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高橋克法君 今日、
委員の皆様のお手元に一枚紙の
資料を
理事会の御許可をいただいて配付させていただきました。
これ、
平成十二年に
高根沢という町、
高橋克法というのが町長やっていた町ですが、
平成十二年に
土づくりセンターと、これ
農水省の御指導いただいてつくったんですよ。
環境省からも御指導いただいたんだけど。ここにあるように、
消費者、そして
土づくり、まあ
土づくりセンターを核として
農業者と
消費者というのをいかに結び付けていくかということでありました。
なぜ
消費者かというのは、生
ごみの
分別回収に協力していただく。
農業者、
土づくりセンターで
堆肥を作って、それを大地に返して、
農業者が
農産物を作って、それを実は町の中の、七千ヘクタールの人口三万人のちっちゃな町ですから完結型なんだけれども、それを売る。食べるのは、まず
学校給食に入れて、そして
直売施設をつくって、
直売施設、約
年間五億弱売れるようになりましたが、これだと
JAさんが協力いただかなならないんだけれども、
JAさん入ってこないんで、この
直売所は
JAさんに
お願いをして手数料二〇%払って。だから、五億近い売上げだから、
年間一億円近い
お金が
JAさんには入ったんです。ただ、
JAさん、それでも何か足りなかったみたいなんだけれども、それはそれで勘弁いただいて。
実は、
仕組みをうまく回すというのは、
お金の力もあるんだけれども、違うんですね。志の力なんですね。生
ごみの
分別、どこまで町民の
皆さんが、非
農家の
皆さんが協力してくれるか。でも、この
仕組みをつくっていって、
自分のところの
子供や孫が
学校給食でそういうものを食べる。うちへ帰ってきて、今日は
生産者のどこどこのお兄さんが来て
説明してくれたよみたいな話を親にする。親は、それどこで買えるんだって話になる。それで、
直売所をつくったら、
直売所へ行って買ってくれる。親御さんたちは、
自分が大変だけれども、
分別したことが
自分に回り回って返ってくる、
自分の利益にもなる。顔の見えるあそこのおじさんが作った、大切に作った、
減農薬で、
堆肥でですよ。そういったうまい
循環の中でこれが動き出して何とか形になったんですね。非常にこれ細かく書いてあります。こういう細かな設計しないと、なかなかうまくいかない。
しかも、七千ヘクタール、三万人の町だからできたのかもしれないんだけど、そういう
クラスターたくさんつくっていって国全体の底上げをしていくということも、つまり大
規模流通とか大手とかという発想ではなく、そんなのも必要なのかもしれません。
これやって一番びっくりしたのは、
農家の武器は
農地です、
生産手段。しかし、今の
農家は
自分の
生産手段を知らな過ぎる、どういう土か分からない。
高根沢町でも、これ始めるまでは
年間の
土壌診断五件
程度、これ始めたら
年間五百件以上になったんです。
自分の土がどういうものかというのが原点ですからね。これは
農業者の意識も変えたんですよ。
最後の
質問になります、もう時間がないので。
実は、これやっていったときにこうだったんですね。この
土づくりセンター、小学校四年生全部、
社会科の見学で見てもらっていたんだけど、ある
子供が僕にこう言いました。町長さん、世の中に無駄なものって何にもないんですねと、
仕組みをつくればみんな大切な有用なものなんですねと。
この
考えというのは、例えば
障害者の
方々とか
高齢者の
方々と、全部に通ずるんですよ。
仕組みをつくればということなんですよ。これ、国づくり、町づくりにつながるということだし、生
ごみにお父さんがたばこを入れたら、お父さん、そこ入れないで、私たちが食べる
学校給食、たばこ臭くなっちゃうから。スイスの
子供たちは、国産の高い卵と外国産の安い卵があったら国産の高い卵を買っているという話を聞いたことがあります。それはこのスイスを守るためだという。そんな
子供たちをつくっていかなきゃならない。それが
食育だと思う。
身土不二という仏教用語、四里四方で食を取れ、お客さんが来たら、馬で四里四方を駆け回って、ごちそうを食べなさい。そして、
日本にはごちそうという言葉があるでしょう。馬で走るなりと書くんですよ。そういった文化に根差してこの施策を進めていってもらいたいと思います。
以上です。