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田中(源)
政府委員 お答えを申し上げます。來議會に
提出豫定をいたしております
造船事業法廢止後におきまする新しき
法律案の
構想につきまして申し上げたいと思いますが、對外的を
關係もございまするので、詳細に
構想を申し上げることはお許しを願いたいと思いますけれども、大體その差支えのない部分のみを申し上げて、特に御了承を願いたいと思うのであります。御
承知のご
とくに
造船所につきましては目下十九
造船所は
賠償對象に
なつておりまするし、また戰時中におきまして多數の
造船所ができております。今後の
日本といたしましては、
日本が
目下懇諸をいたしております
一定の
トン數を
造船するということのみならず、かつ今後
外國よりの注文を引受けて、わが
造船界において優秀なる
船舶を海外に送り出すというその建前におきまして、
一定の
所要量の
造船所を確保いたしていかなければなりません。この
造船所を確保いたしてまいりますにつきましては、まずもつてわが國内におきまする
造船に關するあらゆる
資材面を考慮いたしていかなければならぬのであります。その
資材面につきましては、申すまでもなく今日最もその
資材の根幹をなす鐵におきましては、わが國においての
生産能力というものは非常に減退をいたしまして、鐵全體は、
造船といわず、
國家産業に對してただいまでは非常な危機を與えておるというような状態に立ち至つておるのであります。今後わが國の
製鐵能力を増加いたすにつきましても、御
承知のご
とくに
對外關係をもちまして、
一定生産能力というものをリミツトされておるいわゆる限定されておるわけであります。これにつきましては
關係方面の御
了解を得まして、でき得るだけ
所要量の
使用資材を確保して、これを
有效適切にいたしていかなければならぬと思うのであります。
從つて今後
造船界におきましても、現在の
資材面を考慮いたします場合におきまして、今後の
造船事業というものを
許可制にいたしまするにつきましては、御
承知のご
とくにただいまおきましては、
鋼船及び百トン以上の木船の建造はG、H、Qの
許可を要することに
なつております。かような
條件のもとにおいて、ただいま申し上げた
通りに
造船所というものを確保して、その
造船技術をでき得るだけ優秀にこれを保持していきますとともに、その進歩をはかつてまいりまして、
船舶及び
機關及び艤装の點につきましても
研究を命ずる傍ら、その
船舶、
機關等におきまする各種の相當の
準備等も、
研究の結果命じていかなければならず、またその
推進性能というものも試驗をいたしていきまする上においての、いろいろなこれに必要なところの
技術面に對する諸種の方法を
とつていかなければならぬのでございまして、かような點からいたしまして、今後におきまする新しき
造船事業法というものを、それらを中心といたしまして、今後つくつていきたい、かように考えておるような次第であります。他の面につきましては、先ほど申し上げました
通りにわが國の
造船がどこまで
許可されるか、われわれが所望いたしまする四百五十
萬トンのものを許されるか許されぬか、また今後の
資材がいかになるか、また
講和條約後におきましての
日本の船腹というものに、どの
程度の向上が見られるかということを考慮いたしまして、その結果をまち、また將來われわれが平和後におきましてでき得るだけ
關係各國との
了解を得、そうしてそのできた上において行われていくところの
日本の海運全體のものを考慮した面においての
造船法をつくつていきたい、かように考えておるわけであります。