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2021-04-28 第204回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年四月二十八日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  四月二十六日     辞任         補欠選任      森屋  隆君     川田 龍平君  四月二十七日     辞任         補欠選任      堀井  巌君     自見はなこ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石井 浩郎君     理 事                 進藤金日子君                 本田 顕子君                 山田 修路君                 宮沢 由佳君                 竹谷とし子君     委 員                 上野 通子君                 太田 房江君                 自見はなこ君                 徳茂 雅之君                 藤末 健三君                 三木  亨君                 宮崎 雅夫君                 山田 俊男君                 川田 龍平君                 岸 真紀子君                 野田 国義君                 福島みずほ君                 伊藤 孝江君                 安江 伸夫君                 松沢 成文君                 柳ヶ瀬裕文君                 伊藤 孝恵君                 田村 まみ君                 大門実紀史君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣地方創        生))      坂本 哲志君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣消費者        及び食品安全)        )        井上 信治君    副大臣        内閣府副大臣   三ッ林裕巳君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        吉川  赳君        厚生労働大臣政        務官       大隈 和英君    事務局側        常任委員会専門        員        宮崎 一徳君        常任委員会専門        員        佐藤 研資君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       時澤  忠君        内閣官房内閣審        議官       冨安泰一郎君        内閣官房内閣審        議官       内山 博之君        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        新井 孝雄君        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        菅家 秀人君        内閣地方創生        推進室次長    長谷川周夫君        内閣地方分権        改革推進室長   宮地 俊明君        内閣地方創生        推進事務局審議        官        佐藤 朋哉君        警察庁長官官房        審議官      猪原 誠司君        金融庁総合政策        局参事官     田原 泰雅君        消費者庁審議官  坂田  進君        消費者庁審議官  片岡  進君        厚生労働省子ど        も家庭局児童虐        待防止等総合対        策室長      岸本 武史君        国土交通省大臣        官房審議官    天河 宏文君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○地方創生及び消費者問題に関しての総合的な対  策樹立に関する調査  (地方における消費者行政推進に関する件)  (原野商法の二次被害防止に関する件)  (地方に対する計画策定義務付け等の見直し  に関する件)  (ワクチン接種記録システムの運用における課  題に関する件)  (新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時  交付金による協力金に関する件) ○国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案(  内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 石井浩郎

    委員長石井浩郎君) ただいまから地方創生及び消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、森屋隆君及び堀井巌君が委員辞任され、その補欠として川田龍平君及び自見はなこ君が選任されました。     ─────────────
  3. 石井浩郎

    委員長石井浩郎君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地方創生及び消費者問題に関しての総合的な対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官時澤忠君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 石井浩郎

    委員長石井浩郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 石井浩郎

    委員長石井浩郎君) 地方創生及び消費者問題に関しての総合的な対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 岸真紀子

    岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。質問機会をいただきまして、ありがとうございます。  私、昨年の秋からこの地方創生消費者問題の特別委員会に所属することとなりまして、そこからこの委員会であったり党の消費者部会でこの消費者庁における消費者行政についての知る機会が増えました。その知る機会が増えて思ったことは、こんなにも住民にとっての消費者行政重要性があるんだということを感じています。言葉は悪いですが、地味だけど大事な役割を担っていて、役所としての存在意義の原点と言ってもいいのではないかと考えるほどです。しかし、注目度がされにくい。先ほど地味という言葉を使いましたが、地方行政の中でこの消費者行政について軽視されている分野ではないかと感じることがあります。  そこで、今日は、どうすればこの地方消費者行政を生かしていけるかという観点質問させていただきます。  最初にお伺いしたいのは、直近の全国における消費生活センター設置箇所数をお伺いいたします。
  7. 片岡進

    政府参考人片岡進君) お答えいたします。  消費生活センターは、消費者安全法上必置とされております都道府県を始め、全国政令市設置されておりますほか、政令市を除く市区町村の六三・六%を占める千九十五の市区町村設置されているところでございます。
  8. 岸真紀子

    岸真紀子君 ありがとうございます。  今御回答いただいたとおり、ほとんどのところ、約千七百の千九十五の市区町村設置をしているという実態にはあります。ですが、実際を見ると、なかなか、予算が限られていたりしているという実情があるのではないかと考えます。本来であれば、地方消費者行政自治事務です。法定受託事務ではなくて自治事務なので、自らがやるということが大事になってきます。自治体自らが消費者行政予算であったり人をきちんと重点配分しなければなりませんが、最初問題提起をしたように、注目度が残念ながら低いのではないかと考えられます。私自身も市役所の職員であった経験がありまして、残念ながら、その消費者行政に携わる職員のモチベーションであったり、そもそも知識がなかなか難しいというような課題があります。  そこでお伺いしたいのは、もっとこの地方消費者行政を高めるためには消費者庁としてどう対応していくかというのをお伺いいたします。
  9. 片岡進

    政府参考人片岡進君) お答え申し上げます。  どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる体制の構築のため、消費者庁では、消費生活センター設置消費生活相談員配置促進など、地方消費者行政強化交付金や国が直接行う事業を通じて地方公共団体への支援を行ってきているところでございます。  令和三年度におきましては、この取組を更に強化するため、強化交付金を活用した自治体間連携推進相談員のメンタルケアの取組支援、また、担い手確保や質の向上のため、消費者庁による相談員育成事業強化国民生活センターにおけるオンラインを活用した相談員の研修、さらには相談員負担軽減にもつながる全国消費生活情報ネットワークシステム、PIO―NETのデジタル改革などに必要な予算を措置したところでございます。  これらの取組を行うことにより、地方消費者行政の更なる充実強化を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
  10. 岸真紀子

    岸真紀子君 今御回答いただいたように、消費者庁として予算もきちんと格付をして、積極的に自治体の方に投げかけていただいて推進をしていくというお話でした。  自治体が、本来であれば、もっともっと消費者の、特に消費生活相談員の話を聞けば、いかにこの消費者行政というのが大事であるというのが分かるんですが、なかなか、残念ながら小規模の自治体を中心に職員マンパワーというものが限られていまして、兼業ですね、いろんな仕事を兼務している職員消費者行政を、一端を担っているというような実態もあって、進んでいかないというか、むしろ、これが本当に、そこの自治体の首長ですね、町長とか市長とかに大事なんだということを訴えるほどの力というか材料が少ない、限られてしまっているのではないかと感じることがあります。本来であれば、さっきも言ったように、自分の自治体での地方消費者行政をもっともっと高めていくというのは、引き続き消費者庁からも訴えていただきたいんですが。  それと一方で、先ほども言いましたように、小規模の自治体補完性原則というふうに、やっぱり住民に一番近いところの自治体行政を担うというのが原則ですが、そうはいっても、予算も人も限られている中ではなかなか難しいと。結局、その補完性原則地方自治体職員を苦しめているという実態もあります。  今も都道府県市町村を補完している、この消費者行政ですね、補完しているとは思いますが、私は、もっともっと都道府県市町村をカバーしていただける体制が必要と考えています。実際問題として、先ほども言ったとおり、小規模自治体では職員の人数も限られていて、多様でかつ、この消費者問題というのは多様でかつ進化している消費者トラブル対応しなくてはならないので、とても困難な実態にあります。行政が、そもそも行政職員が把握していないのを相談員に担ってもらうというのはかなり矛盾していて、トラブルの解消に向けては困難を有する事態になっています。  消費者センターを未設置のところもまだ、さっき千九十五って聞いたので、まだ残っています、未設置のところ。ここに更に設置すればいいんでしょうけど、設置しても形だけの設置じゃ余り意味がないので、この設置していないところとか、設置していても消費生活相談員を配置していないところというのは、やっぱりそこの都道府県がその市町村を補えるような体制づくりというのが私は重要だと考えています。その方が、都道府県消費者問題に詳しい方がそこの未設置自治体とかの消費者トラブル対応する方がもっともっと知識が高まっていくし、本当意味相談に乗れると思います。  そこで、大臣にお伺いしたいのは、都道府県がもっともっと市町村を補えるような国の予算付けをもっとするべきではないかということでお伺いいたします。
  11. 井上信治

    国務大臣井上信治君) 地方消費者行政充実強化を図るためには、都道府県市町村がそれぞれの役割の下、密接に連携して取組を進めることが重要です。都道府県に対しては、相談、見守り、消費者教育など、地域取組に関し市区町村への支援充実広域連携促進などの取組を特に期待しています。  このため、令和三年度では、地方消費者行政強化交付金において、都道府県相談員の中で特に市町村相談員助言等を行う指定消費生活相談員活動支援するための経費、また自治体間連携に必要な経費、こういったものを交付対象として積極的に支援することとしております。  地域実情に応じ、都道府県市町村の適切な連携が図れるよう、支援メニュー充実などに努めてまいります。
  12. 岸真紀子

    岸真紀子君 ありがとうございます。  本当に、地方自治体消費生活相談員を配置したくても、そもそも相談員の資格を持っている方がいなかったり、やっぱり処遇が悪かったりしてなり手がいないといった問題もありますので、引き続きこういった指定消費生活相談員など都道府県でカバーしていただけるようなのをもっともっと促進をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、消費者センターに寄せられる一年間の相談件数と、主に多い相談というのは何なんでしょうか。教えてください。
  13. 片岡進

    政府参考人片岡進君) お答え申し上げます。  二〇二〇年に全国消費生活センター等に寄せられました消費生活相談件数は九十三・四万件となっており、前年とほぼ同水準となってございます。  相談の内訳を見ますと、二〇二〇年は架空請求に関する相談が減少した一方で、マスク関連などの新型コロナウイルス関連相談等が増加をして、結果としては前年並みの水準となったところでございます。  年齢階層別相談件数をお答えいたしますと、高齢者相談件数は全体の約三〇%、二十九歳以下の若者の相談件数は約一〇%となっているところでございます。
  14. 岸真紀子

