○礒崎哲史君
国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。
会派を代表し、ただいま議題となりました
令和三年度総
予算三案に反対の立場から討論を行います。
討論に先立ち、
新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方へ哀悼の意を表しますとともに、闘病中の
方々へお見舞い申し上げます。また、最前線で御
尽力いただいている医療従事者を始め、エッセンシャルワーカーの
皆様、そして
感染拡大防止のために御協力をいただいている全ての
皆様に心から敬意を表し、感謝を申し上げます。
さて、本
予算案は、長引く
コロナ禍によって
社会が疲弊する中、国家が
国民を支える姿勢を明確に示す
予算案にするべきでしたが、その内容は不十分と言わざるを得ません。また、使い方をあらかじめ明らかにしない新型
コロナ対策予備費を五兆円も組み込んでいる点は、財政規律の観点からも看過できません。さらに、
コロナ禍を乗り切るために
国民に信頼される政治が求められているにもかかわらず、現政権は、信頼を高めるどころか損ねることばかりが相次いでいます。
本
予算案の中身やこの間の菅政権のありようについては問題点を挙げれば切りがありませんが、時間も限られておりますので、具体的な提案を申し上げることで討論に代えたいと思います。
我々の一つ目の提案は、疲弊する
国民生活と
日本経済を立て直すため、家計第一の観点から、所得税還付方式による全ての
現役世代に対する十万円の一律給付と、住民税非課税世帯などの低所得者に対する二十万円の給付です。
国民の窮状を考えれば、今ここで国債の発行をためらうべきではありません。
二つ目の提案は、時短要請に応じた
事業者に対する
事業規模に応じた給付金です。
緊急事態宣言下の一律六万円の協力金は余りに不公平との批判が強いことから、我々は、これに代わるものとして、
金融機関の融資と
連携し迅速に支給できる、
新型コロナウイルス感染症まん延防止等協力給付金の支給等に関する法律案を作成し、三月五日、
参議院に提出しました。
緊急事態宣言の解除後も苦しんでいる経営者のために、是非本提案を活用いただきたいと存じます。
三つ目の提案は、営業時間の変更等が発令されていない
地域も含めて、業種を問わず、
コロナ禍の
影響を受けた全ての
事業者を対象とする
事業規模に応じた給付金です。こちらは売上高の減少の程度に応じて固定費の一部を
支援する制度で、間もなく法案を提出いたします。
四つ目の提案は、総合
支援資金の貸付枠拡大です。既に総合
支援資金の三か月延長は
対応いただいておりますが、引き続き、貸付審査の簡素化、迅速化や返済免除要件の緩和など、更なる
課題についても前向きな
取組をお願いいたします。
五つ目の提案は、緊急包括
支援交付金などの医療
機関に対する
支援について、
コロナ患者を受け入れる病院の減収補填に使えるようにするための運用改正です。多くの専門家や医療現場からは、この運用改正を行えば
コロナ患者の受入れが進み、医療逼迫は解消できると
指摘されており、
政府は現場の声にしっかりと耳を傾けるべきです。
六つ目の提案は、PCR
検査に比べて安価で早く結果が出る抗原
検査を拡充することです。PCR
検査に比べて精度は落ちますが、自宅で誰でも
検査を受けることができ、リバウンドによる第四波の危険性が
指摘される中、
感染を封じ込めるための有力な手段となる
可能性があります。
七つ目の提案は、的を絞った給付を迅速に行うためのマイナンバーと銀行口座のひも付けや、財源を生み出すための所得税累進制と
金融所得課税の強化です。
このほかにも、
国民民主党は、家賃
支援給付金の増額と要件緩和、雇用調整助成金特例措置の延長と対象重点化など、数多くの提案をしてきており、これらを盛り込んだ
予算組替え動議を衆議院で提出しましたが、残念ながら否決されてしまいました。
ここまで申し上げてきました提案について、一つでも二つでも我々の考えを採用していただけるならば、
コロナ禍を乗り切るためにも我々は協力を惜しみません。
感染対策と
経済の両立を図り、
国民の命と生活を守るため、与野党の枠を超えて力を合わせていくことをお約束をし、会派を代表しての討論といたします。(拍手)