村説明員 ただいまのお話の通で非常にお氣の毒に考えておりますけれども、私どもの國營トラツクの關係といたしましては、御案内の通り今年の初めに運輸省に千輛ほど頂戴いたしまして、方々の貨物運輸の計畫をいたしたのでありまして、當該の鎮につきましても事業實施の調査なり交渉を進めたのでございますが、何分にも地元の業者の協定もなかなか進みませんし、また車輛の面につきましても、このほかの地方の交渉が著々進みまして、車輛の都合もつかなくなつたような状況でございまして、さらに本年度以降の豫算なり資材の面から勘案いたしましても、今後急速に貨物運輸を開始することは非常に困難なような状況になつております。從いまして、既存の貨物自動車業者の輸送力を増強いたしまして、御要望にこたえたいと思つておりますが、貨物自動車事業者としましては二業者ありまして、伊那貨物自動車株式會社代表者中上市三、資本金五十二萬圓、保育車輛數が七十二輛、實動車輛數は約六〇%となつております。次は下伊那貨物自動車株式會社代表者中島嚴、資本金百萬圓、車輛は百輛で、同様に六〇%の稼動率を示しております。この事業者の輸送力を増強いたしまして、當分の間御要望におこたえしたいと思つております。
  27. 伊藤恭一

    伊藤恭一君 ただいま政府委員から御説明がありましたように、長野縣の方におきましてはそういう民間の業者が一應あるようでありまするが、岐阜縣の方におきましては下呂から坂下に通ずる間には何らの民間業者がありません。それで關係九箇町村が今非常に熱望しております。なおこれについては、いわゆる全貨連とか、そういうようなものの反對は、岐阜縣の下呂から坂下に通ずる所には全然ありません。でありますから林産、薪炭すべてが非常に滯貨しております。そういうような關係から、もし長野縣の方が非常に困難でありましたならば、ぜひとも岐阜縣の下呂、坂下間は至急にやつていただきたいということを切にお願いします。
  28. 川村二郎

    川村説明員 ただいまのお話通りでございまして、岐阜側といたしましてはすぐ近くに業者がないのでございまして、御不便のことと考えますけれども、輸入自動車關係の車がただいまのところ全然目あてがございませんので、さいわいに進駐軍の拂下等が期待されるような場合には、優先的に考えて御希望に副うようにいたします。
  29. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。     —————————————
  30. 正木清

    正木委員長 次に日程第八、滯貨亞炭輸送増強に關する請願庄司一郎君紹介、文書表第六七二號。庄司一郎君。
  31. 庄司一郎

    庄司一郎君 本請願の趣旨はきわめて簡單でございまして、東北六縣亞炭生産地においてすでに採掘を終つて小運搬により東北本線あるいは奥羽本線その他の支線等の各驛に、現在滯貨をしておりまする亞炭が約十四萬五千トンと調査されております。これは本年の八月の末の東北六縣の亞炭連合會本部の調査でございます。その後九月には奥羽の水害その他災害等もあり、さらに數萬トンの滯貨がプラスされたと思うのであります。石炭の事情の悪い今日、關東特に都内における石炭の不足を補うため、小くとも四千カロリー以上の優良なる亞炭をもつて補充しているところの各中小工場等においては、亞炭の都内に配達されることを非常に要望しておるのであります。一面亞炭の生産者關係は、亞炭公園が主要なる各驛に亞炭貯藏庫の建築はされておりまするけれども、まだ東北六縣を通じてわずかに數箇所にすぎないのであります。ために亞炭が各驛に數箇月にわたつて滯貨している關係上、御承知のごとく亞炭そのものの燃燒のカロリーが風水害によつて非常に激減をしているのであります。たとえば四千カロリーの亞炭があるいは三千五百カロリーとなり、あるいは三千カロリーというように燃燒力が激減をしてまいつておる。すなわち亞炭の質が非常に低落をしているような不幸な状態であります。そこでぜひこの亞炭の滯貨をさしあたり一掃してくださるように、運輸當局におかれては萬全の努力をしていただきたい。さらに亞炭の積極的に増産をはかり、石炭と同様重要性を認識の上において、亞炭の増産と同時に輸送圓滑に行われ得るように萬全の策を講じていただきたい。そうすれば、亞炭の生産業者も助から、亞炭を需要するところの中小工場等においても助かる。また亞炭を原料としてこれを科學的に利用されておるところの各種の工業者も、亞炭の配給によつてその事業が圓滑になり、あらゆる生産物の生産をなし能うというように、いろいろな福音がございますから、さしあたりいろいろ貨車の輸送面において隘路もございましようが、その隘路を斷つていただいて、特に關東内に、あるいは都内に東北地方より亞炭がはいることができ得るような萬全な措置を願いたいというのが、この請願の趣旨でございます。
  32. 石井昭正

    石井説明員 亞炭の輸送に關しましては、その重要性を十分に承知いたしておりまして、重點的に輸送を確保する方針でございますが、遺憾なことには、東北地方から出ます亞炭が、青森地區における特殊關係輸送が非常に輻湊しております關係と、再度の風水害の影響を受けまして八月、九月には計畫に對しまして約半分くらいの程度しか送れていないような實情で、ただいまお話のようなことになつてまことに遺憾に思つておるのでございます。これが對策といたしましては、十月一日から東北地方から京濱に向けて薪炭竝びに亞炭の專用列車を一本運轉實施中でございます。しかしながら現在のところでは各地における荷受の關係もあり、また東北線も水害後十分な輸送力を發揮し得るという状態に未だ達していない状況なので、これらの障害が解決いたしますれば、でき得る限り御趣旨に副い得ることができると考えております。
  33. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。     —————————————
  34. 正木清

    正木委員長 それでは日程四七、岐阜、根尾間國營バス運輸開始請願、大野伴睦紹介、文書表第九七八號。紹介者の説明を求めます。     〔正木委員長退席、佐伯委員長代理著席〕
  35. 岡村利右衞門

    ○岡村委員 代つて紹介いたします。本請願の要旨は、岐阜市より本巣郡北方町を經て根尾村に至る交通は古來頻繁で、民營バスもあつたのでありますが戰時中廢止されたのであります。しかるに沿道各町村には疎開者、戰災者、引揚者等が轉入し、また木材、薪炭等に關する往來が増加したが、現在は岐阜より本巣郡の中心をはずれた一端に民營バスがあるのみであります。ついては旅客の利便のため該路線國營バス運輸を開始されたいというのであります。何とぞ御採擇あらんことを希望します。
  36. 川村二郎

    川村説明員 ただいまの請願はしばしば御要望がありましたので、私どもの方も研究をいたしたのでありますが、現在のところ民營自動車との協定が非常に困難でありますのと、目下豫算資材等の關係からして實施が非常に困難になつておりますので、一應現在の民營業者の強化によりまして御要望にお應えいたしたいと思つております。
  37. 佐伯宗義

    ○佐伯委員長代理 本請願に對する質疑はありませんか。     —————————————
  38. 佐伯宗義

    ○佐伯委員長代理 次は日程第六、羽後鐵道災害復舊費國庫補助の請願根本龍太郎紹介、文書表第六六六號。日程第九、角館、阿仁合兩驛間鐵道速成請願根本龍太郎紹介、文書表第六七三號を一括して議題といたします。根本龍太郎君。
  39. 根本龍太郎