    岸真紀子君 ありがとうございます。  今お伺いしたとおり、一年間のこの相談件数は九十三・四万件とお伺いしました。ただ、これはあくまでも氷山の一角にすぎないと考えます。一部の評論を読むと、その相談件数の約二十倍は実際に被害に遭われている方がいるのではないかというような論文とかも拝見をさせていただきました。実際のその消費者被害とかトラブルというもの、特に、今お話にもあったけど架空請求とか、だんだん内容複雑化していっているということも事実だと思います。  私は、そのほかに一番気にしているのが、特殊詐欺を始めとする高齢者先ほどお話でいただきました、高齢者、三〇%が高齢者と話になっていました。この高齢者を狙う消費者トラブルというのは深刻であると考えています。判断能力であったり、拒絶能力ですね、断るということができる能力というのが低下した脆弱な消費者が狙われていて、毎日と言っていいほど新聞記事にこの高齢者消費者被害というのが起きています。理由は様々ありますが、相談する相手がいないというのが大きな理由ではないかと考えます。孤立、孤独の問題です。  政府は孤独・孤立担当大臣を新たに設置しましたが、消費者生活相談連携するのが私は必要なのではないかと考えます。実際には、消費者トラブルになったら今相談受ける体制ですが、その前に未然に防ぐというためには、やっぱり今消費者庁で行っている消費者安全確保地域協議会、いわゆる見守りネットワークですね、これがもっと地域高齢者を見守る体制と連結させることによって、今、政府が掲げている孤独・孤立対策と併せていくのがいいのではないかと考えます。  そこで、井上大臣にお伺いしますが、なかなか今はこの見守りネットワーク協議会全国でまだまだ設置数が少ないと聞いていますが、これを前に進めていくにはどうするかというのをお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  15. 井上信治

    国務大臣井上信治君) 消費者庁において各地域で整備を進める見守りネットワークは、自治体消費者行政担当部局消費生活センターのほか、福祉関係者、警察、民間事業者など多様な関係者連携し、高齢者障害者のほか、孤独、孤立状況にある方など配慮を要する消費者被害防止する仕組みです。  効果的に被害防止するために、現場において実際に訪問や声掛けをする福祉関係者や、金融機関宅配事業者などの民間事業者と、消費者トラブルへの対応に知見を持つ消費生活センターとの連携が有効となります。  コロナ禍における新しい生活様式の広がりの中、見守りの重要性は高まっており、消費者庁としては、地方消費者行政強化交付金を通じた支援地域の見守りに協力いただける団体の養成などの様々な施策を通じて、地域実情に応じたネットワークが広がるよう取り組んでまいります。
  16. 岸真紀子

    岸真紀子君 大臣、ありがとうございます。  今日は所管外なんですが、坂本大臣がその担当であり、隣に座っていますので、是非、井上大臣、これからも孤独とか孤立消費者問題のトラブル連携して取り組んでいっていただければというふうに思います。  次に、契約の複雑化であったり、巧妙な特殊詐欺、ネットに至っては本当に難しい問題が山積していると感じます。  こういった高度な専門知識対応する消費生活相談員処遇自治体の非正規職員となっている場合が多く、雇用は残念ながら不安定、かつ、昨年の四月から新たに自治体の非正規職員処遇改善として会計年度任用職員制度となったんですが、それでもまだ賃金最低賃金に抑えられている状況もあります。  会計年度任用職員処遇改善というのはまた総務委員会とかで別な機会質問するとして、今日は、その中でも民間企業への委託問題についてお伺いをします。消費生活相談員民間委託です。  二〇一五年の四月二十二日に地方創生消費者特別委員会江崎孝議員質問の中で取り上げていますが、この民間委託で、特に営利目的とする事業者委託している自治体というのは現在あるのかどうかを再度確認させてください。
  17. 片岡進

    政府参考人片岡進君) お答え申し上げます。  消費者庁において現在把握している限りにおきましては、相談あっせん業務について、少なくとも一つ地方公共団体において営利目的とする団体業務委託を行っている例があると承知してございます。
  18. 岸真紀子

    岸真紀子君 今御答弁いただいたとおり、今もなお、営利目的とする、要は株式会社ですね、株式会社にこの地方消費者相談委託しているところがあります。法律上ではこれ問題があるわけではないんですが、やっぱりそれでも様々な問題が潜んでいます。そのときの委員会でも問題の提起江崎議員からはされていますが、弁護士からも問題視する声が続いている状況が現在もあります。  民間委託は、やっていい分野とやっていけない分野があります。決して全部が全部民間委託しちゃ駄目だというわけではありません。ただ、やっぱりこの消費者行政については、幾ら消費者庁としてガイドラインを出していただいているんですが、根本的な懸念は、株式会社等営利企業事業者に受託させるということの根本が解決されないというものを指摘せざるを得ません。  どんな課題があるかというと、たくさんあるんですが、二つに絞りたいと思います。  一つ目は、相談業務事業者指導、そして啓発業務というのは一体関係です。三つの分野ですが、全部つながっているはずなんですね。相談受けて、事業者指導をして、啓発業務というのは全て一体のものなんですが、残念ながら、民間委託している、しかも営利企業委託していることによって、消費生活相談員行政職員は密な連携ができていません。  なぜかというと、やっぱり偽装請負になるという問題点が残っています。なので、実際に、先ほど全国一つ自治体がありますと言っていましたが、ここについては、同じフロアにいるにもかかわらず、間に壁を一応つくっていまして、近くにいても、相談で困難な事案とか、あっせんとか、あっせんじゃないです、指導をしなきゃいけないような、行政指導をしなきゃいけないような場合でも、一々、そばにいても話せない状況になっています。当然ながら、そうなると、自治体として事業者に対しての指導の文書を出すことが少なくなったり、様々な問題が起きています。庁内連携ができていないという問題です。そのため、行政が、先ほども言いましたが、悪質業者への指導であったり、住民の方にこんな問題がありますよという啓発活動につながっていないというのが一点目の課題です。  二点目は、営利企業は、やっぱり株主配当もありますので、当然ながら利益を生まなければなりません。でも、消費者相談って利益があるないでやる問題じゃないんですね。困っている消費者に親身になって相談に乗って解決するための部署なんですよ。なんですが、この自治体の、受託した株式会社は、過去にですが、消費者から相談を受けた内容を一般的な企業向け消費者トラブル防止を経営に生かす観点での有料セミナーを開始したという経過もあります。さすがにこれは今、市がやめるように言って行っていないようですが、やっぱり、この受けた内容とかを中立性公平性を保てないという典型例が起きていたという事例です。NPO法人への委託であれば、こんなトラブルは生じません。営利目的とする企業株式会社委託しているからこそ起きている問題です。  委託に当たっては非営利に限定すべきではないかと考えるんですが、大臣の見解をお答え願います。
  19. 井上信治

    国務大臣井上信治君) 消費生活センター事務民間への委託につきましては、事務を受託する団体専門性やノウハウを導入することができる場合も考えられ、消費者安全法上可能としております。一方、委託することによって消費生活センターの質が低下することは決してあってはなりません。  消費者庁では、公正中立事務の実施や関係機関との連携、必要な技術や知識を有することなど、最低限求められる条件について、内閣府令やガイドラインにおいて全国一律の制度的要件を示しております。特に、営利目的とする団体委託先とする場合には、これらの観点から慎重に判断することも地方公共団体に求めております。  引き続き、地方公共団体において関係法令の趣旨にのっとり適切に対処されるよう努めてまいります。
  20. 岸真紀子

    岸真紀子君 大臣、ありがとうございます。そうなんです、質が低下してはならないというのを忘れちゃいけないというところです。  自治体については、本当に、最初にも私言いましたが、自治体の中で、じゃこの地方消費者行政を大事に思っているかというところでいうと、予算を削っているんですね、昔に比べると。もうその時点で、やっぱり本当意味での地方における消費者行政がいかに大事かという観点が残念ながら抜けているのかなというふうに感じています。それは自治体の努力が必要だと思うので、ここで議論するものではないと思いますが、こういったことをやっぱりなくしていくというのはとても消費者を守る観点でいうと大事なことだと思います。  次からは、地方創生についてちょっとお伺いしたいと思います。  最初に、この間、今、新型コロナウイルス感染症対応として活用されてきた地方創生臨時交付金については、四月に入ってからも自治体が有効に使っている実態があります。先日も、ある自治体では臨時交付金を活用して、感染防止策として市内の飲食店に非接触型の体温計であったりサーキュレーターとかマスクなどの購入に支援をするというニュースがありました。地方で考え、地方で対策する、これこそが地方創生であると言えます。  三度目の緊急事態宣言が出されて、総理も五千億円予算付けするとは言っていたんですが、これからも自治体から要望があれば引き続き予算を確立していただけるように大臣に要請いたします。大臣から御答弁をお願いします。
  21. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 今委員おっしゃいましたように、今般、地方創生臨時交付金特例枠として、特別枠として事業者支援分五千億を措置を創設をいたしたところでございます。一方で、これまでに引き続き協力要請推進枠を活用いたしまして飲食店に対する時短要請に係る協力金支援しますとともに、大規模施設への休業要請に係る協力金に対しましても支援を行うこととしております。  お尋ねの財源についてでありますけれども、これまで令和二年度の補正予算及び予備費を逐次措置をしてきておりますけれども、今後、必要に応じて予備費も含めて適切に対応していきたいと考えております。これらによりまして、引き続き各自治体取組をしっかりと支援してまいりたいと思っております。
  22. 岸真紀子

    岸真紀子君 大臣、ありがとうございます。  自治体は、本当に長引いているこの地域経済支えるためにも、そして感染抑制するためにという、すごく悩んでいるところなので、引き続き寄り添っていただくようにお願いいたします。ただ、この臨時交付金の使い方なんですが、これ、その自治体によってどんなことに使うかというのは全くもって違うので、余り縛りを掛けないで、引き続き対応をお願いいたします。  地方創生は本来自治体地域が自ら考えてつくり出していくことなのに、残念ながら多くは大都市から売り込みに来たコンサルタントとか国のメニューに沿うような形のものになっていて、地方創生といいながら、金太郎あめのような状態になっています。これは残念なんですね。もっと自治体で工夫したものにしていくためにはどうやっていくか考えたときに、国が精査して交付額とか対象事業を決定しない方がいいんじゃないかというふうに考えます。例えば、一括交付金のように自治体の裁量度で使えるようにすべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  23. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 第一期目の地方創生のときはコンサルに頼むという傾向も見られましたけれども、最近はそれぞれの自治体が創意工夫しながら地方創生考えているというふうに思います。  私たちの方で政策化しております地方創生人材支援制度というのがありますけれども、これに対しましては、各自治体それぞれ派遣が増えております。とりわけ、民間人材の派遣が二町村とか三町村だったのが、令和三年度は、令和二年度は七十七市町村になっております。こういった人材を含めて、やはりその地方に一番合った地方創生事業、こういったものが執り行われているというふうに思っております。
  24. 岸真紀子

