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1947-11-22 第1回国会 衆議院 運輸及び交通委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十一月二十二日(土曜日)     午前十一時十五分開議  出席委員    委員長代理 理事 佐伯 宗義君       井谷 正吉君    佐々木更三君       重井 鹿治君    島上善五郎君       館  俊三君    志賀健次郎君       橘  直治君    原   彪君       堀川 恭平君    矢野 政男君       山崎 岩男君   岡村利右衞門君       田村 虎一君    増田甲子七君       飯田 義茂君    前田 正男君  出席政府委員         運輸政務次官  田中源三郎君  委員外出席者         專門調査員   岩村  勝君     ————————————— 十一月二十一日  造船事業法廢止する法律案内閣提出)(第  一一一號) の審査を本委員會付託された。     ————————————— 本日の會議に付した事件  船員法戰時特例廢止する法律案内閣提出)  (第一〇一號)  造船事業法廢止する法律案内閣提出)(第  一一一號)     —————————————
  2. 佐伯宗義

    佐伯委員長代理 會議を開きます。  これより去る十一月十八日に本委員會付託になつた船員法戰時特例廢止する法律案及び同月二十一日本委員會付託になりました造船事業法廢止する法立案一括議題として、それぞれ政府よりその提案理由説明を聽取いたします。     —————————————
  3. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 ただいま議題に供せられました船員法戰時特例廢止する法律案竝びに造船事業法廢止に關する法律案提案理由を申し述べます。  まず第一に船員法戰時特例廢止する法律案説明を申し上げます。船員法戰時特例は、昭和十八年三月二十八日に公布されました許可認可等臨時措置法に基く委任命令でありまして、舊船員法下における船員の雇入契約更新または變更の場合、管海官廳公認を受けること及び公認を受ける場合船員を出頭することの點を免除して勅令であります。  戰時中におきましては、かかる窓口事務簡易化によりまして、船舶の速發を企圖したものであり、また終戰後は輻輳せる歸還輸送等のため、やむを得ずその存續を必要としましたが、一方このため船員勞働保護を完璧ならしめんとした船員法趣旨からはやや遺憾な點があつた次第であります。政府といたしまして、船員勞働保護を目指した新船員法が九月一日より施行されるに際し、船員法戰時特例廢止して、船員勞働保護の十全を期する方針で進んできたのでありまするが特例廢止が意外に手間どつて今日に及んだ次第であります。  船員法戰時特例舊憲法下における勅令でありますが、實質法律に相當する重要な勅令でありますから、新憲法精神からしましても、國會の議決を經て法律廢止するのが妥當と考えられますので、法律案として提案した次第であります。  次に法律案附則説明を申し上げますが、まず第一に、この法律は公布の日から一箇月を經過した日からこれを施行するのであります。その理由は、管海官廰の末端まで通知が十分行き届き、窓口事務において齟齬を來さないようにする趣旨からであります。  第二にこの法律施行の際、雇入契約によつて乘船中の者で、船員法戰時特例によつて公認を免除せられていた更新または變更は、その更新または變更がこの法律施行のときにおいてなされたものとして、船員法第三十七條規定により、遲滯なく公認申請をしなければならないということであります。すなわち手續としましては、その公認申請は、船員が雇入契約を結んで以後今日までの間に、數箇にわたる契約更新または變更がありとすれば、今日から見て最も近いときになされた更新または變更をとらえて、それが法律施行の日になされたものとみなして、船員法第三十七條規定によつて公認申請をすることになるわけです。從つて雇契約内容は何らの變りがなく、ただ更新または變更公認申請という點でのみ、この法律施行の日に更新または變更がなされたものとみなすだけであります。かくすることによりまして、管海官廳としては、公認の際に船員の勞働條件に目を通すことにより、船員法に盛られました船員勞働保護はからんとするのであります。以上が附則内容であります。  次に造船事業法廢止に關する法律案提出理由を御説明申します。造船事業法は準戰時體制下昭和十四年に制定せられ、戰時の船腹増強を目指して造船事業の統制と保護育成とを目的としました法律でありまして、造船組合規定その他先般制定を見ました私的獨占の禁止及び公正取引の確保に關する法律、すなわちいわゆる獨占禁止法精神に反する規定が少くありませんので、ここに同法廢止法律案を提出する次第であります。  なお船舶の建造及び造船所開設等につきましては、今日の國際情勢におきまして、またわが國經濟の現状におきまして、何らかの調整を加える必要があると認められますので、これらの點を中心としました新しい造船に關する法律を制定すべく、事務當局において準備中でありまして、來期國會には提出し得る豫定であります。從いましてこの廢止法の施行期日は、右の新しい法律との關係及び造船事業法廢止のために必要な諸準備の關係等を見合わせまして、來年三月三十一日にいたしたいと考えておる次第であります。本案の要旨はおよそ以上述べました通りであります。何とぞ御審議の上、速やかにお取運びのほどを切望いたします。  なおこの際、本法案につきましての審議上におきまして、いささか御參考になる點を一、二加えて説明をいたしておきたいと思うのであります。まず船員法戰時特例廢止する法律案でございますが、改正船員法施行と併せて準備を進めておりましたけれども、諸般の事務が竝行することが困難でございまするし、またこれを政令をもつて手續を進めるということは、各方面との交渉もございまするし、法律案でなければならないということに議論が一致いたしました結果、かように本案法律案として提出いたしましたために、改正船員法施行と同時にこれを廢止することができなかつた次第でありますから、この點は御了承を願つておきたいと思うのであります。  また戰時中におきまして、この特例がいかなる役割をしておつたかという御疑念もあるかとも存じまするので、一應この點について御説明を申し上げておきたいと思います。戰時中における船舶速發の觀點から來る船員法窓口事務簡易化という役割をなしたのであります。今申しましたように、この特例役割はかような點にあつた次第であります。  しからばなぜこれを廢止する必要があるかという疑點が起つてまいると存じます。終戰後社會諸情勢に即應いたしまして、公認手續平常化をはかり、船員勞働保護の完璧を期するために、この法案廢止する必要が生じてきたのであります。  次に勅令を何ゆえに法律廢止するかという御疑點があるかもしれないと思うのであります。船員法戰時特例は、戰時立法である許可認可等臨時措置法委任に基くところの勅令であります。すなわち戰時立法措置法委任勅令によるところの措置でございまして、法律的に見ます場合には、政令をもつて廢止することもできるのでありますが、その内容は本來法律事項に屬しておりますのと、申すまでもなく、戰時立法措置法に關しましては、現行憲法の點から申しますと、勅令委任立法ということになるのでありまして、憲法上におきましても規定のあることでございますから、新しい憲法による精神に鑑みまして本法律廢止したような次第であります。  以上本法案についての疑義の點があるかとも存じまして、ここにその點を大體御説明申し上げまして、各位の御參考に供した次第であります。何とぞ兩法案に對しまして、可及的速やかに御審議の上、御協贊をせられんことを重ねて切望する次第であります。
  4. 佐伯宗義

    佐伯委員長代理 これより兩法案一括議題として質疑にはいります。質疑はこれを許します。質疑はありませんか。  質疑がなければ、これをもつて散會いたします。    午前十一時二十八分散會