    根本龍太郎君 ただいま議題となりました兩請願について御説明を申し上げます。  羽後鐵道災害復舊費補助の請願につきましては、御承知のごとく今囘東北を襲いました水害によりまして、羽後鐵道は大損害を受けたのであります。この羽後鐵道というのは昭和五年湯澤を中心とするところの雄勝線を開通しましたし、また前に開通しておりました横手を起點とするところの鳥海山脈に至る線、この二つをもつておりまして、この線は秋田縣の南部交通の動脈として奥羽線に直結するところの唯一の私鐵であります。この沿線は鳥海山脈を中心とするところの薪炭補給の輸送ルートにもなつておりますしまた雄勝平野の農産物集散の線でございます。また教育關係から申しますと、これらの地方は相當發達した農村でありますために、これらの沿線の子弟が湯澤及び横手町の中學、女學校あるいは工業學校に通う非常に大きな線になつておるのであります。しかるところの今囘の水害によりまして非常な損害を受け、その損害額はおそらく三、四百萬圓と査定されておるのであります。しかもこの鐵道によつて、この沿線からの物資が國鐵に接續するために、國鐵は相當の収入をあげておるのであります。さらに本鐵道の公共性、公益性に鑑み、この復舊に際して何とぞ國庫からの災害復舊の恩情に浴したいというのが請願の趣旨でございます。もとより關係の町村、あるいは鐵道會社それ自身は、資金、資材を投じ、また沿線の住民は、學生その他も勞力奉任をしておりますが、これをやるにはとうてい力が足らない、こういう觀點に基きまして、公共土木費的な觀點に立つて、何とぞ災害復舊費を國庫から援助してもらいたいというのが趣旨の要點でございます。  次の角館、阿仁合兩驛間鐵道速成請願でございますが、これはすでに昭和十三年に角館から神代、西明寺を經て檜木内に至る十六キロの間にはレールを敷くばかりでありまして驛もできておつたのであります。しかるに戰時中のためにこれがとりやめになつて今日に至つたのであります。この鷹角線の沿線は奥羽山脈のふもとを走る線でございまして、これは現在東北における澗葉樹林の最も大きな資源地でございます。なおまたこの地區には、石炭及び金、銅、鉛等の鑛脈があるのでございます。この資源調査には、商工省の仙臺の商工局が非常な關心をもつて相當調査を進め、先般は前苫米地運輸大臣、あるいは和田安本長官の來たときにも、地元においてあるいは秋田縣廳において、この請願をいたしたのでありますが、粘結炭の非常にカロリーの高いもので、約七千カロリーはある。こいらうふうに認定されております。その鑛床の状況はまだ十分に調査が完成してはいないけれども、相當の埋藏量がある。こういうふうに專門家が言つておる次第であります。從いまして資源開發の點から見ましても、あるいはまた地方開發の面からいたしましても、秋田縣にとつては、この鷹角線の完成が、一大産業復興の重點となつている次第であります。縣會においてもこれを決議いたしまして、決議文を國会その他に送つて、この速成を望んでおる次第でございます。なおまたこの鷹角線が完成いたしますと、上野、青森間の交通時間約二時間短縮される。こういう状況にもありますので、時局まさに非常に大事なときであり、また國家の財政非常に困難なときであり、また資材の少いときでありますが、わずか六十キロの所でありますし、また調査も完成しておる今日でありまして、枕木その他も現場からとれる。問題はレールだけなのでありまして、しかもこれができますれば、すぐに鐵道用炭もその現場の近くからとれるという意味におきまして、必ずや日本再建、經濟復興の大きな役割を演ずるであろうと考えておる次第であります。どうか委員の各位におかれましても、以上の状況を御勘案の上、何とぞ滿場一致をもつて御採擇あらんことを切にお願いを申し上げまして、紹介の辭を終ることといたします。
  40. 柴田吟三

    柴田説明員 羽後鐵道の問題につきまして、御答えいたします。羽後鐵道は御承知のように、もとの横荘鐵道と雄勝鐵道が合併いたしまして、羽後鐵道となつたのでありますが、もともとこの鐵道は雄勝線と連絡いたしまして、地方の産業開發上、重要な路線であつたのでありますが、業續は必ずしも良好でありませんので、かねがね政府から補助金を交付いたしまして、昭和二十年までに約二百四十九萬餘圓に達するようなことになつております。今囘七月下旬及び八月中旬の二囘にわたりまして、大洪水によりまして線路の流失、決壤が隨所に生じて、相當大なる損害をこうむつておるのであります。水害が起りましてから、早速係官を現地に派遣いたしまして、詳細の状況を調査せしめたのでありますが、特に横荘線におきましては、船場避溢橋等の被害が相當大でありまして、これが復舊はなかなか簡單にいかないような状態になつております。その過渡的な方法といたしまして、新潟鐵道局におきまして、自動車によりまして連絡運送をやりまして、一時の急場をしのいでおるような状況になつております。また御承和のように雄勝線におきましては先月の二十日に假開通をしておるような状態であります。これらの復舊に要します費用は、ただいまお話がございましたように、約三百九十萬圓くらいに達する。こういう見込みでございます。これに對しまして政府といたしましては、でき得る限り復舊用の所要資材の配當を行いますとともに、資金につきましては、復興金融金庫に對しまして、融資の斡旋方を講じておりまして、おそらく希望通りにいくのじやないかと考えております。また本年度の補助金につきましても金額は約十九萬圓餘でございますが、すでにその支拂方につきまして手配をいたしております。またただいまお話にありましたところの、災害の場合におきますところの全面的な補助ということは、金額も相當多額に上りますので、目下のところはただちに補助金を出すということは、相當困難があろうかと考えておりますが先ほど申しましたように、復興金融金庫に對しまして、できる限りの金融の策を講じたいと考えております。
  41. 根本龍太郎

    根本龍太郎君 今度の案についての今の補助額は、どのくらいいつておるのでありますか。
  42. 柴田吟三

    柴田説明員 今度の約十九萬圓餘いくことになつております。
  43. 根本龍太郎

    根本龍太郎君 あとの補助金の見込みは……。
  44. 柴田吟三

    柴田説明員 これは災害に對する補助ではないので、成績が悪いところに對する補助です。
  45. 根本龍太郎

    根本龍太郎君 災害の補助に對しては……。
  46. 柴田吟三

    柴田説明員 目下のところは金額も相當多いのでございますし、關係方面といろいろ折衝いたしましたが、實現は相當困難であろう。こういうふうに御了承願います。
  47. 岡田信次

    岡田(信)政府委員 私から阿仁合、角館間の鐵道敷設につきましてお答え申し上げます。この鐵道は先ほどお話いたしましたように、角館、檜木内間は、昭和十三年議會の協贊を得まして、工事に一部著手いたしたのでございます。ところが戰時中資材その他の關係から、遂に完成を見ずに今日に至つたわけでございます。なお阿仁合、川岱間約三十五キロはまだ全然工事にかかつておらない線でございます。それでこの沿摂には、お話通りいろいろ鑛産資源なり、あるいは林産物等が非常に多いので、資源の開發という見地から積極的に工事を進めたいという希望をもつておるのでございますが、何分にも現下の情勢といたしまして、早急に著手することはきわめて困難であるという情勢に相なつております。なお賓産炭鑛株式會社が檜木内附近の石炭を開發するために、專用鐵道敷設したいという希望をもつておりまして、目下鐵道局としましてこれが測量あるいは設計等について十分援助して、できるのならばこの專用鐵道だけでも速やかにつくり上げたい。こういう考えをもつております。
  48. 根本龍太郎