    岸真紀子君 昨年十二月に出された第二期のまち・ひと・しごと創生総合戦略を見ても、DX、デジタルトランスフォーメーションとか脱炭素社会とか、あとはスーパーシティ構想などというのが例示されていて、それだと何か政策に似通ったものばかりになってしまうので、やっぱりもっともっと、時代の流れとはいえ、全国全ての市町村で似たようなことをしても意味がないので、本当意味での地方創生として更なる改善をお願い申し上げ、質問を終わります。  ありがとうございました。
  25. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 委員長、済みません、少し、訂正を一つだけさせてください。
  26. 石井浩郎

  27. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 今、民間の派遣を二年度と言いましたけれども、令和三年度、五十四市町村民間人材でございました。失礼いたしました。
  28. 岸真紀子

    岸真紀子君 終わります。
  29. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。本日も質問機会をいただきまして、ありがとうございます。  今国会では預託法の改正案が提出をされております。これにより、指定制が廃止となって全商品が規制対象となり、また、勧誘、営業についても特別の確認等を必要とする規制を採用しております。そして、確認のない契約については無効とする民事効を定めるなど、結果的に実質的な全面禁止となります。さきの安愚楽牧場やジャパンライフ事件などの被害実情に鑑みましても、今回の法改正は消費者保護に大いに資するものであり、速やかな可決、成立を求めるものです。  この預託法改正案につきましては、当委員会におきまして後日議論されることとなりますので、本日は、この改正をきっかけに更に政府に取り組んでいただきたい問題といたしまして、いわゆる原野商法の二次被害について取り上げていきたいというふうに思います。  改めて申し上げますと、原野商法とは、値上がりの見込みがほとんどないような山林や原野について、実際には建設計画等はないにもかかわらず、開発計画があるとかもうすぐ道路ができるなどとうその説明をしたり、あるいは将来確実に値上がりをするなどと問題勧誘を行ったりして販売をする商法のことを指し、一九七〇年代から八〇年代にかけて被害が多発したということで、内閣府のホームページにも御紹介をしていただいております。  そして、この原野商法の二次被害が近年増加傾向にあることが指摘されております。とりわけ、かつて原野商法被害に遭った高齢者の方が、あなたの持っている土地を買い取りますなどといった勧誘をきっかけに巧妙な手口で売却額よりも高い新たな山林、原野を購入させられるという被害が多く、かつての被害者に追い打ちを掛ける大変悪質な行為というふうに思います。  私の地元である愛知県におきましてもこの原野商法の二次被害が多発をしておりまして、愛知県やあるいは地元の弁護士会所属の弁護士の先生方にもこの問題に積極的に取り組んでいただいております。  そこで、この原野商法の二次被害実態につきまして確認をしてまいりたいというふうに思います。  まず初めに、消費者庁にお伺いをします。  消費者庁におきまして、二〇一八年以降、この原野商法の二次被害に関する相談件数の推移及び相談事例の特徴など、その事案の実態をどのように認識しているか、お答えください。
  30. 坂田進

    政府参考人(坂田進君) お答えいたします。  全国消費生活センター等が受け付けた原野商法の二次被害に関する相談件数は、二〇一八年度に約千六百件寄せられておりましたが、二〇一九年度に約五百件、二〇二〇年度には約三百五十件と減少傾向にございます。  相談事例の特徴といたしましては、かつて原野商法に巻き込まれ、価値の低い土地を長年保有し続けてきた高齢者トラブルに巻き込まれる事例が多く、その手口としては、例えば、雑木林を買い取ると勧誘され、節税対策と言われお金を支払ったが、実際は原野の購入と売却の契約だったなど、新たな土地の購入が売却とセットとなっているといった事例、山林の購入希望者がいるが、売却のために調査や整地が必要などと勧誘する事例などが見られるところでございます。
  31. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございました。  相談件数はぐっと減ってきているというようなことも印象としてあるかもしれませんが、コロナの影響等もあってのことかというふうにも思います。  ちなみに、済みませんが、被害金額がどのぐらいであるかということを、ちょっと今この時点で平均額が一件当たりどのぐらいかということがもし分かればお答えいただけるでしょうか。
  32. 坂田進

    政府参考人(坂田進君) 大変申し訳ございませんが、手持ちのデータがございません。申し訳ございません。
  33. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 改めて、続けて消費者庁に伺いたいというふうに思います。  この原野商法の二次被害につきまして、まさに現場で多くの相談を受けて対応されている消費者庁におきまして、この問題に関しての事実上あるいは法律に関わる課題についての問題意識について御確認をしたいというふうに思います。  消費者庁、お願いします。
  34. 坂田進

    政府参考人(坂田進君) 原野商法の二次被害被害回復をめぐりましては、原野等に関して特定商取引法上の訪問販売や電話勧誘販売に該当する場合、特定商取引法に基づくクーリングオフが可能であるにもかかわらず、契約書にその条件などの記載がなかったり、本契約はクーリングオフできないと記載されているなど、事業者側の悪質な勧誘等により消費者被害回復が阻害されることがございます。  また、消費生活相談に寄せられたケースでは、ほとんどの場合において最終的に事業者と連絡が付かなくなっており、被害回復に向けた交渉や訴訟が困難になっていると承知しております。
  35. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございました。  今日は警察庁の方にもお越しいただき、ありがとうございます。  続いて、警察庁にお伺いをいたします。  犯罪として捜査等を行っていただいている警察庁におきまして、この原野商法の二次被害につきましての相談件数や事案の特徴など、その実態についてどのように認識しておられるかを教えていただきたいというふうに思います。  あわせまして、この二次被害関係で、詐欺罪等で摘発した件数についても確認をさせてください。また、可能であれば捜査中の件数も含めてお願いをしたいというふうに思います。  とりわけ、私の地元の愛知やあるいは静岡県も被害が多いと承知をしております。両県における摘発や捜査等の状況なども、可能な範囲で結構でございますのでお答えをいただければと思います。
  36. 猪原誠司

    政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。  お尋ねの原野商法の二次被害につきまして、警察庁においてはその認知件数や検挙件数、捜査中の事件数を網羅的に把握しておりませんため、愛知県、静岡県の状況を含め、件数についてはお答えすることは困難でございます。  ただ、お尋ねの愛知県と静岡県における事件について申し上げますと、愛知県につきましては、土地を国が買い取るに当たり供託金が必要であるなどのうそを申し向け、被害者八名から総額約五千万円をだまし取ったとして、令和二年八月までに被疑者二名を詐欺罪で検挙したものがございます。また、静岡県につきましては、土地の売却に当たり手数料が必要であるなどのうそを申し向け、被害者八名から総額約二千二百万円をだまし取ったとしまして、令和三年四月までに被疑者五名を詐欺罪で検挙したものがございます。
  37. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございました。  でき得れませば、この原野商法の二次被害についての実態を可能な範囲で適切に把握をしていただきたいということはお願いを申し上げておきたいというふうに思います。  また、重ねて警察庁にお尋ねをしたいというふうに思います。  警察庁といたしましても、この原野商法の二次被害の関連についての捜査等に全力を挙げていただいているというふうに思います。その上で、この捜査等に当たりましてこの事案特有の困難な課題があるのか、その問題意識についてお尋ねをしたいと思います。
  38. 猪原誠司

    政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。  個別の事案によりまして捜査上の課題は様々でございますが、御指摘の点につきましては、例えば、土地を売却したいという被害者の方の気持ちに付け込み、あたかもその土地を購入する意思があるかのように装って、被害者の方を誤信させるために作成された各種の書面を提示していくなど、被疑者が巧妙な手口を用いているため被害が直ちには顕在化しないケースがあること、また、被疑者が偽名を名のったり、実体のない会社を設立し事務所を短期間のうちに移転させるなどにより、被疑者の特定が容易でないケースがあることなどを把握しております。
  39. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございました。  とりわけ、昨今で大きいところでいうと、振り込め詐欺の被害等が多発しているということが指摘をされておりまして、これも、受け子とか掛け子とか、いろんな役割分担の中で全体像の解明が難しい事案であって、これがまた暴力団の資金源になっているというような話もあるところですが、この原野商法の二次被害についてもなかなかその加害者の実態像が把握しにくい、あるいはその資金が暴力団の資金源になっているということも指摘されているところであります。  これまで、消費者庁及び警察庁にもこの原野商法の二次被害実態についてお尋ねをしてまいりました。件数自体は、取組等も成果を上げているということでありますけれども、いずれにいたしましても、相談件数もまだ三桁単位以上であるということなので、しっかりとこの取組、引き続きの強化が必要かというふうに思っております。  そこで、ここからはこの原野商法被害原野商法の二次被害防止のための方策について質問していきたいというふうに思います。  まず、現在講じられている措置につきまして改めて確認をしたいというふうに思います。警察庁及び消費者庁におきまして、この原野商法の二次被害防止あるいは解決のために現在取り組んでおられる対策、警察庁、消費者庁の順でお答えをいただければと思います。
  40. 猪原誠司

    政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。  この種事件を検挙した場合には、適切に広報を行い、被害防止に向けた注意喚起を図っております。また、消費者庁のホームページにおきましては原野商法の二次被害に関する注意喚起がなされており、その中で警察相談専用電話、シャープ九一一〇について案内がなされているなど、消費者庁とも連携をさせていただいているところでございます。
  41. 坂田進

