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嘉田由紀子君 御丁寧にありがとうございます。
もちろん、感染を防止、そして安全を
確保してですけれども、やはり子供たちは愛着形成を育んでいくというのが大変大事でございますので、この
少年法の問題の根底にあるところでございます。できるだけ親子交流を直接にできるような、そういう
支援がしていただけたらと
思います。
先月の四月二日に将棋界を突然引退され、子供の連れ去り問題について精力的に周知
活動をしております橋本崇載元棋士八段、四月末に出版されました池田良子さんの「実子誘拐ビジネスの闇」、ちょっとタイトルがセンセーショナルですが、
内容を読ませていただきますと、
社会的事実として重く、データも
信頼が置ける書籍と判断をいたしました。その橋本棋士が、この本に私の遭った境遇と私と同様の実子誘拐の怒りが込められていますと帯で紹介してあります。実は、はすみとしこさんという方も「実子誘拐」という本を、それから、二、三日後だと
思いますけれども、高橋孝和さんという方が、タイトルは「共同親権が日本を救う~離婚後単独親権と実子誘拐の闇~」という本を準備しているようです。私、まだ読ませていただいておりませんが。つまり、こういう問題はやはり今増えているから、ここまで書籍も、そして
社会的に関心が高まっているんだろうと
思います。五月五日のこどもの日には、橋本棋士と、それからミツカン親子分離
事件当事者の中埜大輔さんたち、オンラインシンポが開催されました。
そういう中で、世界の先進国、日本だけが明治
民法以来のこの単独親権
制度が墨守され、残っているわけです。離婚をしてもパパとママに両方に会いたいという子供の願いを実現する共同養育、共同親権をめぐり、私
自身、二〇一九年、参議院議員にならせていただいてから二十五回ほど
質問をしてまいりました。しかし、壁は高い、そのことを最近改めて感じております。
実は、私の事務所にも、本当に多くの方が悩みを、あるいは苦しみを打ち明けてくださいます。電話だったり、ファクスだったり、メールだったり。それで、今日のこの
委員会の
質問も日本中で多くの方がオンラインで見てくれていると
思います。それほど、ある意味で隠れているけれども数は増えているという中で、二〇二一年二月十日、
上川法務大臣が
法制審議会で、離婚後の子供の養育の
在り方、諮問され、具体的には三月三十日から家族法
部会が開始されました。親子分断された方たち、本当に期待をしていると
思います、この審議会に。ただ、この「実子誘拐ビジネスの闇」という本を読んで、本当にこの審議会、期待できるんだろうかということを私
自身も少し疑問を持つようになってしまいました。
そういう中で、まず
法制審議会のメンバーですが、民事
局長、官房
審議官など行政職を担う幹部、裁判官が、議決権を持つ
委員二十四名のうち四名入っております。これも以前から
指摘しておりますように、私
自身も幾つも国の
委員にならせていただいたことありますけれども、直接行政職の幹部が議決権を持つ
委員になっている事例は見たことありません。そういう意味で、広く
国民、専門家の
意見を聞くために、公平公正に構成されているんだろうかという疑問が湧いてしまいます。
特に、この行政職、
法務省幹部の
皆さんは、裁判官から検事の身分に、行政職に転官しておられる判検交流という人事交流と伺っております。これもこれまで詳しく
質問させていただいております。これは、特に個人的にどうこうではなくて、まさにそういう組織が人事交流の中で判検交流裁判官で占められているということです。
法務省だけではなくて、霞が関のほとんどの省庁の法務系職員百五十九名が今年度配置されているということでございます。
四月二十日の参議院の
法務委員会では、
内閣法制局は、判検交流については、それ自体について定める法律の
規定というのは特にないという
答弁でございました。
上川大臣は、この
法務省行政に法務実務の経験を有する法律専門家を任用することは合理性があると四月二十日の
委員会で
答弁をくださっております。さらに、
法務省職員であって専門的知識を持っておられるその方たちの、言わば指揮系統ですけれども、
法務大臣の指揮系統ではなく、裁判官としての専門性で判断してよろしいということも
上川大臣が
答弁をなさっておられます。
こういうところで、実はこの判検交流で裁判官が法務行政職の幹部を占め、そして、単独親権という親子分断の前例に従って、父母両方が子供とのつながりを持ちたいというそのような離婚夫婦、どちらかに親権を与える基本方針は裁判官の判断次第となります。このときに、これまでも私
自身、問題提起させていただいております継続性の原則ということが、法的には明記がないんですが、慣習としてなされているようです。つまり、それまでできるだけ一緒にいた人を選ぶということで、この出口が分かると、言わば単独親権、どちらかに親権や
監護権を与えるという出口が見えてくるわけです。
それで、相手配偶者に無断で子供を連れ出し、また、しばらく身を隠したりして時間を稼ぐと。そこに、まあ連れ出した
理由いろいろあると思うんですけれども、本当のDVあるいは様々な
理由があったりすると
思いますけれども、こういうところでDVがいつも大きな
理由にされております。
DV
自身、今の日本では、警察が
加害者、
被害者双方から調書を取るという厳格な対応は少なく、訴えるだけで認められる傾向にあります。この実子誘拐の書物の中に出てくる卒田さんという仮名の方ですけど、松戸の千葉家裁松戸支部の一審で、妻が娘さんを連れ出した事案で、DVと認めるに足る証拠はないということで裁判官がDVの主張を否定しました。でも、このような例は大変少ないということも伺っております。
そういうところで、
内閣府と
法務大臣にお伺いしたいんですが、今の日本のDV防止法の実効性についてどのように御認識なさっておられるでしょうか。また、DV対策が不十分であることが面会交流の実現を阻害しているという
意見に対して、
法務大臣、どのようにお考えでしょうか。お願いいたします。