    根本龍太郎君 鷹角線の調査は、最近この二箇月ばかり前にはいつておつたようでありますが、あの調査において非常に地元が希望をもつて觀喜しておつたようでありますけれども、あれはどういう意味合いの調査でありましようか。すでに調査は何囘も終つたのでありますが、その意味と、それから全線ただちにやるということは困難かもしれませんが、鐵道のレールを敷くばかりになつておる檜木内、ここまでは何とかしてできないものでしようか。特に檜木内は御承知のように鐵道枕木、木材、ある薪炭を地方に送つておるのでありますが、この線が非常に交通が困難なのであります。みな陸上小運搬によつておるのでありますが、それで實は今の進駐軍からの拂下げによる省營トラツクの問題が出たのであります。しかしこれまた實現を見なかつたために、現在非常に木材、薪炭の運搬に困つておるのであります。ここは十二、三キロの所でありますが、せめてこれだけでも皆さんの御採擇によつてできますれば、當面の東京その他に行ところの燃料對策、あるいは復興資材輸送の面においても、非常に福音になると思いますから、せめてこの線だけでも第一次的計畫として、御採擇あらんことを重ねてお願い申し上げます。
  49. 岡田信次

    岡田(信)政府委員 第一のお尋ねの點でありますが、これは先ほど申しました賓産炭鑛株式會社から頼まれまして、實地の測量をいたしたわけであります。  それから第二の點でありますが、角館、川岱間十三キロ餘りが、約七割程度完成いたしておりますので、あとわずか手を入れますれば列車を動かし得る状態になつておるのでございまするけれども、もう少しレールを敷けば、列車の運轉に支障がないというような線が全國に約五百キロ餘りございまして、一方それに要する資材がきわめて貧弱な状態なのでございますので、この線を特に高順位にというわけにはただいまのところ參りかねておりまするが、今後レールの輸入その他によりまして、補給がつきましたならば、できるだけ速やかに開通するようにいたしたい、こう考えております。
  50. 佐伯宗義

    ○佐伯委員長代理 本請願に對する質疑はありませんか。     —————————————
  51. 佐伯宗義

    ○佐伯委員長代理 なければ、日程第一〇、沿岸荷役業者貨物自動車營業認可請願紹介議員原彪君より説明を聽取いたします。
  52. 原彪

    ○原(彪)委員 沿岸荷役業者貨物自動車營業許可の請願につきまして、御紹介申し上げまして、御贊同を得たいと存じます。  終戰後の經濟情勢の變化と自由主義思想の普及に伴つて、港灣運送業の統制も解かれ、運送業務の自由圓滑なる運營か期待されるときにあたりまして、貨物自動車運送事業のみは依然として戰爭中の統制形態のままにあり、社會の要請に副わない點が少くないのでございます。沿革荷役業者は、あるいは本船、あるいははしけと連結して、あるいは生産者と直結して、諸種の貨物の梱包、あるいは港内運搬、あるいは保管というような業務に、かてて加えまして、貨物自動車の運送を含めなければ、一貫した作業ができない状態にあるのであります。現在の状態にありますると、本船から沖取りしまして、岸壁にはしけがついて、はしけから水揚げして貨物自動車へ積んで運ぶのでございますが、荷物が岸壁へついて、その場で沿岸荷役業者はトラツク業者の方に連繋をとつて、トラツクに岸壁まで來てもらうことになるのでありますけれども、諸種の事情からしてただちにトラツクが岸壁へつくというようなこともなかなか困難でありますし、その連繋が非常に遲れる。從いましてはしけの滯船料も非常にかさんできますし、從つて荷物の運搬も非常に遲れる。かような状態にあるのでありまして、どうしてもこれは一貫した系統でこの輸送をしていただくことが最もいいことでございます。現在日本通運がやつておりますように、日本通運は自分の營業用のトラツクをもちまして、貨車から荷物をおろしたものを、自分のところの營業用のトラツクでこれを運んでおるようなわけでありまして、從つて非常に能率的である。これと同様なことをはしけ業者にもやらしてもらいたい。かようなのが請願の趣旨でございます。沿岸荷役業者で戰爭前の貨物自動車運送の營業權をもつておつたものは、戰爭中に強制的にこれをトラツク會社に統合され、沿岸荷役業者はトラツク會社の株をもつというようなことになつているのでありますが、少くとも戰爭前の營業權をもつておつた荷役業者に對しては、その範圍内の車輛において營業權を復活してもらいたい、こういうのが請願者の意向でございます。沿岸荷役業者は、戰前におきましては貨物自動車營業も兼營しておつたのでありますが、戰爭中にトラツク會社に統合されたということも、むしろそのときの總動員法的な強制によつて統合されたのでありまして、これをできるだけ解除してもらいたいというのが業者の意向でございます。最近その統合のわくを緩和して、大都市においては、車輛事情上百輛をもてば新規營業許可の方針となつているように承つておりますが、現在の車輛生産受び資金の状態をもつてしては、おそらく實現不可能のことであろうかと思われます。この際新たなる營業許可は諸種の事情から困難であると思いますが、もとの營業權をもつておつたものの範圍内において復活させていただきたい、こういうことが請願の趣旨になつております。この方法といたしましては、現在荷役業者が自家用貨物自動車としてもつている範圍内においてそれを營業用に轉換してもらうということが一つ、さらにまた現在の貨物自動車運送會社に出資した車輛數または金額に應じてそれぞれのトラック會社との話合いによつて適正なる車輛數を、統合された沿岸荷役業者に環元してもらいたい、こういうことがこの請願の要旨の一つになつているのでございます。さらにまた、現在貿易は再開されておりませんが、主要港における諸種の荷役というものは現在なお頻繁に行われているのでありまして、この荷役を圓滑に運ぶことからしましても、一日も早く沿岸荷役業者にトラツク營業を一貫してやらせてもらいたいということでありますが、その方がどれだけ能率的であるか、はかり知れないものがあるのでございます。さらにもしもどうしても沿岸荷役業者にトラツク營業を許可することが困難であるような場合には、一定の請負賃率をもつてトラツクの請負をさせてくれということも、業者としては請願の中に入れているものでございます。  大體請願の趣旨は以上の通りでありますが、先日の委員會におきまして私が來るべき貿易再開とにらみ合わせて沿岸荷役の重要性からして、トラツクの兼營ということにつきまして御質問申し上げましたところが、郷野政府委員は今の段階ではただちにこれをすることも困難であるので統合されたトラック會社の荷役業者は大株主であるから、會社の荷役業者は大株主であるから、適當にそのトラック業者と話合いをしてやつたらいいだろうという、はなはだ抽象的なお話でありまして、それでは私たちは滿足な各答辯とは解しかねるのでありまして、一日も早く沿岸荷役業者の今もつておりまする自家用トラックを、營業用にはつきりとさしていただくように願いたいと思うのであります。さらにまた道路運送業法が先ほどの委員會において議決されまして、近く施行になるのでありまするが、一日もゆるがせにできないこの沿岸荷役の問題からいたしまして、その間の暫定措置といたしましても、一日も早くこれを施行されるよう特にお願い申し上げまして、この請願の趣旨の辯明にかえる次第であります。
  53. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 本請願の要旨にお答えいたします。請願の御趣旨はごもつともでございまするが、何分にも現在の全國の車輛竝びに車輛の生産状況から見まして、ただちにとつてつて請願の要旨におこたえするということも事實上困難な面があるのであります。しかしながら現在の自家用自動車を一定の總合的な運營を行わしめる點については、請願の要旨にお述べの通り考慮いたして差支えないと考えております。なお來議會に通運事業法を提案いたしました後におきまして、これらの諸問題を全面的に解決いたしていきたいと政府は考えておる次第であります。
  54. 原彪