    政府参考人(坂田進君) お答えいたします。  先生御指摘の先ほどの平均被害額の金額、ちょっと古いデータで恐縮でございますけれども、二〇一四年度は一件当たり百八十九万円、それが二〇一八年度には四百八十四万円と大幅に増加しているということでございます。  次に、対策の方でございますけれども、消費者庁におきましては、原野商法の二次被害を生じさせた事業者に関し、特定商取引法違反に該当する場合には、特定商取引法に基づきまして厳正に行政処分を行うとともに、消費者安全法に基づく注意喚起を行っているところでございます。  これらの措置の公表に併せまして、原野商法の二次被害に関する手口やクーリングオフの方法等に加えまして、困ったときの相談先を周知するチラシを公表するなど、被害の未然防止のための啓発にも取り組んでおります。また、原野商法の二次被害に遭う方に高齢者が多いことを踏まえまして、地域におけるいわゆる見守りネットワーク設置促進し、原野商法の二次被害防止を含め、高齢者等の配慮を要する消費者の見守りを強化しているところでございます。  引き続き、原野商法の二次被害防止等に向けまして関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
  42. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 様々なお取組をいただいていること、本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。  その上で、この被害を根絶をしていくというための不断の努力も不可欠かと存じます。この点、冒頭も申し上げました、後日審査されます預託法の改正案におきまして、その九条一項の勧誘の全面的禁止、十四条三項の確認のない契約の無効を定めているような民事効を定めた規制の在り方は、この原野商法の二次被害についても参考になるのではないかというふうに考えています。  加えまして、この類似の規定といたしまして、金融商品取引法の百七十一条の二項についても触れておきたいというふうに思います。すなわち、無登録業者が未公開有価証券につき売り付け等を行った場合には、対象契約は無効とするといういわゆる民事効を定め、二〇一一年の法改正によるものであります。  今日は、金融庁の方にもお忙しい中来ていただきました。同条におけるその趣旨と、同条のその趣旨と、また金融庁においてもこの原野商法二次被害防止のための取組について、併せてお伺いします。
  43. 田原泰雅

    政府参考人(田原泰雅君) お答え申し上げます。  お尋ねの金融商品取引法百七十一条の二でございますけれども、御指摘いただきましたように、投資者保護を図るために、無登録業者によります未公開株等の販売は暴利行為であるというふうに推定をいたしまして、売買契約等を原則無効とする民事効を規定したものでございます。  金商法ということでございますので、この未公開株についての販売に関して無登録業者に関する取組ということかと存じますけれども、金融庁や財務局では、そういった無登録業者に関する情報を入手した場合には、業者に対しまして照会書の発出を行うなど実態把握を努めまして、その結果、当該業者が無登録で金融商品取引業を行っている事実を把握した場合には、当該無登録業者に対しまして違法な営業行為を直ちにやめるように求める警告書を発出しております。また、一般への注意喚起のために警告書を発出した事実などを公表するとともに、消費者庁、警察当局等との関係機関との間で当該無登録業者の情報を共有するといった形で、被害の拡大防止を図るための取組を行っているところでございます。
  44. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 済みません、ありがとうございました。  そうしたような形で、要するに何が言いたいかと申しますと、今回の預託法の改正案や今御説明いただいた金商法の規定がいわゆるこの消費者被害防止のための有用な民事効の措置を定めているということを確認をさせていただいた次第であります。  これまでの議論を踏まえまして、今日は国交省の方にもお越しをいただいて、審議官にお越しいただき、ありがとうございます。  この原野商法の二次被害の問題につきまして、国交省においての防止策が検討されているのでしょうか。例えばでございますけれども、業として売買する者の登録制度を設けて、無登録業者の契約について民事効を定めることは有用と考えますが、いかがでありましょうか。あわせまして、規制の潜脱等を防ぐためにも、法人の業者を登録させるときに従業員の住所、氏名等を登録させることもまた検討される必要があるかと考えます。国交省の御所見をお答えください。
  45. 天河宏文

    政府参考人天河宏文君) 原野商法の二次被害防止に関しましては、国民生活センター連携し、国土交通省ホームページにおいて情報提供を行っているほか、業界団体を通じて一般消費者への周知や、宅地建物取引業者への研修等により注意喚起を行っているところでございます。  建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地につきましては、宅地建物取引業法において、地目、現況のいかんを問わず、宅地として規制対象となり、宅地の売買等を業として営むためには宅地建物取引業の免許が必要となります。宅地建物取引業法においては、免許申請時の業務従事者名簿の提出や営業所外で締結された契約のクーリングオフ制度など、消費者保護を図るための規定が設けられております。宅地建物取引業者の違反行為や宅地建物取引業の無免許営業に対しましては、宅地建物取引業法に基づきまして指導監督を行うこととなります。  一方で、原野商法の二次被害については、宅地に当たらない土地の取引や、土地取引に関連するサービスの提供として売却のための調査、整地工事を行わせたり、保有する土地の管理費を請求するなど、様々な形態があると承知をしております。このため、悪質な事業者から消費者を守るという観点からは関係府省庁が一体となって対応していくと、こういったことが必要であるというふうに認識しております。  以上でございます。
  46. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございました。いずれにしましても、引き続きの対応、対策をお願いをしたいというふうに思います。  最後の質問とさせていただきます。  これまでの議論を踏まえまして、この原野商法の二次被害、いまだに多くの方が被害に苦しんでおられます。消費者庁といたしましても、関係省庁と連携の上、規制の強化等も視野に入れながらも適時適切に対応していく必要性があると考えます。この被害の根絶に向けた井上大臣の御決意をお伺いしたいと存じます。
  47. 井上信治

    国務大臣井上信治君) 原野商法の二次被害防止に関しては、関係省庁との連携も非常に重要と考えております。  例えば、宅地建物取引業法に基づく免許を受けていない者が不動産の販売を訪問販売等で行った場合に特定商取引法が適用されることを明確にするなど、国土交通省とも連携して規制の明確化を行っており、実際に消費者庁では特定商取引法に基づく行政処分を厳正に行ってまいりました。  また、平成二十八年には消費者契約法の改正により重要事項の範囲が拡大され、山林の所有者が測量会社から売却可能性があると説明を受けて当該山林の測量契約をしたが、実際には市場流通性がなかったという事例で不実告知による取消しが認められるようになるなど、原野商法の二次被害の民事的救済にも資する制度的見直しをしてまいりました。  原野商法の二次被害のような事案では、最終的に事業者の所在がつかめなくなる前、すなわち勧誘や契約直後の段階でトラブルに気付くことが重要であることから、注意喚起、啓発の実施や見守りネットワーク設置促進など、未然防止に向けた取組も引き続き進めてまいります。  今後とも、関係省庁と連携し、法令違反の事業者に対しては法と証拠に基づき厳正に対応するとともに、被害の未然防止取組を進めることで被害の根絶を目指し、取組を進めてまいります。
  48. 安江伸夫

    ○安江伸夫君 ありがとうございました。  総合的、網羅的な御対応をしていただいているということの確認をさせていただきましたが、なお一層被害根絶に向けた取組を強くお願いを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  49. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。  今日は地方分権について話をしていきたいというふうに思うんですけれども、今、地方自治体かなり大変な状況だなというふうに見ています。まずコロナ禍対応があるということもそうですし、これからはデジタル化で慣れないこともやっていかなければいけないということもあります。さらに、住民の様々なニーズも多様化してきておるということで、先ほども人手不足というお話もありました。  大変な業務が増え続けておるということなんですけれども、その中で一つ地方自治体の業務の中で大きく負担となっているものとして、国が課している計画の策定というものがあると思います。この件については各委員から様々な指摘がこれまでなされてきたということは存知していますけれども、私は重要な視点だなというふうに考えておりますので、是非今日は議論させていただきたいと思います。  本年の二月二十四日に開かれた地方分権改革有識者会議・提案募集検討専門部会合同会議においては、計画の策定等に関する条項の整理についてを議題として、国が法令等で地方に対して計画の策定等を求めている現状について議論が行われたというふうに存知をしています。  この会議に政府が提出した資料によると、現状の問題意識として、国が計画の策定等を義務付けることが地方公共団体の負担になっている、計画の策定等に関する義務付け等の規定が近年増加している、計画等の策定を財政支援の要件とするケースも増加傾向にあることが挙げられています。こうした状況については、政府自身も、計画の策定の義務付け等により必要以上に自治体に負担を強いることは地方分権改革の趣旨から適当ではないとの考え方を示しているところだというふうに考えます。  そして、今後の検討の切り口として、必要性が乏しいと考えられる計画等は見直す、趣旨、目的が類似した計画等は策定段階での統合を可能にする、趣旨、目的に照らして過大な内容、手続を求められる計画等は見直すなどの方向性も示されているところであります。  そこでまず、こういった自治体に計画等の策定等を求めている現状について大臣はどのような認識をお持ちなのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
  50. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 計画の策定を義務付ける規定につきましては、平成二十一年十月の地方分権改革推進委員会による勧告を踏まえて、平成二十四年までは減少をいたしました。ただ、その後は、この勧告にもかかわらず微増傾向が続いております。どうしても、閣法も含めて、議員立法も含めて法律が次々出てまいりますので、その中に計画策定というのが書かれておりますので、それを末端の基礎自治体ではやっぱり実行せざるを得ないというような状況になっているところです。  計画の策定を努力義務とする規定や、できるとする規定については勧告の対象とはされておらず、こちらの方も勧告時点から増加をしております。  このような結果を踏まえまして、内閣府といたしましても令和二年に調査をいたしました。その結果、計画の策定が負担になっているといった地方の声を、現状を改めて把握することができたわけであります。  そこで、今回、こうしたことから、計画策定そのものを令和三年の提案募集における重点募集テーマとして、地方公共団体から提案を踏まえて、そして見直しを進めていくということとしているところであります。
  51. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 丁寧な御答弁ありがとうございます。  これ、増え続けているんですよね。一旦減ったということはそうなんですけど、この表が私の手元にありますが、平成十九年以前はこの策定に関する条項数は三百二十三と、全体でですね、であったと。それが、令和二年には五百五項目ということで、約一・五倍になっているということであります。  これ、平成二十一年に三次勧告が出されていて、この中で、この義務付けに関しては廃止をしていくと、又は、できる、努める、できる若しくは努めるに見直しをしていくということでこれ進められてきたわけでありますけれども、もう義務付けに関しても、一旦は減ったけれども今は増え続けているということですし、この努力義務、できる規定となっているものも増え続けているということであります。  この認識、重要だと思いますので、これなぜ増え続けているというふうにお考えなのか、これをお聞かせいただきたいと思います。
  52. 宮地俊明

