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伊藤孝恵君 よくお調べいただいて、ありがとうございました。
大臣のために取り寄せておりますので、後ほどお届けしようと
思います。
私も、最先端の人間の脳と心の
発達に関して、科学的知見、勉強いたしました。同時に、新しい生活様式なるものが
子供たちにどんな影響を及ぼすのか、そういったものを確認又は想像し、であれば今我々は何をしなければいけないのか、
子供たちにじわじわと、しかし確実に起こっている変化に私
たち気付けているのか、そういったところを考えてみました。
例えばですけど、実生活の体験の中で、保育園に朝送っていきます。パパやママと離れたくなくてもうぎゃん泣きしているいとしい風景がよくある風景です。だけど、マスクをしている
保育士さんが幾らあやしても、なかなか落ち着かないというのがあります。
例えば、小
学校二年生の教室で、今年に入って転校してきた子が、まだ
先生のマスクから下の顔をよく見たことがないと言うんです。いや、でも給食のときマスク外すでしょうと聞いたら、今給食は全部前を向いてお話しせずに食べる黙々給食なので、はっきりと
先生の顔を見たことがないというふうに言うんですね。
そういうこともそうなんですけれども、
子供同士も、ぱんとぶつかったりして、あっ、ごめんと言った、この、あっ、ごめんがなかなか聞き取れなくて、謝ったとか謝っていないとか、そういういざこざからけんかに発展するケースというのも多くなっているそうです。
資料一を御覧ください。これ、人の心だけでなくチンパンジーの心も研究することで比較認知
発達科学という新しい学問を開拓された、京都大学大学院の明和政子教授にいただいた
資料です。
私の地元愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所の研究員でもいらっしゃった明和
先生は、マスクをした他者と日常生活が
子供たちにもたらすリスクとして、脳
発達の感受性期への影響を
指摘されております。
この脳
発達の感受性期というのは、
環境の影響を特に強く受けて脳が可塑的に変化する特別な時期のことで、具体的には、視覚野、聴覚野が大きく変化する乳幼児期、
子供期の
環境経験が、その
子供の脳や心の
発達、相手の感情を理解したり共感したり言語の獲得をしたりするのに直接的に影響する、よって、この時期、あらゆる他者の動く表情にたくさん触れさせる、そういう
環境保障は大切なんてものを通り越して必須だというふうにおっしゃられております。この①の
資料のかわいい赤ちゃんも、これお兄ちゃんかな、お兄ちゃんのこれ口元を多分一生懸命見ている、そういったものです。
そして、
資料二を御覧ください。
大臣も触れていただきましたけれども、今いろいろな表情とか唇の動きが見えるマスクというのが
開発されております。これ、実際に付けてみます。(
資料提示)近畿大学が物づくり東大阪の企業と産学
連携で
開発したマスクです。さっき、ここ、
世耕先生、空いていますけど大丈夫ですかというふうにお伺いしたら、これ高性能カメラで飛沫を分析しているので、何ですか、マウスシールドよりはいいというような、安心できるのかできないか分からないようなコメントいただきましたけれども。
アメリカの自動車大手フォードもこの写真のようなマスクを
開発しております。現在、この特許出願中ということで、これ取り寄せられなかったんですけれども。
大臣もおっしゃったこのフランスのマスク、これ大使館が取り寄せてくれないというので、自分で企業に問い合わせてみました。これ、かわいい、この白いのり、フランスの国旗が付いているだけで随分おしゃれな感じがいたしますけれども、これですね、こんな感じです。この口元が見えるんですね、見えると
思います。ちょっと鼻の高さが違いますけれども、おっしゃるように不織布がここに付いているので、九〇%以上の呼気をカットできるそうです。当初、聴覚障害の方
たちが唇を読めるように
開発したものなんだそうですが、
政府が採用して後、
学校の
先生とか生徒とかのみならず、例えばうるさい、騒音下の建設
現場とか軍隊とか消防士とか、フランス全土にこれ広がっているそうです。そして、現在はアメリカやカナダにも輸出されているということでした。
大臣にお願いなんですけれども、まずは厚労省とか内閣府とか、そういったその関係する省庁とともに、例えば
専門家会議に諮問するなどして、この
子供たちの保育の場、
学びの場におけるこの無表情、マスクの影響というのについて検証していただくこと、そして、必要であればこういった表情の分かるマスク等を配布していただくというのを
検討いただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。