    ○原(彪)委員 先ほども提案の趣旨の中に申し上げましたが、現在仕事が一貫してないために沿岸業者としては非常に仕事がぎこちなくなつておる次第でありまして、できれば通運事業法の來議會において提出されるまでの暫定措置としても、何らかの手を打つていただきたいことが熱望にたえないところであります。御答辯を願いたいと思います。
  55. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 重ねての御質問でございまして、質問の御趣旨はごもつともと存じます。その面におきましては、大體でき得る限り現營業車竝びに自家用車の連繋をはかりまして、直接通運の一貫作業ができ得るように配意いたしていきますとともに、前に申し上げました通り、すなわち來議會に提案いたしまする通運事業法と相まちまして請願の要旨にこたえていきたいと考えております。
  56. 佐伯宗義

    ○佐伯委員長代理 本請願に對して質疑はありませんか。
  57. 井谷正吉

    ○井谷委員 この問題につきましては今次官からの御答辯で大體意味がわかるのでありますが、御承知のように特殊産業でございまするし、現在自動車ももつておるわけでありまするから、この邊はなるべく圓滑に早く安心して行えるように、特に御考慮をお願いしたいということを附け加えておきたいと思います。
  58. 佐伯宗義

    ○佐伯委員長代理 ほかに質疑はありませんか。     〔佐伯委員長代理退席、委員長著席〕     —————————————
  59. 正木清

    正木委員長 諸君にお諮りいたしますが、本委員會請願審議上、便宜の處置といたしまして、委員長の指名により館俊三君に議事進行をしていただくことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 正木清

    正木委員長 御異議がなければ、日程第一、遠州地區内における國營トラツク運營中止に關する請願鈴木里一郎紹介、文書表第六二一號。館俊三君。
  61. 館俊三

    ○館委員 本請願紹介議員鈴木里一郎君となつておりますが、お見えになりませんし、それに會期の都合もありますので、議事進行のぐあいから代つて請願をいたしたいと存じます。遠州地區内における國營トラツク運營中止に關する請願でありまして、請願者は静岡縣濱松市相生町百十一番地川島浦治となつております。紹介議員はいま申し上げました鈴木里一郎君であります。本請願の要旨は、運輸省は連合軍拂下車輛をもつて國營自動車の事業經營を強行しているが、當靜岡縣下においても二俣町起點水窪間既設の増強竝びに濱松市起點奥山間、二俣町起點熊村及氣多村間、二俣町起點濱松、中ノ町間の新設を企圖しているが、これは當遠州地區内民營業者の生死を左右する問題である、ついては該地區内における國營トラツクの運營を中止されたいという趣旨の請願であります。國營がよいか、民營がよいかということについての論は、すでに運輸省當局からしばしば聽いておりますが、そういうことにふれるのかと思いますけれども、地區内にお考えを願つて善處していただきたいと思いますので、簡單に御紹介申し上げます。
  62. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 本請願の要旨は、遠州地區内におけるトラツク事業を營業中止せよという請願でございまするが、大體營業を開始いたしまする場合におきましては、地方の事業者、あるいは地方地方廳とも十分に協議をいたしまして、その話合いの上においていたしておりますことでありますので、いたずらに民營企業を壓迫するがごとき學に出でておらぬ次第であります。從つてこの地方におきましても、運輸交通量に對する輸送の不足から、地元の熾烈な要望もございまして、調査の上現在の營業者を壓迫することなく、自然的にその輸送を緩和いたしていくということがなし得るものと判定をいたしまして、一部營業を開始いたしておりますが、氣多村への軌道運營につきましては、現在中止をいたしておる次第でありまして、濱松地區におきましては戰災地整理その他進駐軍等の關係もございまして一部營業をいたしておるような次第であります。要するに國營自動車が營業を地方においていたします場合におきまして、その地方の既設業者、私企業者、竝びに地方廳と十分協議を遂げたる上、いたずらに民營も壓迫しない程度に輸送量を緩和するようにいたしておる次第でありまして、われわれ本請願のように決して民營を壓迫いたしておらないと考えておるわけであります。
  63. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか
  64. 正木清

    正木委員長 次に日程第二、二俣、佐久間間鐵道速成請願竹山祐太郎君ほか一名紹介、文書表第六二九號。館俊三君。
  65. 館俊三

    ○館委員 本請願の要旨は、國鐵敷設計畫路線である靜岡縣磐田郡二俣町から同郡佐久間村に通ずる路線は、昭和二十年度より著工昭和二十三年完成豫定であつたが、戰時中の資材、勞力等の不足、また戰後の國内諸事情のため未だ著工に至らない、ついては同沿線地域の産業資源の開發、中部日本縦貫路の完成等の見地から速やかに該路線を完成されたいという請願であります。御審議を願います。
  66. 岡田信次

    岡田(信)政府委員 この二俣、佐久間間鐵道は、實に古く議會の協贊を得まして、工事に著手する運びになつたのであります。その間いろいろと事情がございまして、遂に計畫通り工事ができなくて今日に至つたのであります。私どもといたしましては、二十二年度も新線建設の大部分が工事できないという現下の情勢のため、遂にこの線もまた本年度も工事に著手できないという事情に相なつております。そこで當分この線路の建設に望みがないという状態なので昭和二十一年十月から全線に省營自動車運營いたしまして、旅客貨物輸送の便をはかつておりまして、新線鐵道の建設の時期の至るのを待つておる次第でございます。
  67. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。     —————————————
  68. 正木清

    正木委員長 日程を變更いたしまして、第四奈良、上野間國營バス運輸開始請願、前田正男紹介、文書番號六六四號。日程七、久慈、白川間及び久慈、玉ノ脇間國營バス運輸開始請願山本猛夫紹介、文書表番號六六七號、一括議題に供します。
  69. 館俊三

    ○館委員 まず六六四號の奈良、上野間國營バス運輸開始請願の趣旨を申し述べたいと思います。請願者は奈良縣添上郡大柳生村長永井義治外四名となつております。本請願の要旨は、伊賀の盆地は廣大な沃野で阪神地方の穀倉であり、また上野市と奈良市との中間經過地方は薪炭の生産多く、亞炭の埋藏量數千萬トンに及ぶ。しかるに交通は關西線と自動車によるのみである。ついては伊賀上野、月瀬、柳生笠置、奈良の名勝を結ぶ觀光施設の一端として、また地方産業進展のため、奈良市を起點として添上郡東里、狹川、大柳生、柳生、月瀬の名村及び關西線笠置驛を經て三重縣伊賀上野市に至る國營バス運輸を開始されたいのであります。  六六七號は久慈白山間及び久慈、玉ノ脇間國營バス運轉開始の請願であります。請願者は岩手縣九戸郡長内村長岩城惣一郎君ほか二名となつております。紹介議員山本猛夫でありますが、代つて説明申し上げます。本請願の要旨は、岩手縣九戸郡長内村白山、久慈町間は、延長約四粁で人口多く、中、小學校、鑛山事務所及び官公著等所在し、通勤、通學者の數がおびただしい、また長内村久慈港、玉ノ脇、久慈間は、延長約三粁で、人家多く、官公著學校所在し、久慈港また木炭・枕木・鑛石・耐火粘土・酸性白土等を移出し、玉ノ脇は漁獲物の集散地で、東北水産株式會社電氣製鹽工場のほか百數十の製鹽工場が所在している。ついては地方振興のため該二路線間に國營バス運輸を開始されたいというのでございます。
  70. 川村二郎

