○伊藤孝江君 ありがとうございます。
今、ニーズということもありましたけれども、ニーズがあるから変える変えないではなくて、
女性の働きやすさ、社会でどんなふうに生きていくのかということの選択肢の
一つとして、
是非積極的に進めていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
では次に、テーマを変えまして、
児童相談所における一時保護に関する
司法審査の導入についてお伺いをさせていただきます。
現在、
児童相談所における一時保護の手続等の
在り方に関する
検討会が開かれておりまして、取りまとめ作業がなされているところであります。この中で、一時保護に関する
司法の関与も
検討されています。
現在、一時保護は
児童相談所の
判断で開始をされ、親権者等の意に反する二か月を超えた一時保護について
家庭裁判所の審査が導入をされています。今回、この
司法の関与を更に進めるべきではないかという
検討がなされている背景としては、不当な一時保護によって親子が長期間引き離された
事案が発生しているからだというふうに理解をしています。
ここで
誤解をしていただきたくないのは、保護をやめるという方向ということではなくて、虐待から守るために迅速に
子供を保護する必要性があると。他方、一時保護によって
子供の成長や発達に大きな影響を及ぼすおそれがあり、これも避けなければならないと。そのいずれも大事な問題であるという観点です。
そのためには、児相が最初に鑑定を依頼する医師が特定の医師に偏らないようにすることと、一時保護について中立的、独立的な第三者である
司法の
判断をしっかりと仰ぐべきであるというふうな観点から
質問させていただきます。
今回、厚労省が
中心となっている
検討会でヒアリングを受けた当事者の方がいらっしゃいます。この方の事例を少し御紹介をさせていただきますと、七か月の
子供が
母親と二人のときに、つかまり立ちから転倒して意識を失って、病院に運ばれて手術を受けました。入院中、毎日御両親は病院に通っていたんですけれども、二か月半後、退院と同時に一時保護、児相に一時保護されます。この際、一時保護に不服があれば申し立てればいいけれども、
裁判すると半年掛かって、その間、
子供の居場所は教えないし、面会も禁止と言われ、
子供に会うために、虐待は認めないで、ただ施設入所には承諾をしたという流れになります。
その後、この御両親の側から脳神経外科医が虐待を否定する
意見書を
提出していますが、方針は変わらずと。面会も制限され、週に一回一時間のみ。その後、面会が週二回になりました。その後、また児相からは、面会を増やすにはプログラムを受ける必要があると言われましたけれども、このプログラムを受けることなく、九か月後に週六回の面会になり、最後は面会制限がなくなっています。
保護から十三か月後、
検察が不起訴の
判断をして、十四か月後、
子供が家に帰っております。ただ、最後も、児相の結論としては事故か虐待か分からないと。この最初に児相が依頼をした、虐待があったと診断したと思われる鑑定医の情報は親には一切教えてもらえないという
状況です。
結局、この
事案では、最初になぜ
子供が保護されたのかという根拠が分からないと。入所の同意が
子供の面会と引換えだったこと、面会が週一回だった理由も、その後に面会が増えた理由も、最後、事故か虐待か分からないと言われながら
子供が帰された理由も、全て児相の
判断という一言で片付けられております。
また、別の
事案で、一時保護が
子供に及ぼす影響として、二歳の子が一時保護された
事案があります。これは二週間の保護です。
この子は、保育園から突然知らない人に連れていかれました。保護期間中、施設で壁に頭をぶつけたりしていた。家に帰ってきたときには顔に表情が全くなく、顔を伏せ、知らない人が来ると隠れ、夜は突然泣き叫んだり、怖いと言ったりして不安定な
状態が長く続き、二年たっても後遺症と思われる心の傷が時々現れるというふうに聞いております。幼い
子供にとって二週間という期間も決して短くはない、計り知れないほど心身を傷つけるものだというふうに理解をしております。
まず、この乳幼児が虐待をしていない親から長期間引き離される、このこと自体、
子供にとって重大な人権侵害であるというふうに考えますが、
大臣、いかがでしょうか。