    政府参考人(宮地俊明君) お答え申し上げます。  法令において計画の策定に関する規定を設けるか否かにつきましては、法令の目的推進しようとする施策等に照らして個別に判断されているものと認識しておりますが、過去の地方分権改革推進委員会による勧告におきまして、義務付け、枠付けについては必要最小限度とするべきとされる一方、努力義務規定やできる規定については勧告の対象とはされておらず、存置が許容されてまいりました。  計画の策定規定を設けることを検討する際に過去の勧告の方針を踏まえた判断がなされた結果、義務規定に比較して、努力義務規定やできる規定が増加しているのではないかと考えております。
  53. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 いや、これ、努力規定とできる規定については一貫して増え続けているわけですけれども、これ、義務付けに関しても増えているわけですよね。一旦減ったけど、それから増え続けているわけじゃないですか。これ、勧告の内容とは違いますよね。勧告と違った現状になっているという認識でよろしいでしょうか。
  54. 宮地俊明

    政府参考人(宮地俊明君) 計画の策定を義務付ける規定につきましては、地方分権改革推進委員会の勧告の中でも、一定のメルクマールに該当するものは存置許容とされておりまして、それに類するような新たな計画策定の義務付けも含めて増えてきているものと認識をしております。
  55. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 であるならば、この増えているものは、その一定のメルクマールとおっしゃるものに該当するものが増えているということでよろしいんでしょうか。
  56. 宮地俊明

    政府参考人(宮地俊明君) メルクマールに該当するものもあり得るということでありまして、その辺りの詳細な分析は今後しっかりとやっていく必要があるというふうに認識をいたしております。
  57. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 いや、これ、勧告ではこれは廃止するというふうになっているわけですから、これ、廃止されていなくて増え続けているわけですよね。自治体の負担は大きくなっているということで、これはもうずっと言われ続けていることです。  これ、第三次勧告が出されたのは平成二十一年ですから、もう十年間、十年以上ですね、これたっているわけで、今回、これがやっぱりもう一度仕切り直しをしなければいけないという中でこの整理がなされたというふうに存知をしているところであります。  今のようにちょっとその現状をしっかりと把握する必要があるなというふうに思っているんですけれども、この様々な要件の中で、財政支援等の要件とされている計画の策定に関する規定についてもこれ増加傾向にあるというふうに聞いております。できる規定のうちの約七割、努力義務規定のうちの約三割の規定が財政支援等の要件となっているというふうに確認をしているところであります。  では、この努力義務規定、できる規定の策定率、これはどれくらいとなっているのか。もしこの策定率が高ければ、仮にこれ、義務から努力義務、できる規定に落としたとしても、結局は作らなければいけないという、義務の中でですね、義務的なものの中で作り続けなければいけないというこの自治体の負担は変わらないというふうに考えているわけですけれども、この策定率についてはいかがでしょうか。
  58. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 委員おっしゃいますように、各計画の策定率、これは見直しの検討材料になるというふうに考えております。今後そこはしっかりと考えてまいりたいと思っております。  あれですかね、努力義務の方も御質問になったんですか、努力義務、できるの方も。そっちの策定率もですね。  それで、一律に見直しの検討材料になるというふうに考えておりますが、一方の方で、その策定率というものを調査をして把握するということは、町村などの方から、それは実質的に義務付けにつながる場合があると。自分たちのところはやっていないということで、やはりデータとして出てきますので、そういうことで、実質的にその調査そのものは、策定率を把握することは実質的な義務付けにつながるという懸念の声が町村会からも出ております。  そのような点も勘案しながら、今後の計画策定率の見直しの中で必要に応じて策定率の把握について検討してまいりたいというふうに思っているところです。
  59. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。  その策定率の把握が義務付けにつながっていくというのは、その町村の皆さんはそれは心配されるかもしれませんけれども、これはもう現状をしっかりと把握するという調査として、場合によっては匿名でも構いませんから、これを把握するということが必要なのではないかなというふうに思います。それをしなければ、やっぱり自治体の負担がどれくらいになっているのかということはよく分からないわけですから、これは是非この策定率について調査をいただきたいというふうに思います。  努力義務については、本来任意でありますから、この計画の策定は自治体の判断に委ねられるべきものだというふうに考えます。しかし、実際には、策定した計画に基づく事業経費に充てるため補助金の交付を行うことができるとの規定ぶりとなっているため、補助金や交付金を得るためには、努力義務やできる規定であっても、地方自治体としては計画の策定をせざるを得ないという状況にあると思います。  ですから、これは三次勧告で出されているように、義務付けからこれをできる規定や努力義務にするんだよといって、義務付けを減らせばいいということによってこれが解決するという問題ではないのではないかなというふうに思います。  全国知事会も、令和二年に地方分権改革の推進に向けた研究会報告書の中で、「近年は、法令で明確に義務付けてはいないものの、「努力義務」又は「任意」によって地方自治体に計画等の策定を促し、場合によっては国庫補助金などの財政的なインセンティブを絡めることにより、国が地方を誘導しようとする手法が増加傾向にあり、計画策定等の負担が重くなっていることもあることから、地方側からその見直しを求める声が高まっている。」と指摘をされています。  こうしたことを踏まえると、やはりこれ、真の地方創生地方分権改革の観点から、地方税、地方交付税を始めとする使途に条件や制限のない一般財源、これを拡充をするということが一義的には必要なんだろうというふうに思います。  しかし、この補助金制度が残っている以上、補助金等の要件としての計画の策定を求める仕組み、これは原則として廃止すべきというふうに考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  60. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 公金の適切な支出を確保するという観点から、補助金等の要件となる計画の策定を一律に廃止することについては慎重な検討が必要と考えております。  ただ一方で、地方分権改革の観点から、地方公共団体に対します義務付け等は必要最小限度とすべきであり、仮に計画の策定を要件とすることが必要である場合であっても、計画に盛り込む内容については真に必要なものに限られるべきであるというふうに考えます。  今後、地方公共団体の具体的な支障や提案を伺いながら、必要な見直しを検討したいというふうに考えております。
  61. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。  これ別の観点から見ると、計画の策定が国の法令で決められているということは、地方自治体がその計画を作るわけですよね。その、じゃ、作った計画をしっかり国がチェックをしなければいけないというふうに思うわけであります。  ただ、じゃ、それチェックをして、じゃ、実際上に出てきた補助金を例えば不正に使ったということがあったとしても、これは一義的には地方の責任においてこの使い方を決めていくということになるわけですから、これは国の関与がまさに余分なものだし、国家公務員の皆さんの余分な労力を使っているということになるのではないかなというふうに思います。  ですから、大きな視点から見ると、国の法令による自治事務への介入ということが言えるのではないかというふうに思いますけれども、こういった自治事務への介入、これは厳に慎むべきというふうに考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  62. 宮地俊明

    政府参考人(宮地俊明君) お答え申し上げます。  国が地方公共団体に対して計画の策定を義務付けるなど必要以上に地方公共団体に負担を強いることは、地方公共団体の自主性を強化し自由度を拡大するという地方分権改革の趣旨に鑑みて適当ではないというふうに考えているところでございます。
  63. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。  ということを踏まえて、それで内閣府としてはこれを提案募集方式で地方がどのような計画策定で悩んでいるのかということを提案してもらうという手法を取るということになっているわけですけれども、これなぜ提案募集方式なのかということで疑問があります。もう問題点というのは明らかですよね、明らかです。もう国の問題ですよ、これ明らかに。  ですから、この勧告にあるとおり、この義務付けを廃止していくということをしっかりと各府省と連携をしてやっていけばいいんですけれども、でも、今回、各自治体から、どういうことで困っているんですかということで、この重点募集テーマを計画の策定等にするということでありますが、これは、なぜこの重点募集テーマとして、こういったこと、こういったテーマを掲げて変えていこうという手法を取ることにしたのかということについてお伺いしたいと思います。
  64. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) ちょっと前段から申し上げますと、計画策定を含みます義務付け、枠付けの見直しにつきましては、地方分権改革推進委員会の勧告を踏まえまして、国主導で横断的にこれまで進めてまいりましたけれども、平成二十六年からは地方の発意に基づく提案募集方式というものを導入いたしました。地方公共団体から意見を広く取り上げて、そして改革を推進しようというような意図からであります。計画策定等についても、まずは地方が現場で抱えている支障を把握することが重要であると考えておりまして、提案募集方式において具体的な支障をお伺いしながら、それを解消していく手だてを検討してまいりたいというふうに考えております。  また、先ほど言いましたけれども、令和三年の提案募集では、地方の御意見も踏まえまして計画策定等を重点募集テーマに設定し、類似する制度改正等を一括して検討していくということとしているところです。  今後、地方からの提案を踏まえまして、地方分権改革有識者会議での御議論をいただきながら、計画策定等に係る見直しの検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
  65. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 なぜ提案募集にするのかというのは、ちょっといまいちよく分からないというところであります。  これ、だから、もしこのテーマでやるんだよということで募集を掛けて各自治体から上がってこなかったら、この改革は進まないということなんでしょうか。これは実際、主体的に内閣府が、もうこれは問題があるんだからこの勧告をしっかりと実行に移すんだよという意思というのはないんでしょうか。
  66. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 勧告は十分尊重していかなければいけないというふうに思っております。そして、やはり本当にどこがどう困っているかということを裾野を広く自治体の方から提案募集として募るというようなことをまず考えておりますので、ここはあくまでも勧告に沿って、それをいかに自治体の負担にならないような形にしていくかということを考えながら、この提案募集方式というのを今回もやるところであります。
  67. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。  非常に自治体はありとあらゆる業務を引き受けていて、かなり業務の量も増えています。で、人は少なくなっているということで、この計画策定はかなり大きな負担となっているということは、これはもうずっと言われ続けていることですし、勧告も出されています。だけれども、増え続けてきたと、この十年増え続けているわけですよね。ですから、負担は大きくなっているということです。これは国の勝手な都合だというふうに思います。  もし本当に必要な計画があれば、それはしっかりと義務付けるということが必要だと思いますけれども、でも、私も自治体議員をやってきましたけれども、ほとんどの計画というのが何となくこんなもんかなというふうに鉛筆なめなめで書かれたようなもので、これを作るのにどれだけの労力が掛かっているのかなということで、これは大きな負担になっているということは間違いないというふうに思います。  しっかりと改革を実現をさせていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  68. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 冒頭、坂本大臣地方創生にDXが果たす役割について伺います。
  69. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 地方創生について、DXというのは非常に重要であるというふうに思っております。  なぜ重要か。このデジタルというのがこれから地方公共団体隅々まで浸透させていかなければなりません。そのあかしとして、今、地方公共団体、一番欲しがっている人材がデジタル人材でございます。地方創生支援、人材派遣事業につきましても、このことが一番自治体からの要望が多いということでございます。  そういうことで、私たちといたしましても、地方こそ新しい生活様式の実現に向けたデジタルトランスフォーメーション、DXの最大の実践の場であるという認識の下で、医療、福祉、教育など社会全体のDXを強力に進めてまいりたいというふうに思っております。  具体的には、未来技術の実装に向けたハンズオン支援とか、それから、地方創生推進交付金、ソサエティー五・〇、これは春日井市、それから豊川市、こういったところも利用していただいているところでございます。  そういったタイプによりますデジタル専門人材の派遣を推進しながら、これから地方創生、更に進めてまいりたいというふうに思っております。
  70. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 大臣のおっしゃるように、人的な支援そして財政的な支援、そういったもの非常に重要になります。  それから、今日の答弁でも何度も大臣お触れになっていますけれども、自治体の負担、そういったところへの配慮というのも大変重要になってまいります。今、地方自治体の現場というのは、通常業務に加えて、各種の給付業務、それからワクチンの予約、接種、もう本当にたくさんの問合せでもうパンク状態なんだそうです。それから、トレーサビリティーを重視するといいながら、何日の何時に届くか分からないワクチン、それから厚労省のHER―SYSやらV―SYSやら、内閣官房のVRSですか、ワクチン接種記録システムやら、分化された余りに使い勝手の悪いシステムを使うことを強要されて、本当に現場からしたら、これ、政府によるシステムハラスメントだなんという怒りの声も聞こえてくるぐらいです。  デジタル庁設置法案で今行政DXについて議論している最中でございますので、こういった声に真摯に耳を傾けていただきたく、内閣のIT室に伺います。  VRSは、三・八億円の開発費のほかに、情報入力用のタブレット、これレンタルだというふうに聞いておりますけれども、通信料等で六十・七億、総額六十四・一億円のこれビッグプロジェクトでございます。  まず、四万台のアンドロイド端末、NTTドコモとNTTコミュニケーションズへの発注経緯、また、そのタブレットが各自治体の接種現場、特に集団接種の現場でどのように使用されているかの認識、お伺いします。
  71. 内山博之