    川村説明員 奈良、上野間國營バス運輸開始の件でございますが、この國營バス實施につきましては、現在の豫算資材その他の事情から考えまして、非常に困難と思われますので、一應現在の民營業者を助成育成することによつて御要望にこたえたいと思います。參考のために民營自動車の概況を申し上げますと、奈良交通株式會社代表者越山均之助氏、資本金五百七十六萬圓、保有車輛百八輛、實動車輛六十六輛、免許路線千三十二キロ、現在運行路線五百四十二キロ、路線内運轉區間は奈良、笠置、柳生間が二十二キロ九分、奈良、柳生、月ノ瀬、尾山間が三十一キロ二分、キロ程、囘數はいずれも一日二往復の運行をいたしております。次に三重交通株式會社代表者、前田穰氏、資本金八百三十三萬圓、保有車輛百三十四輛、實動車輛七十九輛、免許路線千六百一キロ、現在運行路線八百十二キロ、路線内運轉區間は上野、尾山間十一キロ、三往復をやつております。運賃はいずれもキロ當り八十五錢になつております。  次に久慈白山間及び久慈、玉ノ脇間國營バス運輸開始の件についてお答えいたしますが、現在久慈國營バスの輕米線、沼宮内線の中心に位しておりまして、玉ノ脇は久慈から約三キロでありますし、白山は四キロでありまして、いずれも久慈の町の近郊の運輸のような形を呈しておりますので、既存の輕米線、沼宮内線、普代線等の輸送の餘力を勘案しまして、地元の業者と協議の上善處いたしたいと思います。
  71. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はございませんか。     —————————————
  72. 正木清

    正木委員長 日程第一一、新制中學生徒の通學鐵道運賃減額に關する請願西山冨佐太紹介、文書表番號第七一九號。日程第一二、横須賀市沼間に停車場設置請願小暮藤三郎君ほか一名紹介、文書表番號七二七號、一括して議題といたします。
  73. 館俊三

    ○館委員 新制中學生徒の通學鐵道運賃減額に關する請願説明いたしたいと思います。請願者は岡山縣和氣郡山田中學校長杉本二郎君、紹介議員西山冨佐太君になつておりますが、代つてお願いいたします。本請願の要旨は、新制中學は財政窮乏の中に發足したため、地方財政竝びに父兄の負擔は増大し、かつ地方事情により汽車通學をせねばならぬ者もあり、父兄はますますその負擔に苦しんでいる。ついては義務教育中の生徒に對しては通學汽車賃を減額されたいということを切に希望しておりまして、これは全國的な各通學學生の希望でもありますが、ここに取上げられてありますから、よろしく御考慮を賑わりたいと思つております。  次に七二七號の問題ですが、横須賀市、沼間に停車場設置請願説明いたしたいと思います。請願者は横須賀市沼間會館内の前島博君ほか十八名となつておりまして、紹介議員小暮藤三郎君ほか一名となつております。本請願の要旨を申し上げますと、横須賀線逗子、田浦間は同線中例のない長距離區間であるが、その中間に位置する横須賀市沼間地區は、省線逗子驛または田浦驛に至るのに四粁の道程があり、他方當區池子には進駐軍の施設があつて、その關係の通勤者及び住民の不便は大である。ついては同市沼間に停車場を設置されて地方の便を十分にはかつていただきたいという請願であります。
  74. 石井昭正

    石井説明員 新制中學校生徒通學鐵道運賃減額に關する請願でございますが、現在學生生徒の通學定期乘車券は普通乘車券に對しまして、一番高い割引率は九割二分二厘、一番低いのでも七割二分五厘というような高度の割引率となつておりますので、これ以上の割引をいたしますことは、普通運賃との均衡を著しく失しますし、同時にまた現在の國鐵經營の現状から見まして相當困難でございますので、まことに通學される方にはお氣の毒とは存じますが、その點御了承をお願いいたしたいと思います。  次に横須賀市沼間に停車場設置請願でございますが、この沼間は終戰後海軍工廠の工員宿舎を利用して戰災者、引揚者等が住んでおられ、その數も三千餘人に達しておりまして、かつほとんど京濱方面への通勤者である關係上、鐵道利用者が相當多いように承つておるのであります。一番近い驛は東京急行電鐵の湘南線神武寺驛がございますが、輸送力關係、あるいは時間の關係上、省線に比較いたしまして利用の程度が非常に御不自由ではないかとお察しをしております。しかしながら御希望の箇所に驛を設けて現在の高速度で走つております横須賀線電車を停車いたしますことは、現在の運轉時間の關係上、相當多數の車輛を要しますというような關係もございますので、ただいまでは、この停車場設置はこういう點も併せて研究しなければならないのではないか、多少困難があると思われるのであります。
  75. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。     —————————————
  76. 正木清

    正木委員長 日程第一三、城端、西赤尾間國營トラツク運輸開始請願橘直治君ほか一名の紹介、文書表番號第七三八號。日程第一五、七尾、氷見間國營バス運輸開始請願橘直治君ほか二名紹介、文書番號第七四二號。一括議題といたします。
  77. 橘直治

    ○橘委員 第十三號の城端、西赤尾間の國營トラツク運輸開始請願でありますが、ここは城端線鐵道敷設の豫定にはなつておりますが、現在未だ敷設を見ておりません。城端から岐阜縣境の五箇山西赤尾方面に至ります間はバスの通行もいたしておりますし、現在民間の運輸會社貨物自動車も通つておりますが、この區間において木材、薪炭類の産出が非常に多いのでありまして、民間自動車の運轉囘數をもつてしては、とうていこれらの貴重な物資の搬出が困難な現状であります。この省營トラツク運轉開始の件に關しまして過般から地元民が一致團結いたしまして決議文をつくりまして、また運輸省においては現地におかれまして相當この案件の實現に關しまして會合もあつたようでありますが、未だに現實を見ておらないような現状であります。私の聞き及んでおります範圍では、おそらく本年度の木炭の搬出未了が約四十萬俵にも及ぶのじやないかといつたようにも聞いておるわけであります。諸般の御苦心もありましようが、ぜひとも一日も早くこの案件の實現方を御配慮願いたいという意味請願でもあります。  それから第一五でありますが、これは氷見、七尾間の國營バス運轉開始の請願でありまして、これは石川、冨山兩縣合致いたしまして請願しておるものであります。ただこのバスの運轉開始の困難な原因といたしまして石川縣の縣境において道路の決壞いたしました箇所が一箇所あつたということが癌になつてつたのでありますが、今やこれもほとんど補修が完了いたしたというふうに聞き及んでおるのであります。この區間は非常な海産物の名産地でございまして、これらの搬出上、かつは交通がきわめて不便でありまして、わずかに海上に機帆船で交通をいたしておるというふうな現状から考えてみまして、きわめてお氣の毒なありさまと考えておるのであります。道路の決壞しておる所も補修を完成しておるのですから、ぜひとも一日を速やかにバスの運轉を開始してほしい、こういう意味請願であります。
  78. 川村二郎

    川村説明員 城端、西赤尾間のトラックの運轉の件につきましては、ただいまお話のありました通り地元から非常に熾烈な要望がございまして、私どもといたしましても車輛も準備いたしましたし、豫算の準備もいたしまして、最近まで實現をはかつたのでございますが、何分民間の業者との話がつきませんような状況で、民間側といたしまして西赤尾から先の道路が開通いたしました場合には、双手をあげて國營トラツクの實現に贊成するのだが、現在のところでは荷物がないということで、最近まで話がつきません關係上、車の面も非常に窮屈になりましたし、また豫算の面も追加豫算の點でうまくいきませんので、ただいまのところ困難なような状況になつております。  次は七尾、氷見間のバスの件でございますが、これもただいまお話のありましたような事情で、地方交通系路上非常に重要であると存じますが、現在は途中まで民營自動車も運行いたしておりますし、また豫算資材その他の面が非常に窮屈でございまして、國營バスとしての實現は非常に困難なような實情になつております。  民營バスの方の現況を簡單に申しますと、北陸鐵道株式會社代表者清水考次氏、資本金九千七百五十九萬七千圓、保育車輛の數は百九輛、實動車輛八十輛、免許路線九百八十二キロ、現在運行路は四百八十九キロ、路線内運轉區間は七尾、中波間二九・一キロ、囘數は二往復、運賃はキロ八十五錢というようなことになつております。鐵道未成線または豫定線との關係もございませんし、地方鐵道軌道との關係もございません。
  79. 正木清

    正木委員長 本件に對する質疑はありませんか。
  80. 館俊三

    ○館委員 七四二號の七尾、氷見間國營バス運輸開始請願について、私からも一言お願いしておきたいと思います。實は私は生れが七尾市でございましたので、三十年ぶりで先月七尾へちよつと歸りました。七尾氷見間の交通問題というのは、從來私子供の時分からここに汽車があつたらということを感じておつたもので、これは地方民多年の要望なのであります。ところがちようど私が行つたときに、私が運輸委員會におるというので、とつつかまりまして、この問題をぜひ議會で各委員諸君の御贊同を得るように斡旋をしてもらいたいという話がありましたので、もとからの事情を覺えておりますから、ここで口添えをしなければならないわけでございます。この行く沿道には庵という所がありまして、これを中心といたしまして、この頃はぶりとか、その他の漁獲が非常に多いのであります。これを選ぶのに七尾から和倉の方に行く途中に石崎村という所があり、そこの漁民がわざわざ朝の三時ごろから起きて、庵まで出かけていつて、魚をかついで持つてくるというような、非常に不便なことをやつているようであります。從來から非常な海産物の産地であると、富山灣一帶に面して、能登方面の者に考えられておりますのに、これが非常に難點になつておるということと、もう一つは富山縣と石川縣は非常に經濟上密接な關係がありまして、奥能登方面の經濟事情というものは、富山縣に依存するところが非常に多いのであります。そういう關係で津幡までまわつて出るということが非常に難儀なのでありますが、ここに一本線がはいりますと、奥能登地方開發も非常に順調になつてくるという關係がありますので、御事情の許す範圍内において、極力御計畫を立てていただきたい。また各委員にも御贊同をお願いしたいと存じまして、一言申し添えておきます。     —————————————
  81. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑がなければ、日程第一六、羽咋、氷見間鐵道敷設請願橘直治君ほか二名紹介、文書表番號第七四四號。橘直治君。
  82. 橘直治

    ○橘委員 第十六號の請願につきまして御説明をいたします。羽咋、氷見間の鐵道敷設請願でありまするが、これは絵圖面でごらんのごとく、當局におきましてはすでに豫定線にはいつております。その後戰時中資材關係をもちまして、今日まで延期になつておるわけでありまするが、絵圖面でごらんの通り、ここを通していただきますると、奥能登と越中灣方面との交通はきわめて短縮いたされまするし、かつまた奥能登開發といつたような見地からいたしましても、重大な意義をもつておりまする路線と存じておるのであります。しかもこの路線建設上にきわめて有利な點は、おおむねこの區間は平坦地でありまして、隊道の掘鑿等のやつかいな問題は全然ありません。また地方民の聲を聞いておりますると、この鐵道敷設にきわめて熱意を有しておりまして、この工事開始の曉には地元民はこぞつてこの工事に對しまして協力をしたい、こういう熱意をも示しておるわけであります。どうかひとつこれらの事情を御勘案くださいまして、本請願をぜひ御採擇願いたいと存じておる次第であります。
  83. 岡田信次

    岡田(信)政府委員 ただいまお話の羽咋、氷見間の鐵道でございますが、この鐵道ができ上りますれば、七尾半島横斷いたしまして、きわめて同地方交通に資するところが大であります。從つて運輸省といたしましても、特にその必要を認めまして、古くより建設費の豫算に計上いたしたのでありまするが、その間いろいろの事情のために遂に今日まで工事著手に至らないという状態になつておるわけであります。目下情勢では今年度もしくは明年度より實施するわけにはまいらぬかと存じまするが、情勢の好轉を持ちまして、なるべく早く實施いたしたいと考えておるわけであります。
  84. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。     —————————————
  85. 正木清

    正木委員長 なければ日程第一四、古津信號所を一般驛昇格請願高岡忠弘君紹介、文書表番號第七四一號。日程第一七、若江本線を金居原まで延長請願森幸太郎君紹介、文書表番號第七五六號。日程第一八、省線電車を小田原まで延長請願鈴木雄二郎君紹介、文書表番號第七五八號を一括議題といたします。館俊三君
  86. 館俊三

    ○館委員 文書表番號第七五六號の若江本線を金居原まで延長請願の趣旨を申し述べたいと思います。本請願の要旨は、滋賀縣伊香郡高時、杉野の兩村は、木ノ本驛より一里ないし五里の距離を有しておりまして、一般的の運輸機關がありません。馬車、荷車、不定期のトラック等を住民が利用しておるのでありまして、不便は言語に絶するものがあるのであります。しかもその最も北の端に位する土倉部落には日窒鑛業開發會社の土倉鑛業所がありまして、最近その事業が復活するにつれて、運輸機關の整備が實に要望されておるのであります。ついては若江本線を金居原まで延長してもらいたいと思うのであります。請願者は滋賀縣伊香郡木ノ本町長岩根岩太郎君ほか三名となつております。御詮議をお願いして、ぜひそうしていただきたいと思います。  次に七五八號の件ですが、これは省線電車を小田原まで延長をしてもらいたいというのであります。請願者は小田原市幸一丁目百三十八番地佐藤謙吉君ほか三名となつております。その要旨は、小田原市は東京の外環地帶として、最近著しく膨脹しつつあるのでありますが、近くスポーツの殿堂あるいは再建體育の發祥地となることも約束されておるような状態であります。しかも保健、觀光外人の來朝することにもなりましたならば、小田原への交通量はますます激増することが明らかでありますから、ついては省線電車を小田原まで延長していただきたいということなのでございます。十分なる御詮議と御協贊を得たいと思います。第七四一號の請願ですが、古津信號所を一般驛昇格してもらいたい。その要旨は新潟縣の中蒲原郡金津村は石油の鑛業地帶として物資の移出人が非常に多いし、從つて人馬の交通がきわめて多いのでありますが、既設の停車場には非常に遠くて、交通運輸上の不便が非常に多いのであります。しかも今囘本村内に信號所を設置されましたが、この土地は新津と矢代田兩驛の中間でありまして、ちようど本村の中央にあたつておりますので、さらに一歩を進めて古津信號所を停車場に昇格されて一般旅客、荷物を取扱つていただければ、この地方が前記申し上げました石油の鑛業地その他の關係では非常に便益を受けるというのがこの請願の要旨なのでありまして、十分御詮議をいただきたいと思います。
  87. 石井昭正

    石井説明員 古津信號所を一般驛昇格の件につきましては御説明申し上げます。本信號所は新津、矢代田兩驛の中間にございまして、御説明がありましたように、石油鑛業地として相當の交通量はあるようでございます。この請願はしばしば議會あるいは當省に御請願がありまして、すでに各種の調査を終えておるのでございますが、ただいまは工業費あるいは所要資材というような點につきまして検討中で、近く決定をいたしたい。かように考えております。
  88. 川村二郎

    川村説明員 七五六號の件につきましては地方鐵道當局に調査を依頼いたしましたところが、まだ調査が届いておりませんので、その上のことにお願いしたいと思います。
  89. 岡田信次