    政府参考人(内山博之君) お答えいたします。  ワクチン接種記録システム、VRSについては、四月十二日の高齢者接種の開始に合わせて運用を開始をしておりまして、これまでのところシステムのトラブル等はなく運用されており、昨日、四月二十七日までの累計で十一万五千七百二十四回分の接種記録を入力をいただいてございます。  接種会場等において接種記録を入力するためのタブレット端末、これにつきましては、現在、既に全国ほぼ全ての自治体から三万八千台を超える要望を受けて順次配送を行っているところでございまして、追加の要望にも随時お応えをさせていただいているところでございます。  自治体に対しましては、これまでも三回の説明会やQアンドAの作成を通じたきめ細かな対応などを加えて、医師会等と連携もしまして、読み取りのコツ、タブレットの読み取りのコツを含む分かりやすい説明、操作説明の動画の配信、土日祝日も含めたヘルプデスクによる問合せを受け付けるなどきめ細かなサポートを行いつつ、このタブレットを使っていただいているところでございます。
  72. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 事実確認です。端末はVRSのホストサーバーにのみ接続ができて、ほかには流用できない、この認識で合っていますか。
  73. 内山博之

    政府参考人(内山博之君) そのとおりでございます。
  74. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 資料三を御覧ください。  この四月十八日時点で、接種が行われている自治体というのがゼロというところもあったんですね。よく見ていただくと、東京都が九百四十五、同じレベルで香川県が九百六十一、こんなに人口が違うのに何でこれ同じレベルなんだろうと。四月二十五日、最新のものも付けてみましたが、相変わらず同じレベルというかですね。  こういった自治体で、ワクチン担当大臣、あんなにもリアルタイムというのにこだわっていらっしゃったので、これリアルタイムなのかしらと思って、いろんな自治体に問い合わせてみました。  ワクチン接種会場でこれらを、その接種済み情報なんて記録できぬと、みんなワクチン接種が終わって、持ち帰ってそれから作業するので、もうタブレットなんてそんなにもらっても、会議室の隅でタブレットうずたかく積み上がっているわというような現場の実態がありました。リアルタイム、机上では、皆さんの計算上ではできても、自治体の現場はそれに伴っていないということなんですね。  仕様書をいただきました。五ページ目には、接種会場及び自治体からのアクセスは多要素認識機能を実装することとあります。今、ログインにはどんな多要素を用いているか教えてください。
  75. 内山博之

    政府参考人(内山博之君) お答えいたします。  タブレットにつきましては、端末を先ほど言いましたように限定していますとともに、IDとパスワードを発行させていただいて多要素の認証をさせていただいてございます。
  76. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 そのIDとパスワードというのは、多要素認証を用いてこの不正アクセスを防止すると言っている状態なんでしょうか。この自治体向け説明会でそのようにおっしゃっていたので、多要素だというふうに私も思っていたんですけど、IDとパスワードだけだったら、これつまり記憶による一要素認証になるわけですね。これ、セキュリティーが甘いという指摘があります。  それから、仕様書の十ページなんですけれども、接種会場での入力は、バーコードやOCRの活用などで現場関係者の負担にならないよう考慮することとあります。事実、二月の自治体向け説明会では、政府CIOポータルのQAにおいては、OCRラインだけでなくバーコードも読み込んで登録することができるとされているほか、IT総合戦略室から自治体に対して接種券にはバーコードも印字するよう依頼があったことから、自治体は印刷会社とデザイン変更とか契約変更とかして準備したそうです。  今、そのバーコード使えていますか。
  77. 内山博之

    政府参考人(内山博之君) 接種券の情報につきましては、券種、回数、市町村コード、接種券番号というものを読み取ることにしてございます。  御指摘のバーコードにつきましては、任意記載事項とされておりまして、記載されている場合におきましても、含まれている情報が自治体により異なるということでございますので、現在は十八桁のOCライン、OCラインによる単一の方法で登録する、していただくというふうにしてございます。
  78. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 簡潔に、バーコードは、じゃ今使えないという御答弁ですか。
  79. 内山博之

    政府参考人(内山博之君) お答えいたします。  バーコードも読み込みもできるので、登録には利用してございませんけれども、確認画面にバーコードについては参考情報として表示されております。ただ、登録にはOCRライン、十八桁のOCRラインで登録する、登録をさせていただくというふうにしてございます。
  80. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 では、逆にお伺いしますけれども、皆さんが出していらっしゃるQA、ナンバーHの十二、バーコードを読み取れるとしていた部分が、OCRラインの情報が読み取り可能になぜか四月十六日に更新をされていました。これはなぜですか。そして、それは自治体に通知をしていますか。
  81. 内山博之

    政府参考人(内山博之君) 先ほど申しましたように、バーコードにつきましては記載されている情報などが自治体により異なることなどもこちらでも把握をいたしましたので、基本的には十八桁によるOCRラインによる方法で登録をするというふうにしてございます。こうしたことは自治体の説明会等でも説明をさせていただいてございます。
  82. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 それでは、自治体説明会に参加しているのに、その自治体の方は聞いていなかったということなんでしょうか。多くの自治体の方々は、今バーコードが使えないということを知らないというふうにおっしゃっていました。  じゃ、ここからはお願いです。  これから印刷に入る自治体もたくさんございます。このバーコードが使えないなら使えないと、しっかりと認知をするように案内をしてほしいんです。自治体は、ただでさえ昨年の十二月から皆さんに翻弄されているわけですね。このVRSというシステムに振り回されています。混乱を招く指示によって無駄な工数や税金が使われているということを認知していただきたいというふうに思います。  さて、先ほどからおっしゃっているOCRラインですけれども、数字の十八桁で構成されている。タブレットはこの数字を読み違えることというのがしばしばあります。これ、しようがないです。ただ、タブレットを操作する方が紙に書かれているOCRラインと突合をしませんので、またこの最後の十八行目もチェック数字になっていないので、結果、チェックができない。  今、IT室とかヘルプデスクは、読み違えたまま、例えば該当者が見付かりませんというふうに端末に表示されても、そのまま無視して進んでくれというふうにオペレーションをしています。では、読み違えが起こっていた場合はどういうふうに発見するんでしょうか。
  83. 内山博之

    政府参考人(内山博之君) 接種券の汚損等によりましてOCRラインの十八桁の数字を誤って読み取った際、これには、先ほど先生御指摘のありましたように、誤った読み取り情報に該当する接種対象者がいない場合にはその旨が表示されますし、誤った接種情報に該当する接種対象者がいる場合にも、接種番号だけでなく氏名が表示される仕様というふうにしています。そういう意味では、実際の予診票と照合することで読み取り担当者が容易に確認できるという仕組みになっています。  なお、接種対象者が登録を行っていない場合には、該当する接種対象者がいない旨表示をされるということでございまして、そういう場合にも備えて、接種対象者の登録を行うように自治体にお願いをしているところでございます。
  84. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 よく分かりませんでしたし、その突合が今できない。そして、突合をしていたら時間が掛かる。この膨大な量の、多くの国民にするこのワクチン接種が、そのシステムで全部大丈夫ですよと言っていたものが大丈夫じゃない、エラーがエラーと認識されない、アラームも出ないというようなこの自治体の声を今お伝えをしています。  仕様書五ページには、適切な管理を実現し、必要な場合については警告等を行うことを可能とする機能を実装することとあります。仕様書にあります。  ちなみに、じゃ、時間は掛かるけれども、手入力で確認をして突合をしてといった場合、同じく仕様書五ページには、不正操作対策として、画面入力する場合、不正な入力を防止する機能を実装すること、詳細は別途IT総合戦略室と協議の上決定とあります。どうなりましたか。
  85. 石井浩郎