    岡田(信)政府委員 省線電車を小田原まで延長の件でありますが、御承知通りただいま省線電車といたしましては、東海道方面に東京驛から大船を經まして横須賀、九里濱に參つておるのであります。これを大船から分岐いたしまして小田原に達する電車を動かすというのでございます。輸送量の現況から見ますならば、これをぜひ動かしたいのでありますが、何分にもあすこは御承知通り電化區間でございますので、石炭の事情のいかんにかかわらず、線路要量の許す限り列車増發しておるという状況になつておりますし、一方平塚驛までは四線區間に相なつておりますので、貨物線旅客線とわかれておりますが、平塚以西におきましては二本の線路で旅客列車、貨物列車を運行しております關係上、もし電車を入れましてもフレクエント・サーヴィスをいたすわけにまいらぬというような事情もありますし、また東京附近の省線電車の過量走行の現況から考えまして、ここに多數の車輛を要しますので、早急に、省線電車を小田原まで延長することは困難かと存ぜられますが、何分輸送事情その他から考えまして、また財政の方面から考えまして、平塚以遠の線路創設等とにらみ合わせて研究いたしたい、こう考えております。
  90. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。     —————————————
  91. 正木清

    正木委員長 なければ、日程一九、都農町に停車場設置請願、文書表第七六三號、片島港君紹介。二〇、近畿日本鐵道會社線法隆寺平端間復活請願、文書表第七六八號、細川八十八紹介、二一、東京、鳥羽間直通列車復活請願、文書表第七七〇號、石原圓吉君紹介。右三案を一括議題といたします。館俊三君。
  92. 館俊三

    ○館委員 七六三號の請願について御説明申し上げます。請願者は宮崎縣兒湯郡都農町の海野萬次郎君外二十九名の請願でありまして、紹介議員は片島港君であります。その要旨は、日豊本線都農驛と美々津驛間との中間にある宮崎縣兒湯郡都農町の部落民は、兩驛へはいずれも遠距離であつて多大の不便を感じているのであります。また農林、水産物の移出には兩驛間とも急坂が多く、車馬による小運送費は非常に上昇しまして、生産費が高くなつておるのであります。その結果は生産の阻害となつているわけであります。ついては都農町大字川北字山末に停車場を設置されたいという請願なのでございます。  次の七六八號ですが、これは近畿日本鐵道會社線の法隆寺、平端間の復活を請願しておるのであります。請願者は奈良縣生駒郡斑鳩町長辰巳平一郎君ほか二名、紹介議員細川八十八君なのであります。本請願の要旨は、關西本線の法隆寺驛と近畿日本鐵道平端驛を結ぶ線は、地元町村の政治、經濟、産業、教育、文化等あらゆる部面による大の貢獻をしてきましたが、戰時中これらの路線は撤去せられました。ついては日本再建のため、國家的重要路線である該鐵道を速やかに復活されたいという請願でございます。  次いで七七〇號は東京、鳥羽間直通列車復活請願でありまして、請願者は宇治山田市長北岡善之助君、紹介議員石原圓吉君でございます。本請願の要旨は、東京、鳥羽間直通列車は戰時中諸般の事情により休止されていましたが、元來三重縣の南部は水産王國といわれる漁場であり、加うるに眞珠養殖場をもつて世界的に周知せられ、觀光と生産を兼ねた伊勢志摩國立公園もあり、外人の來訪も日を遂つてしげくなりつつあります。ついては前記區間の直通列車を復活されたいという請願でございます。この三請願ともよろしく御審議を願つて、御協贊をいただきたいというわけであります。
  93. 正木清

    正木委員長 これに對する政府の所見を伺います。
  94. 石井昭正

    石井説明員 都農町に停車場設置の御請願でございますが、これは日豊線都農と美津との間に新しく驛を設置せよとのお話でございます。この御要望は今囘初めて承る問題でございますので、現地についてよく調査をいたしてから考えることにいたしたいと思います。  それから近畿日本鐵道の法隆寺、平端間の復活でございますが、これは近畿日本鐵道の法隆寺、平端間、四キロ百メートル、二フイート六インチの鐵道でございまして、戰時中における企業整備のために昭和二十年二月十四日營業を休止いたしたのでございます。現在の情勢におきまして、二フイート六インチの鐵道を復活せしむることは當を得ませんので、普通の軌間の鐵道として復活せしめなければならぬのでありますが、目下のところ資材その他の關係もございまして、早急の復活は困難な實情でございます。でき得る限り當省といたしましても復活せしむるごとく努めたいと考える次第でございます。  それから東京、鳥羽間直通列車復活お話でございます。  東京、鳥羽間には從來一往復の直通列車が運轉いたしておつたのでございますが、配炭の事情が悪化いたしましたので、昭和二十年十二月以來運轉を休止いたしてまいつたのであります。ただいまの状態は、やはり石炭の事情その他は一向好轉はしていないのでございますから、今ただちにこれを復活することは困難であると考える次第であります。
  95. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。なければ次に移ります。     —————————————
  96. 正木清

    正木委員長 日程二二、川之江大杉間國營バス運輸開始請願馬越晃君外八名紹介、文書表番號第七九〇號。日程二三、姫路市より新宮山崎を經て曲里に至る間に國營バス運輸開始請願ほか四件、佐々木盛雄紹介、文書表番號第七九一號。日程二六、久慈岸泉間國營バス運輸開始請願、石川金次郎紹介、文書表番號第八〇〇號。以上一括議題といたします。重井鹿治君。
  97. 重井鹿治

    ○重井委員 日程第二二、本請願の要旨は、愛媛縣宇摩郡川之江町より高知縣長岡郡大杉村に至る路線は、愛媛縣と高知縣とを結ぶ最捷經路線であつて、現在貨客の交流頻繁となり、本路線川之江新宮間に國營バス臨時運轉が行われているが、その以遠の道路も漸次完成されるので、該路線全域に國營バス運轉を開始されたいという請願であります。  次に姫路市より新宮山崎を經て曲里に至る間に國營バス運輸開始請願でありますが、本請願の要旨は、兵庫縣宍粟郡は全國有數の大郡で人口稠密であるが、國鐵の恩澤を受けることを皆無で住民の不便は言うに及ばず、同郡の豐富な林産資源の搬出及び生繭を始め諸資材の移入にも大なる障害となつている。ついてはこれが運輸機關として姫路市より新宮山崎を經て曲里に至る間に國營バス運輸を開始されたいというのであります。これにつきましては、先日の委員會にわざわざ關係者が陳情に參つておりましたので、とくと御審議をお願いいたしたいと思います。  次は久慈岩泉間國營バス運輸開始請願であります。本請願の要旨は、岩手縣九戸郡久慈驛から同郡長内、山根兩村及び下閉伊郡安家村を經て岩泉町に至る間は、縣道であつて、物資の搬出量多大なる路線である。しかるに現在少數の貨物自動車が運行しているのみで、圓滑なる搬出は不可能である。ついては該路線間に國營バス運輸を開始されたいというのであります。よろしく御審議のほどをお願いいたします。
  98. 川村二郎

    川村説明員 川之江、大杉間の國營バスについて御説明いたします。ここに國營バスを運轉するのは、大杉と新宮の間の道路が未完成でありますから、その完成を待つて考慮いたしたいと思います。從いまして道路未完成の關係上、民營自動車もありませんし、道路完成後に考慮いたしたいと考えております。  その次の姫路市より新宮山崎を經て曲里に至るバスの件であります。この路線につきましては、地方交通系路上非常に重要と考えて研究しておりますが、バスについては、民營業者との關係も現在のところまだついておりませんし、豫算資材關係もありますので、曲里までの運輸連絡については隊道の開通を待ちまして實現に努力したいと思つております。トラツクについてはこのたびの輸入車の一般運營について民間業者と種々折衝いたしたのでありますが、協定の運びに至りませんので、一時中止するのやむなきに至つたのであります。しかし最近地方におきまして業者との協定がつきましたので、近くトラツク十二輛を入れまして、貨物物資の運輸に當りたいと考えております。  最後の久慈、岩泉間の國營バスの件でございますが、これにつきましては、本路線鐵道敷設法の豫定線でもございますし、地方交通竝びに沿岸開發上非常に重要な路線と考えておりますが、何分現在の豫算資材等の關係から見て實現が相當困難でなかろうかと考えております。いずれ實情調査の上とくと調査いたしまして、實施に努力したいと思つております。
  99. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はありませんか。なければ次に移ります。     —————————————
  100. 正木清

    正木委員長 日程二四、川之江、池田間鐵道敷の請願馬越晃君ほか八名紹介、文書表番號第七九三號。日程二五、熊本より山鹿を經て大牟田に至る間に電車敷設請願宮村又八紹介、文書表番號第七九八號。日程二八、三田、有馬間鐵道復活請願後藤悦治紹介、文書表番號第八〇九號。日程二九、右左府御影間鐵道敷設請願森三樹二君紹介、文書表番號第八一四號、日程三〇、油津港に臨港鐵道敷設請願川越博君ほか二名紹介、文書表番號第八二〇號、以上一括議題といたします。重井鹿治君、
  101. 重井鹿治

    ○重井委員 第一の川之江池田間鐵道敷設請願でありますが、本請願の要旨は、愛媛縣宇摩郡川之江町より徳島縣三好郡池田町に至る鐵道敷設は多年の懸案であるが、戰爭のため實現不可能となつていた。しかるに終戰後近縣交互貨客の交流頻繁となり、住民は本鐵道實現を熱望している。ついては該鐵道を速やかに敷設されたいというのであります。  第二に熊本より山鹿を經て大牟田に至る間に電車敷設請願であります。本請願の要旨は、熊本市熊本縣の政治、教育、文化の中心地であり、同縣山鹿町は有名な温泉郷で農村の中心地である。福岡縣大牟田市は炭坑その他の工業地帶である。ついては農村の文化と電化を促進し、食糧増産竝びに農村輕工業發展のため熊本市より山鹿を經て大牟田に至る間に電車敷設されたいというのであります。  第三は三田、有馬間鐵道復活請願、第八〇九號であります。本請願の要旨は、福知山線主要驛三田より有馬町に至る有馬線の廢止は、沿線住民の不便はもとより、沿線附近より産出する木材、砂利または竹製品その他の重要物質の搬出竝びに原料の仕入れ等に障害が少くない。ついては該鐵道を復活されたいというのであります。  次は油津港に臨港鐵道敷設請願、第八二〇號、本請願の要旨は、宮崎縣南那珂郡油津港は天然の良港にして南九州の商港竝びに漁港として重要性を増大してきたが、本港には臨港の運輸設備がなく、このため集散物資輸送圓滑を阻害している。ついては速やかに本港に臨港鐵道敷設されたいというのであります。  次は右左府御影間鐵道敷設請願、第八一四號、本請願の要旨は、北海道の贍振、日高、十勝の三地方を結ぶ邊富内線は、昭和十二年に勇拂郡右在府村、すなわち西口より著手以來、工事繼續中であるが、河西郡御影村、すなわち東口よりの工事は著手されていない。ついては速やかに東口よりの工事を著手し、右左府、御影間の鐵道を完成されたいというのであります。以上御採擇あらんをお願いいたします。
  102. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 川之江、池田間の鐵道敷設に關する請願にお答えいたします。この線路は鐵道敷設法別表第百一號に該當する豫定線でありまして、延長約二十六キロの見込であります。この經過地における産業等は相當盛んなものがあり、なかんずく和洋紙の産地として著名な所であります。經過地は金生川、佐馬地川等の流域でありまして、兩端の川之江町、池田町附近の地形は大半平坦でありますが、途中愛媛、徳島の縣界附近は急峻な地勢でありますので、土工量も相當多く、橋梁、隊道等につきましても相當困難な状態にあります。なお吉野川に架設する橋梁等も要する見込でありまして、今日の豫算情勢から考え、資材の面から見まして、早急にこの請願要旨にお答えをいたすことは困難であると考えております。なお昭和九年の三月から省營自動車運營して旅客の便をはかつておるような次第でございます。  次に熊本より山鹿を經て大牟田に至る電車敷設の件でございます。熊本、植木間は鹿児島本線の一部で、植木、山鹿間は現在鹿本鐵道會社の線路が開通しております。この鹿本鐵道の宮原附近から山鹿を經て南關附近までは鐵道敷設法豫定線になつております。本件は約六十二キロの見込みでございまして、未だ調査もいたしておらぬのであります。しかしながら山間地帶におきまする墜道等を考慮しまして、目下資材及び豫算の面から見ますと、とうてい早急に請願の要旨におこたえいたしかねる實態にあるのであります。山鹿、南關間の延長約十九キロの間には、昭和十年八月二十一日から省營自動車山鹿線の一部が運營されておりまして、旅客の便をはかつておるような次第でありますが、目下請願の要旨におこたえをいたすような實態でないことを御了承願いたいと思います。  有馬、三田間は、神有電車の神戸、三田間が三田から出まして有馬に至つておるわけでありまして、主として交通の利便は神戸を中心として福知山線三田になつておるのでありまして、この間において從來ありました三田、有馬間の省線の運行を停止して、一見地方民の方々に非常に御不便を與えておるようなわけでございますけれども、三田、有馬間の距離はまことに近距離でありまして、今日の財政事情から考えてみますならば、從來の旅客は神有電車有馬線及び三田線を利用いたしまするならば、交通の不便を感じない實態にあるのでありまして、大局的な見地からこの線を一時停止いたした次第であります。從來豫算資材及び燃料等の見込みがつきました後に、請願の要旨におこたえしたいと考えておるようなわけでございます。  次に油津港に臨港鐵道敷設請願でございますが、油津港は九州にありますところの著名なる漁港でありまして、これは漁獲高におきましてもまことに本邦屈指の漁港でございます。まことに請願の趣旨はごもつともと存じますが、今日油津港に臨港線を引きますまでの豫算及び資材の面において、まことに遺憾ながら困難な實態にございますので、將來豫算及び資材の面が許される時期が參りますならば、この漁港に對して適當の臨港設備をいたしたいと考えておる次第でございます。  なお右左府、御影間の鐵道敷設の件でございますが、この間は全延長が百六十キロという長いものでありまして、戰時中から資材、資金の關係から十分に工事を進行することができなかつたのでありますが、邊富内、振内間は路盤工事が大部分竣工しておりますけれども、一部工事を中止した所もございます。また振内、右左府間は線路の設計が濟んでおりますが、右左府、御影間の設計は濟んでおりません。しかし今後十分研究して、これを進めていきたいと考えておる次第であります。なお本年度は二十一年度に引續き、日高、贍振の國境隊道の工事を繼續施行いたしております。また沿線には重要鑛物、林産資源がきわめて豐富でございますので、とりあえず鐵道の先行として昭和十九年から富内、千榮間に省營自動車運營して資源の輸送に當つておる次第でございます。今後資材財政の許す限り、一日も早く本路線敷設いたしたいと考えておる次第でございます。
  103. 正木清

    正木委員長 本請願に對する質疑はございませんか——この際おはかりいたします。日程中殘餘の請願につきましては、明日午前十時より本委員會を開き、殘餘の審査を續行することとし、本日はこの程度で散會したいと思いますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 正木清

    正木委員長 なお、この際委員長により各委員にお願いをいたしておきたいと思いますことは、請願竝びに陳情合わせまして約二百件近くが未だ審議が濟んでおりません、そこで明日はこの室を午前中しか使用ができないのでありますから、定刻までにはぜひ全員御出席のほどをお願いいたしておきます。  本日はこの程度で散會いたします。    午後四時二十分散會