    委員長石井浩郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  86. 石井浩郎

    委員長石井浩郎君) 速記を起こしてください。
  87. 内山博之

    政府参考人(内山博之君) お答えします。  仕様書に書かれておりますのは、不正な入力が行えないようということですので、資格のある者以外の入力などの防止する機能ということでログインの機能などを設けているということでございます。
  88. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 そのIDとパスワード、まさに多要素認証ではないものでセキュリティーが甘い、その状態でこの不正入力がされていないと言い切れるということ、非常にセキュリティー上の問題あると思いますし、自治体が使う自治体メニューにおいては、マイナンバーがマスキングもされずに表示される仕様になっているというふうに聞きました。セキュリティー確保のための自治体負担が非常に重くなっているという指摘があります。  総務省のホームページを見ますと、マイナンバーは絶対に人に見られないようにしてくださいと、扱いに注意してください、絶対に見せないでくださいというふうに書かれています。  これ、仕様書に係る別紙二ですけれども、個人情報取扱特記事項の十一には、こういったものが発覚した場合は改善の指示が出せるというふうに書かれています。これ、改善の指示、調査をした上で改善の指示、出されたらいかがですか。
  89. 内山博之

    政府参考人(内山博之君) お答えいたします。  セキュリティーにつきましては、政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準に準拠して必要なセキュリティー対策を講じているものというふうに考えてございます。  また、マイナンバー法、マイナンバーの表示につきましては、これは自治体職員が利用いたします市町村の情報照会、提供の画面あるいは登録情報の補正画面において、作業の正確性を担保するためにマイナンバーを表示する仕様としてございます。  マイナンバー法では、同法九条及び別表に基づきまして、各市町村が予防接種法等による予防接種の実施等に関する事務においてマイナンバーを利用することとされておりますので、自治体職員がこれらの画面に表示されたマイナンバーを見ることは法令上問題ないと考えてございます。
  90. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 識者の中には、こういう緊急を要しているからこそ、このワクチン接種というのには無理やりシステムなんて入れないでアナログでやった方がいいんじゃないかと、十万円給付のときのこの苦い苦い教訓というのを生かせるような、我が国には法整備も人材登用もなっていないという指摘もあった中で、こういう緊急を要するワクチン接種の現場に自治体が未習熟のシステムとかタブレットとか、そういうものを入れて、次々入れて対処できるというふうに考えたのはなぜですか。
  91. 内山博之

    政府参考人(内山博之君) このシステムにつきましては、もちろん全ての自治体、あっ、予防接種法に基づきますワクチン接種の状況を逐次把握できるようにつくられたものでございまして、先ほど申し上げたように、いろいろな自治体事務負担ができるだけ発生しないような工夫をさせてきていただいたところというふうに考えています。
  92. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 拝見していますと、この目的の一貫性というのも開発の一体感も本当に欠如している。これ、幾度となく会計検査院からも指摘されてきた事項です。そして、霞が関の縦割りで好き好きに各省がシステム開発をしてきた。本当に重篤な病だと思いますし、政治家のシステム音痴も相まって、本当に機能不全を起こしているというような気がいたします。よく平井大臣、ガバメント・アズ・ア・サービスというふうによくおっしゃいますけれども、それとは程遠い状態だというふうに思います。  さきの決算委員会では、国会法第百五条に基づき、コロナ禍のシステム投資及び給付事務費の適正使用について会計検査院の検査を要請しております。  さて、その事務費についても伺いたいと思います。政務官、お待たせいたしました。  資料二枚目、予備費から予算化された低所得の子育て世帯に対する子育て世帯支援特別給付金についての事務費内の内訳をまとめたものです。  一人親世帯への支給は、これ児扶手口座に振り込むというものなので、どうしてもこんなにお金が、九十八億ものお金が掛かるとは思えないと。ちなみに、令和二年度も二回の給付がありましたけれども、これも事務費百八十三億円、百八十三億円の事務費。これ、どうしてこんなに掛かるんでしょうか。
  93. 大隈和英

    大臣政務官(大隈和英君) お答えいたします。  一人親世帯分に係る事務費につきましては、自治体、支給事務が円滑に進みますように、臨時的な職員雇い上げのための人件費、これが六十七億円。また、照会対応のためのコールセンターですね、業務委託に要する費用がございます、これが二十七億円。自治体の支給事務システムの改修に要する経費、これが〇・六億円と。また、広報関係、周知の広報関係経費が四億円ということで、合計九十八億円計上しております。  これまでの執行状況なども踏まえまして、適正な水準を設定していると考えております。自治体に対しまして必要な事務費を補助することにより、できるだけ早期に支給できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
  94. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 しかしながら、こんなに、例えば令和二年度の二回分でも、コールセンターに委託に六十億円も使って、人件費に百二十億ですか。今回でも、システム、コールセンターに二十七・二億円も使って、人件費六十七億円。  必要なのだというふうに、積み上げでその内訳を教えてほしいと言っても、なかなか明確な数字が出てこない。やっぱり人の心、人情として、こんなにお金があるなら家計の財布に送りたいというふうに思うのが人の常だと思います。  こういった今回のデジタル庁の自治体DXが進めばこういった事務費というのも圧縮されて、ちゃんと家計にお金が届けられるのか、そういったところも非常に政務官に聞きたいところですし、今回の給付のゴールというのは、子供たちの入学とか進学、この時期お金が要るから、三月にはお金が要るから、だからこの予備費から使うことを国会の承認を求めていたはずです。  そのゴールを見失っていなければ、どんな手法を使っても、例えば健康保険証の提示や、金融機関窓口、郵便局への押印によるそういった給付金の受取でも考えたはずです、早く早くと思えば考えたはずです。しかしながら、今回、デジタル改革関連法案、五月中旬以降になるかもしれないその法案の成立を待って、マイナンバーと連携してまた支給をするなんていうふうにおっしゃる。  これ、政務官、ゴール見失っていませんか。これ、早く子供たちのところに届けなきゃいけなかったお金なんじゃないんですか。
  95. 大隈和英

    大臣政務官(大隈和英君) 御指摘のとおり、一日も早く支給をしたいという思いでおります。  御存じのように、低所得の子育て世帯に対する一人親の御家庭の特別給付につきましては、これはもう既に児童扶養手当のデータといいますか、把握しておりますので、支給月の、次の五月までに支給できるというふうに考えております。また、一人親以外の低所得の子育て世帯、ここのところをできるだけ早くということを私たちも苦心しているところでございますが、自治体と意見交換をしっかりしながら、今具体的な制度設計を行っております。  今の、マイナンバーのこの、法案でですね、デジタル改革法案が成立いたしますと、特定公的給付ということを指定を受けることになりまして、それによってマイナンバーを使った給付ができる。また、直近の所得を減らされたその状況をやっぱり正確に把握したいということを考えますと、直近の課税情報というものをしっかり把握して、そこからできるだけ手挙げをせずに申請不要にして、スピードアップができるような支給というような仕組みということも考えておりまして、しっかりと進めてまいりたいと思います。
  96. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 予算化も大事ですけど、届け方ももっと大事です。御検討ください。  終わります。
  97. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門です。  コロナ感染拡大が大変な事態になっておりますけれども、三回目の緊急事態宣言ということで、その下における事業者支援協力金の問題を、地方創生臨時交付金関係がありますので、質問したいと思います。  この休業、時短への要請の協力金、それをバックアップしているのが地方創生臨時交付金であります。これ、リーマン・ショックのときにも同じようなスキームがつくられたんですが、あのときは大変評判悪くて、ちょっとミスマッチがあって、このニーズに合わなかったというのがあったわけですが、今回はあのリーマンのときとは違って、リーマンのときは輸出企業中心で、下請と雇用となりましたが、今回は地域経済全体が打撃を受けているので、大変この地方臨時創生交付金が元にある時短協力金が大変効果を上げているといいますか、喜ばれて期待をされているわけであります。  この交付金については、いろんな団体お話を伺ってきておりますけど、結局、知事さんの、知事会の要望に収れんされておりますので、それを基にお聞きしたいんですけれど、今回の緊急事態宣言の前に、一月の九日に、一まとめにした全国知事会のこの問題、時短協力金についての要望が出ておりました、地方創生臨時交付金と表裏一体で出ておりましたけれども、そのときには、協力金に使える枠、運用を拡大してほしいということ、あとは交付金の増額と継続的にやってほしいということ、そして協力金枠の地方負担分への財政措置をお願いしたいというのがありましたが、これまでのところ、その知事会の要望はどこまで実現されておりますか。
  98. 長谷川周夫

    政府参考人長谷川周夫君) お答え申し上げます。  委員御指摘の一月九日の全国知事会の要望についてでございます。  まず、協力要請推進枠の支援充実と財政措置に関する部分に関しましては、年明けに緊急事態宣言が発令されました。これによりまして、緊急事態措置の対象区域におきましては、飲食店に対する協力金を、それまで一日当たり四万円にしていたものを六万円に引き上げたといったことをしております。その後、平均一定額の範囲内で協力金の額を上げ下げできるように、そういう仕組みを導入いたしましたが、今月に入りまして規模別の協力金を導入し、現状、緊急事態措置の対象区域につきましては、飲食店等に対する休業要請、時短要請に対しましては、中小企業に対しましては売上高の四割を一日当たり四万円から十万円の範囲内で、大企業、そして希望される中小企業に対しましては売上高減少額の四割を一日最大二十万円の範囲内で協力金を支給するということにさせていただいております。  これらの協力金に対する財政措置でございますけれども、原則国費負担八割で支援することとしておりますが、残る地方負担二割につきましては、地方創生臨時交付金地方単独事業分からの充当を可能としておりますほか、この地方負担分が多額となって一定額を上回る場合には更なる追加的な支援を行うことといたしております。これらの財源につきましては、これまで、令和二年度の補正予算及び予備費を活用いたしまして、合計でこれまで約三・六兆円を措置しております。  次に、地方単独事業分に関する臨時交付金の増額等に関する御要望でございますけれども、これにつきましては、要望の後、令和二年度の三次補正予算で追加措置を一・五兆円、地方創生臨時交付金につきましては追加措置をさせていただいたわけですが、そのうちの地方単独事業分として一兆円を確保させていただきました。このうち七千四百億円は、自治体の御意向も踏まえまして、令和三年度、今年度に繰り越すこととしております。また、今般の緊急事態措置の発令を受けまして、事業者支援分として新たに五千億円を追加することといたしたところでございます。
  99. 大門実紀史

    大門実紀史君 ありがとうございました。  ほぼ、一月九日の知事会の要望は大体実現の方向になっているということだと。  資料にお配りしたのは、今回の緊急事態宣言を受けた全国知事会の四月二十四日段階の要望であります。ちょっと多岐にわたるので、一個一個もう聞きませんので、まだ実現していない要望もあると思うんですけれど、引き続き誠実に御検討をお願いしたいというふうに思います。ここに現場の要求が全部入っておりますので、お願いしたいと思います。  今御紹介あった中にもあったんですけど、次の資料に、事業支援分の創設というやつですね、五千億あります。これについてちょっと聞きたいんですが、私、ある商工会議所、京都北部の、宮津とか天橋立がある京都北部の商工会議所に伺ったときに、こういういろんな協力金は有り難いんだけど、地元の観光業の下支えとか振興とか維持とか、そういう特定のところに使えるような国の助成、支援制度、こういうものをつくっていただけないかという要望を伺ってきて、この二枚目の資料にあります五千億の取組例のところにありますけれど、これがそういうものに使える、独自の地域の、都道府県の産業支援策に使えるのかなと思いますが、そういう理解でよろしいんでしょうか。
  100. 長谷川周夫

    政府参考人長谷川周夫君) 今御指摘のございました資料にございますような飲食、観光事業者等への支援、これ、新しく創設した事業者支援分につきましては地方単独事業として創設をさせていただくことにしておりますけれども、今までの地方単独事業はコロナ対策全般でございましたけれども、一応事業者支援ということである程度ターゲットを絞りまして、その範囲内で自由度高く各自治体にお使いいただけると、こういう仕組みでさせていただきたいというふうに思っております。そういうことですので、自治体の方の御判断で観光事業者等の支援というものが必要だということであれば、これは都道府県に対して支給するんですけれども、都道府県の方で対応していただくということは可能でございます。  なお、あわせて、これは国土交通省所管の事業でございますけれども、地域観光支援事業の中で、都道府県が観光事業者に対する支援というのも一千億、今回の緊急事態宣言の発令を受けてそういった措置も併せて政府全体では講じているということでございます。
  101. 大門実紀史

    大門実紀史君 使えるということですね。ありがとうございます。  この取組例の丸ポツの一つ目にありますけれど、今回の休業要請とか時短要請の対象外でもいろんな影響を受けている地域事業者がおられると。そういう方々に対して、都道府県とか市町村によっては独自で支援をもう既にしているとか、したいんだけれど財政措置が余りはっきりしなかったんでできなかったというところ、というようなことには、この丸ポツの一つ目ですね、事業継続に困っている中小・小規模事業者への支援ということでいえば、直接対象になっていないところを独自で自治体が手当てしようというときに使えるということの理解でよろしいですか。
  102. 長谷川周夫

    政府参考人長谷川周夫君) まさに知事会からの御要望も、必ずしも時短要請をやっているところでない地域においても、飲食店を始め非常に地域経済が疲弊していると、そういったところの支援策を是非考えてほしいというような要望をかねてより頂戴しておりました。  これは、政府全体で、経産省さんの支援金でございますとかいろんな制度があるんでございますけれども、地方創生臨時交付金におきましても、これまでも、委員の今お話にありましたように、これまでの地方創生臨時交付金地方単独事業分で都道府県市町村がいろんな独自の取組をなさっておられましたが、今般の事業者支援分、これは事業者支援にターゲットを絞っているということもありますので、それはどちらかというと今まで都道府県が主体でやっておられましたので、都道府県に対して交付ということを考えておりますが、そういった地域実情に応じた事業者支援、時短要請を受けていないところも含めて広くお使いいただくということで考えております。
  103. 大門実紀史

    大門実紀史君 ありがとう。使えるということでございますね。是非周知徹底してもらって、どんどん使ってもらわないと、今苦境に陥った方々救えないんではないかと思います。  資料の三枚目なんですが、これ大型規模施設に対する協力金で、言ってみれば大規模施設、デパートですよね。デパートが休んでもらうと、休んだ場合一日二十万円、そこに入っているテナントの場合は一日二万円と。  これ、ちょっと私、いかがなものかと思うんですけど、デパートというのは売上げの規模が一日に数千万とか億単位ですよね。そういうところに二十万円というのはお見舞金にもならないと。そんなお金があるならテナントの方に、テナントの方の一日二万円を増やした方がいいと思うんですけど、それはいかがですか。
  104. 長谷川周夫

    政府参考人長谷川周夫君) この商業施設等、大規模施設等に対する協力金はこの度創設させていただくものでございますけれども、実際、昨年の春あるいは秋の緊急事態宣言、あるいはやはりその後のいろいろな状況を踏まえて、各都道府県協力金を、地方創生臨時交付金を活用したり、あるいは独自財源でなさっておられました。  そのときの支給対象には大企業は入っていないところが大半でございましたけれども、今般、大企業も含めて商業施設等を支給対象として追加させていただくということでございます。  二十万円につきましては、今、二十万円というのは、規模別協力金飲食店向けの規模別協力金が一日当たり二十万円ということでやらせていただいておりますので、それを参照して設定をさせていただいているという考え方でございます。  また、テナントに対する支援については一日当たり二万円ということになるわけですけれども、これは、先ほど申し上げた昨年の春あるいは夏頃行われた、各自治体、様々な協力金がございましたけれども、おおむね一日当たりの平均を取ってみますと二万円程度ということだったこともございますので、そういったことも参考にさせていただきながらこの額を設定させていただいているということであります。
  105. 大門実紀史

    大門実紀史君 そのテナントの一日二万円というのはちょっとどこの調査か分からないんですけど、私たち聞いたらそんな規模じゃないんですけど、大規模施設に入っているテナントの場合ですね。ちょっとこの金額については改善の余地があるかと思うんで、検討をし続けてほしいと思います。  もう一つなんですけど、私たち野党としては規模に応じた支援をということをずっと申し上げてきて、この協力金については規模に応じた方向に改善をされたということは大変評価をしておりますけれど、やっぱりこれ、階段が二つできて、間にスロープができたようなものでございまして、一つの階段のフロアでいくとやはり不公平が生まれるんですよね。この不公平が、事業者間のですね、あそこは何か本来の売上げ以上に助かっていると、うちはもう固定費にもならないというようなものは、やっぱり相変わらず不平等を生んでしまう、この階段式というのはですね。  これに改善していただいたことは評価するんですけど、それに当たって、確定申告書なり何らかの売上げを証明したものは出してもらうわけですね。そこまで、今までは、時間が掛かるから、一律にしたのは、金額にしたのは、そういう書類を出してもらうのに時間掛かるからというのが理由でした。今度は出してもらうわけですよね。そうなったら、もうドイツのように売上高の何%というふうにすれば不平等は、これちょっと財政措置はおいておいて、考え方として不平等はなくなるわけなんですよね。まさに規模に応じて小刻み、それぞれですから。  そういう点の方向にここまで改善していただいたら、現場の声はまだ続くと思うんですね、不平等感というのは。是非もう少し、もう少し考えて、あと財政措置の問題ですけれど、これは大臣に、今後のこの問題での考え方ですので、国としての考え方ですので、大臣のお考えをちょっと聞かせていただければと思います。
  106. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 協力金の額を売上高の四割としたことにつきましては、私たちもいろいろ調べてみました。それで、飲食店の支出については、材料費が三割、それから人件費が三割、そして家賃などの固定費が大体三割、そういう三対三対三というふうになりました。まあ材料費は休業すればそのままこれはチャラになります、ゼロですので。それから、人件費の方は雇用調整助成金でやってもらう。そうすると、固定費が三割でありますので、その三割をやはり四割で、三割でやはりこれを四割でカバーできるというふうに考えて、このようなスキームにしたところでございます。  これによりまして、引き続き自治体取組をそのまましっかりと支えてまいりたいというふうに思っております。
  107. 大門実紀史

    大門実紀史君 もちろん、今までよりはそういうふうに実態に応じた支援になっていると思いますが、基本的な業者間の不団結、不平等を生まないためにも引き続き検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  108. 石井浩郎

    委員長石井浩郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  109. 石井浩郎

    委員長石井浩郎君) 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。坂本内閣特命担大臣
  110. 坂本哲志

    国務大臣坂本哲志君) 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  国家戦略特区は、岩盤のように固い規制や制度を打ち砕き、我が国経済社会の構造改革を進める突破口として、待機児童の解消、先端医療の促進、農業への民間参入、新たな観光市場の開拓といった多様な分野において、これまでに百十項目以上の規制改革を実現し、これらを活用した合計三百五十を超える事業を実施に移してまいりました。  新型コロナウイルス感染症の拡大に対応した新たな生活様式への対応を図りつつ、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展を図るためには、引き続き規制・制度改革に着実に取り組んでいく必要があります。  本法律案は、国家戦略特別区域会議や地方公共団体、産業界からの提案を踏まえ、国家戦略特別区域諮問会議等において検討した結果に基づき、国家戦略特区における制度改革事項を延長、拡充するものであります。  次に、この法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、農地法の特例として、農業委員会が一定の要件を満たす法人に対し、農地の取得を許可することができる現行の特例措置の期限を二年間延長することとしております。  第二に、工場立地法及び地域経済牽引事業促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律の特例として、工場等の緑地面積の敷地面積に対する割合等について、市町村が周辺環境との調和の確保に配慮しつつ、条例で、これらの法律により定められた準則に代えて適用すべき準則を定めることができることとしております。  第三に、建築基準法の特例として、国家戦略特別区域計画の認定をもって、地区計画等の区域において条例で用途規制の緩和を行う際に必要となる国土交通大臣の承認があったものとみなすこととしております。  第四に、中心市街地の活性化に関する法律の特例として、国家戦略特別区域計画の認定をもって、中心市街地活性化基本計画の認定があったものとみなすこととしております。  以上が、法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  111. 石井浩郎

    委員長石井浩郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十七分散会